▶カタパルトの結果速報、ICCサミットの最新情報は公式Xをぜひご覧ください!
▶新着記事を公式LINEで配信しています。友だち申請はこちらから!
▶過去のカタパルトライブ中継のアーカイブも見られます! ICCのYouTubeチャンネルはこちらから!
ICC男鹿コネクテッドのパネルディスカッション「魅力あふれる地域を創るには」、全4回の最終回は、「NEWLOCAL石田 遼さんが、稲とアガベで働く人の層の広さをどう捉えているか」と「秋田豪雨災害の現場に、多忙な岡住 修兵さんが駆けつけた理由」が明かされます。ICC小林 雅さんは、人生と事業に大きな影響を与えたジャパンハート 吉岡 秀人医師との交流を語ります。最後までぜひご覧ください!
ICCサミットは「ともに学び、ともに産業を創る。」ための場です。そして参加者同士が朝から晩まで真剣に学び合い、交流します。次回ICCサミット KYOTO 2025は、2025年9月1日〜9月4日 京都市での開催を予定しております。参加登録は公式ページをご覧ください。
本セッションのオフィシャルサポーターはICCパートナーズです。
▶【速報】司法で社会の不合理を変える!“公共訴訟”に取り組む専門家集団「LEDGE」がソーシャルグッド・カタパルト優勝!(ICC FUKUOKA 2025)
▼
【登壇者情報】
2025年7月3〜4日開催
男鹿コネクテッド 特別セッション
魅力あふれる地域を創るには
Produced by ICCパートナーズ
(スピーカー)
岡住 修兵
稲とアガベ
代表取締役
石田 遼
NEWLOCAL
代表取締役
白井 智子
CHEERS
代表取締役
中村 直史
株式会社五島列島なかむらただし社
代表 / クリエーティブディレクター
(モデレーター)
小林 雅
ICCパートナーズ
代表
▲
▶「ICC男鹿コネクテッドツアー「魅力あふれる地域を創るには」」の配信済み記事一覧
ICC小林 では、朴 理沙さん、質問をどうぞ。
Q 移住者や幅広いメンバーが集まる稲とアガベをどう見ている?

朴 理沙さん(以下、朴) 私は男鹿は今回4回目で、多分最後に来たのは(荒木)珠理亜が転職を決めたタイミングの2023年の11月頃です。
今日も、稲とアガベのメンバーが来ていて、さりげなく後ろにどんどん増えていますが、稲とアガベのスタッフの層は幅広いです。
例えば、珠理亜が初めて来た時に、その横にいる末松宏一さん(通称パスカルさん)のような元Googleのエンジニアもいれば、地域の人もいて、地元の人もいます。

ぜひお聞きしたいなと思ったのが、移住者や、幅の広いメンバーが集まっている稲とアガベの魅力が、色々な地域に関わっている遼さんから、どう見えているのかということです。
色々な地域の人たちにとって、人を採用する時、どう関わって層の広さを作るのかにもつながると思ったので、お聞きしたいです。
A1 正直なところ分からない

石田 今日、色々勉強になっていますが、今日一番刺さったのはサナブリ(SANABURI FACTORY)で、保坂夫妻が紹介をしていて、それがとてもいい説明だったので、ぜひ聞いてもらいたいと思いました。
2人のことは長く知っていて、もともと超好きな2人ですが、偉そうに言うと、すごく成長している姿を見ているし、来るたびに新しい人がいて、僕は全員とお話ししていないですが、こういう人が育って集まってきていること自体が報酬というか、やっていることの意味かなと僕は思っていて、朴さんが言っていることはすごく分かります。

僕らは最近、男鹿まち企画という、この2社(稲とアガベとNEWLOCAL)でできているJV(ジョイントベンチャー)の文化をどうするかみたいな話をちょうどしています。
この2人の考えていることは非常に近いですけれど、実は作っている部分や、人材がちょっと違います。
それをどうすり合わせていくかという話をしていく中で、例えば、端的に言うと、修兵君は入りたいですと来る人をほとんど全員採用しています。
一方、僕は5次面接くらいまでして採用しますが、お互いにそれぞれ良い会社だね、良い企画だねみたいな話をしているから、正直何が正解かは分かっていなくて。
ダイバーシティを広げることはいい部分もあるし、難しい部分もありますが、稲とアガベは幅の広がり方が、自分たちがこうやっていこうというふうに、まだなれきっていない部分もあるので、一言で言うと分からないです。
(一同笑)
A2 幅広い発信が幅広い人材獲得につながっている

