「世の中にないモノをPBで」オイシックス高島氏が語る独自のプライベートブランド戦略 – INDUSTRY CO-CREATION

「世の中にないモノをPBで」オイシックス高島氏が語る独自のプライベートブランド戦略

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「北欧、暮らしの道具店」を運営するクラシコム青木さん、独自性のあるプライベート・ブランドを強化するオイシックス高島さん、オムニチャネルの成功事例であるカメラのキタムラの逸見さんをお招きし、「Amazon以外のEコマースはどのように進化するのか?」をテーマに議論しました。

(その2)は「世の中にないモノをPBで」オイシックス高島氏が語る独自のプライベートブランド戦略です。是非ご覧ください。

登壇者情報
2016年6月25日開催
ICCカンファレンス CONNECTION 2016

Session 4  
「Amazon以外のEコマースはどのように進化するのか?」
(スピーカー)
青木 耕平   株式会社クラシコム 代表取締役
高島 宏平   オイシックス株式会社 代表取締役社長
逸見 光次郎 株式会社キタムラ 執行役員 経営企画室 オムニチャネル(人間力EC)推進担当
(モデレーター)
守屋 彰人   株式会社ディー・エヌ・エー EC事業本部長

その1はこちらをご覧ください:「約7割のユーザーが毎日訪問する」クラシコム青木氏が語る「北欧、暮らしの道具店」驚異のリピート獲得戦略


守屋 続いてですが、オイシックス高島さんですね。よろしくお願いします。

高島 よろしくお願いします。八百屋をやっています。

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高島 宏平
オイシックス株式会社 代表取締役社長
神奈川県生まれ、東京大学大学院工学系研究科情報工学専攻修了後、外資系経営コンサルティング会社のマッキンゼー日本支社に入社。2000年5月の退社までEコマースグループのコアメンバーの一人として活動。2000年6月に「一般のご家庭での豊かな食生活の実現」を企業理念とするオイシックス株式会社を設立し同社代表取締役社長に就任。2013年3月に東証マザーズに上場。その他、2007年には次世代のリーダーの1人として、世界経済フォーラムのYoung Global Leadersに選出される。同年、NPO法人「TABLE FOR TWO International」の理事となり世界の食糧問題に関わる活動に積極的に参加。2011年3月の大震災後には、一般社団法人「東の食の会」の発起人として復興支援活動を精力的に実施。2016年には越後妻有を魅力ある地域にしていくことを目的としたNPO法人「越後妻有里山協働機構」の副理事に就任し活動の場を広げている。

自己紹介の前に、先ほどDeNAさんが食品とかSEIYUドットコムをやっているという話を聞いて、本当に迷惑だな~と思いましたが…(笑)

(会場笑)

儲かっていますか?

守屋 えっとですね…実は、逸見さんも、ネットスーパーの立ち上げ経験がおありですよね?

逸見 イオンのネットスーパーを作ったのは私ですね(笑)

守屋 そうですよね。

高島 なんかすごくアウェーな空間ですね(笑)。

守屋 年に何回か外部メディアが比較調査をします。そういうときに、ユーザービリティーはナンバー1であるという評価を頂いております。

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高島 立ち入ったことを聞くのですが、どういうビジネスモデルですか?西友さんとどういうプロフィットシェアをしているのでしょうか?

(会場笑)

守屋 なるほど(笑)。我々が頑張った分に応じてもらえる感じです(笑)。

高島 でしたら、御社としては、あまりリスクなくやれるんですね。

守屋 そうですね。伸び悩んだらリスクになりますね。今は順調に、成長率は高く維持出来ているかなと思っています。

高島 有難うございます。

守屋 弊社単独でやっている事業でしたら、もっと色々と話せます。

高島 もう旅行だけをやっていけばいいのではないでしょうか…(笑)。

(会場笑)

