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2. SDGsの次にWell-beingが来るこれだけの理由

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ICC FUKUOKA 2023のセッション「Well-being産業の今後(シーズン2)」、全5回の②は、ChatGPTネタで場が温まったところで、Well-being for Planet Earthの石川 善樹さんがプレゼンを開始、Well-beingの最新コンセンサスを解説します。あと数年で国民の8割が認知するといわれる「Well-being」について知識を先取りしませんか?ぜひご覧ください!

ICCサミットは「ともに学び、ともに産業を創る。」ための場です。そして参加者同士が朝から晩まで真剣に議論し、学び合うエクストリーム・カンファレンスです。次回ICCサミット KYOTO 2023は、2023年9月4日〜 9月7日 京都市での開催を予定しております。参加登録は公式ページをご覧ください

本セッションのオフィシャルサポーターは 住友生命保険です。


【登壇者情報】
2023年2月13〜16日開催
ICC FUKUOKA 2023
Session 8F 
Well-being産業の今後(シーズン2)
Sponsored by 住友生命保険

(スピーカー)

石川 善樹
公益財団法人Well-being for Planet Earth
代表理事

井上 浄
株式会社リバネス
代表取締役社長CKO

小林 正忠
楽天グループ株式会社
Co-Founder and Chief Well-being Officer

(モデレーター)

藤本 宏樹
住友生命保険相互会社
上席執行役員兼新規ビジネス企画部長 / SUMISEI INNOVATION FUND事業共創責任者

▶「Well-being産業の今後(シーズン2)」の配信済み記事一覧


ずっと気になっていたことをChatGPTに聞いてみた

藤本 お約束ですが、ChatGPTに聞いてみました。

「Well-being産業とは何か?」ということですが…。

井上 何て言うんだろう。

藤本 意外と普通でして……「Well-being産業は、Well-beingという言葉を基本として、健康や快適さ、幸福感などの人間の生活に関連する様々なサービスや製品を提供する産業のことです。この産業は、健康や美容、リラックス、心身ともに良い状態を目指す人々の需要に対応して拡大しています」

意外と普通というか、まあそうですよねという感じです。

さすがChatGPTという答えでした。

そして僕がずっと気になっていることがあったので、いくつか追加の質問をしてみました。

「Well-being関係者にはなぜ、善、正、忠、浄などの清さや美しさ、正しさなどを表す名前のつく人が多いのですか?」

井上 (笑)。

藤本 ちゃんと答えてくれました。

井上 何ですか、これ(笑)。

藤本 答えは、「このような名前が多いのは、この分野において信頼性や真摯な姿勢が高く要求されるためです」

井上 本当(笑)?

藤本 「このような名前は、倫理的で正直な人間性を示しており、クライアントに対して純粋なアプローチを示すことが期待されます」

「また、Well-beingは健康や幸福な生活に関連する産業であり、クリーンで良質なサービスを提供することが期待されていますので、清さや美しさ、正しさを表す名前が適していると考えられています」

正忠 これが、ChatGPTも嘘をつくと最近言われている所以ですね(笑)。

世界で話題のChatGPTに残る懸念、嘘をつくAIは使えるのか(日経ビジネス)

藤本 典型的な嘘ですね。

さらに1問「善なる樹とは何か?」

藤本 ついでに、調子に乗ってもう一つ聞いてみました、「善なる樹とは何か?」

これは、結構良い答えが聞けるのではないかと思ったのですが、こうなりました。

「『良いことを生み出す樹』の意味で用いられます」

「樹は周囲の環境を改善し、空気を清浄化するなど、人々に良い影響を与えることから、善いものを生み出すことが期待されているということを表しています」

「また、樹は季節を通じて葉を落とし、新しい芽を生み出すことから、生命力や再生力を示すものとしても理解されています」

「『善なる樹』という言葉は、これらの象徴的な意味から、人々に良い影響を与えることを望む、または良いことを生み出すことを期待するものとして用いられます」

ということで、まさに石川 善樹さんのことを表した言葉ですね。

そこで早速、善樹さんから、人々に良い影響を与えるようなプレゼンテーションをして頂きたいと思います。

井上 生命力を感じるようなプレゼンテーションを!

石川 あ、はい(笑)。

井上 善樹さん、このChatGPTの答えを見て、どう思いましたか(笑)?

石川 いや本当に、この答えの通りの人間にならないといけないですね。

正忠 絶対思ってないでしょ(笑)。

井上 重たいわ(笑)。

石川 「真善美」と言いますが、僕は、真と美からは離れた人だと思うので(笑)。

井上 善で行くぞ、と(笑)。

石川 善で行こうかなと思います(笑)。

藤本 では、善で行くプレゼンテーション、お願いします。

石川 最初に情報提供をします。

今日は、この3つについてお話しします。

どれも、僕の主観というよりも、Well-beingについてこういうコンセンサスができつつあるということです。

今日重要なのは「WX」、つまり「Well-being Transformation」というキーワードです。

これが今、色々な産業界において起こりつつあります。

多分2023年は、WX元年になると思います。

DXやSX(Sustainability Transformation)と並んで、重要なメガ潮流になるのではないかという話をします。

Well-beingと経済の好循環を目指すという国際潮流

石川 立ち位置としては、SDGsは「環境」と「経済」の好循環ですが、Well-beingはグローバルでは、「Well-being」と「経済」の好循環を目指すというのが国際潮流です。

環境と経済となると、主語はどうしても地球になってしまうので、人やコミュニティという要素が入ってこないのです。

一方で、環境はカーボンニュートラルに代表されるように、マイナスを減らしていくという発想が強いですが、もっとプラスにするという発想が、Well-beingと経済の好循環です。

