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8.伝統産業は「匠の技×IT×英語」で世界に羽ばたく

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「日本から世界ブランドを創りあげるには?」9回シリーズ(その8)は、引き続き会場からの質問に登壇者が答えます。海外へ展開するブランドを作るとき、働く仲間に求めるスキルとは?是非ご覧ください。

▶ICCパートナーズではコンテンツ編集チームメンバー(インターン)の募集をすることになりました。もし興味がございましたら採用ページをご覧ください。

ICCサミットは「ともに学び、ともに産業を創る。」ための場です。毎回200名以上が登壇し、総勢800名以上が参加する。そして参加者同士が朝から晩まで真剣に議論し、学び合うエクストリーム・カンファレンスです。次回 ICCサミット KYOTO 2018は2018年9月3日〜6日 京都市での開催を予定しております。参加登録は公式ページをご覧ください。

ICCカンファレンス FUKUOKA 2018のダイヤモンド・スポンサーとして、Motivation Cloud (Link and Motivation Inc.) 様に本セッションをサポート頂きました。

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【登壇者情報】
2018年2月20日・21日・22日開催
ICCサミット FUKUOKA 2018
Session 6E
日本から世界ブランドを創り上げるには?
Supported by Motivation Cloud(Link and Motivation Inc.)

(スピーカー)
朝霧 重治
株式会社協同商事/コエドブルワリー
代表取締役 兼 CEO

岩佐 大輝
株式会社GRA
代表取締役CEO

矢島 里佳
株式会社和える
代表取締役

山田 敏夫
ライフスタイルアクセント株式会社
代表取締役 / ファクトリエ 代表

(モデレーター)
各務 亮
株式会社 電通
プロデューサー

「日本から世界ブランドを創りあげるには?」の配信済み記事一覧

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最初の記事
1.日本から世界ブランドを目指す「コエドビール」「ミガキイチゴ」の挑戦

1つ前の記事
7.どうすれば海外でスケールし、世界ブランドを創ることができるのか?

本編

質問者2 (ITや語学スキルをもった人材の重要性や後継者について質問をしました)

▶編集注:「ITや語学スキルをもった人材の重要性」についての質問をされていましたが、質問者2の活動紹介の説明が非常に長く、演説になっているためカットしました。

各務 いかがでしょうか。ITと英語、面白かったのは後継者についてです。

皆さんはある意味で創業者であったり、ファミリービジネスのオーナーです。

その同じパッションをどう次世代の人や周りのチームに共有していくか、テクノロジーや言語の問題をどのように扱っていくかについてお考えのことがあればぜひお聞かせください。

朝霧 言葉に関しては、コミュニケーションが直接取れないのは正直なところかなり難しい状況になってしまうので、少なくとも英語は必須です。

私たちは海外のビジネスパートナーを見つけるときに、現地にいる日本の方ではなくメインストリームのその国で、一番人口が多いコミュニティ出身の方とやることを大原則としています。

そのため現地語ができるとベターだと思いますが、ダイレクトのコミュニケーションが取れないと話になりません。

技術として数値として説明するわけではないので、やはりたくさんのコミュニケーションが必要となり、やはり少なくとも英語は必須です。

ツールとしてITはもちろん目的ではありませんが、使わない理由は全くありません。

株式会社協同商事/コエドブルワリー 代表取締役 兼 CEO 朝霧 重治氏

このような小さな組織が世に発信できるようになったのは、少なくともITがでてきたことによって大きくやりやすくなったには違いありません。

工場見学を始めますといっても、昔だったら伝えるすべもなかったので、少なくともインターネットで情報が世界中につながったことは大きな財産ですし、現場でもIoTがどんどん入ってきています。

生活の中でスマートフォンが入って便利になっているものが、産業に入ってこない理由は全くないので。

そこについては分かる人材はどんどん必要となります。

弊社はファミリービジネスですが、ファミリービジネスは世界的にどんどん評価されています。

アメリカ人でさえも今まではエグジットが大目的だったと思いますが、少なくともこういった、性能を謳い文句にしないような情緒的な産業においては、むしろ「ファミリーオウンド」を冠言葉でつけることで信頼してください、という使い方がされてきています。

