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病児保育や産後ケアを通して、子育てに関わる社会と人をつなぐ「グッドバトン」(ICC FUKUOKA 2024)

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前回のソーシャルグッド・カタパルト優勝者として登壇した、グッドバトン 園田 正樹さんのプレゼンテーション動画【病児保育や産後ケアを通して、子育てに関わる社会と人をつなぐ「グッドバトン」(ICC FUKUOKA 2024)】の文字起こし版をお届けします。ぜひご覧ください!

ICCサミットは「ともに学び、ともに産業を創る。」ための場です。そして参加者同士が朝から晩まで真剣に学び合い、交流します。次回ICCサミット KYOTO 2024は、2024年9月2日〜9月5日 京都市での開催を予定しております。参加登録は公式ページをご覧ください。

本セッションのオフィシャルサポーターはICCパートナーズです。

【速報】元こども兵の社会復帰支援「テラ・ルネッサンス」と、思いやりをつなぐ遺贈寄付「日本承継寄付協会」がソーシャルグッド・カタパルト同率優勝!(ICC FUKUOKA 2024)


【登壇者情報】
2024年2月19〜22日開催
ICC FUKUOKA 2024
Session 11A
ソーシャルグッド・カタパルト – 社会課題の解決への挑戦 –
Sponsored by ICCパートナーズ

園田 正樹 
グッドバトン 
代表取締役

医師15年目の産婦人科医(東京大学産婦人科学教室)。安心して産み育てられる社会を目指し、2017年に株式会社グッドバトン(旧:Connected Industries株式会社)を創業。 2020年4月に病児保育予約サービス「あずかるこちゃん」をリリース。国の成育医療等協議会委員や健やか親子21幹事などを歴任。


園田 正樹さん こんにちは、グッドバトンの園田です。

昨年(2023年)、ソーシャルグッド・カタパルトで優勝することができました。

地域の子育て支援の専門家と家族をつなげる「グッドバトン」(ICC KYOTO 2023)
【速報】病児保育室の24時間スマホ予約により、子育てを社会全体で支援する「グッドバトン」がソーシャルグッド・カタパルト優勝!(ICC KYOTO 2023)

動画に残っているように、壇上で大泣きしてしまいましたが、わたしの人生にとって、本当に大切な瞬間でした。

改めて、本当にありがとうございました。

その後、マサさん(※ICC代表・小林 雅)も審査員をされている、「ACC TOKYO CREATIVITY AWARDS 2023」のクリエイティブイノベーション部門において総務大臣賞グランプリを頂きました。

病児保育ネット予約サービス あずかるこちゃんが「ACC TOKYO CREATIVITY AWARDS 2023」クリエイティブイノベーション部門で総務大臣賞/グランプリ受賞(グッドバトン)

また、2つ目の事業である、「あずかるこちゃん産後ケア」も、約1,300万円のご支援を頂くことができ、非常に感謝しています。

ありがとうございました。

産後ケアへつなぐためのサービスをつくりたい!あずかるこちゃんの挑戦(READYFOR)

産婦人科医で1児の父

改めて、自己紹介をさせてください。

子どもとお産が大好きで産婦人科医となった私は、現在、1歳半の娘の子育てをする当事者として、子育て支援サービスを作っています。

働くお母さんの悩みとは

医師として私が感じていた課題は、「孤育て」「産後うつ」「虐待」です。

では、自分に何ができるのか。

お母さんたちに話を聞くと、「子どもの風邪のような軽い病気によって仕事に穴をあけてしまい、結果、仕事を辞めてしまった」――そのような方々に出会いました。

確かに、調査結果を見ても、働くお母さんが最も困ることは、子どもの急病時の仕事の調整です。

女性の仕事と子育てに関する調査(地方経済総合研究所)

実は全国に約2,000カ所ある病児保育施設

こういったお子さんを「病児」と言いますが、保育園では預かってくれません。

病児を一時保育してくれる、病児保育施設は、実は、全国に約2,000カ所もあります。

そのうち半数は医療機関に、4割は保育園に併設された、保健室が2~3部屋ある、そういった場所をイメージしてみていただければと思います。

病児・病後児保育の実態把握と質向上に関する研究(厚生労働科学研究成果データベース)

使いづらさから利用は進まず

病児保育は、本当に素晴らしい事業です。

ぜひ、皆さんにもご利用いただければと思っていますが、残念ながら、あまり利用されていません。

理由は、非常に使いづらいからです。

市区町村事業であるという背景、あるいは、医療機関や保育園のDXの遅れなど、様々な要因があります。

現場では多くの紙書類が存在し、今でも8割の施設が電話で予約対応をされています。

LINEで病児保育施設の空き確認・予約が可能な「あずかるこちゃん」

この使いづらさを、我々は、「あずかるこちゃん」というサービスで解決するべく、紙書類をなくし、空き状況をリアルタイムに「見える化」して、いつでも予約できる、そういったサービスを提供しています。

こちらが、実際の画面です。

グッドバトン 19 

多くの保護者の方々は、このようにLINEから「あずかるこちゃん」にアクセスして、空き状況を確認して施設を選択し、予約できます。

「お守りのようなサービス」が10自治体で実現

保護者の方々に「あずかるこちゃん」についてお伺いしたところ、「お守りのようなサービス」という回答を頂きました。

「これまでは、子どもが実際に病気になったとき以外にも、いつ子どもが熱を出すのだろうかと不安があったけれども、『あずかるこちゃん』のおかげで、安心して仕事と育児に集中できるようになったから」という、とても嬉しいお言葉を頂けました。

