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ICCサミット KYOTO 2020 スタートアップ・カタパルトに登壇いただき、5位に入賞した、フィルダクト 金子 奏絵さんのプレゼンテーション動画【「DPEARL」は、テクノロジーで「リーズナブルかつ期間短縮」の歯科矯正を実現する】の文字起こし版をお届けします。ぜひご覧ください!
ICCサミットは「ともに学び、ともに産業を創る。」ための場です。毎回200名以上が登壇し、総勢900名以上が参加する。そして参加者同士が朝から晩まで真剣に議論し、学び合うエクストリーム・カンファレンスです。 次回ICCサミット FUKUOKA 2021は、2021年2月15日〜2月18日 福岡市での開催を予定しております。参加登録は公式ページをご覧ください。
本セッションは、ICCサミット KYOTO 2020 ダイヤモンド・スポンサーのノバセル にサポート頂きました。
▶【ICC史上初!!】間接費削減クラウド「Leaner」と専門医シェア「Medii」がスタートアップ・カタパルト同率優勝!/ライブ中継映像あり(ICC KYOTO 2020)
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【登壇者情報】
2020年9月1〜3日開催
ICCサミット KYOTO 2020
Session 1A
STARTUP CATAPULT
スタートアップの登竜門
Supported by ノバセル
金子 奏絵
株式会社フィルダクト
代表取締役
2017年東京医科歯科大学歯学部口腔保健学科卒業。国家資格歯科技工士免許取得。2019年同大学大学院医歯学総合研究科医療政策学修士課程卒業。研究分野は地域歯科保健医療・デジタルデンティストリー。大学院在学中に株式会社フィルダクトを創業。歯科業界の歪みを是正し、ポテンシャルを底上げしたいと思い、第一歩として現在の歯科矯正サービスを構想。2019年3月卒業と共に、事業本格化。検証を重ね、今年度より相場の約1/3の価格から利用できる、3Dプリンターを活用した透明マウスピース型の歯科矯正D2Cサービス「DPEARL」をリリース。長年旧態依然な歯科業界に風穴を通し、潜在的なニーズを掘り起こしながら、予防ヘルスケアとしての歯科のインフラを築いていける企業を目指しています。
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国民の約58%が、歯列矯正が必要なのに未治療
金子 奏絵さん こんにちは。オーラルテック企業、フィルダクトの金子です。
早速ですが皆さん、ご自身の歯並びが気になったことはありますか?
「歯並びが気になるけれど直せていない」といった声をよく聞きます。
歯列矯正に踏み出せていない最大の理由は、費用、期間、見た目だと言われています。
一般的な矯正費用の相場は80~100万円。矯正期間は2~3年と、始めるにあたり大きなハードルがあります。
このような背景があり、ある意識調査では、歯並びが良くないと思っている人が全体の64%、そのうち未治療の方が9割を占めていることが分かりました。
つまり、推定人口の約58%が歯並びの改善が必要にもかかわらず、できていないということが分かっています。
歯並びが健康に与える影響とは?
歯並びが悪いと何がいけないのでしょうか。
実は数十年以上前から、歯並びと全身疾患の相関について研究が行われています。
歯並びは審美的なコンプレックスの要因になるだけでなく、全身疾患の引き金になるリスクもはらんでいるのです。
東京医科歯科大学出身で歯科技工士の免許を持つ私は、大学院時代にこう考えました。
「アメリカよりも10年遅れていると言われる日本の医療業界において、どうすれば予防治療のきっかけを作ることができるのだろうか?
そしてもっと本質的な課題として、歯科業界で生じている歪みを是正できないだろうか」と。
私は古い歯科業界を変えたいと思いました。
3Dテクノロジーを用いた透明マウスピース型の歯科矯正
そこで、2020年にリリースしたのがDPEARL(ディパール)です。
DPEARLは、3Dテクノロジーを用いた透明マウスピース型の歯科矯正サービスです。
まず、マウスピース矯正についてご説明します。
適用症例は限られますが、ワイヤー矯正とは異なり透明で目立たず取り外しができるため、近年人気の矯正手法です。
従来の矯正と異なる3つの特徴とは?
