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スクロール、インデント修正…法的文書作成での無駄な手作業を徹底的になくすMicrosoft Wordのプラグイン「BoostDraft」(ICC KYOTO 2024)

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ICC KYOTO 2024 スタートアップ・カタパルトに登壇いただき5位に入賞した、BoostDraft 藤井 陽平さんのプレゼンテーション動画【スクロール、インデント修正…法的文書作成での無駄な手作業を徹底的になくすMicrosoft Wordのプラグイン「BoostDraft」】の文字起こし版をお届けします。ぜひご覧ください!

ICCサミットは「ともに学び、ともに産業を創る。」ための場です。そして参加者同士が朝から晩まで真剣に学び合い、交流します。次回ICCサミット FUKUOKA 2025は、2025年2月17日〜 2月20日 福岡市での開催を予定しております。参加登録は公式ページのアップデートをお待ちください。

本セッションのオフィシャルサポーターは EVeM です。

【速報】廃プラと活用企業をつなぐ循環型サプライチェーンで、ごみを資源に生まれ変わらせる「レコテック」がスタートアップ・カタパルト優勝!(ICC KYOTO 2024)


【登壇者情報】
2024年9月2〜5日開催
ICC KYOTO 2024
Session 1A
STARTUP CATAPULT スタートアップの登竜門 
Sponsored by EVeM

藤井 陽平
BoostDraft
共同創業者・代表取締役社長
公式HP | 公式X

幼少期からプログラミングを始め、NTT研究所でソフトウェア研究、Bain & Companyで戦略コンサルタントを経て、BoostDraftを創業。初年度から世界展開、公用語英語、社員の7割が開発者という日本では異例の組織を構築。CEOとして研究開発とビジネスのバランスをとり、資金調達なしで初年度から一貫した黒字経営を行い、3年弱で組織を50人規模に拡大。米国へ単身で移住し米国事業の立ち上げをゼロから行う。現在6カ国でサービスを展開。 事業を通じて知識を自動で整理し簡単に脳内にダウンロードできるようにするナレッジトランスファーの実現を目指す。京大情報学学士/修士、マサチューセッツ工科大学MBA


藤井 陽平さん 初めまして、株式会社BoostDraftの藤井です。

BoostDraftは、法的文書のためのIDE(統合開発環境)を開発しています。

創業4年目のユニークなスタートアップ

創業4年目の非常にユニークなスタートアップです。

まず、数値からご紹介します。

1万、70%、1.5億。さて、これらは何の数字でしょうか。

私たちは日本だけではなく世界に展開しており、「1万」は全世界の有料ユーザー数です。

従業員50名のうち「70%」がプロダクトチームです。非常にプロダクトにフォーカスしたチーム構成になっています。

そして「1.5億円」というのは資金調達の額ではなく、過去3年間の累積利益です。資金調達は現在まで行っておりません。

弁護士とソフトウェアエンジニアのブレストから生まれたサービス

このような非常にユニークなスタートアップ、BoostDraftについてご紹介します。

BoostDraftは、弁護士の渡邊(弘)とソフトウェアエンジニアの私、藤井によって創業されました。

「リーガルドラフティングって、まだそんなに手作業しているの?」

これは、渡邊と藤井がブレストをしている時に出た言葉です。

当時MBAの学生だった渡邊と藤井は、スタートアップ創業のためにブレストをしていました。

アイデアを探すの中で、渡邊が契約書のドラフティングをしている様子を見る機会がありました。

新しい条項を作った後に、手作業でインデントを修正し、フォントやスタイルを調整して見栄えをきれいに整えていたんです。

「えっ、リーガルドラフティングって、まだそんなことを手作業しているの? ソフトウェアの世界でもそういう問題はあったけれど、コーディングエディタで全部解決したよ」

「何それ?それ作ろうよ」

BoostDraft ICC Kyoto 2024 Catapult_shared6.JPG

そんな会話から、ソフトウェアエンジニアのコーディングエディタであるIDEを法的文書に適用した、BoostDraftを開発しました。

よくある非効率①定義語確認のためのスクロール

まず、BoostDraftのない世界についてご説明します。

契約書を読む時、「本件受託者」という言葉が出てきた場合、それがどういう意味だったか確認するために定義が書かれた一番上の箇所までスクロールする必要があります。

「合同会社ABCか、なるほど」と理解し、またスクロールして元の箇所に戻るのですが、「どこだったかな、ああここだ」と探さなくてはなりません。

そして次に「第3条」と書いてあれば、「第3条ってなんだっけ…」と、一つの条項を読むだけでも、色々な箇所を行ったり来たりしなければなりません。

これは、単純にスクロールの時間が無駄なだけではなく、集中力が削がれてしまい、確認にさらに時間を費やしてしまう無駄も発生しています。

よくある非効率②インデントズレの調整

他の非効率な例としては、インデント(字下げ)の調整です。

皆さんも経験があると思いますが、なぜかWordではインデントがうまく設定できず、手作業で調整しなければならないことが多いです。

なぜ手作業でこんなことをしているのだろうと思いながらも、見栄えが悪いとコンテンツの質を疑われるので仕方なく行います。

よくある非効率③パスワードを忘れる

ファイルを開くのにパスワードを入力することもよくあります。

ダブルクリックしてファイルを開こうとしても、「パスワードを忘れた、どうしよう…」と思っている間にファイルは閉じられ、再度ファイルを探しに行ってまた入力に失敗する、なんてことも起こります。

