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ICC KYOTO 2022 ソーシャルグッド・カタパルト – 社会課題の解決への挑戦 -に登壇いただいた、LOOOF 丸谷 篤史さんのプレゼンテーション動画【全国に拡大! 古民家宿「るうふ」から、地域文化を継承する産業を創る「LOOOF」】の文字起こし版をお届けします。ぜひご覧ください!
ICCサミットは「ともに学び、ともに産業を創る。」ための場です。そして参加者同士が朝から晩まで真剣に議論し、学び合うエクストリーム・カンファレンスです。 次回ICCサミット FUKUOKA 2023は、2023年2月13日〜2月16日 福岡市での開催を予定しております。参加登録は公式ページのアップデートをお待ちください。
本セッションのオフィシャルサポーターはICCパートナーズです。
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【登壇者情報】
2022年9月5〜8日開催
ICC KYOTO 2022
Session 11A
ソーシャルグッド・カタパルト – 社会課題の解決への挑戦 –
Sponsored by ICCパートナーズ
丸谷 篤史
株式会社LOOOF
取締役副社長
1986年生まれ、広島県生まれ。高橋がなりが立ち上げた国立ファーム有限会社にて、店舗マネージャー、社長室、物流センターなどを経験したのち、全国に135拠点(※2021年当時)の発達障害の支援施設をFCで展開するハッピーテラス株式会社で取締役を務め、自身がプロデュースしたブランドを3年で数十店舗と急成長させた実績を持つ。2012年 芦川ぷらす(現 るうふ)の立ち上げより参画。LOOOFでは事業企画、マーケティング戦略を担当。現在、COOとして古民家のチェーン展開、新規事業開発、ブランド構築など 経営戦略を担当する。
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丸谷 篤史さん 初めまして、LOOOFの丸谷と申します。
私たちLOOOFは、1日1組限定の古民家の宿を運営しています。
正直、この2年半、本当に大変な思いと悔しい思いをしてきました。
ソーシャルグッドに取り組まれている皆さんも、きっと同じような思いだったのではないかと思います。
でも、私たちが行っている活動が、必ず社会にとって良い循環を生み出す、そう信じて続けてきました。
今日は、LOOOFが続けてきた、未来に地域の文化を残していく活動を紹介させていただきます。
私たちLOOOFはこのような過疎地域で、活動をしています。
地域に残る古民家を見つけ、地元の方とのフィールドワークとヒアリングを通して、企画から設計、施工、運営まで一括して行っています。
ホテルの運営だけではなく、企画から設計、施工まで全てを行うことで、地域に残る魅力を最大限活かし、そして技術の継承を行っています。
このようにしてできた、1日1組限定の古民家は、その地域ならではの体験と食事を通して、どこか懐かしい、でも新しい地域体験を提供しています。
現在、山梨県に7店舗、千葉県に3店舗の展開をしています。
バックパッカーとして世界中を旅したのが原体験
では、なぜ私はこの活動をしているのか。
世界中をバックパッカーとして旅をしたのが、原体験でした。
その土地に根付く生活文化が人の個性のベースになる、そう痛感した日々でした。
一方で、ネパール人の友達にこう言われました、「日本の街には顔がない」と。
ドキッとしました。
正直、それには答えられないと思いました。
世界を旅をしている場合ではないと思いました。
そこで、日本中を旅しました。
そうすると、過疎地域に答えがあることが分かったのです。
存続の危機にある伝統構法の日本建築
それは、伝統構法によって建てられた日本建築が残っていることです。
伝統構法によって建てられた日本建築は、様々な職人の技が詰まった、地域文化の集合体です。
でもそんな伝統構法は、存続の危機にあります。
現在、6,242万世帯のうち、残っているのはたった3.18%。
しかも、それらを作る木工職人の数は、この30年間で半分以下に減っており、その木工職人のうち、18~34歳の就労率はたった6.8%で、若手の担い手がいないという現状です。