ICC小林 僕もICCのチーム作りやコミュニティ作りをしていますが、結局、魅力的な人と魅力的な人は働きたいと思うのですよね。
優秀な人は優秀な人と話したいし、ファッションセンスあふれる人はファッションセンスあふれる人と話したいというように、非常に同じものというか、すごいと思う人と一緒にやりたいという話になるので、結局魅力的な人をたくさん集めたいと言ったら、自ら優秀な人を混ぜようという話なのですよね。
基本的に自分は何も努力していない割には優秀な人に来てほしいとか、人不足であるという人がほとんどです。
なので、まずは自分から努力することが大事かなと思いますね。
僕自身もやっぱりそういったいい人、魅力的な人、自分にはない才能というか能力というか、それを求めるためにどうしたらいいかというと、自分自身が魅力的になっていかないといけないと思っています。
そのために色々な体験をして男鹿にも行くし、色々な人と対話もするし、色々な食体験など常に学びの機会としてとらえて、自分をいかに高めていくか、魅力的に思っていただけるか努力することによって、結果的にICCそのものにもすごく魅力的な参加者が集まってきます。
僕を直接知らなくても、参加者が魅力的になっているのは、もともと僕がいて、一緒にやろうよとか、カタパルトなどをやっていくと、結果として熱が伝わってくる形になるので、魅力的なものになるのかなと思いますね。
稲とアガベに関しては情報発信とか、面白い取り組みをしているので、どんどん色々な人が集まってくるということで、自分自身が魅力的になってきます。
それを伝えること、努力を惜しまないことを繰り返しやっているからこそできている稲とアガベの組織であって、それが思いもしないGoogleのエンジニアの採用につながります。
普通、Googleのエンジニアは、みんな採用したいじゃないですか。
でも、その人自身が働きたいと思ったかどうかがすごく大事だと思うのですよね。
そういったものになるかどうかは、発信です。
他の会社もそうですが、Googleのエンジニアの方は、カタパルトの過去のプレゼンや僕のプレゼンを見て、働きたいという人が結構いるのですよね。
どこかで働きたい、自分の命をかけたい、覚悟を決めて何かしたいと思っていても、意外にそれが何か分からないという人が多くて、そんな時プレゼンが、自分はこれになりたい、例えば、医者になりたいというきっかけになるのではないかと思います。
情報発信や伝えることを惜しまずにやっているからこそ、逆に幅広いメディアで情報発信するから、稲とアガベには幅広く色々な人が来ているのかなと思います。
朴 ありがとうございます。
ICC小林 時間オーバーですが、あと1問ぐらい。
Q 秋田豪雨災害の現場に駆け付けたのはなぜ?

Local Power 寺田 耕也さん せっかくなので地元から質問をしたいと思います。
岡住 修兵と仲良くなったのは、2年前に秋田市で水害があった時に、男鹿も水が止まったからどうせ仕事がないのでと、秋田市の水害の現場に手伝いに来てくれて、250軒くらいを一緒にやったことがきっかけです。
私も県外出身ですが、同じ県外出身者として、地域を利用しているような人もいて、その当時、岡住 修兵をよく知らなかったので、どっちなのかなと思って。
(一同笑)
その時に、実際、復興のために一緒にやって、こいつは本物だと思って、めちゃめちゃ今もほれ込んで、本当に一ファンになっているのですが、あの時になぜそう決断ができたのか?
要は、起業したばかりだし、男鹿も水が止まっていて大変な時に、秋田市に駆け付けてくれて、250軒の水害の現場も、岡住 修兵が全部現場を仕切ってくれたのですよね。我々は使われていただけで。
(一同笑)
あの時、素晴らしい仲間だというふうに言っていたのですが、その仲間たちみんなで駆け付けて、結果として行政の手の届かないところをすごく助けてもらいました。
それがなぜできたのか、聞きたいです。
ICC小林 すごいですね。岡住 修兵の知られざるいい人ぶりが。
石田 一隅を照らしましたね。
A 社内のメンバーの希望を叶えるため

