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ICC KYOTO 2022 D2C & サブスク カタパルトに登壇いただいた、ODD FUTURE 長田 竜介さんのプレゼンテーション動画【コオロギ由来の代替タンパク質製品で、サステナブルな食の選択肢を作る「ODD FUTURE」】の文字起こし版をお届けします。ぜひご覧ください!
ICCサミットは「ともに学び、ともに産業を創る。」ための場です。そして参加者同士が朝から晩まで真剣に議論し、学び合うエクストリーム・カンファレンスです。 次回ICCサミット FUKUOKA 2023は、2023年2月13日〜2月16日 福岡市での開催を予定しております。参加登録は公式ページをご覧ください。
本セッションのオフィシャルサポーターはICCパートナーズです。
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【登壇者情報】
2022年9月5〜8日開催
ICC KYOTO 2022
Session 12A
D2C & サブスク カタパルト
Sponsored by プレイド
長田 竜介
株式会社ODD FUTURE
代表取締役CEO
1997年生まれ。静岡県出身。明治大学商学部卒業後、新卒で独立系専門商社の豊島株式会社に入社。国内外でのOEMによるものづくりに従事する中でサステナブル領域に対する課題意識を持つ。2020年に株式会社ODD FUTURE を創業。ビジョンは「サステナブルな新しい選択肢を世界に」。サステナブルな新しい食の選択肢として、食用コオロギを用いた代替タンパク食品「INNOCECT(イノセクト)」を展開する。日本初の粉末コオロギプロテイン等様々なコオロギ食品を展開する。
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長田 竜介さん 皆さん、こんにちは。
サステナブルな新しい食の選択肢を作るODD FUTUREです。
よろしくお願いします。
突然ですが、この脱炭素社会において、皆さん、企業として様々な取り組みを始められていると思います。
CO2の可視化 など、ICCサミットの1日目から、いろいろなサービスが紹介されました。
そんな中で、皆さん個々人の食生活は、何か変化がありましたでしょうか?
何を食べていますでしょうか?
気候変動、食料危機を救う選択肢「クリケット」とは?
3日間京都で美味しいものを召し上がってきたと思いますが、今後サステナブルな新しい食の選択肢として必ず普及してくる、普及させる、新しい原料がこちらです。
クリケット、「食用コオロギ」です。
我々はこのクリケットで、気候変動、食料危機を救うフードテック・スタートアップです。
具体的なビジネスモデルですが、東南アジアで養殖・加工したクリケット原料を、日本国内において「D2C」「原料の卸売」「OEM」の3つの事業に展開しています。
自社プロダクトINNOCECT(イノセクト)にて日本初の粉末のクリケットプロテインを作り、プロテインのカテゴリーを1つ増やしました。
▶【日本初】コオロギタンパクを使用したカラダと地球に優しい「クリケットプロテイン」が本日より再販開始 2020年12月4日(PR TIMES)
そして審査員の皆さんのお手元にあります、1本で12gのタンパク質が摂れ、添加物不使用の自然由来の原料で作ったプロテインバー「クリケットプロテインバー」を展開しています。
クリケットプロテインが優れている理由
このクリケットプロテインバーは、何が優れているかというと、3つあります。
1つは、動物性の高タンパクを摂りながら、従来の主成分であった乳タンパクを使用しないため、従来のプロテインよりもお腹を下しづらいといったメリットがあります。
2つ目に、昨今のウクライナ危機などがある中で、そのような原料高騰化の中でも安定して供給できる新原料であることです。
そして3つ目に、サステナビリティが高いことです。
どれぐらい高いのかというと、例えば同じ動物性タンパク質1kgをウシとコオロギで作るとなった際に、必要な餌の量は約6分の1です。
そして、使用する水の量も、約6,000分の1で済みます。
さらにカーボンフットプリントは、同じ動物性タンパク1kgを作っているにもかかわらず、約30分の1で生産できます。
栄養価に関しては、タンパク質含有量は100gあたりウシの約3倍の60gのタンパク質を含んでいます。
つまり、最小限の資源で最大限の栄養を供給できるのが、このクリケットです。
未来の起業につながった幼少期の体験
では、なぜこのクリケットという商材に賭けてスタートアップをやっているのかという話をさせてください。
私は、静岡県の伊東という町で生まれました。
海も山もきれいな町で、農家の祖父はそこで畑をやっていて、幼い頃、私は祖父のもとに遊びに行って、畑を耕している傍で遊んでいました。
ある時、20分ほど畑を耕した祖父が、「どうやらお腹が空いた」と言い出しました。
ただ、祖父はお水しか持ってきていません。
そこで、お腹が空いた祖父は、畑から出てきたバッタとコオロギをそのまま食べたのです。
虫をそのまま食べた祖父から、「竜介、お前も栄養があるから食べろ」と言われて、畑を追いかけ回された幼少期を過ごしていました。
昆虫食にその時は魅力を感じていなかったのですが、そこから私は新卒で商社に入社しました。
そこで、サステナブルなものづくりに問題意識を持ち、新しい事業を探していました。
いろいろな事業がある中で、「フードテック」「昆虫食」という領域があると知りました。
普通の起業家であれば「昆虫食」というワードを見て、もうほとんどの方がスルーされるかと思いますが、私は何かビッとくるものがありました。
そして、「なんだろう?」と。
「これは20年前、僕のおじいちゃんがやっていたぞ」「もしかしたら、あのバッタを食べていたおじいちゃんは5周ぐらい回って、最先端のサステナブルな食生活を送っていたのではないか」と思いました。
そこから私は、この昆虫食をゲテモノではなく、新しいサステナブルな最先端の食品として展開していこうと決めたのです。
そして我々が目指す環境インパクトとしては、例えば、30年後動物性タンパク質の5%をクリケットで代替することができれば、約1.33億人分の年間のCO2排出量を削減することができます。
単月黒字化に成功、グローバルに販路を拡大中
そして、プロダクト展開から1年ほど経ちました。
瞬く間に店舗展開が広まっています。
国内約100店舗、そしてオンラインのチャネルも拡大していっています。
トラクションとしても、直近の月次で3,800万円ほどの売上が立ち、単月黒字化をしています。
そして今後、フードテックは日本国内だけでは終わりません。
グローバルサプライチェーンを構築して、世界中の自然食品店に、我々のプロダクトが並ぶ、そういう世界を創ろうと思っています。
そして、2030年のSDGs達成に向けて、我々も成長し、IPOをすることを目指します。
チームは、グローバルサプライチェーンを構築するために、商社のバックグラウンドを持つメンバーで初期チームを構成しています。
2030年に世界の市場規模は昆虫食で約1兆円、そして代替タンパク質は約3.3兆円あると予想されています。
この大きな市場を獲得しにいきたいと思っています。
サステナブルな新しい選択肢を世界に
最初に、このスライドを見せた時に、ちょっと抵抗を感じてしまった方もいらっしゃるかもしれません。
ただ、我々はゲテモノとして昆虫食を広めるという会社ではありません。
サステナブルな新しい最先端の食品として、クリケットを広めていきたいと思っています。
そして我々は、クリケットのその先、サステナブルな新しい選択肢を次々と世界に生み出していく、そういうスタートアップです。
ありがとうございました。
(終)
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編集チーム:小林 雅/星野 由香里/浅郷 浩子/正能 由佳/戸田 秀成/大塚 幸