守屋 いやいやいや(笑)。朝からちゃんとオイシックスのヨーグルト食べて来ましたよ。

高島 ご愛顧有難うございます。自己紹介します。網羅的にではなくて、特徴的なことだけ簡単に話をしたいと思っています。

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今日のテーマと少し関係があるかなと思って、11.3%という数字を持って来ました。この数字は何かといいますと、当社の売上におけるPB(プライベートブランド)商品の売上比率です。大体10分の1がオイシックスのロゴマークが載っている商品を販売しています。

スライド2

実はオイシックスのロゴマークが載っていないオリジナル商品というのがあります。メーカーさんが当社専用に販売をしてくれているモノです。それを足すと、30%くらいになります。PB商品とオリジナル商品で30%ですね。これを今年の末くらいまでには、40%を超えるくらいまでには持って行こうと思っています。それが、普通の流通業と私たちがちょっと違う戦略の1つであり、特徴であるかなと思います。

守屋 こういうPB商品は、それこそセブン&アイグループさんもそうですけど、増えていますよね。一方で、商品カテゴリー自体は一定コモディティなのかなと思っています。例えば、オレンジジュースとすると、50種類以上のオレンジジュースが想像出来ると思うのですが、こういうポリシーやこだわりを持ってPB商品を増やしていますというのがあったら教えて下さい。

高島 1つは、世の中にない商品ですね。これは我々の野菜ジュースですけど、例えば、上左端のVegeel(ベジール)っていう野菜ジュースは、すごく飲みにくいです(笑)。

守屋 美味しかったです。

高島 ゴロゴロしているし、飲みやすいモノではないですが、スムージーみたいな感じです。糖分を一切加えていないので、甘いという感じではないですね。子どもに飲ませたお母さんから、「子どもは飲めませんでした」というコメントを頂きますが、子ども用に作っているモノではないですね。

守屋 そんな味ですよね。健康的な感じですよね。

高島 僕はやっぱり世の中にないモノを作らないと、やる意味はないと思っています。実際に、一般的のジュースの原料は、ジュース用に栽培されているのですが、私たちのジュースの原料は、生食用に栽培されたものを使ってやっています。なので、糖分を加えなくても味が濃いですね。

青木さんのクラシコムさんと近いかもしれないのですが、僕らのやる意味というのは、PB商品を作るときにかなり議論をしていて、なぜ僕らが作らないといけないのか、僕らだから出来ることは何なのか、という点について、1個1個について話しています。

なので、売上比率で言うと11.3%でしたが、SKU(Stock Keeping Unit)で言うと2〜3%くらいですね。少ない品目でヒット商品を作り、売上を稼ぐというパターンが、PB商品では多いです。

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もう1つ似たような話なのですが、当社の定期会員、毎週または隔週で食材を受け取って頂ける方が11万人ぐらいいますが、その中で1番伸びているサービスがあります。今3.2万人になっていて、1年で倍ぐらいに伸びているサービスです。

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これがどういうサービスかというと、Kit Oisix(きっとおいしっくす)といって、半調理済のレシピ付きキットです。全てオイシックス基準の原料を使っていて、レシピが付いていて、20分で2品作れるということで、時短のニーズを満たせます。そして、時短はしたいけど、後ろめたい感じは嫌だというニーズがあるので、それに対して提供しているモノです。

逸見 我が家はまさに今これを使っています。

高島 有難うございます。

逸見 おっしゃる通り、1,500円くらいで、2〜3人くらいの家族分が作れるとすると、コスト的にもいいわけですよね。

あと、高島さんがおっしゃった後ろめたさですよね。これはネットスーパーでも、必ずありますが、主婦が楽をすることの後ろめたさが、いいモノを使って、時短をして、もっと会話の時間を増やそうみたいな話になりますね。

