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「最近『面白い』と思っていることを雑談!」10回シリーズ(その8)は、文化や宗教の違いが生み出す、私たち人間の「意識」の違いについて。マレーシアの現地スタッフとの大事な会議、プロジェクトの進捗を詰めた丸さんに返ってきた予想外の答えとは? ぜひご覧ください!
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ICCサミットは「ともに学び、ともに産業を創る。」ための場です。毎回200名以上が登壇し、総勢900名以上が参加する。そして参加者同士が朝から晩まで真剣に議論し、学び合うエクストリーム・カンファレンスです。次回ICCサミット FUKUOKA 2020は、2020年2月17日〜20日 福岡市での開催を予定しております。
本ッションは、ICCサミット FUKUOKA 2019 ゴールド・スポンサーのリンクトイン・ジャパン様にサポート頂きました。
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【登壇者情報】
2019年2月19〜21日開催
ICCサミット FUKUOKA 2019
Session 11A
最近「面白い」と思っていることを雑談!(シーズン2)
Supported by リンクトイン・ジャパン
(スピーカー)
井上 浄
株式会社リバネス
代表取締役副社長 CTO
千葉 功太郎
Drone Fund
創業者/代表パートナー
丸 幸弘
株式会社リバネス
代表取締役 グループCEO
村上 臣
リンクトイン・ジャパン株式会社
日本代表
(モデレーター)
西脇 資哲
日本マイクロソフト株式会社
コーポレート戦略統括本部 業務執行役員 エバンジェリスト
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最初の記事
1.「LinkedIn」の正しい読み方とは? リンクト? リンクド? リンクトゥ?
1つ前の記事
7. 人はなぜ、人を“数字抜き”で見ることができないのか?
本編
西脇 丸さん、「ヒト」のところをもう少し詳しく聞きたいのですが、どういうことでしょうか?
▶編集注:Part7では、フリップボードに「カズ」と「ヒト」と書いた丸さんが、誰もが数字にとらわれすぎてしまっている、と警鐘(?)を鳴らしました。
「会議よりお祈りが優先の国」に見る“人間”の面白さ
丸 僕は最近「東南アジア」に時間を使っています。
月に1回、10日間ぐらい行っているのですが、「人」が面白いのです。
僕の会社はマレーシアにグループ会社があるので、ムスリムの社員が6〜7人います。
真面目な会議では僕も怒ったりするのですが、「どうなっているんだ!このプロジェクトは!」と言うと、すっと立ち上がって「すみません、お祈りに行ってきます」と言うのです。
僕は「いや、怒っていたんだけど。まぁ、僕ここで待っているから……」となります。
西脇 宗教上そういう対応になりますよね。
丸 そうなんですよ。この経験で、色々な意味で「人」って面白いなと思いました。
僕は目の前に彼がいるという感覚で向き合っているけれど、多分彼は僕の話ではなくて、もう祈りの時間になっているから、人としてお祈りに行かなければいけないわけです。
村上 プライオリティがお祈りにあるわけですよね。
丸 そう。色々な文化を持つ人と混じわることによって、自分が考えている「人」というものが、全然違う意識を持っているというか、生き方をしているということに気づきました。
だから先ほどのオリィ(OriHime)で登壇みたいな話しにしても、「人」が存在することの意義というのもやはり「人」が感じるものです。
▶編集注:「オリィ」は研究所名または吉藤健太朗さんのニックネームで、正しくは「OriHime」です。
「お祈りも会議室ですればいいのでは?」と思うわけですが、「行くことに意味がある」と言われてしまいます。
だから人が物質的に移動することの意味は、まさに「人とは何か?」という問いになっているのかなと思います。
千葉 会議中にお祈りに行った彼は、丸さんに怒られる時だけオリィと入れ替わればいいのではないですか?
丸さんが柔軟になりましょうよ。オリィに激怒すればいいじゃないですか。
井上 怒りも和らぐ感じがしますよね。
丸 多分もっと怒りが沸くよね(笑)。
でも怒る時もそうですが、感情を伝えたい時はオリィに向かって伝えるのではなく、やはり直接会って伝えたくなりませんか?
村上 それはなぜなんだろう? ということですよね。
丸 そう、そう。
千葉 その考え方が、色々だめなのだと思います。
丸 そうなのかな。僕の考え方は古いのかな?
そのムスリムの社員は、会議があっても上司に怒られていても、祈りの場に行かなくてはいけない、ずっとそうしてきたと言うのです。
村上 そういうリアルなプレゼンスを重んじるような習慣は、人を縛っているというか、行動を決めている要素として非常に大きいですよね。
丸 だから最近僕は「宗教とは何だろう」と思います。
合理的に考えたり、論理的に考えると間違っているのだけれども、彼らの中ではそれが正解なんですよね。
村上 それが彼らにとって合理的なんですね。
日本人の正月も、アメリカ人から見れば非合理的?
