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1. 地域によりよい未来を残すため、「男鹿」をテーマに真剣議論スタート!

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ICC男鹿コネクテッドのパネルディスカッション「魅力あふれる地域を創るには」、全4回の①は、地域の未来のために精力的に活動する、五島列島なかむらただし社 中村 直史さん、NEWLOCAL石田 遼さん、CHEERS白井 智子さんによる自己紹介です。中村さんは、稲とアガベ 岡住 修兵さんが発した2つのキーワードに注目。モデレーターは、ICCパートナーズ代表 小林 雅さんです。ぜひご覧ください!

ICCサミットは「ともに学び、ともに産業を創る。」ための場です。そして参加者同士が朝から晩まで真剣に学び合い、交流します。次回ICCサミット KYOTO 2025は、2025年9月1日〜9月4日 京都市での開催を予定しております。参加登録は公式ページをご覧ください。

本セッションのオフィシャルサポーターはICCパートナーズです。

【速報】司法で社会の不合理を変える!“公共訴訟”に取り組む専門家集団「LEDGE」がソーシャルグッド・カタパルト優勝!(ICC FUKUOKA 2025)


【登壇者情報】
2025年7月3〜4日開催
男鹿コネクテッド 特別セッション
魅力あふれる地域を創るには
Produced by ICCパートナーズ

(スピーカー)

岡住 修兵    
稲とアガベ
代表取締役

石田 遼
NEWLOCAL
代表取締役

白井 智子
CHEERS
代表取締役

中村 直史
株式会社五島列島なかむらただし社
代表 / クリエーティブディレクター

(モデレーター)

小林 雅
ICCパートナーズ
代表

「ICC男鹿コネクテッドツアー「魅力あふれる地域を創るには」」の配信済み記事一覧


小林 雅(以下、ICC小林) 「魅力あふれる地域を創るには」ということで、今回4人のパネリストをお呼びしました。


小林雅
ICCパートナーズ
代表取締役

東京大学工学部卒業後、1998年に経営コンサルティング会社「アーサー・D・リトル(ジャパン)」に入社。 主に日本の大手製造業の新規事業立案のプロジェクトを担当。2001年に独立系最大級のベンチャーキャピタル「エイパックス・グロービス・パートナーズ(現在のグロービス・キャピタル・パートナーズ)に入社。 2004年同社のパートナーに29歳で就任。2007年に独立し、独立系ベンチャーキャピタル「インフィニティ・ベンチャーズ」を共同創業し、累計150億円以上のベンチャーキャピタルファンドを立ち上げた。2001年から14年間、主にインターネット業界のベンチャー投資業務に従事し、グリー・レノバ・freee・ソラコム・ウェルスナビなど多くの注目投資案件を手がけ、担当投資先のキャピタルゲイン(株式売却益)の総額は200億円を超える。また、2004年からはインターネット業界の経営者・幹部が集まるカンファレンスの立ち上げに参画、以降10年以上にわたって企画・運営に携わりインターネット産業の発展に貢献した。2016年4月にICCパートナーズ株式会社設立とともに代表取締役就任。共に産業を創るトップリーダーが集まる1000人規模のコミュニティ型カンファレンス「Industry Co-Creation(ICC)」の企画・運営を通じてイノベーションの実現に取り組む。

1回目の「ローカル・コネクテッド」で優勝したのは、五島列島のプレゼンをした中村 直史さんです。

【一挙公開】新企画「コネクテッド」 – ICC地域コミュニティを盛り上げよう!(全8回)
【一挙公開】「ローカル・コネクテッド」(シーズン2) – ICC地域コミュニティを盛り上げよう!(全10回)

本業はコピーライターで、長崎の観光や地域を語っていく人で、素晴らしいなと思って、パネリストとして来ていただきました。

NEWLOCALの石田さんは岡住さんと一緒にやっていて、前回のICCサミットのソーシャルグッド・カタパルトでは、見事2位に入賞しました。

人・金・知恵の仕組みで、地域リーダーたちとまちづくりの希望を作る「NEWLOCAL」(ICC FUKUOKA 2025)

京都・丹後など、色々な地域を見ていらっしゃいます。

CHEERSの白井さんはコネクテッドのツアーには、大阪、道東、ここ秋田、男鹿と、3回フル参加して、色々な地域を見ていらっしゃいます。

全国各地で色々な体験イベントをされていることもあって、47都道府県全ての地に宿泊したことがあるという経験をお持ちです。

無料で参加できる職業体験で、子どもが夢ややりたいことに出会うきっかけを創る「CHEERS」(ICC FUKUOKA 2023)

