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ICC KYOTO 2025のセッション「-「グローバル・コネクテッド」(シーズン2) – ICCグローバル・コミュニティを盛り上げよう!」、全8回の⑥は、4P’s Japan久保田 和也さんが、人・自然・地球が「ひとつだ」と感じられる世界を実現するために必要な「メディアとしてのレストラン」のあり方を解説します。プロモーションなしでも、4P’s Japanがインドで成功できている理由とは?ぜひご覧ください!
ICCサミットは「ともに学び、ともに産業を創る。」ための場です。そして参加者同士が朝から晩まで真剣に学び合い、交流します。次回ICCサミット FUKUOKA 2026は、2026年3月2日〜 3月5日 福岡市での開催を予定しております。参加登録は公式ページをご覧ください。
本セッションのオフィシャルサポーターは EVeM です。
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【登壇者情報】
2025年9月1〜4日開催
ICC KYOTO 2025
Session 11C
-「グローバル・コネクテッド」(シーズン2) – ICCグローバル・コミュニティを盛り上げよう!
Supported by EVeM
スピーカー・リングサイド・モデレーター
(スピーカー)
① 北米でのビジネス展開事例(US)
任 宜
スマートニュース
Chief Strategy Officer
② 中国でのビジネス展開事例
金田 修
Yoren
CEO
③ 東南アジアでのビジネス展開
久保田 和也
4P’s Japan
Global Branding Director
④ ヨーロッパでのビジネス展開
下地 邦拓
EF Polymer
取締役COO
(リングサイド)
蛯原 健
リブライトパートナーズ
ファウンディング ゼネラルパートナー
柴田 尚樹
NSV Wolf Capital
Partner
坪井 俊輔
サグリ
代表取締役CEO
中山 充
B Venture Capital
General Partner
山田 陽介
オンリーワントラベル
CEO
山田 裕一朗
ファインディ
代表取締役
和出 潤一郎
PT. VENTENY Fortuna International tbk.
Founder and Group CEO
(モデレーター)
西井 敏恭
シンクロ
代表取締役
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平和を目標とする、メディアとしてのレストラン
久保田 次のステップとして、来年度(2026年)、アメリカに出店が決まりました。

2026年6月、ニューヨークでお店をオープンすることを目指しています。
ピザを通して世界を変えることを目指すにあたり、いつも言っているのは「メディアとしてのレストラン」です。


飲食店には不特定多数のお客様が来るので、コミュニケーションによって彼らをどう変えられるかという点をすごく大事にしています。
基本的に、飲食店のゴールはお客様にもう一度来てもらうことですが、僕らの目標は平和なので、お客様の行動変容によって何かしら良いことが起きることを期待しています。
ですので、単にピザを出して美味しいと思ってもらうのではなく、メディアとしてコミュニケーションをし、お客様の行動を変えることを目指してレストラン運営をしています。
そこが、僕らの一番の差別化点になっていると思います。
もちろんマーケティングリサーチをし、顧客の好みや競合の価格なども全て調べて、それを自社サービスに反映させると、数字としてはそれなりの結果になりますが、そこをベースラインとして、それ以上のことをしている会社は多くないと思います。
僕らはスタートアップとは言えないかもしれませんが、他の会社がしていないことをしていることが差別化点となって、事業をやっていけていると考えています。
これらの取り組みを通して、「ひとつだ」と感じられる世界を、グローバルで展開していきたいと思っています。


西井 ありがとうございます。
インフルエンサーを試食会に呼び発信してもらう
西井 僕も、カンボジアやベトナムで、お店に行かせていただきました。
インドのお店にも行かせていただきたいと思っています。
外から見ていると、なぜこんなに売れているんだろう、すごいなと思います。
例えばバンガロールで出店した際も、最初から行列ができていましたよね。

久保田 正確には、3、4カ月経ってからで、頂点に行くまで半年くらいはかかっています。
西井 日本のお店も、最初から予約が取れなかったですよね。
久保田 日本ではある程度の知名度があったので、オープン前の段階からそういう状態にできましたね。
西井 日本の状況はまあ理解できるのですが、カンボジアやベトナムで展開しているピザ屋が、特にプロモーションもせずにインドに上陸したわけですよね。
うまくいった理由を、どう捉えていますか?
久保田 まずパートナーが多いのと、ローカルである程度知名度のある方やインフルエンサーを試食会に呼んでいました。
特に彼らにお金を払ってプロモーションはしていないですが、試食会に呼ぶ代わりに発信をしてもらえたのはあります。
行列については、これは社内事情ですが…インドの店は160席ありますが、最初から160席は作らず、50席、70席と徐々に拡大していきました。
50席だと、やはりすぐに埋まってしまいます。
個人経営のレストランでも、50席であれば、本当に頑張れば埋められるレベルです。
席数の開放と共にお客様の数も増えていったというのは、カンボジアでも同じ状態でした。
西井 事業開始時、拠点をベトナムにしたことで何か良かったことはありますか?
久保田 2011年当時のベトナムへの展開は、今、僕らがアフリカに展開するようなものだったと思います。
競合となる、ちゃんとしたピザ屋というものはなかったので、タイミングがすごく良かったと思います。
ですので今回、インドやインドネシアでベトナムと同じことができるかどうかが、かなり肝になっています。
なぜなら、飲食店としてのフェーズがかなり違うからです。
インドネシアは、それなりに完成されています。
西井 カンボジアもまあ、そうですよね。

