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衛星データ×AIで農地をまとめ、効率的な大規模農業に貢献する「サグリ」(ICC KYOTO 2022)

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ICC KYOTO 2022 STARTUP CATAPULT スタートアップの登竜門に登壇いただき2位に入賞した、サグリ 坪井 俊輔さんのプレゼンテーション動画【衛星データ×AIで農地をまとめ、効率的な大規模農業に貢献する「サグリ」】の文字起こし版をお届けします。ぜひご覧ください!

本セッションのオフィシャルサポーターはノバセルです。

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【登壇者情報】
2022年9月5〜8日開催
ICC KYOTO 2022
Session 1A
STARTUP CATAPULT スタートアップの登竜門
Supported by ノバセル

坪井 俊輔
サグリ株式会社
代表取締役CEO

横浜国立大学理工学部機械工学・材料系学科を卒業。2016年に民間初宇宙教育ベンチャー株式会社うちゅうを創業、同社代表取締役CEOを務める。農業現場のアナログな状況を知り、衛星データ及びAI技術を活用した営農指導により、農業の経営発展を目指すことを目的に2018年サグリ株式会社を創業、代表取締役CEOに就任。2019年、インドに子会社Sagri Bengaluru Private Limitedを設立。同年、世界経済フォーラムのグローバルシェイパーズに選出。2021年6月、リアルテックファンドなどから総額1.55億円の資金調達を実施。MIT テクノロジーレビュー 未来を創る35歳未満のイノベーターの1人に選出。農林水産省 「デジタル地図を用いた農地情報の管理に関する検討会」 委員。情報経営イノベーション専門職大学 客員教授。ソフトバンクアカデミア13期生。


坪井 俊輔さん 衛星データとAIで農業に革命を起こす、サグリ株式会社です。

衛星データ、それは宇宙から地球を観測するビックデータ。

広域な範囲を撮影でき、地球上のあらゆる場所の、時間の変化をとらえることができます。

さらには、過去のデータも活用でき、AIとの相性は抜群です。

そんな衛星データ、この5年間で商用活用できるものが増えており、中には無償で使えるものもあるのです。

効率的な農業が難しく、農業が儲からない理由

さて、ロシアウクライナ戦争で顕在化した食料危機、日本は食料自給率が低く、70%を海外に依存しています。

そんななか、国内では農家離れが深刻化しています。

この50年間で、農家の数は約8割減少しました。

そして現在、65歳以上の方で運営される農家は7割以上を占め、次の10年間でさらにその半数が減る可能性が高いという状況です。

その背景には、1つひとつの農地が小さく分散されているため、効率的な農業が難しく、農業が儲かりづらい状況があるのです。

そのため、新規農家がなかなか増えません。

目視・紙台帳で農地を管理している現状

今後の農業の未来の鍵となるのは、大規模な生産法人、事業として持続可能な農業が行われるためには、農地をまとめ、効率良く農業を行える基盤が必要です。

それを取りまとめるのが行政の役割ですが、現状、多くの農地の情報は紙で管理されており、農地の状況を毎年、目で見て回っているため、それらの作業のスピードが鈍化しています。

