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エーテンラボ「みんチャレ」は、習慣化成功率を上げて提携企業のLTVを高める(ICC FUKUOKA 2018)【文字起こし版】

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ICCサミット FUKUOKA 2018 カタパルト・グランプリに登壇した、エーテンラボ 長坂 剛さんの【エーテンラボ「みんチャレ」は、習慣化成功率を上げて提携企業のLTVを高める】プレゼンテーションの文字起こし記事を、ぜひご覧ください。

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ICCサミット FUKUOKA 2018のプラチナ・スポンサーとして、AGSコンサルティング様に本セッションをサポート頂きました。

ICCサミットは「ともに学び、ともに産業を創る。」ための場です。毎回200名以上が登壇し、総勢800名以上が参加する。そして参加者同士が朝から晩まで真剣に議論し、学び合うエクストリーム・カンファレンスです。次回 ICCサミット KYOTO 2018は2018年9月3日〜6日 京都市での開催を予定しております。参加登録は公式ページをご覧ください。


【登壇者情報】
2018年2月20日・21日・22日開催
ICCサミット FUKUOKA 2018
Session 6B
カタパルト・グランプリ
Sponsored by AGSコンサルティング

(プレゼンター)

長坂 剛
エーテンラボ株式会社
代表取締役 CEO

2006年ソニー株式会社入社。B2Bソリューション営業やデジタルシネマビジネスの立ち上げを経て戦略部門マネージャー。2011年、(株)ソニー・コンピュータエンタテインメントにてプレイステーションネットワークのサービス立ち上げに従事、ゲーミフィケーションによる行動変容について学ぶ。2015年、ソニー(株)新規事業創出部 A10 Project 統括課長として「みんチャレ」を開発。2017年エーテンラボ株式会社(A10 Lab Inc.)を設立しソニーから独立。ソフトバンクアカデミア 外部一期生。大企業のイントラプレナーからスタートアップのアントレプレナーに進化した起業家です。開発・運用している三日坊主防止アプリ「みんチャレ」は2年連続Google Play ベストアプリに選出され、習慣化を軸に多くの企業やサービスと連携の輪を広げています。

「ICC FUKUOKA 2018 カタパルト・グランプリ」の配信済み記事一覧


長坂 剛氏(以下、長坂)  おはようございます。

みんなとなら続けられる 三日坊主防止アプリ みんチャレ」を開発している、エーテンラボの長坂です。

何かを「続ける」ということは非常に難しい課題

多くの方が「三日坊主になってしまって続けられない」という課題を抱えており、ダイエットや運動、投薬などの生活習慣の改善は、困難を極めます。

人は意識だけでは変わりません。

糖尿病になってしまった方でさえ、半分の方が半年間で治療を中断してしまいます。

「続ける」というのは非常に難しい課題です。

励ましあいコミュニティで行動の習慣化を促進

そこで私たちは、5人1組の励ましあいコミュニティと、AI(人工知能)による行動変容(※)技術を提供することで、ソリューションを提供しています。

▶︎編集注:行動変容とは、習慣化している望ましくない行動パターンを、望ましい行動パターンに変えること。(gooヘルスケア

具体的なプロダクトは、スマートフォンのアプリケーションです。

自分が習慣化したいと思っている行動を、アプリケーション搭載のカテゴリーの中から選びます。

今回は、「トレーニング」カテゴリーの中から「ウォーキング」を選んでみましょう。

そこには、知らない人同士で編成された5人1組のチームがいくつかあります。

このうちの一つに参加します。

参加するチームを選ぶ際、チームのタイトルや説明文を読んでみましょう。

例えば、この「朝ウォーキング」チームは、チームの写真欄を見ると、朝の風景があり、結果を共有するために万歩計の写真を送りあっているということが分かります。

また、「朝日を浴びて体内時計をリセット♪朝の新鮮な空気を吸って、一日を元気にスタートしませんか♪」という紹介文を見て、いいなと思えば、チームに参加します。

チームに参加すると、グループチャットに参加できるようになります。

そのグループチャットで毎日、「今日はこれを達成しました」と証拠になるような写真を送りあうことで、励ましあいながら習慣化をします。

チャットボットAIが会話内容を学習し行動変容を促す

他のチームメンバーが、習慣化をするためにどのような工夫をしているかを知ることができるので刺激になりますし、レッドというチャットボット(※)AIがグループチャットに参加し、毎日チームメンバーを励ましてくれます。

