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SEQSENSEは、自律移動警備ロボット「SQ2」で警備業界の人材不足を解決する(ICC KYOTO 2018)【文字起こし版】

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ICCサミット KYOTO 2018 Honda Xcelerator カタパルトに登壇した、SEQSENSE 中村 壮一郎さんの【SEQSENSEは、自律移動警備ロボット「SQ2」で警備業界の人材不足を解決する】プレゼンテーションの文字起こし記事をぜひご覧ください。

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ICCサミットは「ともに学び、ともに産業を創る。」ための場です。毎回200名以上が登壇し、総勢800名以上が参加する。そして参加者同士が朝から晩まで真剣に議論し、学び合うエクストリーム・カンファレンスです。次回 ICCサミット FUKUOKA 2019は2019年2月18日〜21日 福岡市での開催を予定しております。参加登録は公式ページをご覧ください。

ICCサミット KYOTO 2018のゴールド・スポンサーとして、Honda R&D Innovations様に本セッションをスポンサー頂きました。Honda Xceleratorは、Hondaのオープンイノベーション・プログラムです。


【登壇者情報】
2018年9月4日〜6日開催
ICCサミット KYOTO 2018
Session 7A
Honda Xcelerator カタパルト
Sponsored by Honda R&D Innovations

(プレゼンター)
中村 壮一郎
SEQSENSE株式会社
代表取締役CEO

京都大学法学部卒。大学時代はアメリカンフットボール部主将。ALL JAPANにも選出。卒業後は、三菱UFJ銀行にて中小企業融資を担当。その後、シティグループ証券に転職。2006年から2008年はニューヨークオフィス勤務。2012年に独立し、ベンチャー企業の財務、経営に携わる。2015年よりSEQSENSE立上げプロジェクトに参画。2016年10月創業と共に代表取締役就任。東京工業大学アメリカンフットボール部ヘッドコーチも務める。1977年4月24日生。

「ICC KYOTO 2018 Honda Xcelerator カタパルト」の配信済み記事一覧


中村 壮一郎氏(以下、中村) 皆さんこんにちは、SEQSENSEの中村と申します。

我々は自律移動ロボットの開発と製造を行っております。

「自律移動ロボット」とは、スターウォーズに出てくる“R2-D2”のようなものです。

R2-D2と言うとまさに未来的な万能なものを想像してしまいますが、我々が目指しているのは、どちらかというと地味でもしっかり仕事をするものです。

「世界を豊かに、楽しくする」というよりは、「今後足りなくなっていくものを補う」ことを目指しております。

高齢化国家日本が直面する、生産人口の激減

皆さんご存知だと思いますが、日本は世界最先端の高齢化国家であり、ここ40年で生産人口が40%も減少してしまいます。

これは明治時代の人口である1億人を割り、さらに高齢化だけが進んでしまう、という非常に厳しい状況です。

生産人口が減るということは GDPの減少に直結します。

一方で高齢化が進むため、社会保障制度の支出はどんどん増加していきます。

既に日本の社会保障制度は限界がきていると言われており、これ以上生産人口が減ると、日本の社会保障制度は維持できません。

現在は国家が最低限の文化的生活を保障しておりますが、これを維持できない状況になってしまうのです。

そのような状況に陥ると、最初に犠牲になるのは「老人」や「子ども」といった絶対的弱者です。

現在の日本では考えられないような、老人の孤独死や子どもの貧困などが、未来で起きてしまう可能性が大いにあります。

生産人口の低下を、AI・ロボットによる生産性向上で補う

このような状況を少しでも改善しようとすると、解決策は2つしかありません。

1つは生産人口を増やすこと、もう1つは生産性を上げることです。

さすがにテクノロジーによって人間を作り、生産人口を上げることは倫理的に非常に大きな問題があるので、テクノロジー企業として我々ができることは、生産性を上げることだけです。

