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ICC KYOTO 2025のセッション「地方創生を実現する新しい街づくりとは?(シーズン3)」、全7回の②は、北九州出身の稲とアガベ岡住 修兵さんが、秋田県男鹿での街づくりの取り組みを紹介。そこで、街づくりはプロダクト起点であるべきだと考える理由とは? ぜひご覧ください!
ICCサミットは「ともに学び、ともに産業を創る。」ための場です。そして参加者同士が朝から晩まで真剣に学び合い、交流します。次回ICCサミット FUKUOKA 2026は、2026年3月2日〜 3月5日 福岡市での開催を予定しております。参加登録は公式ページをご覧ください。
本セッションのオフィシャルサポーターは EVeM です。
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【登壇者情報】
2025年9月1〜4日開催
ICC KYOTO 2025
Session 7E 地方創生を実現する新しい街づくりとは?(シーズン3)
Supported by EVeM
(スピーカー)
岡住 修兵
稲とアガベ
代表取締役
石田 遼
NEWLOCAL
代表取締役
中村 直史
五島列島なかむらただし社
代表 / クリエーティブディレクター
中川 淳
PARADE
代表取締役社長
(モデレーター)
岩田 真吾
三星グループ
代表
各務 亮
電通
クリエイティブ プロジェクト ディレクター
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▶『地方創生を実現する新しい街づくりとは?(シーズン3)』の配信済み記事一覧
各務 では、自己紹介とご自身が考える街づくりのセンターピンについて、岡住さんからお一人ずつお願いします。
北九州出身、稲とアガベ岡住さんの男鹿での取り組み

岡住 修兵さん(以下、岡住) 秋田県の男鹿で稲とアガベという会社をやっている岡住と申します。よろしくお願いします。

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岡住 修兵
稲とアガベ
代表取締役
1988年、福岡県北九州市出身。神戸大学経営学部を卒業後、秋田県・新政酒造で酒造りを学ぶ。2021年に秋田県男鹿市に「稲とアガベ醸造所」をオープン。新ジャンルのお酒「クラフトサケ」造りを行うとともに、レストラン「土と風」を立ち上げる。2023年春、食品加工所「SANABURI FACTORY」を立ち上げ、廃棄リスクのある酒粕をマヨネーズにする加工生産をスタート。また同年8月一風堂監修レシピのラーメン店「おがや」を立ち上げる。2024年には宿「ひるね」を開業。今後はホテルや蒸留所の建設を予定しており、多くの優良な雇用を創出することを目指す。クラフトサケブリュワリー協会初代会長。Forbes JAPAN CULTURE-PRENEURS 30。ICCクラフテッド・カタパルトグランプリ。
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よく「アガベって何?」と言われますが、「アガベ」はテキーラの原料です。
なぜテキーラの原料が社名になっているかというと、僕の妻がテキーラが大好きで、「テキーラ姉さん」というあだ名で親しまれていまして、(※岡住さんの好きな日本酒にちなむ稲とで)意味合いとしては僕と妻という社名になります。

僕らは、秋田県の出っ張った男鹿半島から来ました。
景色が良くて、本当に素晴らしい場所です。



なまはげの文化は男鹿だけの文化です。

文化があって、景色が良くて、食べ物も美味しい。
そんな場所は、日本中のどこにでもあります。
なので、こんな風にシャッター街が広がったまちになってしまっています。

本当にさみしいまちで、大企業も撤退するようなまちです。



僕自身、男鹿出身ではなく、北九州出身の移住者です。

秋田市にある新政酒造のお酒に惚れ込んで、秋田に移住したのが今から11年ほど前で、そこから秋田が好きになりました。
秋田の課題は、人口減少ナンバーワンの県であることです。
少子化率、高齢化率、自殺率までナンバーワンの県なので、ここで仕事を生み出すことが僕の使命のように感じて、色々なチャレンジをさせてもらっています。
駅舎を改装して、その中で酒造りをしています。



日本酒の技術をベースにして、フルーツやハーブを発酵させた「クラフトサケ」という酒を造っています。

まちのシャッターを開けていくと決意
岡住 でも、これだけやっていても、まちはなくなってしまいます。

まちがなくなってしまったら、せっかくつくった醸造所もいつかはごみになってしまいます。
自分が人生を賭したものがごみになってしまうなんて、そんな悲しいことはないと思って、このまちのシャッターを開けていくことを決意して、醸造所、レストラン、食品加工場、ラーメン屋をつくりました。

ラーメン屋(らーめん「おがや」)は一風堂が手伝ってくれて、塩ラーメンと醤油ラーメンを、ほぼ無料で開発してくれました。
宿もまちからなくなっていたので、宿(宿「ひるね」)をつくり、酒粕を蒸留してスピリッツを造る拠点(早苗饗(さなぶり)蒸留所)を今年つくりました。
▶廃棄リスクが高い素材を活用し新たな価値を生み出すものづくり 稲とアガベの関連会社 株式会社SANABURIが酒粕から抽出したアルコールを使用した蒸留酒づくりの拠点「早苗饗(さなぶり)蒸留所」を開業 (PR TIMES)