後ほど述べますが、これはサステナビリティ業界からも注目されています。

では、この国際潮流を誰が引っ張っているのかと言うと、各国の女性リーダーです。

不思議なのですが、女性がリーダーになると、Well-beingと経済の好循環が中心のテーマになります。

この中で私が直接お会いしたことがあるのは、スライド左上、アイスランドのカトリーン首相だけです。

彼女はまだ40代で若いですが、3人のお子さんがいらっしゃり、すごく活躍されている方です。

皆さんご存知か分かりませんが、アイスランドという国は、リーマンショックで大きな打撃を受けました。

アイスランド危機(iFinance)

そこから何とか立ち直ってきて、ここからさらに国として発展していくという時であり、その重責を担っているのがこのカトリーン首相です。

国の目指すべき方向性が「Well-beingと経済」であるという状況は、アイスランドのみならず、色々な国で起きています。

では、日本はどうでしょうか。

日本では、栃木県選出の参議院議員、上野 通子さんが女性リーダーとなっています。

実は、政府においては、Well-being Transformationは起きています。

2021年のことですね。

日本政府は毎年6月に骨太方針や成長戦略を作り、1年間それを実行することになっています。

2021年、骨太方針に明確にWell-beingという文言が刻まれました。

基本的に各省庁は縦割りで、専門性を深める構造ですが、そこにWell-beingという横串が入ったのです。

政府の各種基本計画について、Well-beingに関するKPI設定をせよ、となったのです。

ウェルビーイング(PPPまちづくり用語集)

基本計画というのは、会社で言えば中期経営計画、長期経営計画のようなものです。

ですから、全ての省庁が、中計、長計の中にWell-beingに関するKPIを入れなければならなくなったということです。

その大きな立役者となったのが、上野 通子さんをはじめとする国会議員の方々です。

あと約3年で国民の8割がWell-beingを認知

石川 日本で今、実際にどれくらい広がっているのかですが、この図は、全ての新聞において、Well-beingというトピックがどれだけ登場したのかを示しています。

2019年は100回にも満たない、63回でした。

全ての新聞記事で、年間通してたった63回だったのが、2022年には95回にまで増えています。

ぐっと立ち上がっており、これはSDGsの立ち上がりに近いです。

SDGsというトピックは去年(2022年)、年間で37,000回、新聞に登場しました。

新聞記事に37,000回も出れば、国民の8割がSDGsを認知できている状況になります。

SDGsは2015年から始まっているので、Well-beingは、SDGsよりも立ち上がりが少し早いくらいです。

このペースで行けば、あと3年くらいで国民の8割がWell-beingを認知するようになる、というステージに来ています。

なんとNHKも今年から、『シリーズ ウェルビーイング』という、Well-beingの特集番組を放送しています。

慎重で報道までに時間のかかるNHKが取り上げ始めたということですから、そのトピックはいよいよ本格的になっていくということです。

NHKでは今年、色々な番組で、Well-beingの特集企画が組まれることになるのではないかと思います。

既に2回、番組が放送されました。

北陸地方では幸福度が高いのですが、なぜそうなのかを取り上げたのが第1回、第2回では「“幸せ革命”が企業を変える」ということで、富士通や京セラといった日本の老舗大企業における改革の事例が取り上げられました。

大企業、中小企業、自治体のWell-beingの取り組み

石川 Well-beingが広まるには企業が取り組むことが重要なのですが、企業価値とWell-beingのつながりが今、面白いことになっています。

最近、社長が退任されましたが、トヨタは2020年に会社のミッションを変更しました。

そのミッションは、「幸せを量産する」こと、つまりWell-beingの量産です。

▶参考:TOYOTA NEWS #102|すべては「幸せの量産」のために トヨタ中間決算 質疑応答 #1|トヨタイムズ (toyotatimes.jp)

当時、記者会見で豊田 章男さんは、「かつてトヨタは、はた織り機の会社から車を生産する会社になった。当時すごく反対があったが、やり切った。それと同じくらいの変革をこれからやっていく」といった話をしました。

車を量産する会社から、車を通してWell-beingを量産していく会社になるのだということでした。

これへの反響は大きく、日本経済新聞社を中心に色々な企業が集って「日本版Well-being Initiative」を創設しました。

日本版Well-being Initiative始動(PR TIMES) 

中小企業においても同様の動きが起きており、例えば商工中金という政府系の地銀では、「幸せデザインサーベイ」という、従業員のWell-being度を測定するシステムを提供しています。

地銀は、地元の中小企業と非常に長い付き合いをしていくことになります。

よって、中長期的な経営状況を把握する必要がありますが、財務諸表だけだと限界があるのです。

どれだけ売上利益が右肩上がりだったとしても、そこで働いている従業員のWell-being度が年々悪化していれば、中長期的なリスクがあることになりますよね。

ですから商工中金は、会社の中長期的な経営状況を判断するために、重要な非財務情報として従業員のWell-beingの情報を使うということです。

つまり、それは会社の格付け、融資の際の手数料や金利に反映されてきます。

このように、中小企業でも動きが起こっています。

自治体で言えば、福岡市が全国で先駆けて、企業に対してWell-beingの登録制度を開始しました。

福岡市Well-being&SDGs登録制度について(福岡市)

登録されると、市からお金を借りたり、市の公共案件に入札したりする際に優遇され、また、地元の地銀である西日本シティ銀行とも連携していて、融資手数料が引き下げられます。

(続)

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編集チーム:小林 雅/浅郷 浩子/戸田 秀成/小林 弘美

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