▶︎編集注:チャットボット(Chatbot)とは、人工知能を活用した「自動会話プログラム」のこと。(ITトレンド

レッドは、チームメンバーが他のメンバーを励ますお手本の役割も果たすため、チームビルディングを支えます。

このチャットボットAIはチームメンバー同士の会話内容を学習し、どういう投げかけがメンバーの翌日の行動を変える効果があったか、を教育点、成果点にして学んでいきます。

例えば、「意外と歩けませんでした。」というコメントに対しては、「諦めたらそこでチャレンジ終了だー!」と熱い投げかけをし、メンバーの行動変容を促します。

習慣化成功率69%、Google Playベストアプリ受賞

本当に習慣化できるのか、という疑問があるかと思いますが、「みんチャレ」の習慣化成功率は69%です。

一人の場合は習慣化できる確率は8%と言われているので、それに比べると、「みんチャレ」には8倍以上の成功率アップの効果があります。

アプリストアを見て頂くと、星(★)5の評価がほとんどです。

「みんチャレ」を使うと、今までできなかったことができるようになる。

この体験によって、高い評価を頂いています。

おかげさまで、2年連続で、Google Playのベストアプリに選んで頂きました。

現在、デイリーのアクティブユーザーは10,000名を超え、ユーザー数も順調に成長中です。

ビジネスモデルは、ユーザーへの定額課金とB2B領域の事業提携です。

ユーザーの本気度に応じた定額課金体制

ユーザーへの定額課金は、プレミアムユーザーとして月額500円の課金モデルです。

基本的には無料で使えるアプリですが、「みんチャレ」を使ってもっと習慣化したいという方向けです。

無料ユーザーが参加できるのは5チームまでですが、プレミアムユーザーになると上限が20チームに増えます。

もっと効果的に使いたいという方向けには、本気のユーザー同士をマッチングする機能がついた、月額5,000円の「みんサポ」モデルもご用意しています。

この課金モデルはちょうど今年の1月に導入したばかりですが、現在、1%のユーザーに課金モデルをご利用頂いています。

これを10%まで伸ばしていこうと考えています。

提携企業のLTV向上やマーケティングリサーチに寄与

もう一つのビジネスモデルは、B2Bの事業提携です。

例えば現在、あるフィットネスジムと提携をしていますが、そのフィットネスジムのアプリのユーザー同士に、「みんチャレ」を使ってジムでの運動を習慣化して頂くというモデルです。

提携先では、「みんチャレ」を使って習慣を身につけた方は、使わなかった方に比べて、ライフタイムバリュー(※)が3倍伸びたという結果が出ました。

▶︎編集注:ライフタイムバリュー(= Life Time Value)とは一人の顧客が取引期間を通じて企業にもたらす利益(価値)のこと。顧客生涯価値とも呼ばれる。(コトバンク

こういった習慣化支援事業の他に、「学研」とも、「学研」の参考書を使って家で勉強をする方たちのチームを「みんチャレ」で作るという提携をしています。

今まで見えなかった利用実態が見られることが、「学研」にとってのベネフィットです。

「これを勉強しました」という証拠になる写真を、「みんチャレ」のグループチャット内にユーザーが毎日アップロードします。

企業様による公式チャレンジでは、企業様がグループチャットの内容を閲覧することができるので、参考書を使う際にどのようなノートをとっているのか、どの参考書にどういうマーカーをつけているのか、というインサイトの発見のための、マーケティングリサーチの一環として使って頂いています。

自己投資産業の市場規模は7兆円にものぼる

マーケットサイズについてです。

ライザップが提唱している、自己実現欲求を満たすための「自己投資産業」は、国内で7兆円規模だと同社が発表しています。

そのうち、モチベーション管理は2兆円ということです。

競合企業のサービスは、コーチが直接指導するコーチングのスタイルをとっており、これはとても効果が高いです。

但し、人が介入するため、人やジムを用意する必要があり、スケールさせるのが難しいのです。

私たちは、ピアコーチング、つまりユーザー同士の励ましあいというスタイルなので、ユーザーが増えれば増えるほど効果が高くなりますし、スケーラビリティ(ユーザーや事業規模の増大に対応できる能力)という強みも持ち合わせています。

さらに、事業資産という点では、コーチングの場合は人にノウハウが蓄積されますが、私たちのもとには毎日10,000件以上の、習慣に関するビッグデータが蓄積され、このデータによって強化学習するAIが事業資産として貯められていきます。