岩田 増えましたねえ。

岡住 二次会に利用できる場所がなかったので、スナック(シーガール)もつくりました。
岩田 蒸留所をつくる時は、もう岡住さんの個人保証では借りられなかったと聞きましたが。
岡住 そうです。うちの齋藤(翔太CFO)を代表にして、1億円を借りました。
岩田 (笑)
岡住 ファイナンスのために会社をつくりました。
ホテル(ホテルかぜまちみなと)については、(石田)遼さんがこの後話すかもしれませんが、NEWLOCALと一緒にホテルをつくって、ホテル内には中華ダイ二ング(マッチャイナ)も入っています。
ゼロから始めて3年半で8拠点
岡住 立ち上げから3年半で、8拠点をつくりました。

ありがたいことにICCで評価を頂いたり、Forbes JAPANで表彰されたりしています。




▶Forbes JAPAN「CULTURE-PRENEURS 30(カルチャープレナー30)」に稲とアガベ代表 岡住修兵が選出(PR TIMES)
特徴的なのは、完全にゼロからのチャレンジだということです。

僕はお金持ちでもないですし、男鹿に知り合いは誰一人としていませんでした。
そんな状態から3年半で8拠点つくってきたのが、僕たちの最大の特徴です。
なぜ、まちづくりをしているのか聞かれますが、理由は一つで、死んだ後、お空の上で美味しいお酒を飲みたいという、ただそれだけです。

お空の上からまちを眺めた時に、まちがなくなっていたら肩身が狭いですよね。
でも僕たちがやったことを礎に、後世の人たちが豊かに暮らしてくれていたら、めっちゃいいお酒が飲めるなと。
それを実現したみんなと、お空の上で乾杯したいというのが僕の目標です。
「男鹿サケシティ構想」で男鹿に文化の柱を
岡住 今つくっているのは、コンテンツです。

コンテンツはいつか古くなってしまいますし、移り変わりが非常に速いので、今つくったものは10年先にはなかったりするのです。
100年先も200年先もこのまちが残るためには、文化という柱をつくらないといけないと思っています。
そのために、男鹿を酒のまちにしようと思って、「男鹿サケシティ構想」を当初から掲げています。
▶酒造りを起点とした男鹿の地域づくり構想(男鹿市)
僕たちがクラフトサケを造っている最大の理由は、日本酒製造には参入規制があるからです。
日本酒の完全な新規参入は認められておらず、どこかしら会社を買収しないと参入できません。
それで仕方なくクラフトサケを造り始めて、面白くなって、クラフトサケを文化にすることも頑張っていますが、この法律の規制緩和に真剣に取り組んで頑張っており、5年ぐらい活動してきています。
▶︎What is Craft Sake?「クラフトサケ」とは(クラフトサケブリュワリー協会)
やり方としては、国家戦略特区という枠組みで、男鹿を日本酒特区にしようとしています。
そうすると、唯一日本酒が自由に造れるまちになります。
そうすれば、全国から醸造家が男鹿に集まってきてくれて、僕たちだけでなく色々なチャレンジャーが空き物件を活用して酒蔵をつくってくれて、それが5軒、10軒集積して、それが30年続けば文化になります。
そういった文化の柱をつくることが、僕の最大の目標です。

街づくりはプロダクト起点であるべき理由
岡住 街づくりのセンターピンについては、当初から言わせてもらっていることですが、街づくりはサービス起点で考える方が多いと思いますが、僕はプロダクト起点であるべきだと思います。
とにかく強いプロダクトをつくることです。

僕が言わせてもらっているのは、「酒は地域のメディア」だということです。
男鹿という地域の名刺代わりに、強いプロダクトが世界中に旅立ってくれるのです。
岩田 外貨獲得のチャンスにつながるからということですか?
岡住 そうですね、それもありますし、呼び込んでくれるのです。
男鹿を知る機会になるし、かつ、お酒は特殊能力を持っていて、飲んで美味しかったらその酒蔵のあるまちに行きたくなるのです。
そういった強いプロダクトをつくることが、僕は大事だと思います。
岩田 よくある「来たら分かるのに」とか「触ったら分かるのに」の前に、1回知ってもらう機会をプロダクトならつくれるということですね。
岡住 そうですね。しかも、PRだとある程度ターゲットを決めて予算を決めますが、プロダクトは僕たちが意図しない動きをしてくれるはずなのです。
僕らが知らない飲食店で、僕のことなんか知らない人が、飲んでくれたことをきっかけに、男鹿に来てくれるかもしれません。
そういうものだと思っています。
……まだ時間は、大丈夫ですか?
岩田 あと30秒です。
(会場笑)
キーワードは「狂う」
岡住 ちゃんと儲かるビジネスとトントンのビジネスは、どんな場所でも頑張って工夫しさえすればつくれます。
まちに賑わいを生みつつ経済性のバランスを取っていく発想が、色々やっていると大事だなと思うようになりました。
最近の僕のキーワードは、「狂う」です。
とにかく情熱と行動は地域の未来を変えられると、この3年半本当に思ってきたし、狂ったほど行動をしない限りは地域の未来なんてつくれないと思っていますし、誰よりも狂おうと思っています。
ありがとうございます。
岩田 皆さん、拍手をお願いします。
(会場拍手)
各務 ありがとうございます。
色々聞いていきたいのですが、皆さんのセンターピンを一度上げてからということで、石田さん、お願いします。
(続)
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編集チーム:小林 雅/星野 由香里/浅郷 浩子/戸田 秀成/小林 弘美


