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ICCサミット KYOTO 2018 リアルテック・カタパルトにゲスト・プレゼンターとして登壇した、KANDO 田崎 佑樹さんの【KANDO(カンド)は、ビジョンを社会実装する“リアルテック特化型”クリエイティブファーム】プレゼンテーションの文字起こし記事をぜひご覧ください。
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ICCサミットは「ともに学び、ともに産業を創る。」ための場です。毎回200名以上が登壇し、総勢800名以上が参加する。そして参加者同士が朝から晩まで真剣に議論し、学び合うエクストリーム・カンファレンスです。次回 ICCサミット FUKUOKA 2019は2019年2月18日〜21日 福岡市での開催を予定しております。参加登録は公式ページをご覧ください。
ICCサミット KYOTO 2018のゴールド・スポンサーとして、電通様に本セッションをサポート頂きました。
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【登壇者情報】
2018年9月4日・5日・6日開催
ICCサミット KYOTO 2018
Session 3A
REALTECH CATAPULT リアルテック・ベンチャーが世界を変える
Supported by 電通
(プレゼンター)
田崎 佑樹
株式会社KANDO
代表取締役
2013年Visual Design Studio “WOW” (www.w0w.co.jp)入社。アート&サイエンス、建築プロジェクトを中心にビジョン構築、各種クリエイティブ ディレクションにおいてメディア領域を問わないプロジェクトを企画、担当する。2018年KANDO設立。KANDOはCreativity x Science/Tech x Finance/Businessを三位一体にする「ENVISION Design」を提唱し、リアルテックの “クリエイティブな社会実装”と、テクノロジーとアート、哲学などの文化的知性を融合させた”文化創造”を同時に推進。実践例として、サイボーグベンチャー「MELTIN」(www.meltin.jp)の総合ディレクションを担当し、世界観を作り上げ、国内外での認知上昇とモメンタム作りに貢献。同社CCO就任。
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▶「ICC KYOTO 2018 リアルテック・カタパルト」の配信済み記事一覧
田崎 佑樹氏 「リアルテック・ベンチャーが世界を変える」というテーマですが、皆さんいかがでしょうか?
結構ディープなので分かりにくいこともあると思いますが、世界を変えることのできる技術が本当に満載でワクワクします。
KANDOが何をやっているかというと、リアルテックに特化し「ビジョンを社会実装する」クリエイティブファームです。
通称「Vision-driven Creative firm(ビジョンドリブン・クリエイティブファーム)」と呼んでいますが、何をやっているのか分かりにくいので、映像にまとめました。
別のセッションでメルティン (MELTIN) の粕谷さんが登壇していると思いますが、サイボーグ・ベンチャーのCEOである彼と一緒にクリエイティブを作ったりしています。
動画の最初は「MELTANT-α(メルタント・アルファ)」です。
この後詳しく説明しますが、映像だけではなく、ビジョン構築からこういったプロダクトデザインまで広く手掛けています。
僕はリアルテックファンドのメンバーでもあるのですが、別のクリエイティブファーム「WOW」にも所属しています。
バックグラウンドは建築なので、こういったアート・インスタレーションであったりとか、ビジュアルを専門にしており、研究者と組んで高次元なレベルでビジュアライゼーションを作成したりしています。
動画の3番目は、藤島くんという宇宙生物学者と一緒に作ったものです。
藤島くんは、地球外生命体がいる可能性が高い土星の衛星であるエンセラダス(Enceladus)の研究に取り組んでいるのですが、彼の研究をビジュアライゼーションしました。
そして研究発表の場で映像を利用してもらうことで、研究の社会実装の推進を後押ししています。
その結果、NASAにも招かれました。
これがリアルテックと出会うきっかけになりました。
我々はどこから来たのか? 我々は何者か? 我々はどこへ行くのか?
僕のバックグラウンドを簡単に説明すると、考古学、建築、アート&サイエンスから成っています。
この3つが僕のバックグラウンドです。
「我々はどこから来たのか? 我々は何者か? 我々はどこへ行くのか?」という、人類学的には最もベーシックな、人類の好奇心を刺激し続ける課題に関心を持ち、向かっています。
リアルテックにこれだけ集中するようになったのは、リアルテックファンドの投資先というのは基本的に、そういった人類の根源性を掘り下げるような「テクノロジー」と「ビジョン」を持っている企業ばかりなので、これは完全なるマッチングがあると感じたからに他なりません。
ビジョンは世界を牽引するパワーである
今回はビジョンのお話をします。
なぜ、ビジョンがリアルテックにとって大切なのか?
