「約7割のユーザーが毎日訪問する」クラシコム青木氏が語る「北欧、暮らしの道具店」驚異のリピート獲得戦略 – INDUSTRY CO-CREATION

「約7割のユーザーが毎日訪問する」クラシコム青木氏が語る「北欧、暮らしの道具店」驚異のリピート獲得戦略

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「北欧、暮らしの道具店」を運営するクラシコム青木さん、独自性のあるプライベート・ブランドを強化するオイシックス高島さん、オムニチャネルの成功事例であるカメラのキタムラの逸見さんをお招きし、「Amazon以外のEコマースはどのように進化するのか?」をテーマに議論しました。

(その1)はモデレーター DeNA守屋さんのイントロダクションと、「約7割のユーザーが毎日訪問する」クラシコム青木氏が語る「北欧、暮らしの道具店」驚異のリピート獲得戦略です。是非ご覧ください。

登壇者情報
2016年6月25日開催
ICCカンファレンス CONNECTION 2016

Session 4  
「Amazon以外のEコマースはどのように進化するのか?」
(スピーカー)
青木 耕平   株式会社クラシコム 代表取締役
高島 宏平   オイシックス株式会社 代表取締役社長
逸見 光次郎 株式会社キタムラ 執行役員 経営企画室 オムニチャネル(人間力EC)推進担当
(モデレーター)
守屋 彰人   株式会社ディー・エヌ・エー EC事業本部長

 

守屋 彰人氏(以下、守屋) では、早速ですが、Amazon以外のEコマースがどのように進化するのか?というテーマについて、今日は深く皆さまのお話を伺いたいなと思いますので、よろしくお願いします。

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守屋 彰人
株式会社ディー・エヌ・エー EC事業本部長
1980年生まれ。慶應義塾大学を卒業後、2003年4月にソニーへ入社。ホームオーディオ事業における経営企画・商品企画を担当後、Sony Ericsson Mobile Communications AB, Swedenにて、グローバル企業とのアライアンス交渉を含めた携帯電話事業のアプリケーション・サービス企画を担当。その後、A.T.カーニーにて経営戦略コンサルティングに従事し、2010年9月にディー・エヌ・エー社長室へ入社。VP, Global Alliancesとして米国赴任、社長室長を経て、現在はEC事業本部長としてEC事業(トラベル・決済・オークション・ショッピングモール・EC新規)の全責任を負う。DeNAトラベル・ペイジェント・モバオクの3社における取締役を兼任。

今回の登壇者の皆さまですが、私が普段からリスペクトしているお三方にお揃い頂きまして、私も非常に楽しみにしています。

スライド2

まず、クラシコムの青木さん、オイシックスの高島さん、カメラのキタムラの逸見さんです。各社それぞれ違うアプローチで、Eコマースをやっているのかなと思っています。

このまま各社の自己紹介に入っていこうと思うのですが、私から皆さまの経歴を長々とご紹介するのもおかしいので、私との関わりを簡単に述べさせて頂きたいと思います。

まず、クラシコムさんとの関わりですね。私は、実は2006年から2008年まで、ソニー・エリクソンのスウェーデンの本社に勤めておりまして、家中の家具が北欧家具で、IKEA等の家具もたくさんありました。

スウェーデンは冬になると、早く日が落ちて暗くなるので、家で過ごす時間が長いです。そこで、家のインテリアを充実させたいということで、土日は日曜大工に力を入れている人が多く、私自身も北欧家具にはすごく慣れ親しんでいました。なので、クラシコムさんのサイトは、楽しいな~と思いながら、飽きずに見させてもらっています。

次は、オイシックスさんとの関わりです。私は、DeNAでEC事業本部長をやっているのですが、その中でショッピングモール事業もしております。

全カテゴリーで本気で対抗しても、なかなかAmazonを倒せないので、領域特化の方針というのを実は指し示していまして、2014年からは食品日用品戦略というのを掲げております。例えば、ウォルマート・ジャパンの西友さんと組んで、SEIYUドットコムというウェブサイトの開発から、ウェブマーケティングなどをやっています。

最後に、キタムラさんとの関わりでいうと、オムニチャネルの戦略ですね。
キタムラさんは何店舗を展開されていますか?

