【HRテックが熱い④】日本企業に残る「気合で乗り切れ!」の風潮はもう古い【F17-8E #4】 – 【ICC】INDUSTRY CO-CREATION

【HRテックが熱い④】日本企業に残る「気合で乗り切れ!」の風潮はもう古い【F17-8E #4】

Pocket

平日 毎朝7時に公式LINE@で新着記事を配信しています。友達申請はこちらから!
ICCの動画コンテンツも充実! Youtubeチャネルの登録はこちらから!

「今、HRテックが熱い」【F17-8E】セッションの書き起し記事をいよいよ公開!6回シリーズ(その4)は、HRテック導入がまだ成熟していない1つの仮説として日本企業の人材活用に関する考え方について議論しました。是非御覧ください。

▶ICCパートナーズではコンテンツ編集チームメンバー(正社員&インターン)とオフィス/コミュニティマネジャーの募集をすることになりました。もし興味がございましたら採用ページをご覧ください。

ICCサミットは新産業のトップリーダー600名以上が集結する日本最大級のイノベーション・カンファレンスです。次回 ICCサミット FUKUOKA 2018は2018年2月20日〜22日 福岡市での開催を予定しております。参加登録は公式ページをご覧ください。


【登壇者情報】
2017年2月21日・22日・23日開催
ICCカンファレンス FUKUOKA 2017
Session 8E
注目ベンチャー特集「今、HRテックが熱い」

(スピーカー)

麻野 耕司
株式会社リンクアンドモチベーション
執行役員

表 孝憲
株式会社ミライセルフ
代表取締役CEO

宮田 昇始
株式会社SmartHR
代表取締役CEO

(ナビゲーター)

井上 真吾
ベイン・アンド・カンパニー・ジャパン
プリンシパル

「今、HRテックが熱い」の配信済み記事一覧

連載を最初から読みたい方はこちら

最初の記事
【HRテックが熱い①】日本のHRを変革する経営者たちが徹底議論【F17-8E #1】

1つ前の記事
【HRテックが熱い③】日本企業は”オペレーション人事”を止めて、”戦略人事”に転換すべき【F17-8E #3】

本編

井上 「SmartHR」はどのような企業に提案することが多いのですか。

宮田 刺さりやすい企業のポイントが3つあります。

1つ目はITリテラシーの高いこと、2つ目は従業員の年齢が若い、3つ目は店舗や支店が多いです。

なぜ若いスタッフが多いと刺さりやすいかというと、アルバイトや契約社員などの雇用が多く、スタッフの入れ替わりが激しいことや、引っ越しや出産の手続きがよく発生するため、ニーズが高いようです。

また、店舗や支店が多いと、書類を郵送やFAXでやりとりするのですが、これは時間もコストもかかり、セキュリティ的にもよろしくありません。各店舗の店長も、人事労務に詳しいわけではないので、みな伝言ゲームに辟易しています。

IT業界以外で具体的に言うと、アパレルやドラッグストアのような小売業、従業員1,000名超の大手飲食チェーン、その他にも、派遣業や介護系でもニーズが高いです。

今、ご提案する業種として力を入れるのは、先程の3つのポイントに当てはまる業種に絞っています。

理由としては、口コミの効果をすごく感じているからです。プロモーション経由の流入は半分ほどで、残り半分は口コミです。

▶編集注:2017年8月18日からSmartHRのTVCMがスタートしています!

口コミの熱量が広まる範囲はあると感じていて、IT業界のなかでも、自社サービスを持っている会社は口コミが効いていて刺さりやすいですが、受託会社やゲーム会社などはまだ獲れていない感覚があります。

まずは、3つのポイントが当てはまる業界内でひろげきって、次の業界にいこうと考えています。

SmartHRの”口コミが広まりやすい”仕掛け

井上 口コミをうまく促進するような仕掛けは考えているのでしょうか。

宮田 サービスの初期から、お客さんの要望をなるべく多く応えています。

そして応えるだけではなくて、その機能が出来たら要望をくれた方、全員に連絡をします。
そうすると「私が出した要望に応えてくれた」とSNS に投稿してくれます。

人事の方は人事の方同士で繋がっているので、それで目にすることがあるようです。

私たちのジャンルは他よりプロダクトづくりの難易度が比較的に低い部分があって、製品に色々な機能を取り込んでも複雑になりにくいです。

なぜかというと、アウトプットが最終的に役所への届出書類なので、どの規模でも、どの業種でも、求める最終的なアウトプットが一緒になるのです。

そういう意味では他のHRテックのサービスに比べると、スピーディーに要望を組み込みやすく、口コミも広まりやすいように感じています。

麻野 SNSで何をシェアしてくれるんですか。

宮田 「自分の出した要望を機能として採用してくれた〜!」という内容です。

麻野 勝手にシェアされるんですか?お願いするんですか?

