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自力での移動が難しい人々へ、医療・福祉の移動インフラを届ける「mairu tech」(ICC KYOTO 2024)

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ICC KYOTO 2024 ソーシャルグッド・カタパルトに登壇した、mairu tech 田上 愛さんのプレゼンテーション動画【自力での移動が難しい人々へ、医療・福祉の移動インフラを届ける「mairu tech」】の文字起こし版をお届けします。ぜひご覧ください!

ICCサミットは「ともに学び、ともに産業を創る。」ための場です。そして参加者同士が朝から晩まで真剣に学び合い、交流します。次回ICCサミット FUKUOKA 2025は、2025年2月17日〜 2月20日 福岡市での開催を予定しております。参加登録は公式ページをご覧ください。

本セッションのオフィシャルサポーターはICCパートナーズです。

【速報】アフォーダブルハウジング市場をつくり、母子家庭の暮らしを支える「LivEQuality大家さん」がソーシャルグッド・カタパルト優勝!(ICC KYOTO 2024)


【登壇者情報】
2024年9月2〜5日開催
ICC KYOTO 2024
Session 11A
ソーシャルグッド・カタパルト – 社会課題の解決への挑戦 –
Sponsored by ICCパートナーズ

田上 愛
mairu tech
取締役COO
公式HP | 公式X

2003年生まれ、鹿児島出身。高校時代にはグローバルユース国連大使に就任し、そらのまちほいくえんのインターンを通して地域のゴミ処理・まちづくりの課題に取り組む。カンボジアの上下水施設を整備し、衛生環境の向上に貢献。またStanford e-Japan Programの修了や、現地へリサーチャーとして派遣された経験から、シリコンバレー等、海外のエコシステムに関する理解を深めた。2022年に東京大学工学部に推薦生として入学。2023年にmairu techを共同創業。多様なステークホルダーとの協働・開発経験を活かし、サービスのコンセプト開発・戦略・組織づくりを統括。️


田上 愛さん こんにちは、株式会社mairu tech 取締役COO 田上 愛です。

皆さんは、本日、こちらの会場まで、何に乗って来られましたか。

タクシーで来られた方、バスで来られた方、徒歩で来られた方、様々な方がいらっしゃると思います。

では、30年後の皆さんは、どのように移動しているでしょうか。

もし、そのとき、車椅子を利用していたり、寝たきりの状態だったりしたら、現在と同じ移動手段を使用することはできるでしょうか。

平均年齢21歳の私たちのチームにとっては、ちょうど祖父母の世代が、足腰が弱くなり、自力での移動が難しいことも増えてきました。

いつまでも自由に自力で移動できるわけではない、その現実を突きつけられています。

自力での移動が難しい人をサポート

旅行をする、新しい人と出会う、お買い物をする、通院する、治療のためにある病院から別の病院へ転院する、豊かな生活を送るために、健康で生き続けるために、何歳になっても、私たちには移動が不可欠です。

自力での移動が難しい人々へ、移動を届ける、医療・福祉モビリティのインフラを構築する、私たち株式会社mairu techは、このミッションに挑んでいます。

自力での移動が難しい人々にとって、一般的なタクシーや公共交通機関の利用は、実は、極めて難易度が高いです。

出発地から目的地までの移動だけでなく、敷地内を車椅子やストレッチャーで動くことや乗り降りの解除も必要で、また、人によっては、酸素投与などの医療的な支援も必須です。

移動が、複雑かつ専門的なものになるのです。

このような、複雑かつ専門的な移動は、民間救急・福祉タクシーと呼ばれる、資格を持ったドライバーが乗るタクシーによって、担われています。

配車の予約が簡単ではない現状

これらのサービスにおいて、ドライバーとの予約のやり取りは、移動するご本人ではなく、病院・福祉施設の職員、また、ご本人のご家族によって行われます。

しかし、現状、予約は決して簡単ではありません。

検索してみますと、京都市内だけでも、50程度の事業者があります。

しかも、その大半が、個人事業主で、平均保有台数は約1.3台、サービス内容も様々で、予約は各事業者に電話でお問い合わせとなります。

電話でドライバーに直接つながりますが、日中ですと、搬送中などといった状況で、「かけ直してほしい」と電話を切られてしまったり、「その日は、すでに予約で埋まっているから無理だ」「日程は大丈夫だけれども、そもそもリクライニングの車椅子に対応していない」と断られてしまったりします。