リアルテックファンドの投資先には、サイボーグ・ispace・台風・人工培養肉などいろいろなテーマがありますが、いずれもSFレベルの社会実装であり、かなり長期的な視野が必須だと考えているからです。
この会場にいらっしゃる皆さんはもしかしたらまだご存知ないかもしれませんが、各投資先では、このビジョンの構築に本当に真剣に取り組んでいて、彼らの事業計画をクリエイティブで推進していくというのが僕のミッションです。
よくよく考えてみると、火の鳥であれ、攻殻機動隊であれ、どれも科学的事実とクリエイティビティが一緒になって初めて魅力的なビジョンになっていますよね。
そのことからも、ビジョンというのはフワッとしたものではなくて、リアルテックとクリエイティビティを掛け合わせたものであると言えます。
ですから、「ビジョンは世界を牽引する、未来を牽引するパワーである」ということを、より浸透させていきたいと思っています。
「ENVISION Design」で社会実装と新文化育成を
KANDOは、「ENVISION Design」というデザイン・メソッドを持っています。
①クリエイティビティとリベラルアーツという人文系の知性
②ファイナンスとビジネス
③サイエンステック
これらを三位一体にして社会実装していきます。
どれかが欠けてしまいがちですが、社会実装だけではなくてやはり新しい文化を作っていくことも重視しており、これらの両方を同時に進めます。
これは最終的に、文化資本主義社会の実現に向けた試みだと思っています。
我々のサービスメニューの一番特徴的なところは、思考実験というプロセスをはさんでいくことです。
ここでいう思考実験とは、いわゆる分かりやすくするための作業ではなくて、投資先のビジョンを一緒に面白がって最大拡張させるためのものです。
その後出てきた理想的なロードマップに従って映像にして、投資を加速させ、プロダクトをデザインする場合はそれも全部ディレクションします。
その後のビジネスのハンズオン支援もファンドと一緒にやっていきたいと思っています。
サイボーグ・ベンチャー「MELTIN」の事例
実際どういうことなのか、サイボーグ・ベンチャー、MELTIN社の事例を上げたいと思います。
役割はベーシックですが、この3つです。
ビジョンは、「Melt in Man and Machine」であり、サイボーグの機械と人間を融合させ、人類の創造性を解放することにあります。
これを最大化させるために、思考実験を行いました。
アートキュレーター、『Forbes』や『WIRED』に記事を書いているライター、メディエーター、デザイナー、投資家、ファウンダーなど、様々なメンバーが加わり、人文的な知見やサイボーグ社会になった時の愛情はどこに向かうかといった話題も含めて議論しました。
そして、やはり物語にしないと伝わらないので、ライターにこういったサイボーグ社会の行く末のようなストーリーをライティングしてもらいました。
更に、サイボーグの進化系譜みたいなものもワークショップの中で作り、これが今の事業構想の基礎になっていて、現在はこの構想に従って突き進んでいます。
この中からメルティンが大事にする「精神」、「身体」、「環境」というものの交わりにおいて創造性が生まれるという発想が出てきました。
これを基に、メルティンは1000年以上続く企業になると思うので、宗教的なモチーフをあえて使ってこのような永遠性のあるロゴを作りました。
また、プロダクトデザインに関しては「ハイパーオーガニズム」ということで、人間や機械を超えた新しい生命体なのだということをディレクションしました。
結果、画像のようなプロダクトデザインが出てきて、それに基づき「MELTANT-α」が仕上がりました。
実際に発表してみたところ非常に反響がありまして、国内外でいろいろと取り上げられ、特にCNNからも取材を受けました。
▶参照:This robot can mimic human hand movements in real time(CNN BUSINESS)
CNNのほかにも、これはちょっと毛色が違うのですけども、先走った人がいまして、アバターロボット「MELTANT-α」の買い取りをするようなネット業者がもう出てきました。
これは本来ならば完全にアウトなのですが、おもしろそうに見えるので、放っておこうということになりました。
国際サイボーグ倫理委員会の立ち上げを目指す
次のスライドは、「社会実装」の取り組みです。
国際ないしは文化についても重視していて、国際サイボーグ倫理委員会というものを立ち上げようとしています。
初めてのサイボーグ企業なので、「サイボーグとは何なのか」など、サイボーグ社会が近づくにつれ倫理的なぶつかり合いなども出てくると思い、そういった点についても積極的に漫画や文章化したり、ウェブなどで独自発信していくというような取り組みです。
次のスライドがKANDOのモデルです。
以上、とにかく一人ひとりのビジョンを実現するために頑張っていきたいと思っているので、よろしくお願いします。
(終)
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編集チーム:小林 雅/本田 隼輝/尾形 佳靖/戸田 秀成/鈴木ファストアーベント 理恵
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