IoTはキャズムを超えられるのか?【F17-2B #10】 – INDUSTRY CO-CREATION(ICC)

IoTはキャズムを超えられるのか?【F17-2B #10】

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「IoT時代のビジネス/テクノロジー/デザインの考え方はどのように変わるのか?」【F17-2B】セッションの書き起し記事をいよいよ公開!11回シリーズ(その10)は、会場から質問を受け付け、IoTがキャズムを超えるか?という問いについて議論しました。質問者は先にIoTオープンイノベーションプラットフォーム「plusbenlly(プラスベンリー)」を発表したNECPC留目さんです。是非御覧ください。

ICCカンファレンスは新産業のトップリーダー160名以上が登壇する日本最大級のイノベーション・カンファレンスです。次回 ICCカンファレンス KYOTO 2017は2017年9月5〜7日 京都市での開催を予定しております。


【登壇者情報】
ICCカンファレンス FUKUOKA 2017
2017年2月21日〜23日開催
Session 2B
「IoT時代のビジネス/テクノロジー/デザインの考え方はどのように変わるのか?」

(スピーカー)
青木 俊介
ユカイ工学株式会社
代表

小野 直紀
株式会社 博報堂
プロダクトデザイナー

田川 欣哉
Takram
代表取締役

村上 臣
ヤフー株式会社
執行役員CMO

(モデレーター)
林 信行
ジャーナリスト/コンサルタント

「IoT時代のビジネス/テクノロジー/デザイン」の配信済み記事一覧

【前の記事】

【本編】

 エンジンがかかり、話が滅茶苦茶盛り上がってきているのですが、会場からの質問を受けてくださいという指示が出ているので、ぜひこのタイミングで何かありましたら挙手をお願いします。

村上 この熱さを受け取って質問してください。

 では、この熱さを受け取って、何かご質問のある方。

質問者1 レノボ・ジャパンの留目と言います。


留目 真伸
レノボジャパン株式会社
代表取締役社長

1971 年生まれ。早稲田大学政治経済学部卒。総合商社、戦略コンサルティング等を経て2006 年レノボ・ジャパンに入社。常務執行役員として戦略・オペレーション・製品事業・営業部門統括を歴任。2011 年からNEC パーソナルコンピュータの取締役を兼任し、NEC とのPC 事業統合を成功に導く。2012 年、Lenovo Group 米国本社戦略部門に全世界の企業統合の統括責任者として赴任。2013年4 月よりレノボ、NEC 両ブランドのコンシューマ事業を統括。2015 年4 月より現職。レノボ・グループVice President。NEC パーソナルコンピュータ株式会社 代表取締役 執行役員社長。

二つ聞きたいことがあるのですが、一つ目の質問は、まさに、最終的にIoTはキャズム(「アーリーアダプター」と「アーリーマジョリティ」の間にある「深く大きな溝」のこと)を超えるのでしょうか?ということです。

▶編集注:レノボ・ジャパンとともに、留目さんが代表を務めるNECPCとキュレーションズ社が、IoTオープンイノベーションプラットフォーム「plusbenlly」が発表されました。詳しくはこちら

特に家の中に注目したいのですが、家の中というのは、ほとんど変わっていませんよね。

将来、もしかしたら10年経っても、皆まだサザエさんを普通に見て、これまでと大して変わらない生活を送っているのか、それとも変わっていくのでしょうか、ということをお聞きしたいです。

二つ目の質問は、IoTは国を超えるのか?ということです。

先ほどAmazonの話がありましたが、私もそうですし、皆さんも今は国内でいろいろな仕組みを作ろうとされていると思います。

例えば「Amazon Echo」のような仕組みが、日本のIoT業界を席捲していき、家の中が気が付いたら全部Amazonになっていたというようなことが将来的に起こると思いますか?

以上2点、質問させてください。

IoTはキャズムを超えられるか?

 どうでしょう?

村上 キャズムの話は私からお答えします。

それにしても留目さんに質問されると、ドキドキしますよね。

基本的には超えると考えています。

何かのきっかけに一気に超えるということではなく、むしろ電気機器なり家電なり、インターネット機能がついていないものは将来、家電ではなくなると思っています。

家電は電気で動いているから家電なのですが、電気が当たり前になったように、インターネットにつながっていないと家電として認識されないような形になってくると考えています。

基本的な前提として、インターネットなりクラウドとの連携に置かれて、家電というのがライフサイクルを迎えアップデートされていくということで、気が付いたら全部変わっていた、という状況になっていくと思います。

ですので、気付いたらキャズムを超えているのではないかと。

後はとてもかっこいいプロダクトが登場して、ヒット製品がいくつか出てきて、それによって更に認知が広まって、というサイクルが出てくると思っています。

今のPechatは「IoT」の手前の「ToI」

青木 「Pechat(ペチャット)」はもうキャズムを超えているのではないですか?

