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「IoT時代のビジネス/テクノロジー/デザインの考え方はどのように変わるのか?」【F17-2B】セッションの書き起し記事をいよいよ公開!11回シリーズ(その11)は、会場から質問を受け付け、IoTのデザインにおいて、視覚以外のかっこよさを表現できるか等を議論しました。是非御覧ください。
ICCカンファレンスは新産業のトップリーダー160名以上が登壇する日本最大級のイノベーション・カンファレンスです。次回 ICCカンファレンス KYOTO 2017は2017年9月5〜7日 京都市での開催を予定しております。
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【登壇者情報】
ICCカンファレンス FUKUOKA 2017
2017年2月21日〜23日開催
Session 2B
「IoT時代のビジネス/テクノロジー/デザインの考え方はどのように変わるのか?」
(スピーカー)
青木 俊介
ユカイ工学株式会社
代表
小野 直紀
株式会社 博報堂
プロダクトデザイナー
田川 欣哉
Takram
代表取締役
村上 臣
ヤフー株式会社
執行役員CMO
(モデレーター)
林 信行
ジャーナリスト/コンサルタント
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▶「IoT時代のビジネス/テクノロジー/デザイン」の配信済み記事一覧
【前の記事】
【本編】
林 では次は後ろの方、お願いします。
質問者2 面白いお話をありがとうございました。
私はウミトロンという会社をやっています、山田と申します。
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山田雅彦
UMITRON PTE. LTD.
Managing director / Co-founder
1989年生まれ。九州大学機械工学修士卒。在学中に超小型人工衛星の開発に従事。2014年にロシアより打ち上げに成功。また学業と並行して教育、人材、観光事業等の複数領域で起業し、糸島市や九州大学から多数の表彰を受ける。大学卒業後は、三井物産に入社し、日本に先立って自由化したオーストラリアの電力市場において、発電及び小売事業会社の経営と、IoT領域の新規事業開発に従事。またグローバルでの税制・会計管理と同社の事業売却案件も兼任。2015年、上場前のメタップスに入社。同社の主軸事業であるマーケティング領域において、ビジネスと技術を横断する役割として、主にプロダクト開発、ビジネスアライアンス、消費者行動・購買履歴を活用したデータ分析及び、同データを活用したアプリ開発者向けのマーケティングコンサルを担当。その後、ウミトロンを共同創業し、IoT、リモートセンシング、データプラットフォームなど、過去の知見を最大限に活用し、世界の食問題解決に取り組む。
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皆さん、人の生活を変えるIoTのお話をいろいろされていましたが、IoTを使って、魚の生活を変えるというビジネスをしています。
▶【保存版】水産養殖の課題をIoTで解決する「ウミトロン」(全3回)
次のIoTは視覚以外が来るというお話があり、非常に面白いなと思いました。
もう一つ、「ToI」という概念で、まずモノがかっこよくないといけないということでした。
▶編集注:「ToI」とは本Partの前の議論でヤフー村上さんが提唱した概念です。
▼【該当議論の抜粋】▼
村上 私はそもそも、IoTは「ToI」(=Things of Internet)と呼んだ方がいいと思っているんですね。
要は、インターネット・オブ・シングスはモノそのものが主役であり、モノが単体としてかっこよくないと、絶対に売れないと思うんですよね。
成功しているクラウド・ファンディングなどのプロジェクトも、単純にスマホとつながっているだけのものでも、すごくかっこいいものはやはり売れています。
モノの存在感はやはり大きいので、モノとしてちょっと・・・と思うものは機能で押しても絶対に売れません。
▲【抜粋終わり】▲
今までの「ToI」は、例えば白いイヤホンなど、視覚情報に頼っているところがあったと思いますが、皆さんはそれ以外のところで、こういうかっこよさがあると化けるのではないかなど、視覚以外のところで、アイデアや事例などがありましたら、教えてください。
IoTに必要な、見た目以外のかっこよさとは?
林 どなたかありますか?
こういうかっこよさが必要だなど。
小野 ストーリーは大事にしています。
例えば「Lyric speaker(リリックスピーカー)」では、「歌詞が見えるスピーカー」と言ってしまえばそれまでですが、昔は皆さん、カセットなり、CDなり、レコードなり、歌詞カードを見ながら音楽を聴いていたと思います。
今はダウンロードであったり、ストリーミングという文化になっていて、歌詞カードを見ながら音楽を聴くという体験はなくなってきています。
テクノロジーによって失われていったわけですが、逆にそれを新しいテクノロジーにより、歌詞を見ながら音楽を聴く体験を取り戻すというような文脈があり、そのようなストーリーに共感して皆リリックスピーカーに集まってきたり、売れていたりしているのだと思います。
「Pechat(ペチャット)」にしても、ストーリーを紐解くと、ぬいぐるみがしゃべるという誰もが身に覚えのある体験や、ぬいぐるみを通してお母さんが子どもをあやすというような昔からの原風景があります。
それが今、スマホの画面に取って代わられているということもあって、逆にスマホを使って画面を見せること無く、ぬいぐるみをもう一度、子どもをあやす道具に変えていく、そのようなことを考えています。
もちろん額面通りに受け取ってくれている人ばかりではないと思いますが、我々は「ユニバーサル・インサイト」というようなことを言っているのですが、共感できるストーリーを持っているかどうかということが、かっこよさとは少し違うかもしれませんが、大切なポイントの一つではないかと思っています。
その製品を使うシーンは「インスタ映え」するか?