岡住 あれは、「知り合いの店が被災して、とにかく手伝いに行きたいので、休みを取らせてほしい」とうちの女性メンバーが言ってきたのがきっかけです。
水害によって醸造所もお店も全部水が止まったし、ちょうどらーめん「おがや」を立ち上げる時で、延期せざるを得なかったり、、レストランもできなくなる、酒造りもできなくなる、結構大変な状況ではありました。
それを悲観するのではなく切り替えて、じゃあもう僕らは仕事にならないから、ボランティアを仕事にしようと決めて、休みを取らなくていいよと。
あとは、そのメンバーは顔が広いので、ボランティアすると決めたら色々な情報が集まり始めて、どこそこの大学生がボランティアしたいと言っているが、そういったことを集約している所がないみたいな情報がたくさん彼女に集まり出してきたのです。
でも彼女が本当にやりたいことは、そのお店に行って一緒に寄り添って片付けるということであって、ボランティアを差配することではないのです。
そういう差配が、会社の中で一番得意だったのは僕だったので、じゃあ、そこをやりましょうと言って、Googleのフォームでボランティアしたい人を集めるフォームを作って、ボランティアしてほしい家のリストを同時に集めようと一晩で準備しました。
結局人が集まっても、派遣先がなければ何も仕事がなくて終わるので僕が一番発信力があったので、ツイッター(現X)にそのフォームを流しました。
そうしたら、色々な情報がバーッと集まり始めて、どうもヤマキウ南倉庫を拠点にして、秋田市の経営者の寺田さんと東海林さんがボランティアをするらしいという情報が入りました。
そこで僕が集めた情報を元にヤマキウ倉庫に本部を作って、ボランティアを集めて困っている人たちに派遣するということを豪雨翌日にスタートしました。やっているとうまくいく部分といかない部分があって、例えば似たような住所でも、実際は結構離れていたりするのですよ。
それがGoogleマップ上で一目で分かったほうがいいというので、当時Googleマップのエンジニアだったパスカルさんのことを思い出して、フォームに登録があったら自動でピンができるシステムを作ってもらいました。
そういうものも全部ディレクションして開発しながら、来た人たちで即席チームを作って、全て稲とアガベのメンバーをチームのリーダーにしました。
そうやって連絡を取り合いながら50人程度の集団で、1日50軒単位で秋田市の社会福祉協議会が機能するまでの数日間片付けていました。
そういうことをやっていたのですが、質問に戻るときっかけはうちのメンバーが本当にやりたいことを僕が社長として整えるということが1つの発想でした。
人生を変えたジャパンハートとの出会い
ICC小林 いいですね、素晴らしいですね。
(会場拍手)