普通に、おもちゃ屋のラインアップとしても全く引けを取らないくらいの売り上げがあると思うのですが。

小野 「ToI」か「IoT」という話で、ぺチャットは今は「ToI」方式でやっています。

▶編集注:「ToI」とは本Partの前の議論でヤフー村上さんが提唱した概念です。

▼【該当議論の抜粋】▼

村上 私はそもそも、IoTは「ToI」(=Things of Internet)と呼んだ方がいいと思っているんですね。

要は、インターネット・オブ・シングスはモノそのものが主役であり、モノが単体としてかっこよくないと、絶対に売れないと思うんですよね。

成功しているクラウド・ファンディングなどのプロジェクトも、単純にスマホとつながっているだけのものでも、すごくかっこいいものはやはり売れています。

モノの存在感はやはり大きいので、モノとしてちょっと・・・と思うものは機能で押しても絶対に売れません。

▲【抜粋終わり】▲

それには理由があり、要するに、いきなりIoTでやると高いんですよね。

私は、一般の主婦のようなユーザーが初めて手に取るIoTとして、どうしても5,000円以下のものを作りたかったので。

我々は、「IoT」はあまり前面に出さず、「今手に入る半歩先の未来を届けよう」と考えていて、monomのコンセプトも、ずっと先の未来のことはあまり語っていません。

どちらというと我々は「半歩先の未来」を提示して、その半歩先の連続に未来があるのだろうなと思っています。

今はまだ「ToI」という段階なのかなと思っていますが、一方で、IoTにどうなったらビジネスとして成立するかということも並行して考えています。

移行期において、どのように移行していくかという戦略と見通しを立て、それを一つのプロダクトで達成できるかということを、Pechatでも実験しています。

田川 超える分野と超えない分野がある、ということに尽きるのではないでしょうか。

例えば、包丁がIoT化しますかというと、まあそんなにしないかなと。

しかし例えば、小野さんがやっていらっしゃるようなコミュニケーションや認証、鍵を開けるとか金庫を開けるというような、インターネット・テクノロジーの方が我々が今持っているオブジェクトよりも優れているという領域は、全部IoT化すると思います。

家の中に我々が持っている品目が例えば2,000くらいあるとして、どれが超えて、どれが超えないのかということを仕分けるのが最初にやるべきことじゃないかなと。

村上 すっかり包丁のIoT化というパワーワードにやられております(笑)。

田川 やってもいいですよ、キャズムは超えないかもしれないけれど、村上さんは使うかもしれない(笑)。

村上 それ作りたいな~。

田川 何回トントンと切りましたか、と(笑)。

村上 いや、こういう風に棒みたいになっていて、レーザーでスパッと切れるわけですよ!

田川 レーザーね。

村上 切れ味がどうとかこうとかはもう関係なくて、ピーッと鳴って、トマトがスパンと。

レーザーで。

田川 超音波で振動させると切れ味が3倍くらい上がったりとかね。

ありますよね、超音波カミソリみたいな。

村上 ケーキを切ってもくっつかないとか。レーザーだったら、スパーンと切れますよね。

レーザーに拘っていますが、わたし的にパワーワードだったので(笑)。

誰か作りたい人がいたら、一緒にプロジェクトをやりましょう!

(会場笑)

IoTのビジネスは国境を超えられるのか?

 二つ目の質問「IoTは国境を超えるか?」についてはいかがですか?

村上 逆に、作る時に、国境を超えることを前提とするか否かを、事業者側が決めないといけないですよね。

後になって国境をこえてビジネスをやりたいと言っても、例えばデータプライバシーの話であったり、できないことがたくさん出てきてしまいます。

イメージとしては、フィンテック・スタートアップに近いと思います。

資金決済方法などは、国ごとに異なりますし、お金回りは法規制が厳しいですよね。

グローバルにやろうとすると、それぞれの国を落としていく覚悟か、法規制に抵触しない薄いところを狙うとか、いろいろありますよね。

IoTも、かっこいいプロダクトは国境を越えていきますから売れると思うんですよね。

ただビジネスの源泉が、各国の法規制が厳しい領域に突っ込んでいくことを前提としてマネタイズしようとしている場合、それは恐らく続かないので難しいのではないでしょうか。

 このような感じでよろしいでしょうか。

質問者1 ありがとうございました。

(続)

続きは 【終】その製品はインスタ映えするか? – IoTプロダクトはフォトジェニックであれ をご覧ください。

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編集チーム:小林 雅/榎戸 貴史/戸田 秀成/横井 一隆/立花 美幸/鈴木ファストアーベント 理恵

【編集部コメント】

NECPCの代表も務める留目さんからご質問頂きました。先日、NECPCとキュレーションズ社から発表されたIoTオープンイノベーションプラットフォーム「plusbenlly」の展開も注目です!(榎戸)

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