e-Education三輪開人がダッカ人質テロ事件で感じた「迷い」と「無力感」 | 【ICC】INDUSTRY CO-CREATION

13. e-Education三輪開人がダッカ人質テロ事件で感じた「迷い」と「無力感」

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「ソーシャルビジネスが世界を変える!」全14回シリーズの(その13)は、本セッションの最終プレゼンター、e-Educationの三輪開人さんが登壇です。バングラデシュをはじめ、途上国での教育事業を拡大するe-Education。その背景には、代表理事を務める三輪さんの大きな葛藤がありました。ぜひご覧ください!

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ICCサミットは「ともに学び、ともに産業を創る。」ための場です。毎回250名以上が登壇し、総勢900名以上が参加する。そして参加者同士が朝から晩まで真剣に議論し、学び合うエクストリーム・カンファレンスです。 次回ICCサミット KYOTO 2020は、2020年8月31日〜9月3日 京都市での開催を予定しております。参加登録などは公式ページをご覧ください。


【登壇者情報】
2019年9月3〜5日
ICCサミット KYOTO 2019
Session 12F
ソーシャルビジネスが世界を変える!(レクチャー編)

(スピーカー)

今井 紀明
認定NPO法人D×P
理事長

高田 修太
一般社団法人HLAB / 株式会社エイチラボ 共同創設者・理事
プロマジシャン

田口 一成
株式会社ボーダレス・ジャパン
代表取締役社長

村田 早耶香
特定非営利活動法人かものはしプロジェクト
共同創業者

(スピーカー&モデレーター)

三輪 開人
特例認定NPO法人 e-Education
代表理事

「ソーシャルビジネスが世界を変える!」の配信済み記事一覧


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最初の記事
1. 孤立する10代の若者にセーフティーネットを(認定NPO法人D×P 今井 紀明さん)

1つ前の記事
12. ヒントは吉本興業のお笑い養成所? 社会起業家を育てる「ボーダレスアカデミー」

本編

三輪 それでは最後に、私の紹介をさせていただきたいと思います。

自分で自分の紹介をするのもおかしな感じなので、早速始めたいと思います(笑)。

途上国の子どもに最高の教育を届ける「e-Education」

三輪 改めまして、こんにちは。e-Educationの三輪です。


三輪 開人
特例認定NPO法人 e-Education
代表

1986年生まれ。静岡県立掛川西高等学校卒業。早稲田大学在学中に友人と共にNPO法人e-Educationの前身を設立。バングラデシュの貧しい高校生に映像教育を提供し、大学受験を支援した。1年目から合格者を輩出し「途上国版ドラゴン桜」と呼ばれる。大学卒業後はJICA(国際協力機構)で東南アジア・大洋州の教育案件を担当しながら、NPOの海外事業総括を担当。入職3年半後の2013年10月にJICAを退職してe-Educationの活動に専念。2014年7月に同団体の代表理事へ就任。これまでにアフリカや南米を含む途上国14カ国、30,000名以上の中高生に映像授業を届けてきた。2016年、アメリカの経済誌「Forbes」が選ぶアジアを牽引する若手リーダー「Forbes 30 under 30 in Asia」に選出。2017年、ICC第一回「CATAPULT GRAND PRIX (カタパルト・グランプリ)」で優勝。2018年、人間力大賞にて外務大臣奨励賞および参議院議長奨励賞を受賞。NHKドキュメンタリー番組『明日世界が終わるとしても』などメディア出演多数。

今日は、次の3つのお願いがあって来ました。

「バングラデシュという国の可能性について、ぜひ知っていただきたい」

「e-Educationの新しい取り組みを知っていただきたい」

そして最後、「仲間になっていただく」ために、私は今この場に立っています。

このプレゼンが終わったときに、仲間になるということがどういうことなのか、それが皆さんにとってどういうメリットがあるのかも、感じ取っていただけたらと思います。

街灯の下で勉強していたバングラデシュの高校生

三輪 まずはじめに、私が現在こうした活動するきっかけとなった出来事について、お話しさせてください。

私は2010年、アジア最貧国のバングラデシュで「大学に行きたい」と思う高校生たちに会いました。

私が見た光景は、まさにこれでした。

街灯の下で、深夜遅くまで勉強している高校生を見かけ、何とかしたいと思いました。

彼らは、「大学に行くことができれば、いい仕事に就いて、いい給料がもらえて、いい社会がつくれる。家族を幸せにできる」そう思って、一生懸命勉強しています。

バングラデシュの若者に最高の授業を届けたい!

