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シンクランドは、痛みのない“貼る注射針”で次世代医療に挑戦する(ICC KYOTO 2018)【文字起こし版】

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ICCサミット KYOTO 2018 カタパルト・グランプリに登壇し、4位入賞に輝いたシンクランド 宮地 邦男さんの【シンクランドは、痛みのない“貼る注射針”で次世代医療に挑戦する】プレゼンテーションの文字起こし記事をぜひご覧ください。

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ICCサミットは「ともに学び、ともに産業を創る。」ための場です。毎回200名以上が登壇し、総勢800名以上が参加する。そして参加者同士が朝から晩まで真剣に議論し、学び合うエクストリーム・カンファレンスです。次回 ICCサミット FUKUOKA 2019は2019年2月18日〜21日 福岡市での開催を予定しております。参加登録は公式ページをご覧ください。

ICCサミット KYOTO 2018のプラチナ・スポンサーとして、AGSコンサルティング様に本セッションをスポンサー頂きました。


【登壇者情報】
2018年9月4日〜6日開催
ICCサミット KYOTO 2018
Session 6A
CATAPULT GRAND PRIX (カタパルト・グランプリ)- 強者が勢揃い –
Sponsored by AGSコンサルティング

(プレゼンター)
宮地 邦男
シンクランド株式会社
代表取締役

1964年石川県にて約4000gで誕生。1986年に金沢大学理学部化学科放射化学講座卒。広島原爆の爆裂点からの距離と残留放射能の測定及び爆裂時のエネルギーを算定する研究を行う。同年住友セメント(現住友大阪セメント)株式会社に入社し、カラーセラミックスの射出成型による高級時計枠の開発・製造に従事。その後1988年住友製薬株式会社に出向(人工骨拡販のため)し、マーケティング及び営業活動を経験。1992年株式会社応用光電研究室(住友大阪セメント株式会100%子会社)に出向し、主に光通信デバイス拡販に寄与。当時年商40億円まで到達。2001年株式会社アルネアラボラトリの創業メンバーとして参画。2004年同社取締役就任、2005年同社代表取締役専務に就任する。主に光通信関係の計測機器等の製造、販売を実施。2014年シンクランド株式会社を創業し同年同社代表取締役社長に就任し、現在に至る。

「ICC KYOTO 2018 カタパルト・グランプリ」の配信済み記事一覧


宮地 邦男氏(以下、宮地) シンクランドの宮地です。

今日は「次世代型医療DDS(Drug Delivery System)の挑戦」についてお話しさせていただきます。

突然ですが皆さん、大事なご家族はご健在でしょうか?

実は、私は3年前に、2人家族を亡くしました。

1人は癌、1人はパーキンソン病です。

また兄もそうですが、私の周りには糖尿病の方も何人かいます。

我々は、これらの疾患に対する挑戦を行っております。

次世代DDS技術で医療分野のイノベーションを

次に、我々の事業の背景をご説明いたします。

日本政府の医療予算は42兆円と言われていますが、高齢化社会と医療費高騰によって、終末医療において様々な問題が生じています。

こうした問題解決にあたって、私たちは、薬は作れませんが、医療機材を作ることができます。

例えば薬が飲めない人にとって、経口薬は意味がありませんよね。

そして手足が震えていたら、注射はできません。

その場合、経皮投薬型がこれからのトレンドになると、私は思っています。

この「点から面へ」というキーワードは、後からまた出てくるので覚えておいてください。

マイクロニードルを用いて経皮投薬剤を作り出す

そこで我々は、各種薬剤と次世代型DDS「ホロー(中空)マイクロニードル」(※)を組み合わせ、新しく経皮投薬剤として提供していきたいと考えています。

▶編集注:マイクロニードルとは、皮膚の浅い層に穿刺することができる非常に小さな注射針。

こちらは最新のマイクロニードルの写真です。

昨年のICCサミットでお話した時は、100μmを超えた針が出来たと発表させていただきましたが、今既に400μmを超えてきております。

つまり医療用として十分使用できる状態です。

“第二のホクナリンテープ”を目指す

実は、既存の薬剤を経皮投薬型(テープ剤)にして成功した例があります。

皆さん、喘息治療薬のホクナリンという薬を使ったことはありませんか?

我々はこれをテープ剤にして上市した会社と協働しており、次世代薬を一気に抜く売上げを達成しました。

やはり何かあったらすぐに外せますし、すぐに投薬できますからね。

そしてこれからは「第二のホクナリンテープ」を、我々のDDSで実現しようとしています。

独自レーザー技術によるマイクロニードルの作製

次に、我々のマイクロニードルの作製方法についてご説明します。

我々はこれを、光渦(ひかりうず)レーザーで作っています。

実際にどのようにして作製するか、見て頂きたいと思います。

▶以下の動画にてニードルの形成過程をご覧いただけます。

光っているのは、パルスレーザーです。

中央に白い構造物ができていますよね。これが針です。

この作り方ができるのは、恐らく世界で我々だけです。

従来のマイクロニードルは、その大体が「金型」で作られていました。

金型で作るタイプは、離型することを考慮した場合、どうしても裾野が広くなってしまいます(画像左側)。

すると当然ピッチ間隔は広くなり、単位面積当たりの針の本数は少なくなりますし、マイクロニードルは40年程前から開発が進んできましたが、未だに穴が開いたタイプが商用化されておりません。

その点でも我々は非常に大きなアドバンテージを持っています。

すなわち、「無痛針」「生体適合の材料」「中空針」の3つを全て実現できているのは我々だけなのです。

注射も「点で刺す」から「面で押す」時代へ

そしてこれをどのように使うかというと、次のようにアレイ化(配列化)し、丸く絵抜きするような形で針形成を行います。

そしてキャップ構造体も含めて、全てポリ乳酸という、生体適用性が良い材料で作っています。

従来のマイクロニードルでは、このようなキャップ構造体は作製されておりませんので、当社の製品が世界初となります。

従来のマイクロニードルと比較するとどうでしょうか?

例えば従来のインスリン注射器の場合、ペンの先端に針を付けネジを切っていくと、内針でゴム栓を突き抜けます。

そこからインスリンが出てきます。

それが我々の場合、次のようになります。

ニープルプレート(画像中央下)に、マイクロニードルのアレイを作ります。

そして、注射針を次のように置き換えることができます。

まさに「点で刺す」から「面で押す」へ、これが我々のポリシーです。

「面で押す」システムを様々な薬剤に広げていく

我々はいろんな薬剤に、このシステムを投入していきたいと思っています。

そのために、我々は3社と協力関係を作っています。

今すぐにお名前は出せませんが、素材や、先ほどのキャップ構造体を作っている企業です。

また日本CMO協会(医薬品製造受託機関)のメンバー企業には、製薬企業とつないでいただきます。

このようなスキームでやっております。

我々のプロジェクトのスケジュールですが、薬物選定から試作品作製、安定性試験、前臨床、ここまでいくと特許出願をして、製薬企業に使用権を提供していきます。

そして抗がん剤、糖尿病、鎮痛薬向けに出していきます。

また我々は、日中平和条約40周年の記念イベントや、ILS(イノベーションリーダーズサミット)でも講演をさせていただいています。

そしてこれからは、上海・ドイツのような海外出展も計画しています。

ぜひ我々のリアルビジネスにご期待ください。

以上です。ご清聴ありがとうございました。

(終)

実際のプレゼンテーション動画もぜひご覧ください。

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編集チーム:小林 雅/本田 隼輝/尾形 佳靖/戸田 秀成/KYOU MARKETING

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