このままでは、地域文化は失われてしまう、この素晴らしい文化をなんとか残していきたい、地域文化を産業化したい、そんな思いで仕組み化をしていっています。
改修した古民家で、その地域ならではの体験を提供
それでできたのが、1日1組限定の古民家宿「るうふ」です。
このような、築70~120年の古民家を改修し、それぞれの地域の体験を提供します。
例えば103年続く日本酒蔵とコラボした宿や、山梨ワインで有名な勝沼エリアでは愛犬とワインが楽しめる宿、そして薬草と花の文化がある千葉県房総市では、薬草サウナの宿を運営しています。
フランチャイズ展開で小規模高収益を実現
私たちは、過疎地域だからこそできる小規模高収益モデルを採っています。
そしてそれをフランチャイズという形で、地域に展開しています。
こうすることで、より多くの人たちに、地域に投資をしていただきます。
2年前、1つの地域に2店舗でしたが、2年間で17の地域に10店舗にまでなりました。
3年後には、52の地域に42店舗という状態にしたいと考えています。
でも、このスピードでは、まだまだ足りないのです。
群馬県前橋市と官民連携プロジェクト進行中
例えば、群馬県前橋市とは、官民連携プロジェクトも進んでいます。
今まで税金で保全していたものを、地元企業の皆様と提携し、一気にホテルにしていくことも行っています。
そして、単年でたくさんの古民家宿を作ることで伝統構法のクリエイティブファームを作り、技術継承も行っています。
このように、地域の負の遺産となっているものを事業化することで、これからホテルだけではなく、小売事業や伝統工業なども地域の産業化に取り入れていきたいと思っています。
そして私たちが活動している地域は、雇用不足や教育不足、障がい者の自立問題など、たくさんの課題を抱えています。
まさに、課題先進地域なのです。
私たちは、地域文化を産業化するだけではなく、地域課題を解決する企業でありたいと思っています。
地域課題に向けた3つの取り組み
今、3つの取り組みを行っています。
1つは、地域の交流人口、関係人口を増やす、地域留学の取り組みです。
月額定額制のホテルを作ることで、地域で活動できる人たちを増やしていく活動です。
2つ目が、加盟店から営業権を買い取り、スタッフが独立できるモデルです。
生まれた環境や学歴に関係なく、誰もが独立できるモデルを今、構築しています。
そして3つ目が、障がい者の自立支援です。
実は私は前職で、大人の発達障害専門の就労移行支援を作っており、現在、それは全国に70店舗あります。
その時にも感じた、障がい者が本当になかなか自立できないという課題を解決したいと思っています。
仕組みはこうです。
地域の様々な企業と組み、企業でインターンとして訓練をして頂きます。
適性があった職種で実戦訓練を行い、全ての業務が完璧にできるようになれば、一般雇用と同条件で雇用をする。
これはシンガポールにある事業のモデルで、日本にも導入したいと思っています。
日本の半分以上が過疎地域という現状を解決したい
文化を伝え、繋ぐ事業と、過疎地域問題を解決することが、私たちのソーシャルグッドだと考えています。
そして皆さんに伝えたいです。
実に、日本の半分以上が過疎地域なのです。
ですから、お話しした内容は、いつか来る未来の話ではなく、今まさに私たちが抱えている問題なのです。
この素晴らしい地域文化を子供たちの世代、孫の世代に伝えていきたい。
でも、LOOOFの力だけではまだ全然足りないので、皆様の力を借りたいと思います。
皆様のお手元に封筒を用意していますので、是非、開けてみてください。
審査員の皆様と、地域で一緒に課題を解決するため、それぞれの事業内容に合わせた提案をさせて頂いています。
まずはるうふに無料で宿泊頂き、もしこの仕組みを面白いと思って頂ければ、皆様と今日ここから、地域で良い循環を生み出していく取り組みを一緒に行っていきたいと思います。
どうぞよろしくお願いいたします。
ご清聴ありがとうございました。
(終)
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編集チーム:小林 雅/星野 由香里/浅郷 浩子/戸田 秀成/大塚 幸