現在、9市1県の10自治体で導入いただいており、2024年度は、その倍になる見込みです。

「あずかるこちゃん」における累積予約数は、2022年は約10万件でしたが、ありがたいことに、2023年12月では30万件まで伸びています。

また、昨年9月、ICCでプレゼンテーションさせていただいた頃(※2023年8月31日時点)は160施設での導入でしたが、現在(※2024年2月22日時点)は202施設まで増えました。

契約ベースですと230施設を超えており、もう少しでキャズム(※新たなサービスの普及にあたり越えなければならない「溝」)を越えられるところまで成長してきました。

生後1年未満の子どもと母親が対象の「産後ケア」

このように、病児保育事業は、とてもよい方向に進んでいると感じており、2つ目の「あずかるこちゃん産後ケア」事業に、挑戦したいと思っています。

本日は、皆さんに「産後ケア事業」を覚えて帰っていただけたらと思っています。

産後ケアは、生後1年未満の(子どもの)お母さんと子ども2人が利用できる事業です。

こちらは、実際の場面写真です。

助産師に子どもの世話をお願いして、お母さん自身は休んだり、育児相談、おっぱいケアなどニーズに合わせて、様々なサービスを受けられます。

産後ケアを利用したのは対象者の6%

私の妻も、自治体の産後ケアを利用したことがあります。

初回利用時には、涙があふれたと話してくれました。

「それまでずっと子どもと一緒にいて、緊張しっぱなしだったけれども、初めて助産師さんに子どもを託したおかげで、ゆっくり休めて、子育ての緊張がほぐれたことによって涙が出た」と教えてくれました。

残念ながら、サービスが利用しづらかったため、2回しか利用できませんでした。

子どもと向き合い、休む間もない産後の女性は、産後うつのリスクも10〜15%と非常に高いことがわかっています。

しかしながら、利用するお母さんは、産後のうちたったの6%で、90%以上の方は一度も利用せずに終わります。

母子保健法に基づく「産後ケア事業」 利用率は対象者の6%…遠慮してしまうケースも(ヨミドクター)

産後ケアのニーズは高い

産後ケア事業にも、病児保育と同様に、「知らない」「使いづらい」という課題があるためです。

病児保育で学んだ知見からDXを進めていく、あるいは、産婦人科医である私なら、より適切なオペレーションへ組み替えていくことに、挑戦でると思っています。

病児保育の「あずかるこちゃん」の場合、予約は当日と翌日の2日分ですが、「あずかるこちゃん産後ケア」の場合は、60日先まで予約が可能です。

2023年12月に1施設目の実証実験を行ったところ、予約受付開始から20分で、2か月先まで満室になりました。

産後ケアのニーズは非常に高いのです。

利用しやすいシンプルな事業に変えるべく政策提言

ただ、実際に、施設でお母さん方と対話して、大変驚きました。

利用者のリテラシーが非常に高かったのです。

なぜでしょうか――その秘密がわかりました。

「産後ケア」は、自治体内の施設だけでは足りないため、多くの自治体が他自治体にある施設へ事業を委託しています。

こちらのスライドをご覧いただきながら、説明します。

A市民の方は、A市、B市の2つの施設を利用できます。

A市がB市の施設にも産後ケア事業を委託をしているからです。

しかしながら、施設ごとで内容(日帰り、宿泊などの提供内容、利用料金、利用できる産後の期間など)は、まったく異なります。

なぜなら、運営元である各市の要望がそれぞれ異なっており、また、施設の対応できる範囲も異なっているからです。

しかし、このような状況は、一般のお母さんにとっては、理解しづらい前提です。施設のウェブサイトを確認すると、自分にとっては無関係な他自治体に住んでいる方向けの情報も多く、また住まいによって提供されるサービスも異なっており、理解しづらい状況です。その結果、リテラシーの高い人がより利用するサービスになっています。

我々は、ユーザー情報を元にしたパーソナライズやルールの標準化に向けた政策提言ができる会社です。

ユーザー、産後ケア施設、自治体のみんなにとって、よりシンプルな事業へ変えていき、リテラシーの格差をなくしていきたいと思っています。

地域の専門家と支援を受けたい家族をつなぐ

半年前のICCサミットにおいて、「子育てが非常に大変」とお話しさせていただきましたが、それは現在も変わりません。

本日お話しさせていただいたような、家族だけで頑張るという世界から、社会で子育てするという世界に、皆さんと共に変えていきたいと考えています。

我々は、地域の専門家と支援を受けたい方々をつなぐコミュニティを、あずかるこちゃんを通じて作っていきたいと思っています。

病児保育、産後ケアに続く3つ目の事業に挑戦!

「あずかるこちゃん産後ケア」の次に、3つ目の事業にも、本年(2024年)挑戦する予定です。

ぜひ、我々の取り組みを、引き続き応援いただければと思っています。

よろしくお願いいたします。

▶︎実際のプレゼンテーション動画もぜひご覧ください。

(終)

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編集チーム:小林 雅/森田 竜馬/小林 弘美/正能 由佳/中村 瑠李子/戸田 秀成

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