我々のサービスは、リーズナブル、期間短縮、独自のサポートサービスという3つの特徴があります。
①中間業務を効率化してリーズナブルに
そもそも、なぜ価格が高かったかと言うと、従来のフローを分解すると、旧態依然で非効率な部分がたくさん存在していました。
そこで私たちは、3DプリンターやCAD等のテクノロジーを用いたり、独自ツールを開発したりすることにより中間業務の効率化に努めました。
それにより、価格を従来の2分の1に落とすことができました。
②治療期間が短い
ユーザーメリットは価格だけではありません。
歯科医や製造ラインが治療期間を延ばすインセンティブを徹底的に排除し、期間の短縮にも成功しました。
③LINEを活用した装着サポートサービス
さらに、前提として矯正のためのマウスピースは自由に取り外すことができる一方で、1日18~20時間の装着が必要です。
その管理が患者に委ねられており、多くの治療で遅延や離脱を招いていました。
これは矯正学会でも問題視されています。
そこで、DPEARLではLINEを活用した歯科矯正サポートサービスを独自開発し、2020年にローンチしました。8月31日に、ベータ版をプライベートローンチしました。
ここで、DPEARLという新しい矯正体験をご覧ください。
DPEARLは、「歯科矯正をもっと、身近なものに」を叶えるサービスです。
歯科医療者とユーザーの双方にやさしいD2Cモデル
続いてビジネスモデルについてご紹介します。
ユーザーから直接お金をお預かりし、歯科医と歯科技工士に適正分配するD2Cモデルです。
これにより、重篤症例を除き、ユーザーは約25~45万円で利用することができます。
さらにDPEARLはユーザーだけではなく、歯科医と歯科技工士にもメリットがあります。
実は歯科医と、製造を担う歯科技工士も課題を抱えているのです。
歯科医の数は増えており、集患コストは年々高騰しています。
また、歯科医の下請けで働く歯科技工士は買い叩かれている状況で、低賃金と長時間労働により離職率は7割を超えています。
そこでDPEARLは、クリニックに対して広告費ゼロで集患を行い、歯科技工士に適正価格で製造依頼することで、双方のペインを解決します。
つまりDPEARLは、業界の課題を解決する「四方よし」のサービスなのです。
「DPEARL」は2019年11月に先行リリースし、すぐに100名以上の申し込みがありました。そこから新型コロナウイルス感染症の影響も乗り越えて売上も成長しています。
コロナ禍の下、新体制でサービスを伸ばす
なぜ売上が伸びているかと言うと、コロナの影響を踏まえ、新体制を構築したからです。
私たちは、緊急事態宣言の翌日に「DPEARL Home Dental」というオンラインコンサルティングサービスをリリースしました。
これは、歯並び写真をスマホで撮影・提出するだけで、約2日後に理想の歯並びについて歯科医からアドバイスがもらえるサービスです。
このサービスを開始して1ヶ月で、登録者が1,000名を超えました。
ここには今まで集めることのできなかったデータが蓄積されているため、今後はこれを活用し、独自の診断補助アルゴリズムを構築します。
また、新たなオフライン施策として、歯を3Dスキャンできるポップアップスタジオを表参道にオープンしました。毎週日曜開催で、予約枠は毎回ほぼ満員です(現在は終了)。
日本の歯科を海外、ヘルスケア産業の主体へ
私たちは歯科矯正の潜在市場から開拓していき、2023年にはNo.1を目指し、周辺領域、グローバルへと広げていきます。
海外では、ここ数年でオーラルスタートアップが誕生しており、市場としても伸びています。
私たちは歯科矯正事業をエンジンに、供給サイドの効率化を図りながら、海外へ向け、日本の歯科をヘルスケア産業の主体へと底上げしていきます。
こちらが、それを実現するメンバーです。U26が中心で、コロナ情勢下におけるトラクション基盤を構築しました。
フィルダクトは、テクノロジーでオーラルヘルス業界を加速します。
ありがとうございました。
(終)
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編集チーム:小林 雅/浅郷 浩子/フローゼ祥子/戸田 秀成/大塚 幸
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