宮田 お願いはしないのですが、開発した機能についてブログを書いて、その記事のURLを「できたよ!」という報告と一緒に送ります。そうすると自然にシェアしてくださいます。

井上 少し前でいうと孫さんのTwitterのような感じですかね(笑)

麻野 「SmartHR」くらい提供価値が明確で、顕在ニーズであるように思えるものであっても、口コミで広めていくようなことをやっていかないといけないんですか。

資金調達もしていますが、freeeやマネーフォワードといったクラウド会計企業のようにマーケティングでの施策はしていないんですか。

労務手続きをツールで行う発想そのものがない

宮田 まだそこまでマーケティングに力を入れていない理由が2つあります。

ひとつは単純にマーケティングの担当者がいなかったんです(笑)

麻野 わかります(笑)

宮田 今月やっと1人採用できました(笑)

なので、今後はしっかりマーケティング施策もやっていきます。一方で、そこまで積極的にできない理由もあります。

クラウド会計の場合、会計ソフトがそもそも世の中に存在していたんですよね。

麻野 リプレイスメントなんですよね。

宮田 そうなんです。

僕らのジャンルに関しては、給与計算や勤怠管理のような周辺領域はあったんですが、人事労務ソフトのような手続きをメインにやっているサービスがなかったのです。

入退社や年末調整のような行政手続きをクラウド、そもそもツールでやるという発想がないんです。

なので、ジャンルの認知をひろめるような、啓蒙に投資すべきかなと考えています。

日本企業に残る「気合で乗り切る風潮」

 皆さんのお話と矛盾する部分があるかもしれないんですが、日本でHRテックやテクノロジーがアメリカほど進まない理由として、人の労働コストがコストじゃないような、気合で乗り切る風潮を感じないですか?

僕らの場合、例えば、面接が1回減ったら5,000円のコスト削減と言えるんですが、刺さらないケースもあります。面接だからかもしれないのですが。

今お話を聞いていて、皆さんのサービスの場合は刺さっているのかなと思って。

宮田 その壁はどこかの業界でぶち当たりそうな気はします。

幸いなことにIT業界の場合、残業時間を減らそうとするとか、比較的働き方改革が浸透していると感じています。

なぜか考えたときに、先ほどの麻野さんのお話のとおり、IT業界は流動性高いので、ハードなだけだと人材が流れてしまいますから。

麻野 これからどの業界でも進んでくるんじゃないでしょうか。

今までの日本企業の経営は、基本的には「社員の時間は無限」という考えでした。

「24時間戦えますか」というリゲインのCMが昔ありましたけど、今はできないですよね。あれが当たり前の世界がありましたし、基本的に日本企業のマネジャーは、部下のタスクマネジメントをしてきていなかったです。

この間、TV番組に出演した時に街頭インタビューを行い、その裏側にある心理を読み解くという企画があったんですが、そのインタビューで(マネジメントの方が)「部下に仕事を頼んだら『それは僕の役割ですか』と聞かれたんですよ。あり得ないですよね」と。

スタジオのパネラー達も「あり得ない。今どきそんな奴がいるのか」と、皆さんそう言っていたんですが、僕らにとっては当たり前の質問だと思うんですよね。

従業員の時間は無限だから、好きなようにやらせてガンバリズムで結果を出すという前提があったと思います。

ですが、いま働き方改革の風潮があって、労働時間の短縮は安倍首相の1丁目1番地になると思いますし、ここから変わっていくんじゃないかと思います。

それにともなって、HRテックだけではなくて、テクノロジーツールの普及は進んでくるんじゃないかなという気はしています。

日本の人事は法律的に裁量労働制にできない

 僕らの場合でいうと、面接だけで2時間残業と言われるとあり得ないことですけどね(笑)

麻野 人事部の採用担当が1番ブラックじゃないですか(笑)「土日とか関係ない」のような。

 有名な人事コンサルタントの方は以前採用をされていたときに、必ず毎シーズン倒れて点滴を打つのがパターン化しているっていうのを直接伺ったことがあります。(笑)

宮田 弊社に採用担当がやっと1ヶ月前に入社してきたんです。

それで驚いたのが、夜の10時くらいに当たり前のように面接を入れてくるんですよね。

僕でもさすがにキツイので、もっと早い時間に調整してもらうように変えてもらいました(笑)。

とはいえ、在職中の人を採用しようとなるとそうせざるを得ないこともあるので、なにか良いやり方がないかと考えました。

出社時間を調整できるように人事職を裁量労働制にしようと思って調べたら、専門職じゃないのでそもそも人事は裁量労働制にできないらしいんです。

驚きましたし、日本の法律の古さのようなものに苦しめられています。

麻野 人事は定形業務なんですね。

宮田 結果的に活躍する人材を採用できれば良いわけですし、人事こそ裁量労働制で良いんじゃないかと思っています。

(続)

▶ICCパートナーズではコンテンツ編集チームメンバー(正社員&インターン)とオフィス/コミュニティマネジャーの募集をすることになりました。もし興味がございましたら採用ページをご覧ください。

次の記事を読みたい方はこちら

続きは 【HRテックが熱い⑤】日本に”戦略人事”の潮流をつくるために必要なこと をご覧ください。

平日 毎朝7時に公式LINE@で新着記事を配信しています。友達申請はこちらから!
ICCの動画コンテンツも充実! ICCのYoutubeチャネルの登録はこちらから!

編集チーム:小林 雅/榎戸 貴史/戸田 秀成/横井 一隆/立花 美幸

【編集部コメント】

この時間帯から面接ですか!?みたいなお話は前職のコンサルティングファームにもあった記憶がありますが、面接官も応募者もなんだか夜のほうが盛り上がる感じがあるような気がしました。気のせいかもですが笑(榎戸)

続編もご期待ください。他にも多く記事がございますので、TOPページからぜひご覧ください。

更新情報はFacebookページのフォローをお願い致します。

Pocket

ICCパートナーズ

ICCパートナーズ

ICCパートナーズ(ICC Partners Inc.)は産業を共に創る経営者・経営幹部のためのコミュニティ型カンフ ァレンス「Industry Co-Creation(ICC) カンファレンス」の企画・運営および新規事業創出・アライアンスなどのアドバイザー業務を行っています。