何度も電話が必要で、予約に多大な手間がかかってしまう、この現状が大きな課題です。

予約確定までに平均で30分、場合によっては、数時間かかることがあります。

数年前まででしたら、電話予約でも対応できたかもしれません。

しかし、需要が増えた近年、このような予約体制では対応しきれません。

日時や場所に加え、体調に関する大事な情報も伝える必要がある中で、言った・言っていないといった行き違いも起こるなど、電話での手続きは、やはり限界があります。

簡単に効率良く予約を実現する「mairu」サービス

面倒な手続きをどうにか続けなければいけないのか、それとも、移動自体を諦めなければならないのか、私たち株式会社 mairu techは「mairu」サービスで、この課題の解決に挑んでいます。

解決策としてご提供させていただいているのは、医療・福祉のモビリティサービス「mairu」です。

移動手段を予約できるシステム「mairuシステム」と、人々を乗せて走る車両サービス「mairuモビリティ」という、2つの側面から、医療や福祉の移動を変革していきます。

変革①利用者も搬送者もテキストで予約確認

まず、「mairuシステム」について、ご説明いたします。

これまで、あまりにも大変だった電話での予約に変革を起こします。

対応条件に合わせて、最適なサービスを表示し、複雑な移動の条件も手元に残るため、当日、安心して迎車を待つことができます。

また、テキストベースでの連絡によって、予約者とドライバー双方の、電話に要する時間を削減します。

変革②救急車両で医療者・運行事業者とタッグ

一方、「mairuモビリティ」は、救急車両を活用し、これまで不足していた民間の医療搬送を担います。

主に、病院を、出発地・目的地とする移動です。

このように、車両に乗り込み、ドライバーの支援を受けながら、ストレッチャーや車椅子のまま移動することができます。

「mairuモビリティ」の運行は、各地域の搬送の担い手と共同運行をしています。

運行のクルーは、救急救命士や看護師といった、医療の資格を持っていらっしゃる方々です。

mairuのビジネスモデル

共同運行している「mairuモビリティ」の売上の一部と、「mairuシステム」におけるマッチングごとのドライバーからの仲介手数料が、私たちの収益です。

「mairuシステム」が広がり、行われる予約が増えることで、供給の不足エリアが可視化され、そのエリアに車両を投入していく、というモデルです。

車両の成約率、予約時間短縮に貢献

私たちは、2024年4月に、こちらの「mairu」をローンチしました。

同じ課題意識を持っていた神戸市にて、病院・施設やドライバーの中で登録を広げ、「mairu」のエコシステムを作っています。

3台の「mairuモビリティ」も運行を始めました。

医療資格を持ったクルーが乗っていること、料金体系やデザインのわかりやすさから、「安心できる」というお声を多く頂いております。

「mairuシステム」導入によって、予約時間も大幅に削減できています。

30分も要していた予約が5分で成約、「mairuモビリティ」の投入により、数秒での予約確定も実現しています。

正直なところ、まだ原始的なシステムですが、それでも利便性は格段に上がっています。

活用しない理由はありません。

私たちは、2025年までに、政令指定都市5つ以上でのサービス提供を行います。

日本中の予約を、驚くほど簡単に、そして、安心できるものに変えていきます。

さらに、病院に対するシステム拡張機能の提供や登録事業者の料金体系の規格化、デイサービスなどへの搬送提供などを通して、付加価値とキャッシュポイントを拡大していきます。

医療・福祉モビリティのスタンダード創出へ

一見、地域密着型で国内的に見えますが、実は、こちらの産業は、国内と国外の双方で、市場は年10%増と急成長しています。

私たちは、課題が最も顕在化しているこの日本から、こちらの産業において、医療・福祉の世界標準を目指します。

パンデミックの際、自分自身も移動ができなかった経験から、自力では移動ができない方々の移動手段に着目しました。

その経験こそが、私たちの創業のきっかけでした。

あなたの街でも「mairuモビリティ」が走る、「mairuシステム」で予約ができる、そのような未来やインフラを作ります。

応援をよろしくお願いいたします。

ご清聴、ありがとうございました。

▶︎実際のプレゼンテーション動画もぜひご覧ください。

(終)

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編集チーム:小林 雅/星野 由香里/浅郷 浩子/正能 由佳/中村 瑠李子/戸田 秀成

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