ということで、地域の魅力をいかに高めていくかをテーマに、議論を進めていきます。

60分のディスカッションで、後ほど質疑応答もしたいと思います。

モデレーターは私、ICCの小林です。よろしくお願いします。

岡住さん以外の方が、何に取り組まれているのか、石田さんから自己紹介をお願いします。

地域の未来を背負うリーダーとともにまちづくり、NEWLOCAL石田さん

石田 遼さん(以下、石田) NEWLOCALの石田です。

「まちづくりスタートアップ」と、自分たちのことを呼んでいます。


石田 遼
NEWLOCAL
代表取締役

1986年東京生まれ。東京大学大学院 隈研吾研究室で建築・都市設計を専攻。卒業後、マッキンゼーアンドカンパニーにて国内外の企業・政府の戦略策定・実行を支援、主に都市開発、公共政策などを担当。2017年 都市·不動産向けのスマートシティ・スマートビルのプラットフォームを提供するIoTスタートアップを起業。2022年 株式会社NEWLOCAL創業。「地域からハッピーシナリオを共に」をミッションに日本各地で不動産開発を中心としたまちづくりを行い、人口減少社会における持続可能な地域モデルの実現を目指す。現在は長野県野沢温泉村・御代田町、秋田県男鹿町、京都府丹後地域で展開中。半分は東京、半分は各地を飛び回る生活。

岡住さんのような、全国にいる、その地域の未来を背負っている地域リーダーの人たちと会いまくって、まち企画のような会社を作ることを、3年前に起業してやっています。

今は5地域で、これを再来年までに10地域でやっていこうとしています。

野沢温泉・御代田、丹後、小松、そして男鹿、今月から丸亀にも作っています。

もしかしたら皆さんのところにも、本腰を入れるかもしれません。よろしくお願いします。

地域の価値を再発見する、五島列島なかむらただし社 中村さん

中村 直史さん(以下、中村) こんにちは、五島列島なかむらただし社の中村です。


中村 直史
株式会社五島列島なかむらただし社
代表 / クリエーティブディレクター

五島列島福江島出身。筑波大学卒業。カリフォルニア州立大学ロサンゼルス校修士課程修了。2000年電通入社。以来コピーライターとして多数の広告コミュニケーションに携わってきました。2019年「五島列島なかむらただし社」設立。各地の企業や自治体の方たちと対話を続け「価値を再発見し、関わるみんなの言動一致をつくる」ことを目指しています。これまでの仕事に、RIZAP「結果にコミットする」シリーズ/エビオス錠「弱るもんか!」キャンペーン/YAMAP「地球とつながるよろこび/BORDERLESS JAPAN「SWITCH TO HOPE」/LORANS 「みんなみんなみんな咲け」/五島つばき蒸溜所「西の果て、祈りの島より。GOTOGIN」/ ICCスタンダード/Ocean Network Express「AS ONE, WE CAN.」など。東京コピーライターズクラブ会員。長崎潜伏キリシタン巡礼ガイド・筑波大学非常勤講師。

生まれも育ちも五島列島の福江島で、高校時代までを過ごし、大学からは外に出て、東京でずっと広告代理店でコピーライターの仕事をしていました。

基本的には企業のキャッチコピーを考えていくような、今もそういう仕事をしていますが、どちらかと言えば企業のパーパスやミッションを言語化する仕事をしています。

「ICCスタンダード」についても、言語化のお手伝いをしました。

そういうことが僕のメインの仕事なので、それを地域に活かしています。

地域の中にある企業のパーパスを考えていくと、地域にとっても、多分似たことがあるのかなと思います。

つまり、そのものが持っている本当の魅力を、もしかしたら、その人たち自身が気づいていないかもしれないということです。

その魅力をなんとか掘り出して、見える形にして、価値を再発見して、「みんなの運動にする」という言い方をしているのですが、そういうものを目指しています。

ですので、企業のこともやれば地域のこともやれば、五島列島に関して言うと、生まれ育った場所なので、仕事かそうでないかにかかわらず、自分でそういう価値はないかなと考えて、個人的に発信して、人を呼んで色々なことをやり続けてきました。