ヘルスケアにおいて「治療の継続」という分野に注力

私たちは習慣化に特化したスタートアップですが、最近のフォーカスポイントはヘルスケアです。

国内のヘルスケア事業は37兆円に成長すると言われていますが、このヘルスケアの中でも、「治療の継続」という分野にフォーカスしています。

冒頭でもお話ししたように、病院に行って薬を処方された糖尿病の患者さんのうち、半分が半年後には病院に来なくなってしまっています。

患者さんは通常、1ヵ月に1回のペースで通院されますが、毎月の通院タイミングごとに、治療を中断してしまう患者さんの割合が増加する傾向があります。

そこで、通院日と通院日の間に「みんチャレ」を使って、食事治療、運動治療、投薬治療を習慣化することで、治療を継続して頂きたいと考えています。

この「治療の継続」によって糖尿病治療製剤の売上が30%アップすると試算しており、製薬会社と私たちで、収益を分け合おうと考えています。

仮に、慢性疾患の患者さんの10%に「みんチャレ」を利用頂いた場合、「みんチャレ」の国内推定市場規模は1,000億円になると見込んでいます。

グローバルでは、この20倍以上の市場規模が見込まれます。

患者さんは糖尿病の症状が改善する、お医者さんは来院数増加で売上が上がる、製薬メーカーも売上が上がる、「みんチャレ」も製薬メーカーからの収益分配で売上が上がる、そして国や自治体も医療費が削減できる、というwin-winのモデルを構成しています。

技術を各産業に応用しグローバルで業界トップを目指す

このビジネスは、世界最大の糖尿病治療メーカーとタッグを組んで進めていきます。

世界には糖尿病の患者さんが4億人以上おりまして、これだけでもマーケットサイズは大きいのですが、私たちは習慣に特化したサービスで、習慣に関するビッグデータを使ったAIによる行動変容技術を各産業に応用し、行動変容グローバルNo.1企業になるというのが将来のプランです。

よって、各産業と連携をして事業を作っていきたいと考えています。

例えば、満員電車を解消したいという鉄道会社の課題に対しては、「みんチャレ」がソリューションを提案します。

▶参考: 「みんチャレ」で春からオフピーク通勤を習慣化♪ (東急電電)

具体的には、早起きをしてオフピーク通勤を行う習慣を提案し、オフピーク通勤を行えば、子供に教育バウチャーを寄付できるというスキームを作ります。意識が高い層のオフピーク通勤を奨励するというモデルです。

また、クックパッドさんとの事業連携では、料理を楽しく習慣化したいという課題に対して、料理を褒め合って楽しく習慣化するというスキームを提供できます。

その他にも、大手ECポイント会社との事業提携として、ポイントゲットの習慣化を目指します。

▶参考:楽天リワードのコミュニティで活動すると楽天スーパーポイントを毎日1ポイントプレゼント(PR TIMES)

これは、ポイントゲッター同士のポイ活コミュニティを「みんチャレ」で作って情報交換を促し、さらに「みんチャレ」を使うことでもポイントをゲットできる環境を提供し、習慣化を加速させるというスキームです。

最後に、なぜ私たちがこれをやっているかということについてお話しします。

人は自分から積極的に行動を起こすと幸せになれる

みんなを幸せにしたい、という思いでこの事業を行なっています。

実は最近のビッグデータ解析により、人は自分から積極的に行動を起こすと幸せになれるということが分かってきたのです。

ただ、「積極的に行動を起こす」際、「続かない」という阻害要因があるので、それを解消することで第一歩を踏み出すお手伝いをしたいのです。

さらに、続けられれば自信がついてきて、新しいことに挑戦するようになる。つまり、どんどんポジティブなサイクルが生み出されるわけです。

これを是非、社会に反映させたいのです。みんなが幸せになる世界を一緒に作らせてください!

ありがとうございました。

(終)

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編集チーム:小林 雅/戸田 秀成/浅郷 浩子/三木 茉莉子/尾形 佳靖/大塚 幸

【編集部コメント】

思いきって新しいことを始めても、なかなか習慣化しないというのは自分自身いくつも心当たりがあります。ダイエットや運動など・・・。一人だとつい怠けてしまいがちですが、励まし合いながら成果を共有する仲間がいれば、楽しく習慣化できそうですね!(三木)

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