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チーム作りに禅問答はどのように活かせるのか?【SP-OD3 #9】

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これまでに配信した、組織づくりに関する議論を総特集いたします。今回は、ICCカンファレンス KYOTO 2016 から、「最高の成果を生み出すチーム作りの方法論」を10回に再編集してお届けします。組織づくり特集3(その9)は、会場からの質問を受け付け、経営者が禅問答を繰り返す効果や、無心で「ただ聞く」ことの難しさについて議論しました。ぜひご覧ください。

ICCサミットは新産業のトップリーダー600名以上が集結する日本最大級のイノベーション・カンファレンスです。次回 ICCサミット FUKUOKA 2018は2018年2月20日〜22日 福岡市での開催を予定しております。参加登録は公式ページをご覧ください。


【登壇者情報】
2016年9月6日・7日開催
ICCカンファレンス KYOTO 2016「ICC SUMMIT」
Session 5C
最高の成果を生み出す チーム作りの方法論
(スピーカー)
石川 善樹
株式会社Campus for H
共同創業者

川上 (全龍)隆史
宗教法人 春光院
副住職

川邊 健太郎
ヤフー株式会社
副社長執行役員 COO

中竹 竜二
(公財)日本ラグビーフットボール協会
コーチングディレクター

(モデレーター)
小林 雅
ICCパートナーズ株式会社
代表取締役

「最高の成果を生み出すチーム作りの方法論」の配信済み記事一覧

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最初の記事
【新】最高の成果を生み出すチーム作りとは?【SP-OD3 #1】

1つ前の記事
増え続ける「バイアス」を取り除くためにはダイバーシティが重要【SP-OD3 #8】

本編

経営者との禅問答

小林 それでは残りも少なくなってきたので、会場からのQ&Aに移りたいと思います。

では、そちらのfreee 佐々木さん、どうでしたか。

石川 まずこれは、好きか嫌いかを聞きたいところですね。

川邊 この話が好きだったか嫌いだったか。

質問者1 好きでした。

石川 中竹さん。これはどうですか。プロの目から見て本当ですか、ウソですか。

中竹 これはウソですね(笑)

石川 佐々木さん、見抜かれていますよ(笑)

質問者1 でも、その好きか嫌いかに振れ過ぎても、たぶんダメでしょう。

そこのバランスはどう取るのですか?



佐々木 大輔
freee株式会社
代表取締役
 
全自動のクラウド会計ソフトfreee フリー)を運営するfreee株式会社の代表取締役。学生時代、インターネットリサーチ会社インタースコープ(現在は合併を経てマクロミル)にて、新しい調査手法の開発に従事。卒業後は博報堂を経て、投資ファンドのCLSAキャピタルパートナーズに参画し投資アナリスト、その後レコメンドエンジンのスタートアップであるALBERTにてCFOと新規レコメンドエンジンの開発を兼任。この後Googleで、日本およびアジア・パシフィック地域での中小企業向けのマーケティングチームを統括し、同地域での中小企業におけるオンライン広告プロダクトの浸透に大きな実績を残した。2012年7月freee株式会社を設立。一橋大学商学部卒。専攻はデータサイエンス。

中竹 今のはすごく良い質問で、そのダメとか良いとかというのをなくすのです。

好きとか嫌いということを喋っていることに対して、良いとか悪いとか言いだすと、言い過ぎては悪いとかそういうふうになってくる。

石川 バランスという言葉が出ている時点で、カオスには行かないということの表れですよね。

中竹 そうです。

そして、好き嫌いの話をすると、みんな「なんで」と聞くのです。

でも、究極的には理由は答えられないものなのです。

だって、好きなのですから。

ここまで行った方が良いですね。

小林 No Reasonですか。

中竹 そうですね。No Reasonです。

質問者1 それでもチームはまとまりますか。

中竹 まとまります。

それに、今また「まとめる」という「良い」の方向にとらわれているでしょう。

良い方向へ行こうなどと思わない。

小林 禅問答ですね。

質問者1 こうなると何を言ってもヤバイとなりますでしょう。

どうすれば良いのですか。

川上 ヤバイとか言い出している時点で完全にとらわれているので、とりあえず言ってみようの世界ですよね。

たとえば、禅問答の段階で入る前に3回連続で鐘を鳴らされるようになる時もあるのです。

足音でわかると言われる。

そうなった段階で、僕は始まる前に中に入って鐘を盗んでいたのです。

(会場笑)