逸見 光次郎氏(以下、逸見) 今1,300店です。

守屋 全国1,300店あるということで、逸見さんはネットを上手く活用することで、Eコマース関連の収益を大きく上げていこうという方針で、結果を残されている方なので、お話を伺えるのを楽しみにしていました。

実は、私が見ているペイジェントという決済代行子会社で、セブン&アイグループ全体のオンライン決済の包括提携をさせてもらっています。彼らは、オムニチャネルをとても前向きに進めていますので、そういった意味でも色々とお話を伺えたらと思っています。

逸見 いまスライドを見てドキッとしたのですが、私の前職がセブン&アイグループだということで、鈴木さんの質問が出るのかと思いました(笑)。

(会場笑)

守屋 そうですね、可能な範囲でお願いします(笑)。

スライド3

次に、ごく簡単に私が見ている事業の範囲をご説明させて頂きます。

DeNAトラベルという旅行会社、ペイジェントという決済代行会社、モバオク。DeNAショッピングはいわゆるEコマースのビジネスですね。auショッピングモールは、DeNAショッピングと同じものをauユーザー様にご提供しています。

あと、サービス開発事業部というのが、私が事業部長を兼務している部分です。SEIYUドットコムというビジネスや、趣味人倶楽部(しゅみーとくらぶ)はユーザーの平均年齢が50歳以上のシニア向けのサービスですね。そのユーザーの年齢層では、ナンバーワンのトラフィックを有しているSNSです。

こちらはシステムがすごく古くて、今完全リニューアルに向けてエンジニアをアサインしています。是非皆さまも、シニア向けに何かやりたいときは、お声掛け頂ければ、と思います。

今回のカンファレンス主催者の小林雅さんから、「顕著なKPIがあれば共有下さい」と伝えられたので、最後の1ページでご紹介します。

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今EC事業本部で見ている中で、1番大きく伸びているのが、DeNAトラベルの業績です。こちらは、観光庁が主要旅行業者の取扱高状況速報というのを毎月出しているのですが、それを単純にエクセルにプロットしたものです。

大手50社の合計が緑のラインです。なぜ赤のラインの日本人出国者数と比べているかというと、DeNAトラベルは、アウトバウンド、つまり日本人が海外旅行に行く部分が非常に多くを占めているので、市場規模という意味で日本人出国者数、その成長率という意味で赤のラインを引いています。

日本の人口が減って母数が減ってきているのですが、海外旅行率がやや上がっていることもあり、日本人出国者数の前年比は近年100%を超えています。今のところ、DeNAトラベルは120から150%の成長を続けています。

このキャラクターをご存知の人は何人くらいいますか?…1人もいないようなのですが、で~なさんといいます。エクスペディアの熊のキャラクター、エクスベアに対抗して作ったキャラクターです。

10年前にDeNAがエアーリンクという会社を買収して、旅行業界に参入したので、一応10年近い歴史がありますが、直近111ヶ月間で、前年同月比108勝、現在80連勝中と絶好調です。今10周年ということで、毎月10日に破格のセールをやっているので、ぜひ毎月10日になったら、DeNAトラベルのサイトを見てもらえたらな、と思います。

「北欧、暮らしの道具店」

次は、クラシコムさんのご紹介ですね。お願いします。

青木 耕平氏(以下、青木) 初めまして。「北欧、暮らしの道具店」という基本的には雑貨のECサイトを運営しております青木と申します。

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青木 耕平
株式会社クラシコム 代表取締役
1972年 埼玉県生まれ。株式会社クラシコム代表取締役。
2006年、実妹である佐藤と株式会社クラシコム共同創業。単独、共同創業通算で同社で3社目。翌年、賃貸不動産のた めのインターネットオークションサイトをリリースするが、一年ほどで撤退。2007年秋より北欧雑貨専門のECサイト「北欧、暮らしの道具店」を開業。現在は、北欧雑貨のEC事業のみならず、オリジナル商品開発販売、広告、出版(リトルプレス発行)事業など多岐にわたるライフスタイル事業を展開中。

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私たちのビジネスは、ウェブサイトを使って、生活インテリア雑貨を販売するというのが大体9割くらいです。今年に入ってから本格的に広告事業をやっておりまして、売上の1割をたてるようになっています。

モノを仕入れて売る物販から、自分たちでメーカーになってモノを作ることもいくつかやっております。その中でも、子会社でジャムを作る会社や、お菓子を作る会社をやっていて、僕もそのオペレーションを見るために一緒にジャムを作っていることもあるので、ジャムおじさんでもあるという感じです(笑)。

通信販売のビジネスは、大半の方がご存知だと思うのですが、基本的には立ち上げから成長させていくタイミングにおいては、広告でリードをとって、リードの顧客に対して販促をかけていって、リピート顧客化させていって、最終的には顧客のリストを積み上げていって収益を出すというモデルです。

我々の特徴が何かあるとすれば、大体年間で約1.7倍ずつの成長スピードを維持しながら、売上に対する広告費率というのが大体1%程度です。なので、通販業者としては非常に小さいですね。