日本マイクロソフト株式会社 業務執行役員 エバンジェリスト 西脇 資哲さん
西脇 アメリカ人から見ると、私たち日本人の「初詣」もそうです。
私は外資系の企業に勤めていますが、アメリカは1月1日は休むけれども2日から仕事をします。
アメリカ人がよく言うのは「日本人はすごい。ものすごく熱心だ。だって1日、2日、3日と休んで、毎日神社やお寺やに行くんだろ」ということです。
「しかもお金も出すんだろう。そんなに日本人は宗教に熱心だったっけ? アメリカ人の週1のミサよりすごいじゃないか」と言われるんですよ。
言われてみると、確かにそうだなと思いました。
丸 でも週1でミサに行っているんですよね。
西脇 そうですね。我々も“三が日”の一番混雑している中、わざわざお金を持っていくわけですよね。
そう考えるとすごいなと思います。
丸 だから会場の皆さんも、時間を使って「人とはいったい何なのか」を考えてください。
これはやはり、考えなければいけない時期に来ていると思っていて……
村上 時期に来ている? だいぶ前から言ってますよね(笑)。
丸 いやまさに今。まさに平成も終わるんですよ!
平成が終わるからこそ「人とは何か」を考えましょう。
井上 ちょうど別のセッションでも出たのですが「ようやく人というものを分解して、データを蓄積できるようになってきた」という話をしました。
▶6. 個人データの蓄積が拓く新学問「ヒューマノーム」は、人間の未来を予測する(ICC FUKUOKA 2019)
今まさに、人とは何かを考える時期なのは確かです。
丸 いや違うんです。それも数に縛られているんですよ。
(壇上笑)
西脇 蓄積された数に縛られているということですよね。
丸 だからこれは面白いでしょう?
人を理解しようとするとどうしても「数」の方向に行くので、僕は「違うんだよ」と相反することを今考えているのです。
僕のことを「数」で見ないでください!
西脇 結局のところ「人」がいれば、成績や年齢などの「数」を得られます。
その数に色々なものがあるから、言い方は悪いけれど「優劣」や「勝ち負け」、「長い短い」などが判断できます。
でもその「数」が無くなったとします。
そうしたら、何を基準に人を見ることになるのでしょうか?
丸 「心」ですよ。
西脇 そう、そこですよね。
丸 「心」なんです。僕のことを「数」で見ないでください。
西脇 (笑)
丸 これは本当に重要なことで、「心で見る」というつながりを、もっと大事にすべきだと思います。
井上 そうすると「心」を測定するものが出てきますよ(笑)。
丸 だからほら、そうやってすぐ数値化する!
(一同爆笑)
千葉 数値化しましょう。
村上 「バウリンガル」みたいにね。
丸 僕はラングレスを手伝っていますが、イヌパシーは数値化していないですよ。
飼い犬の感情を、色で微妙に見せているんです。
「INUPATHY : Dogs’ mental visualizer」(「Inupathy」YouTubeチャンネルより)
▶ラングレスは、心拍情報のリアルタイム解析で“言葉がなくても通じ合える世界”を実現する(ICC FUKUOKA 2019)【文字起こし版】
千葉 でも、裏では数値化されているんでしょう?
丸 うーん、そうなんですけれど、ワンちゃんとは「心」で通じているわけですよね。
「数」でワンちゃんのことを見ますか?
村上 見ていないですね。
丸 西脇さんもネコちゃんを「数」で見ていないでしょう?
西脇 確かに見ていないですね。
丸 見ていないでしょう? 「ではなぜ、人は人を数字抜きで見ないのか?」と思うわけです。
村上 数字抜きで見る時もあると思いますよ。
丸 本当に?
村上 「丸さん、かわいいなあ」とか。
丸 それは僕たちは……
(丸さんと村上さん、腕を絡ませ合う)
千葉 何なの、これは(笑)。
丸 こうは言いましたが、僕の周りには「数で見ていない人」がたくさんいるので、幸せだなといつも思っています。
自分が「数」を考えないで、その人と一緒にいられる、そういうことが面白いなと思うんです。
そんなことを考えるのは、僕だけですか。
千葉 分かります。
西脇 ではそんな千葉さんが「一番時間を使っていること」は何でしょうか?
(続)
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続きは 9. 世の中は「やりたくないけど、できること」に打ち込むあなたを応援している をご覧ください。
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編集チーム:小林 雅/小林 弘美/浅郷 浩子/尾形 佳靖/戸田 秀成
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