このアナログな状況を変えないと、大規模農家が儲かる基盤は作れません。

衛星データが目視調査をリプレイス

そこで、サグリは衛星データに目をつけました。

衛星データで、利用されていない農地を早期発見できるほか、何の作物が育っているかを判断することができます。

それにより、これまで目で見て回っていた調査の数を、大幅に削減することができます。

紙で管理されていた情報は、デジタル地図の上で管理できるようになりました。

サグリは、この市場を独占しています。

なぜならば、サグリは衛星データの活用を、国のルールが変わる前から主導してきたからです。

市町村からの要望が大きくなり、今年ようやく国のルールが変更されました。

それが功を奏し、全国の県市町村にて、数多くの導入が進んでいます。

いち早く導入した岐阜県下呂市では、農林水産大臣賞を受賞しました。

農地の大規模化をタブレット上から効率よく推進

これは行政の管理者側の画面です。

全体の農地を地図上で見ることができ、一つひとつ、農地ごとの情報が確認できます。

利用されていない農地である可能性が高い場所を、検索してみましょう。

対象となる農地が、赤く表示されます。

このような農地を、調査で回ってもらいます。

調査する方を選び、回ってほしい農地を、ワンタッチで登録することができます。

登録された農地は、タブレット上で表示されます。

今いる場所から行きたい農地を選択すると、農地への最短のルートが表示されます。

実際に、農地にたどり着きました。

農地の荒れ具合を確認し、タブレットから農地の情報を入力していきます。

かなり荒れている農地ですので、写真を撮って送信すれば、調査完了です。

行政から年間利用料をいただくビジネスモデルで、我々はサブスクビジネスをしています。

衛星データは無償のものを利用しているので、粗利は80%と非常に高い状況です。

また、行政ビジネスなので、チャーンレートは現時点ではゼロです。

これらによって、衛星データで農地全体の状況の把握ができるので、農地をまとめていく作業を効率化します。

それにより、農地の大規模化が加速します。

農家が、持続可能な農業ができる基盤が整っていくのです。

管理、肥料など大規模農地の課題を解決

ただ、農地を大規模化するだけでは不十分です。

なぜなら、農業現場においても様々な問題が存在するからです。

例えば、大規模な農地の管理が負担となっています。

また、肥料価格がコロナ前の約2倍になっています。

適正な肥料をまくために必要な土壌分析は、金額が高く、解析時間もかかります。

生育状況の把握、区画の形成、土壌分析も可能

これらの課題も、サグリなら解決できます。

社名と同じSagriというアプリを、提供開始しました。

衛星データを活用した圃場の分析アプリ「Sagri」を提供開始。広大な圃場の状態を可視化し、農家様の圃場分析を楽に(PR TIMES)

Sagriは、登録した農地の生育状況確認や、土壌分析が行うことができるアプリです。

現況区画に沿った農地の区画を整備しており、ワンタッチで農地を登録することができます。

農地ごとに、時間の変化に合わせた生育の状況を確認することも可能です。

分かりやすく、色をつけて表示しています。

また、衛星データから土壌分析を行うことができ、農地ごとに瞬時に結果を確認、次年度の適正な肥料使用につなげることができるので、農家に喜ばれています。

このアプリには、他社には真似できない革新的な部分が2つあります。

1つ目は、高解像度の衛星画像から農地を自動で区画化できる技術を持っているので、最新の農地を日本だけでなく、海外でも作ることができます。

国内で特許取得済みですし、海外では12ヶ国で特許出願を行っています。

2つ目は、衛星データから土壌分析を行う技術です。

この技術は、農学博士で、岐阜大学の現役准教授でもある当社CTO田中 貴が実現した、画期的な技術です。

窒素や炭素、pHなどを高精度で推定できるようになりました。

アプリ発表で全国農家、JAから大きな反応

発表直後から、たった1週間で大規模農家500人以上からの申し込みがありました。

また、農家以外にも、50を超える地域JA、12の県や市町村から引き合いがありました。

また、JA全農や農研機構とも連携しており、この先、それぞれ大きな発表を控えています。

世界人口の3分の1は、農家です。

あらゆる農家が、ターゲットになります。

既に、タイおよびインドネシアに進出しています。

行政の農業DX市場は世界で1,500億円、世界の農業モニタリング市場は2.1兆円存在し、CAGR約8%の成長市場です。

適正な肥料使用がわかり、脱炭素にも貢献

さらに、サグリの技術は、脱炭素を実現する技術として注目されています。

衛星データによる土壌分析を通じて、農家が適正に肥料を使うと、肥料代を削減できるだけでなく、温室効果ガスの一つである一酸化二窒素の削減が行われ、地球温暖化を防ぐことにも貢献できるのです。

世界のカーボンクレジット市場50兆円のうち、農業カーボンクレジット市場は6兆円あり、そのうち9,000億円の市場を狙うことができるのです。

J-クレジット制度について(J-クレジット制度)

これは、農家の臨時収入としても活用でき、当社は申請代行による手数料を頂くことでビジネス化をしています。

売上推移ですが、今期は売上3億円、利益1億円を見込めています。

10年後に、売上および利益を500倍にしていく計画です。

衛星データを活用したDXで世界の農業を支援

これらの事業は、グローバルでの経験が豊富な経営陣が担っています。

今回のICCサミットには、全員が参加しています。

衛星データとAIを用いて、我々は日本、そして世界の農業を支援します。

そして、脱炭素社会を目指すことで、次の世代に変わらぬ地球を残していきたい。

皆さまからの大きな応援、そして支援をいただけませんでしょうか。

サグリは、事業連携や資金調達の機会を求めています、是非お声がけください。

「衛星データとAIで農業に革命を起こす」、サグリ株式会社でした。

ありがとうございました。

実際のプレゼンテーション動画もぜひご覧ください。

(終)

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編集チーム:小林 雅/浅郷 浩子/正能 由佳/戸田 秀成/大塚 幸

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