私の最大の関心は、この会社をファミリービジネスにしっかりとしていくことです。

まさに後継者といえば次の世代であったり、それが必ずしも統治の問題としてファミリーである必要はないと思いますが、とても大きな関心を持って取り組んでいきたいと思っています。

伝統産業にこそITスキルは必要

岩佐 私はもともと24歳のときにITベンチャーを起業しました。

もともとITのバックグラウンドがあったので、ICT(Information and Communication Technology 情報通信技術)と匠の技を掛け合わせるということが普通にできました。

その意味ではこういった、農業が伝統産業だとすれば、そういったものに対してもICTなどのスキルを持った方がたくさんいたらいいと思います。

またそういった方々こそ我々の業界というか、守旧派が多いところにイノベーションをもたらす人材になると思います。

英語については、やはり共通言語を持つことはとても大切だと思っています。

私はペラペラではないですが、ある程度コミュニケーションはできます。

海外に行くと、アジアの場合は特にCEOが直接乗り込んでいって、先ほどの情念を伝えるプロセスが非常に大切ですから、そのコミュニケーションがなければ、海外でブランド展開できなかったと思います。

株式会社GRA 代表取締役CEO 岩佐 大輝氏

一方で日本でそれができなかったかというと、日本のブランドを作っていく上では、英語はいらないと思います。

語学だけでは足りない部分もある

岩佐 英語はもちろんやったほうがいいと思いますが、本当に現地のコンシューマーまで浸透させたいと思ったら、やはり英語では難しい部分もあります。

トップ・トゥ・トップで思いを伝え合うレベルまではOKですが、文化情念みたいなものをコンシューマーに伝えるとなると、現地で何かもう一つ工夫が必要になると思い、苦労している部分です。

矢島 弊社は専門職の業務担当以外は、採用基準はTOEICでいうと800点以上の言語能力としているので、全員英語ができます。

やはりお招きするということを創業時からイメージしていたので、日本語と英語は必須なのです。世界中の多くの方々に伝わる言語が英語なので、日本語と英語が和えるにとっては共通言語として必要です。

外国のお客さんはふらっといらっしゃいますし、メールや電話も来ますので、私たちは伝える職人ですので、言語ができないから伝えられませんでしたでは困るのです。

ITで職人と顧客が繋がる

矢島 ITの部分では、20世紀まではお金を持っている資本家の優位性が高い時代だったと思います。

でも21世紀はアイディア、行動力、思いがある人が、場合によっては優位性が高まる時代だと思っています。

だからこそ最初、和えるも「和えるくん」のお家を東京に作ることは、いきなりはできなかったわけですが、「和えるくん」のお家をまずウェブ上に作りそこから始まりました。

Facebookやインスタグラムなども活用しています。特にインスタグラムは、お客様が#aeruでお家で使っている様子をアップしてくださいます。それを職人さんが見られます。

今までは、自分が作ったものがその後お家でどうやって使っているか見ることができませんでした。

今では、お客様がこんなふうに使っているよということを職人さんに発信してくださる、そのような発信もITのお陰です。

それを見た全国の職人さんが喜んで「こんなふうに使ってくれているんだ。また頑張って作ろう」というようなお手紙のようになっています。

ITの恩恵を非常に受けている企業だと思います。

(続)

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続きは 9.ブランドを創るために見失ってはいけないこととは?【終】をご覧ください。

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編集チーム:小林 雅/榎戸 貴史/戸田 秀成/浅郷 浩子/本田 隼輝

【編集部コメント】

伝統産業に関わらず、ITも語学も求められるスキルかと思っていましたが、職人さんのモチベーションにまで繋がっているとは思いませんでした。それも含め、スペック以上に大切なのは、結局情熱、熱量なのだと感じます。(浅郷)

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