このように、契約書のドラフティングには実際の中身には関係ない無駄な作業が大量に発生しています。

インストールは5秒で完了

これらの非効率を、BoostDraftが解決します。

BoostDraftは、使いやすいソフトウェアを作っているだけではなく、 導入のしやすさやオンボーディングのしやすさにも力を入れています。ここからのデモ動画では、インストールから実際に利用するところまでをお見せしたいと思います。

まずインストールです。

インストールは非常に簡単、ダブルクリックしてプロダクトキーとメールアドレスを入れるだけ、5秒で完了。

あとはWordを開くだけで、簡単にBoostDraftを使い始められます。

パスワード入力やスクロールの手間を省略

Wordを開いてみましょう。

パスワード付きのファイルであっても、BoostDraftにはパスワードマネージャー機能があり、自動的にパスワードが挿入されます。パスワードを思い出す必要はありません。

契約書を読んでいる時に、「『本件受託者』の意味が分からない」となったとします。

そんな時は定義語に掛かった緑色のリンクをクリックすると、その語句の定義がポップアップでその場に表示されるので、わざわざスクロールして意味が書かれている箇所を探すことなく、そのまま読み進めることができます。

インデントを一括修正し見栄え良く

当然ながら、インデントの修正機能もあります。

いちいち手で調整する時代は終わりました。

一括修正機能のボタンを押し、設定を進めれば適切にインデントが設定されます。

我々は、法的文書の内容も重要だと思っていますが、見栄えも重要だと考えています。

そしてそのために行っている非効率な作業は、業務の30%以上を占めることも分かっています。

近年はAIレビュー等のリーガルテックが出てきています。

AIレビューではコンテンツ作成の効率化を行っていますが、我々はその領域ではなく、価値の低い非効率な作業にフォーカスして開発をしております。

口コミ中心で導入は400法人を突破

「AIレビューでないソフトなのに流行っているの?」というご質問があるかと思いますが、とても流行っています。

まだ創業4年目ですが、有償利用は400法人を突破しており、非常に伸びています。

なぜこのように伸びているのかというと、それは徹底的なユーザーファーストの開発を行っているからです。

使いやすいだけではなく、従来のワークフローを変えないよう導入しやすさを重視して開発しています。

それを実現しているのが、プロダクトチームが従業員の70%を占めるという、プロダクトにフォーカスした組織構成です。

顧客課題に向き合った開発を行うことで、非常に高いユーザー満足度を達成しています。

実際に、多くの企業が口コミでBoostDraft知っていただいたのちに、導入を決定しています。

Day 1からグローバル市場に参入

日本市場では、みずほ銀行、丸紅やキヤノンなど400社以上の企業に導入していただいています。

法律事務所についても、5大法律事務所を含め、多数の事務所に導入していただいています。

五大法律事務所と大阪四大法律事務所の全てで「BoostDraft」が導入(PR TIMES) 

BoostDraftが特殊なのは、Day 1からグローバル企業であり、公用語が英語である点です。

日本だけではなく、アメリカ、イギリス、韓国など、現地の法律事務所や企業での導入も加速しています。

さらに、財務状況も素晴らしいです。

1年目から黒字経営をしており、現在の従業員数は50人程度ですが、売上年間成長率は90%増を誇っています。

ARR 600億円を目指せる市場規模

「めちゃくちゃ良さそうだけど、ニッチすぎないか」と思われる方もいるかもしれません。

実は、そんなことはないです。

市場は非常に大きいです。

我々のソフトウェアのコンセプトの元となったIDE(ソフトウェアのコーディングエディタ)の有名企業であるJetbrainsは、多言語展開、隣接領域展開で、シェア10%でARRは600億円以上を達成しています。

全世界の弁護士数とソフトウェアエンジニア数は、実は似たような値なので、我々もARR 600億円を達成できるのではと考えております。

それを実現するのが、多言語展開と隣接領域展開です。

既に日本語、韓国語、英語に対応していますが、スペイン語、ポルトガル語、フランス語、中国語はホワイトスペースのため、開発を行っています。

また、リーガル領域もARPU(1顧客当たりの平均売上高)向上の余地が非常に大きいとと考えています。

現在行っている形式面の修正だけではなく、バージョン管理やナレッジマネジメントに展開できるため、売上向上の余地があると考えています。

リーガル領域からノウハウ獲得手法確立へ

個人的に、リーガル領域はすごく面白いと思っています。

リーガル領域では凝縮されたノウハウが全てテキストになっています。LLM(大規模言語モデル)を活用することで、人類の新たなノウハウ獲得手法の確立ができます。弊社では研究開発リソースを投下し、新しいサービスを開発中です。

積極採用中ですので、もし興味のある方はご応募ください。

日本発で世界のスタンダードを作る

BoostDraftは、日本発で世界のスタンダードを作っていきます。

どうもありがとうございました。

▶︎実際のプレゼンテーション動画もぜひご覧ください。

(終)

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編集チーム:小林 雅/浅郷 浩子/小林 弘美/正能 由佳/戸田 秀成

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