三輪 そこで、どうやって応援したらいいのだろうかと考えました。

応援の方法は、簡単です。

この先生を知っている方はいらっしゃいますか? 皆さん、ご存じですね。

では林修先生が、私の恩師だと知っている方はいらっしゃるでしょうか?

実は私、東進ハイスクールで4年間、林先生のアシスタントとして、林先生と一緒に映像授業をつくってきました。

林先生が私の恩師であることを知っていた方が結構多かったようなので、おそらく皆さん、この動画を見てくださっているのだと思います。

ありがたいことに、今日動画の再生回数を確認したところでは、55万回を超えていました。

(会場拍手)

ありがとうございます。

もう1つうれしいのは、YouTubeで「プレゼンテーション」と検索すると、私が今一番上に来るそうです。

2020年のオリンピックに向けて、プレゼンのお仕事を1ついただいています。

カリスマ講師・ザハン先生の映像授業を村の高校生たちへ

三輪 話を戻しまして、バングラデシュの林先生はどこにいるのかというと、首都ダッカには予備校が軒を連ねるファームゲートと呼ばれる場所があります。

ここには、有名な先生がいます。

バングラデシュの英語のカリスマ、クドビ・ザハン先生です。

ザハン先生は、バングラデシュのお茶の間のテレビスターであり、予備校のスーパースター先生です。

こういう先生の授業をずっとビデオで撮影してDVDにし、村の高校生たちに届けました。

わずか半年間の映像授業で、名門ダッカ大学合格者を輩出!

三輪 村の高校生たちは、一生懸命頑張りました。

そして半年後の受験で、なんと現地の東京大学にあたるダッカ大学に見事1名合格したのです!

2015年までに100人、今では250人近くの高校生が、現地の最難関大学に進学しました。

教育大臣からの表彰、第1回デジタル教育国際会議の開催

三輪 2015年のタイミングで、私たちはバングラデシュの教育大臣から小さな感謝状をいただきました。

「お礼に何でもするよ」とおっしゃっていただいたので、「カンファレンスを開いていいですか?」と行われたのが、第1回デジタル教育カンファレンスです。

うれしいことに、教育大臣だけではなく現在のICT大臣、元中央銀行総裁をはじめとしたバングラデシュの名だたるリーダーほぼ全員に参加いただきました。

これを契機として、私たちはバングラデシュ教育のデジタル改革事業へと参画しました。

バングラデシュのシェイク・ハシュナ首相の息子さんが、今シリコンバレーでテックベンチャーを何社もサポートしている人で、彼のイニシアティブも使いながら、バングラデシュの教育をどんどんデジタル化していきましょうという波に、おそらく日本で初めて、私たちが乗らせていただきました。

2016年7月、ダッカ・テロ事件の悲劇

三輪 2016年8月の第2回カンファレンスで、もう1つ大きな発表を予定していましたが、残念ながら第2回カンファレンスは中止になっています。

今も中止のままです。

理由は、2016年7月1日にバングラデシュの首都ダッカで起きたテロ事件です。

日本人7人が亡くなって、1人が負傷された、本当に悲しい事件でした。

私はホテルに閉じ込められました。

何より悲しかったのは、現地で優秀な若者が事件を起こしてしまったことです。

テレビで一切報道されていませんが、事件を起こした若者の中には実は、ダッカ大学出身者がいました。

しかし、それをバングラデシュの子たちは知っています。

トップの大学に行くことが果たして本当に正解なのか、私たちも分からなくなってしまいました。

テロ事件で生じた「迷い」と「無力感」

三輪 自分の教え子たちがもしテロ事件を起こしてしまったら、彼らの可能性を本当に信じられるのか、正直私も分からなくなってしまったときがありました。

そこから、身体と頭が思うようにくっつかなくなって、しばらく動けなくなってしまいました。

「もっと自分たちに力があれば」

自分たちにもっと力があって、もっと多くの若者を応援できていれば、事件を止められたのではないかと思うと、悔しくて、でも無力で、私は働けなくなってしまいました。

そんな私を助けてくれたのは、他でもないバングラデシュの子たちでした。

彼らはテロ事件で私がホテルで身動きが取れなくなっているときも毎日、朝昼晩に食事と水を持ってきてくれました。

そういった子たちのおかげで私は生きながらえることができました。

そして私は、彼らの可能性を信じたいと思いました。

(続)

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続きは 14. バングラデシュで開催!共創型カンファレンス「Society Co-Creation」への決意【終】 をご覧ください。

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編集チーム:小林 雅/尾形 佳靖/小林 弘美/戸田 秀成

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