久保田 そうですね、2020年だったので。
ベトナムで得た、小さい状態から伸ばすために何をすべきかのノウハウが社内にあるので、基本的に、それを他のマーケットにも適用することを大事にしています。
いろいろとかっこいいことを掲げていますが、実際、クオリティを最優先しています。
KPIも、売上よりも顧客満足度を重視しています。
顧客満足度はGoogleや食べログのレビューを指標にしていて、それがボーナスに直結する仕組みです。
ですので、顧客満足度だけは何があっても死守するという気持ちで経営しています。
西井 次はUSとなると、全然違うチャレンジになりますね。
チャレンジとして捉えているのでしょうか、それとも、それなりに勝算がある上で戦う予定でしょうか?
久保田 ニューヨークに関してはかなりチャレンジだと思っていますが、日本、インド、インドネシアを経て、少しだけ自信がついたのも正直なところです。
しなければいけないこと、どのくらいやりきればいいのか、などが分かりました。
ニューヨークは、やりきれば良さがきちんと伝わる都市だと思うので、どれだけやりきれるか次第だと思っています。
西井 ありがとうございます。
まずクオリティに全力投球、ビジネスは後から
西井 任さん、アメリカチームとして、何かコメントありますか?
任 すごいなと思って聞いています。
僕や金田さんは左脳で考えがちなタイプなので、まず大きなマザーマーケットで勝ってから、小さなマーケットに移動して世界展開をするという発想を持っています。
でも、まずベトナムで事業を始めて、そこで世界水準で一流のものを作りきって、他のマーケットに進出して日本展開もうまくいっているという現状はすごいと思います。
他の方が同じことを戦略的に行おうとした時、前提として、世界水準のものをベトナムで作れるようにならなければいけないわけですが、どうしてそれが実現できたのでしょうか?
振り返った時、そのレベルのものを、なぜそのチームが作れたのかにとても興味があります。

久保田 うちの会社は最上思考というか、そこが強いです。
このレベルを目指したいというビジョンやコンセプトを立てて、それを実現しようとすると確かにコストはすごくかかります。
各国でチーズを作るにしても、自分たちで作るからコストがかからないように見えて、実はその方が高いし手間もかかるし、リスクもあります。
ビジネスとして儲からない時期もありますが、その実現をまず行い、ビジネスは後からというのが我々のスタンスです。
正直、日本は1年くらいは赤字でした。
予約が取れない、つまりお客様はそれ以上取れないのに赤字状態が続いていました。
そのおかげで、クオリティには妥協せずにいられて、また、1年間予約が取れない状況を作れたことが大きいと思っています。
かなり長期で見た時、最初はビジネスの採算度外視で、クオリティに全力投球するのが重要でしたし、それが最終的にビジネス結果につながったのではないかと思っています。
任 皆さん気になっていると思うので代弁すると、その経営方針について、投資家やいろんな人にどうアラインメントを取るのでしょうか?
久保田 比較的、投資家は入っていないので、あまり言われません。
創業者が、いろいろ言われるのを嫌うので、投資家を選ぶ際、アドバイスはしてくれるが、強く言われないような投資家を選んでいます。
とは言っても、ビジネスとして成功させない限りは口だけの慈善事業になってしまうので、プレッシャーはあります。
経営陣は、誰かに何かを言われるからというよりも、ビジョンを達成させるためにはビジネスとして結果を残さなければいけないという無言の圧力を感じつつ、経営していますね。
いつも自分たちで苦しんでいるような感じです。
西井 創業者は、もともと飲食業界出身ではないですよね。
久保田 全然違う領域のサイバーエージェント出身で、投資の仕事をしていました。
僕も、バックグラウンドは建築とアパレルで、飲食とは全然関係ないです。
でも、その点はすごく良かったと思っています。
つまり、型にはまらない形のビジネスができたのは飲食業経験があまりなかったからで、その結果、お客様のことだけを見て事業を動かす方法を考えられたと思っています。
西井 服屋みたいな感じでピザ屋を作ったと。
久保田 そうですね(笑)。
お客様が来るかどうかは、店舗のデザインやサイズなどの要素が大きく関わっていると思います。
また、我々の客層はとても広いです。
カップルやビジネス客だけではなく、ファミリーや高齢者にも来ていただいています。
西井 でも、価格設定については、ベトナムのピザの標準価格の2倍くらいしますよね?
何を基準にするかにもよりますが…。
久保田 ベトナムと日本は、2.5倍くらいですね。
西井 感覚的には高いのですが、それでもいろんなお客様が来ているので、すごいなと思います。
久保田 我々の場合、世界展開するにあたり、価格の統一化はどうしてもできないと思っています。
諦めているわけではないですが、統一しようとすると、どこか安い国で作って運ぶ形になってしまうので。
ここまでお話しさせていただいた通り、ブランディングとして、同じ名前でレストランを出し、そこにぶれない要素があるというスタンスです。
西井 なるほど、ありがとうございます。
最初からグローバル展開をイメージしていた?
西井 お2人とは全然違う戦い方だなと思いますが、金田さん、いかがですか?
金田 スマニューと比較するのは失礼かもしれませんが、任さんの「DAY1からグローバル展開を考えろ」という考え方と比べた時、最初からその形で世界展開しようと思ってベトナムで始めたのでしょうか。
創業時のメンバーはビジネスに精通されている方々ですが、どのくらいの展開までイメージされて始めたのでしょうか。