田川 SNSの時代でもあるので、見栄えって非常に大事なんですよ。
プロダクトがフォトジェニックであるかということと、それを装着している人間や、それが置かれた環境が、フォトジェニックであるかどうかということは、ブランド・マネジメント上は極めて大事です。
例えば、リリックスピーカーもそうですし、最近ソニーが出した「ambie(アンビー)」というオープンイヤーの製品も、つけていると、イヤホンなのに耳の穴が抜けてるぞ、ということが分かるわけです。
その(イヤホンをつけている)写真自体が、言語に頼らず、ひとりでにコミュニケーションしていくんですよね。
それはかっこいいとかかっこ悪いという話や、今小野さんがおっしゃったことよりも、若干手前の話で、製品自体が機能やベネフィットをセルフトークしているかという話なんですよね。
パッとみて分かる、もしくは何だかよく分からないという段階が、かっこいいとか、かっこ悪いとかの一段手前にあって、それはもう仕様設計やコンセプトというレベルとほとんど一体化しています。
IoTや先ほどの「ToI」の話に戻すと、プロジェクト・マネージャーたちが必ずよく考えなくてはならないことは、最終的に製品になった時にどういう見え面で写真なりムービーの上に登場して、それが人の網膜に飛び込んでいくのかということを、はっきり意識して最初のプロダクト・プランニングに臨むことが極めて大事だということです。
その中の一つの要件に、かっこいい、かわいいというスタイルの話があるのですが、3つくらいその部分を整理した方がいいと思います。
けれども、それらを束ねると、フォトジェニックであることというのは必須要件だと思いますね。
林 開発する時に、インスタグラム・テストをしないとならないと。
田川 そうそう、インスタ・テストのようなことをやるといいと思いますよ。
村上 インスタ受けが重要ということですよね。
田川 はい、やはりなんだかんだいって、写真で展開されていくので。
それはもうなくなりませんよね。
村上 要は人に言いたくなる、薦めたくなるようなものかどうかということですかね。
田川 そうそう。だっておいしそうに見える、かわいく見える、何々に見えるということが大事で、それって写真アプリとかも最近そうですよね。
どう見えるかというところのプレゼンテーションに加え、ブレークスルーがあったところが飛び越えていけるのだと思います。
技術に対してチューニングをしていくのと同じくらい、最後の見え面をどうやってチューニングするかということが、プロダクトが世の中に受け入れられていく時に、極めて大事なことだと思います。
そういう意味では、Google Glassなどは、装着した人たちの最後の見え面がちょっと……。
村上 まぁ、ちょっとギーク過ぎたんでしょうね(笑)。
田川 そう、ギーク過ぎたとしても、プロダクトは全く一緒でも、違うコミュニケーションのやり方があったかもしれませんし。
村上 同じことをやっていそうなSnapchatはヒットしているみたいですよね。
▶Snapchatのメガネ型デバイス:Spectacles
小野 私からするとよく分かりませんが、たぶん、Snapchatをリアルに使っている若者はあのメガネがクールだと言って買っているんですよね。
村上 自動販売機に大行列ができてね。
小野 そうそう。
「自動販売機がどこそこにあったらしいぜ」というように拡散されていくよう、プロモーションも非常に上手にやっていたらしいですね。
村上 それが分かると、ミランダ・カーと結婚できるということですよね。
小野 そういうことですね。
村上 羨ましいですね。
編集注:ミランダ・カーはSnap Inc. CEOのエヴァン・スピーゲルと2017年5月に結婚しました。羨ましいです(榎戸)
林 ということで、残り時間ゼロ分という表示がずっと出ているので、本当はもう一つくらい質問をお受けするつもりだったのですが、この辺りで締めさせていただきます。
村上 ミランダ・カーで終わってしまいました(笑)。
林 ミランダ・カーで終わらないために、青木さん最後にいい話を一言お願いします。
ソーシャルネット・バイを後押しするために
青木 SNSでモノづくりが変わったという点で、本当に田川さんに同感で、フォトジェニックであることもそうですし、やはりストーリー性というのも、SNSだからこそすごく必要とされているのかなと思っています。
本当にいいと思わせない限り、皆「いいね!」を押してくれませんし、そうでないと拡散しません。
そのプロダクトの背後にあるストーリーが本物かどうかや、作り手の思いが本当に伝わってくるかどうか次第で、「いいね!」につながると思うので、その辺り、つまりストーリーがあるか、そしてシェアし易い見た目かどうかという点はとても重要だと思います。
林 これからのIoTはソーシャルネット連携でなくて、ソーシャルネット・バイですね。
村上 インスタ・バイ!
林 ソーシャル、つまりインスタ・バイが重要ということで、結論にしたいと思います。
ご清聴どうもありがとうございました。
皆さんに拍手をお願いします。
全員 ありがとうございました。
(終)
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編集チーム:小林 雅/榎戸 貴史/戸田 秀成/横井 一隆/立花 美幸/鈴木ファストアーベント 理恵
【編集部コメント】
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