現在と同じだけのGDPを2060年に生み出そうとすると、1人の労働者が1.7倍、つまり約2倍稼ぐ必要があると言われております。

そこで、この生産人口だけでは賄えない部分にAI・ロボットを使うことで、生産性を上げていくということが我々の目標です。

「有効求人倍率7.11倍」警備業界の人材不足に注目

我々は「自律移動ロボット」を開発しておりますが、最初にターゲットとしているマーケットは警備業界です。

現在はどの業界も人手不足が叫ばれておりますが、警備業界は特に深刻で高齢化も進んでいます。

上記のグラフでは、警備業界の有効求人倍率が7.11倍と表示されています。

これはつまり、1人あたり7つの警備の仕事のポジションがあるということであり、非常に逼迫した状況です。

現在の我々のビジネスの状況についてご説明しますと、来年度(2019年度)の実用化に向けて準備を進めております。

今年の6月にはシリーズAを実施し、既存の投資家及び三菱地所様から10億円を調達しました。

現在は大手ディベロッパーさんや警備会社さんと協業しておりますが、他のディベロッパーさんや警備会社さんからも非常に多くのお声掛けを頂いており、人手不足が非常に厳しい状況であることを感じております。

ちなみに、本日も横浜ランドマークタワーで実証試験を行っており、18時からNHKで関連した放送があるようなので、是非ご覧ください。

▶参照:横浜ランドマークタワーで自律移動ロボットが警備業務を担当!三菱地所が各種ロボットの実証実験、SEQSENSEが参画(livedoor NEWS)

自律移動警備ロボット「SQ2」で警備員業務を代替

次に、我々が開発しているロボットをご紹介します。

ロボットというと、どうしても「鉄腕アトム」や「ドラえもん」などの二足歩行で万能なものを想像してしまいがちですが、残念ながら現在、万能なロボットは存在していません。

逆にそのようなものを目指してしまうと結局エンタメの要素が強くなってしまい、本当に使えるロボットを作ることはできません。

産業化は程遠くなってしまいます。

我々はヒト型もネコ型も目指さず、空想ではなくて「実装」することに全労力をかけて取り組んでおります。

そしてこちらが、我々の警備ロボットであるSQ2です。

「警備員さんは不審者を捕まえる」というイメージをお持ちかもしれませんが、どちらかと言うと、仕事の多くは施設の消火器や消火栓、ゴミ箱など、多くのポイントを確認しながら巡回することです。

我々のSQ2は、この警備員さんの巡回を代替することができます。

また、各種センサーを搭載しておりますので、人が集めることができない情報を集めることができます。

「3D SLAM」という技術を使っているので、人と同じように環境を三次元で捉えることができ、人混みなど、環境が変わっても自律移動することが可能です。

また、クラウド経由でロボットを管理したり、先程申したようにセンサーから集めたデータを解析したり、防災センターから指示を出したりすることも可能です。

強みは「ソフトウェア」と「インテグレーション」

現在、自律移動ロボットのマーケットは世界に存在しておらず、我々は自分たちで「ハードウェア」、「ソフトウェア」、「ビジネス」の全てを開発・製造しています。

ロボティクスの分野において新機種を作ろうとすると、この3つが必須になります。

しかし、3つが揃えばマーケットができるわけではなく、やはり「インテグレーション」が非常に大事かつ重い仕事になります。

我々は、その部分こそがIoTをはじめとする次世代産業の核となる部分だと考えています。

そして我々は前述の全てを自社開発していますが、その中でもコアとなるのは、自律移動のソフトウェアとインテグレーションです。

今後、新しいマーケットを作っていきたいと考えており、強いハードウェアとビジネスの推進力を所持されているHONDA様のような大きな企業と一緒に取り組むことができればと考えております。

SEQSENSEは「世界を変えない」

最後になりますが、我々SEQSENSEのミッションは「世界を変えない」です。

人々がもっと豊かに、人生を楽しめるようにと世界を変えることは我々にはできません。

しかし半世紀後に貧困な子どもが発生しないように、「今と変わらない世界が続くこと」を陰ながら支えていく存在になりたいと思っております。

ありがとうございました。

(終)

実際のプレゼンテーション動画もぜひご覧ください。

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編集チーム:小林 雅/尾形 佳靖/戸田 秀成/平井 優花

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