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逸見 光次郎
株式会社キタムラ 執行役員 経営企画室 オムニチャネル(人間力EC)推進担当
1970年東京生まれ。学習院大学文学部史学科卒。
1994年 三省堂書店入社。神田本店・成田空港店等勤務。
1999年 ソフトバンク入社。イー・ショッピング・ブックス社(現 セブンネット
ショッピング社)立ち上げに参画。
2006年 アマゾンジャパン入社。ブックスマーチャンダイザー
2007年 イオン入社。ネットスーパー事業の立ち上げと、イオングループのネット
戦略構築を行う。
2011年 キタムラ入社。執行役員 EC事業部長
2016年 同社 執行役員 経営企画室 オムニチャネル(人間力EC)推進担当。
書店時代、誰もが同じ価格(本代+交通費)で本が買える世の中にしたいと、ネット書店の立ち上げに参画。
その中で、日本の小売においては、リアル店舗を活用したネットサービスが有効であるとわかり、アマゾンからイオンへ。
店舗利用者かつ会員重視のネットスーパーを構築し、グループ全体のネット戦略を追求する中で、よりネットを活用するには商品・接客の高い専門性が必要と感じ、現在のカメラのキタムラに入社。約1,300の店舗網を活用し、EC関与売上419億円(宅配117億円、店受取302億円)。店舗とネットの更なる融合「人間力EC」を進める。

高島 本当におっしゃって頂いた通りです。先ほどお金払っておいて良かったです(笑)。

逸見 もらっていないです(笑)。

(会場笑)

高島 野菜が5品以上入っているので、普通にゼロベースで買って調理するよりも、多くの栄養素を摂取することが出来たり、子どもが食べやすいように、大きさや食感の残し方は研究したりしているので、自分で作るよりも、この方がお子さんは良く食べてくれるというコメントを頂いています。

どういう風にやっているのかというと、私たちは、自分たちで工場を作って、そこで加工して販売をしています。Eコマースの在り方として、先ほどPB商品の話をしましたが、僕らはEコマースだけれども、同時に工場を持ってメーカーでもある、といった方向に行きつつあるなと思います。

守屋 2年半くらい前に、ニューヨークに出張で行ったときに、Blue Apron(ブルーエプロン)のファウンダーに会いました。Blue Apronは、食材を工場で1食分くらいに詰めなおして、シェフが作ったレシピが簡単に調理出来ますというパッケージを定期配送(サブスクリプション)で売っているサービスです。

これは、あまり時間がなくて、でも美味しいモノは大好きという、働いているニューヨークの女性に刺さったと分かるのですが、オイシックスさんだと、どういう方にメインで使われているのでしょうか?

あと、Blue Apronさんは工場側のオペレーションが徹底的に簡素化されていて、コストがものすごく小さくパッケージ化出来るというのが効いているのですが、そのあたりはどういう感じでしょうか?

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高島 そうですね。アメリカと日本の違いで言うと、アメリカの女性は日本の女性と比べると家事力が低いのだろうな、と思いますね。なので、Blue Apronを見ていると楽でいいな~と思いますけど、日本人の方は結構料理が出来てしまうので、そのレベルを上回るレシピとか、そのレベルを上回る、なるほど感を用意しないと続けて頂けないです。

私たちは、お客さまの7割くらいが働いている女性で、3割くらいが専業主婦の方です。お子さんをお持ちの方は6割くらいです。手作りではなく、冷凍食品や外食を利用することは、「冷凍食品で済ます」、「外食で済ます」と「済ます」という言い方をされるのですが、残念な出来事と捉えられています。

私たちのお客さまは、それに対する後ろめたさを払拭したいという思いを持っている、意識の高い忙しい方々ですね。

オペレーションに関しては、工場の徹底的な改善も必要ですが、私たちの場合は、元々野菜を大量に仕入れているので、購買力がある程度あります。

例えば、今みたいに梅雨なのに晴れた日が続いていると、突然キュウリがとれすぎるみたいなことがあります。今までは、売れる分しか買えなかったのですが、Kit Oisixがあることによって、「全部持ってきて下さい」と言って、素材で売る分は売って、余った分はKit Oisixにして売るということが出来るんですね。

つまり、実は全体の調達コストを下げるソリューションにもなっています。

守屋 なるほど、非常に面白いですね。

(続)

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編集チーム:小林 雅/藤田 温乃

続きはこちらをご覧ください:「人間力ECってなんだ!?」カメラのキタムラ逸見氏が語るオムニチャネル戦略

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