それで向こうがあたふたしているところへ入っていった時がありました。

小林 なるほど。ありがとうございました。

禅問答とチーム作り

小林 では、次に禅問答を受けたい人はいますか。

それでは質問家のマツダミヒロさんへ聞いてみましょうか。

質問家という職業をされているマツダミヒロ(松田充弘)さんです。

川邊 プロじゃないですか。

小林 プロなのです。

それでは何か質問がありましたら。

質問者2 とりあえず、今の話好きでした。

これは質問ではないですね。

中竹 あ、これは結構本当ですね。

質問者2 本当です。

今僕が感じていたのは、答えは出さなくて良いのだということです。

小林 かなり雑談でしたからね。

川邊 雑談でした。

質問者2 それがすごく真実だなということを感じました。

質問は、僕は禅問答にとても興味が湧いたのですが、「禅問答でチーム作りに最も活かせるものは何だ?」という質問があるとしたらどんなことを答えますか。



松田 充弘 (マツダ ミヒロ)
マツダミヒロ事務所 代表取締役
 
東北芸術工科大学デザイン工学部卒。
カウンセリングやコーチングの理論をベースに、自分自身と人に日々問いかけるプロセスを集約し、独自のメソッドを開発。質問するだけで、魔法にかかったようにやる気と能力が引き出され、行動が起こせるようになることから、「魔法の質問」と呼ばれる。講演や、雑誌、テレビへの出演も多数。ニューヨーク国連本部の学校をはじめ世界各国の学校や企業で講演を行う。『賢人たちからの運命を変える質問』(かんき出版)『しつもん仕事術』(日経BP社)他30冊を超える著書がある。

川上 ランダム性はもちろんなのですが、聞いてあげるということですね。

質問をするということなのだと思うのです。

人間は質問をしてもらっているだけで信憑性が湧くと思うのです。

何か気にかけてもらっているのだというところがあると思うのですよ。

ですから、コーチングというのは、先ほども出ていましたが「どう?」と聞くだけでも良い。

たとえば、マインドフルネスを教える時に、マインドフルリスニングというものがあるのです。

会場に、今これだけ人がいます。

そして、いきなりペアを組ませて、1人2分ずつ時間を与えるのです。

そこで聞く方は、本当に徹底的に聞くだけです。

でも、人間というのは面白い。

人間は1分間に225の単語しか喋れないのですが、聞く方は500語聞けるのです。

すると、その穴を埋めようとして275の単語を自分でいろいろ考えてしまう。

でも、それをやめろと言うのです。

「ただ聞く」ことの重要性

川邊 ただ聞け、と。

川上 そう。ただ聞く。

変な質問などを考えない。

会話をしている時に、我々の頭の中は次にどうしようとか考えていて、正直パニックなのです。

雑談というのはそういう状況でしょう。

でも、それをやめて、聞くことに徹底しろということなのです。

そして、徹底してもらっているのだと感じるだけで、人間というのは安心してどんどん喋るようになる。

そういうのがおそらく組織づくりに使える禅問答ではないかと思うのです。

聞いてあげるということ。

100%集中して聞く。

川邊 それはウチの社長の宮坂が同じような話をどなたかから聞いて、感銘を受けた時、僕に「川邊、ただ聞くというのをやってみろよ。お前では絶対無理だよ」と言ってきました。

何かこれに対してこう言ってやろうとかしてしまうけれど、ただ聞くというのはすごく難しいからやってみろ、と。

そう言われたことがあります。

川上 でも、人間としては難しいのです。

275の単語のギャップがあるわけですから。

川邊 でも、聞かれている方が、ただ聞かれている方がより安心して喋れるということですね。

川上 自然に出てくると思うのです。

石川 最近、家に帰ると家内が「ダイニングテーブルを置こうと思う」というような話をして、僕はただ聞いていたのですが……聞いていなかったみたいですね。

「興味ないでしょう!」と言われました。

一生懸命聞いていたのですが。

(会場笑)

川邊 バレていたのですね。

石川 やはり、ただ言葉を聞くのではなくて、興味を持って聞かないとダメなのだということでしょう。

川上 やはりそうですよね。

小林 松田さん、この話を聞いて何かありますか。

質問者2 やはり質問に関して、関心を持って聞くというのとただ聞くというのはすごく大きな差がありそうですね。

石川 松田さんはすごいのです。

この間、僕と松田さんで対談していて、この人は本当にプロの質問家だなと思ったことがありました。

まず、モデレーターの方から自己紹介をどうぞと言われたのですが、突然「自己紹介とは何だ?」という問いから始めたのです。

それでなかなか自己紹介をしなくて、さすがだと思いました。

▶参考情報:「自己紹介とは何か?」を2016年3月24日に行った対談で議論しています。こちらをご覧ください。

小林 なるほど。それでは次の質問へいきましょう。

(続)

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続きは 「カオスから自己組織化」するチームが最高の成果を生み出す をご覧ください。

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編集チーム:小林 雅/榎戸 貴史/戸田 秀成/石川 翔太

【編集部コメント】

続編(その10)では、議論のまとめとして、カオスの状態からいかに再度、自己組織化(ストラクチャー化)していくかなどを議論しました。是非ご期待ください。他にも多く記事がございますので、TOPページからぜひご覧ください。

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