それと、最初のお店は4年経営されていますが、4年間、1つの事業しかしないというのは事業主としては怖いですよね。
今の成長フェーズへの変革ポイントは、どのタイミングだったのでしょうか?
久保田 最初のお店を出した時の創業者の夢は、グローバル展開というよりも、自分の島を作りたいというものでした。
その島は循環していて、その島だけで成り立っていて、食も全てがある。
ただ、調べたところ、小さい島でも20億円くらいかかるということだったので、それは無理だからレストランから始めようということになったようです。
そんなスタートだったので(笑)、グローバル展開を見据えていたというのとは違いますが、変なところに野望というか大きなビジョンはあったということです。
そこから徐々に進んだので、展開までに時間が結構かかりました。
当初はそこまで自信はなかったようです。
最初の3年ほど、予約を取れない状態でお客様は入っていましたが、お店のクオリティ基準がとても厳しく、お客様にピザを出して、お客様が20秒以上手をつけない場合は、タイミングが悪いということなのでもう一度作り直すとか、お客様がピザを残したら、好みのピザではなかったということだから代金は頂かないとか、それくらい徹底していました。
そういう状態だったので、落ち着くまでに3年ほどかかったと聞いています。
その後やっと自信が持てて、いろいろ考えた挙句、ビジョン実現のためにはビジネスを伸ばしていかなければいけないという考えになったらしいです。
ヴィパッサナー瞑想という瞑想法があるのですが、それを集中して実践し、ひたすら考えた上で結論が出たと聞いています。
▶ヴィパッサナー瞑想とは? (日本ヴィパッサナー協会)
任 今、いろんな国に展開されていますよね。
経営陣の組織は、どういう構成なのでしょうか?

久保田 我々の会社は特殊でして…まず、役員というようなポジションも、社外取締役のポジションもないのです。
創業者夫妻がインドにいて、僕が日本や他の国を担当し、CFOとCTOがいて…と、ここまでがグローバル全体を管轄しているメンバーです。
あとは、各国に事業責任者を置いて運営しています。
任 グローバルを管轄する人は全員が日本人ですか?
久保田 違います。ベトナム人、カナダ人…我々の会社には、14か国の国籍保有者がいます。
日本人は、運営チームにはいますが、あまり上層部にはいませんね。
ベトナムだと、ベトナム人の下で日本人が働いています。
国籍に関わらず、給料も均一です。
すごく思いきった変更でしたが、2018年頃にベトナム人も日本人も給料を同じにして、日本人の給料が下がりました。
僕の給料も下がりました。
それ以降は、役職に合わせて給料を決めています。
任 では、ベトナム時代から社内の言語は英語ですか?
久保田 はい、基本的には英語です。
任 ベトナムの1店舗の時から、組織はグローバルだったのですね。
久保田 そうですね、1店舗しかなかった時は日本人が中心ではありましたが、店舗展開し始めてからはグローバル化を進め、日本人ばかりを上層部に入れるのもやめました。
西井 ありがとうございます。
グローバル基準で戦おうとしつつも、僕の会社もそうなのですが、禅みたいな会社を作っているのだなと感じました(笑)。
市場によって違うのかもしれませんが、日本の会社らしい戦い方なのかなと思いました。
(続)
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編集チーム:小林 雅/星野 由香里/浅郷 浩子/小林 弘美/戸田 秀成