守屋 毎日訪れるユーザーが70%ぐらいいると聞きましたが、本当ですか。

青木 そうですね。これはN=3,000くらいのアンケートの結果なので、実際の計測でどうかというと、大体我々のアクセスの半分くらいが、過去に20回以上訪問して下さった方のアクセスで占められています。売上の半分も、基本的にその層から頂いているので、習慣的に訪問してくださっている方で成り立っています。それが1つの特徴かと思います。

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元々広告事業をするときのメディアデータを、そのまま持ってきただけなので、実際にどういうボリュームの話かというのを、まずお話させて頂きます。

今日並んでいる各社さんと、我々の大きな違いがあるとすれば、まず規模ですね。大体年間で14〜15億円くらいのビジネスなので、そんなに大きなビジネスをしている訳ではありません。

今サイトのアクセス数が1,200万PVを少し超えてくるくらい、月間の訪問者数が直近で言うと125万UUくらいです。メディアのデータを多く見られている方はお気付きかもしれませんけど、実はPVとUUの割合が、普通のメディアのデータと大きく違います。

多分1,200万PVを出すためには、いわゆる一般的なバーティカルメディアだと、300万から400万のUUがいないとこのPVが出ないのですが、我々の場合は、1人当たりのユーザーがたくさんのPVを見て頂いているという状況です。

先ほど、ユーザーの7割の方が毎日訪問すると言って頂いたのですが、N=3,000くらいのアンケートをとったところ、毎日訪問している人というのが7割くらいいました。

守屋 クラシコムさんの1個1個の記事は長めですよね。それなのに、それだけのページを読むというのは、どういうシチュエーションで、何分くらい滞留している感じですか?

青木 正直、僕らも少しよく分からないです(笑)。何でそんなに読んで下さるのかというのは分からないのですが、ただすごく嬉しかったコメントがありました。「毎晩、夜寝る前に布団の中で見ています」とおっしゃって下さった方が採用の面接をしている時にいらっしゃって、それは僕らとしては嬉しかったですね。

布団の中で決済までしてくれるというのは、あまり無いと思うので、商売上というよりも、ユーザーにメディアとしての寄り添い方として、あるいは、メディアとしての愛され方としては、一緒にベッドに入ってくれるというのは最高だなと思いました。いやらしい意味ではないです(笑)。

守屋 最高ですね。

青木 多分そういう使われ方をしているのだろうと思います。習慣的に訪問して下さるということの中には、もちろんロイヤリティーや愛着ということだけではなくて、構造上それを支援する形があります。

1つは、ソーシャルメディアのアカウントが非常に大きいということで、メディアが自社で持っているソーシャルアカウントとしては、Facebookで大体34万くらい、Instagramはもう40万を超えてきていますね。Instagramで言うと、国内の事業者アカウントではフォロワー数や直近の純増数のような数字でそれぞれ3位か4位ぐらいになっています。

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あと、我々の売上の3分の1は、メールマガジンのリンクを直近で踏んで頂いた方で成り立っていて、7万通送ると、3万5千くらいの訪問が発生するので、おそらく開封率が6〜7割くらいはあるだろうと考えています。

なので、そういう形で、定期的にお客様へアプローチして、リテンションして来て頂くということが出来るということによって、習慣的な訪問が成り立っているので、この辺が構造的な部分かなと思っております。

守屋 弊社のサービスだと、売れやすいものをメルマガに載せているのですが、そうではなくて、面白いものを載せている感じでしょうか?

青木 そうですね。基本的には新しい商品の情報ですね。

加えて、メールマガジンのコンテンツの考え方ですね。メルマガを週4回出しているのですが、リソースの問題で出来ないのですが、出来れば週7回出したいと思っています。メールアドレスは、メールマガジンを送りますということで取得しているので、ちゃんとマガジンを送らないといけない、と考えていて、本当に送っているのは、メールチラシになっているからこそ、それはスパムだと認識されてしまうのだと思います。

要するに、メルマガにしか載っていないコンテンツがあるということですね。ユーザーは基本的にコンテンツを目的に開封して頂いて、そこに載っている新商品の情報を見てアクセス頂くという形になっています。

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ユーザーの約97%が女性で、更に25歳から45歳の方で86%ということで、極端にユーザーがセグメンテーションされています。なので、全く男性のことなんか考えてないですし、ユーザー層を広げようというのは全く思っていないです。

守屋 社員も97%が女性というわけではないですよね?

青木 そこまでではないのですが、それでも7割くらいは女性ですし、いわゆるオペレーション部門といって、コンテンツを作ったり、コミュニケーションしたり、仕入れたりという部門は、99%女性です。

そういうようなメディアをやっています、ということで、自己紹介とさせて頂きます。有難うございました。

守屋 有難うございます。

(続)

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編集チーム:小林 雅/藤田 温乃

続きはこちらをご覧ください:「世の中にないモノをPBで」オイシックス高島氏が語る独自のプライベートブランド戦略

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