そのような立場で、今日僕は参加しています。

よろしくお願いします。

ICC小林 地域のパーパスや、イシューなどを踏まえて企画ができればと思っています。

では白井さん、お願いします。

地域の子どもたち向けに体験をデザイン、CHEERS白井さん

白井 智子さん(以下、白井) 名だたる地域プレイヤーさんがいらっしゃる中で、私でいいのかなと思っているのですが、CHEERSの代表をしております白井と申します。


白井 智子
CHEERS
代表取締役

幼少期に難治性疾患に罹患し長期治療の経験と自身の子どもが生まれたことをきっかけに2016年、東京渋谷にて保育事業をスタート。現在は「ワクワクで沸かせる。世界を。こころを。」をスローガンに、活動拠点を全国に移し、地方の子どもたちにも様々な生き方を知る機会として企業・自治体との連携でこれまでに約3万人の子どもたちに無償でプログラムを提供している。

CHEERSは、地域の子どもたち向けに社会の体験のデザインをするということをやっています。

無料で参加できる職業体験で、子どもが夢ややりたいことに出会うきっかけを創る「CHEERS」(ICC FUKUOKA 2023)

具体的には、地域の大人、まち、地域の職業と地域で暮らす子どもたちとの接点となるお祭りを作っています。

今年は全国20箇所ですが、私たちの拠点は東京なので、わざわざよそ者という立場で入らせていただいています。

先ほど岡住さんから、「コンテンツではなく、文化を作る」という言葉がありましたが、私たちのコンセプトも似ていて、「コンテンツではなく、つながりを作る」です。

私たちはどこまでいっても企画、イベント屋ですが、子どもたちを真ん中に、古くからその地域で事業を営む老舗の方から、地域で新しく挑戦している若手のプレイヤーまで、様々な地域の大人をつないでいくということを、よそ者だからこそやっています。

フェスなどの事業は、だいたい出店料や手数料ビジネスだと思いますが、私たちは全国に支社を持つ大企業の資本力を借りて、地域地域でフェスを開催するための年間予算を取っていただいて、地域に還元していくビジネスモデルで展開をしております。

今年は20箇所、来年は40箇所での開催予定で、今まさに全国を回り、その地域、地域の魅力を作るということに混ぜてもらっておりますので、みなさんにもシェアできることがあったらいいなと思って参加させていただいております。

ICC小林 ありがとうございます。

今日は、まちづくり側の人、どちらかというとサポートするというか、企画を考える2:2で分かれています。

では早速、魅力あふれる地域を創るにはということで、中村さんにお聞きしたいです。

石田 答えを。

(一同笑)

ICC小林 男鹿は正直、どうですか?

中村 びっくりした(笑)。びっくりしたというか、それはそれで難しいですね。

(一同笑)

ICC小林 男鹿はまだちょっとしか見ていないですが、どう感じたかを、中村さんの言葉で聞きたいですね。

中村 そうですね…。

石田 すごい無茶振りですね(笑)。

キーワードは「たまたま」と「導かれるような」

中村 地域に元々ある資源みたいなことって、色々言われるじゃないですか。

でも、僕はあんまり関係ないなと思っています。

男鹿を見て思うのは、よくもこれだけの短い時間の間に、これだけのものができてきたなというのと、あとはそこに導かれて色々な人たちが集まってきたなという、そこがやっぱり面白いなと。

人が人を呼ぶダイナミズムというか運動みたいなものは、なぜ起こるのかということを、今日ずっと考えていました。

もちろん岡住さんが中心となって、渦を起こしているのだと思いますが、それだけで片付けられないものがあるのだと思います。

今日話を聞いていてキーワードだなと思ったのは、岡住さんが言っていた「たまたま」という言葉と「導かれるような」という、2つの言葉が、僕の中ではいい問いだなと思って。

それはなぜそう思っているかと言うと、「たまたま」と言っているけれど、たまたまじゃない何かがあると思います。

「導かれている」ということも、単に縁に導かれているということではない何かがあると思いました。

僕は五島で、なんとかそれを作りたいなと思っています。

「たまたま」とか「導かれる」とか。

いい志を持って、いい人であることが大事かなと思っているのですが、ここはそういうものがやっぱりあるなと思いながら、今日の説明を伺っていました。

ICC小林 いい志がいい人を引き付けるということですかね?

中村 そうですね。いい志がいい人を引き付けるし、岡住さんがいい人かどうか、僕はまだよく知らないですけど。

(一同笑)

色々あっても、やっぱりいい人でいなければいけないのだろうな、いい人でないといい人は寄ってこないなというふうに思っていて、そういう意味です。

いい人が寄ってくるというよりは、その渦の中にいる一人ひとりがいい人でなければいけないなというのが、感じていることかもしれないです。

ICC小林 いい言葉ですね。

いいリーダーとは、いい人とは、という、地域の魅力を創り出せる人はどういう人でしょうか?