人を引き付けていくというのは、自分の仕事だけではない時が結構ありますよね。
ミャンマーとカンボジアで、無償で医療を提供しているジャパンハートというNGOがあるのですが、僕が前職でメンターをしていた時に、経営者以外で感動する話をしてくれる人を探していたところ、ジャパンハートの吉岡 秀人医師という非常に良い方を紹介してもらいました。
医療などには興味がなかったのですが、あまり深く考えずに、話を聞いたら非常に感動して、僕の人生が大きく変わりました。
たまたま1年ぐらい前にシンクロの西井(敏恭)さんという方から「ミャンマー、カンボジアに行きませんか?」と誘われて、「ああ、吉岡さんのところですね」と。
前職の時はVCをやっていて忙しく、本業と関係ないところに行くことは全くなかったのですが、行く機会を得て本当に素晴らしいなと思いました。
また、ジャパンハートはカンボジアでの新病院(ジャパンハートアジア小児医療センター)設立のために10億円の寄付を集める必要があったので、よし、ICCの関係者を招いて、パレスホテル東京でチャリティディナーをするかと気軽に言った結果、1,200万円のお金がかかりました。
(一同笑)
▶自分の命の時間を、あなたは何に代えるのか? ジャパンハート20周年チャリティディナー開催レポート
全額僕が負担するから、集まったお金を全部寄付しますみたいな感じだったところ、5,000万円ぐらい集まりまして、結果として派生して色々な支援が生まれてよかったです。
それと、僕は49歳の時にミャンマー、カンボジアに行って感動して、人生がすごく変わったので、ICCのメンバーに、参加費として25万円ほど費用を出すから、若いうちに行くといいよと、声を掛けました。
休みを取ってミャンマーとカンボジアに行くのは5人くらいかなと思って、まあ100万円ぐらいは出してもいいかなと思ったら、30人ぐらい行くのですよ。
(一同笑)
チャリティディナーで1,200万円ぐらい使って、600万円ぐらい渡航費を負担することになりました。
結局めぐりめぐって色々な出会いがあり、ジャパンハートのことをやることによって、結果としてはICCにつながるというか、吉岡さんの話を聞いていなかったら、ソーシャルグッド・カタパルトのようなものも全く生まれていなかったのではないかと思います。
ソーシャルグッド・カタパルトは、今ICCの中核のコンテンツになっていて、今のICCを特徴づけるようなプログラムになっていると思いますが、そういったものにもつながっていくのだなと思いました。
岡住さんは、多分その時は特に深く考えずに、夢中に何かをやったら、結局ファンが増えたり、今日の話を聞いた時に、「ああ岡住さんはそういう側面があるんだな」と思って、何か手伝ってくれる人が見つかったりすると思うのですよね。
意外とそういうふうに結果としてつながっていくんだなと僕自身が思う時がありまして、そういったものが結果としては地域のリーダーとか、強いリーダーシップ、魅力ある人、チームを作る要因になるのではないかと思った次第です。
長くなってしまったので、お一人ずつから感想を1分ずつ聞きましょうかね。
ディスカッションを終えて
白井 本当に、今日は皆さん、ありがとうございました。
皆さんのお話を聞かせていただきながら、熱い思い、覚悟を持ったリーダーと、地域のためにという親切な人との出会い、そこにくい込んだ仲間たち、この生態系が男鹿を創っているのだなとすごく感じました。
男鹿でできたら全国でできると思っているので、特に石田さんには、ぜひローカル版のボーダレス・ジャパンになって欲しいです。
石田 はい、まさに目指しています。
白井 はい。ぜひ全国の希望となるモデルを作ってくれたら嬉しいです。ありがとうございました。
中村 ありがとうございました。
このあとも、お話をさせていただければと思いますので、よろしくお願いします。
人と人が出会うというのはいいものだなとしみじみ思いました。引き続きよろしくお願いします。

石田 僕はこういうイベントを多分10回以上やっていて、そのたびに岡住 修兵がかっこいいなと思ってしまうんですよね。
もう完全に身内なので、あまり褒めたくないですが、そう思わざるを得ません。
しかも毎回新しい側面を発見するので、よりこの人と組んでよかったなと思いますし、皆さんも何回か来られている方が多いと思いますが、また来ると、違う岡住 修兵が見られると思うので、ぜひ今日もたくさん味わって、また来てください。
岡住 今日は本当に皆さん、ありがとうございました。
むちゃくちゃ自己肯定感が。
(一同笑)
石田 今日はすごく褒められている。
岡住 雅さんに褒められて、皆さんに褒められて。
ICC小林 (大袈裟に)すごい! すごい!
(一同笑)
岡住 寺田(耕也)さんがいい感じのパスを。
(一同笑)
ICC小林 (真面目に)経営者の鏡ですよ。
岡住 でもやっぱり僕にも課題感があって、あまりにも忙しすぎて家族をないがしろにしていて、家族を悲しませているので、そことの折り合いの付け方みたいなのを、実はMakuakeの松岡(宏治)さんと対談で話したことがあるのですが、そこまできちんとやって初めて、偉そうなことが言えるかなと思っていますので、まだまだ成長していきたいなと思っております。
ありがとうございました。
ICC小林 最後にご起立いただいて、パネリストの方にも、自分たちも頑張っていきましょうということで、拍手でおしまいにしたいと思います。
ありがとうございました。

(終)
▶カタパルトの結果速報、ICCサミットの最新情報は公式Xをぜひご覧ください!
▶新着記事を公式LINEで配信しています。友だち申請はこちらから!
▶過去のカタパルトライブ中継のアーカイブも見られます! ICCのYouTubeチャンネルはこちらから!
編集チーム:小林 雅/小林 弘美/浅郷 浩子/戸田 秀成