求めるのは「地域を背負う覚悟」

石田 最近これは社内で言語化したんですが、すごく明確で、要はその地域の未来を背負う覚悟があり、それを自他ともに認めている人物です。

たとえば男鹿に来て、そこらへんの人に「この地域でがんばってる人はいないですか?」と聞くと「稲とアガベの岡住さん」と、いわれるような人です。

そういう人は、多分皆さんのところにもいて、それは突き詰めると「覚悟」だと思っていて、質としては首長に立候補するのに近しい覚悟がありますね。

自分の事業だけをやっていくのは、もちろん大変ですが、ある程度の才覚がある人であれば、それなりにできます。

でも、その地域を背負うということは、はっきり言ってリターンと合わないです。

なんなら批判されるくらいで、非常に大変ですからね。

精神的な充足はすごく高いけれど、別に大儲けをするわけでもないので。

ここのゼロイチで、そこの覚悟ができている人かどうかは、最近は会えば分かるようになったし、それを言うこともあります。

ICC小林 ほう。

石田 「あなたの覚悟ができたら、一緒にやりたい」ですと。

(一同笑)

でも、それを言うと「いや、そうなんだよな」みたいな顔をされるので、やっぱり自分でも分かっているのですよね。

「自分がやるしかないけど、ほんとにやるのか…」みたいな方に、それを言っています。

ICC小林 現OWB(当時、小高ワーカーズベース)の和田 智行さんが、ICCのソーシャルグッド・カタパルトで、「自分がやるしかない」というプレゼンをして、プレゼンを聞いてすごいなと思うけれど、実際にそこに行くと、本当によくやったなと感じます。

原発事故でゼロになった町を、100の事業を創出する開拓者の町に変える「小高ワーカーズベース」(ICC KYOTO 2022)

男鹿もそうですよね、よくやるよな、と。

僕も別に男鹿出身ではないわけですが、僕が来てまちづくりとかをやろうと思ったら、できると言えばできるじゃないですか。

でも、いや……ねえ?みたいな。秋田空港から90分と遠いし。

石田 1時間、1時間。

(一同笑)

ICC小林 小一時間? 重要なことを間違えました(笑)。

ものすごく遠いイメージで、東北って何もないと思っていたのですが、反省しました。

では、白井さん、直史さんへの質問と似ていますが、ずばり男鹿に来て短いながらも滞在して、どういう魅力を感じたか、どう伝えるか、こういうふうにしたらいいのではないか、ということは?

「導かれている」人たちの熱量が高い男鹿

白井 私は、たとえば今年は20箇所、皆さんのような方々との接点を頂いています。やっていることは、子どもたち向けの職業体験のお祭りを4カ月かけて実施するというものですが、中身で言うと大人たちの意識合わせです。

「それやって何になるの?」と思う人たちも含めて説明会を開き、地域の中で大人たちをつないでいき、街の中に繋がりを作ることが本当の目的です。

私たちは、子どもたちに、いい未来を残したい。

そのためには、地域で頑張るかっこいい大人の背中を、子どもたちにどれだけ見せてあげられるかだと思っています。

学校の先生や親御さんからすると、このまちには未来がないから、都会のいい大学を出て、もう地元には帰ってこなくていい、それは日本中どこでも言われていると思います。

でも、外から入って見せていただくと、男鹿でも感じましたが、「ジュリア、ここに移住したの?」みたいな衝撃で、めちゃくちゃ解像度が上がったのです。

(一同笑)

私も地元は東京ですし、珠里亜(荒木 珠里亜さん)も東京生まれ、東京育ちでこの場所に移住して挑戦するというのは、すごいことだなと感じています。

信頼される地方のリーダーを目指して──荒木 珠里亜さん(海と – 稲とアガベのWEBメディア note)

ICC小林 さっき珠里亜か翔太さんの家の前を通りましたね。

(一同笑)

白井 (笑)その姿を子どもたちが見て、例えば「地元でもこんなにかっこいい職業があるんだ」「世界に誇れる、実はこの工場でしかできないネジの作製技術があるんだ」みたいなことに気づくきっかけとなります。

学校の先生でもなく、行政の方でもなく、自分の親でもない人たちが担っていくということが、私たちがどこまでいってもよそ者だからこそできることだなと思っています。

そういう意味では、男鹿の今日一日で、直史さんの言葉じゃないですけれど、「たまたま」にしては「導かれている」人たちの熱量がめちゃくちゃ高いなと思いましたし、それがこのまちにとって本当に希望なのだなと強く感じました。

(続)

カタパルトの結果速報、ICCサミットの最新情報は公式Xをぜひご覧ください!
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編集チーム:小林 雅/小林 弘美/浅郷 浩子/戸田 秀成

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