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「ソーシャルビジネスが世界を変える!」全14回シリーズの(最終回)は、e-Education三輪さんのプレゼンテーションの後半です。ダッカ人質テロ事件の翌年、再びバングラデシュに赴いた三輪さん。彼が現地で見出した希望の光は、バングラデシュ発の共創型カンファレンス「Society Co-Creation」として進化を遂げます。ともに産業を創り、ともに社会を創る。そしてそのための教育を。最後までぜひご覧ください!
▶ICCパートナーズではコンテンツ編集チームメンバー(インターン)の募集をすることになりました。もし興味がございましたら採用ページをご覧ください。
ICCサミットは「ともに学び、ともに産業を創る。」ための場です。毎回250名以上が登壇し、総勢900名以上が参加する。そして参加者同士が朝から晩まで真剣に議論し、学び合うエクストリーム・カンファレンスです。 次回ICCサミット KYOTO 2020は、2020年8月31日〜9月3日 京都市での開催を予定しております。参加登録などは公式ページをご覧ください。
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【登壇者情報】
2019年9月3〜5日
ICCサミット KYOTO 2019
Session 12F
ソーシャルビジネスが世界を変える!(レクチャー編)
(スピーカー)
今井 紀明
認定NPO法人D×P
理事長
高田 修太
一般社団法人HLAB / 株式会社エイチラボ 共同創設者・理事
プロマジシャン
田口 一成
株式会社ボーダレス・ジャパン
代表取締役社長
村田 早耶香
特定非営利活動法人かものはしプロジェクト
共同創業者
(スピーカー&モデレーター)
三輪 開人
特例認定NPO法人 e-Education
代表理事
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最初の記事
1. 孤立する10代の若者にセーフティーネットを(認定NPO法人D×P 今井 紀明さん)
1つ前の記事
13. e-Education三輪開人がダッカ人質テロ事件で感じた「迷い」と「無力感」
本編
2017年、再びバングラデシュに
三輪 テロ事件後帰国していた私は、2017年に再びバングラデシュに戻り、現地の大学生2,000人ぐらいと会いました。
今着ている、バングラデシュと日本の共通の国旗の色であるど派手な赤い色の服を身に着けて、バングラデシュの果てまで行ってきました。
彼らは本当に元気で、私は彼らから元気をもらいました。
ロヒンギャ難民問題に立ち上がった、元生徒のシャフィ
三輪 e-Educationの元生徒だったシャフィは、大学に進学する前に、理不尽にお父さんを殺されてしまった悲しい過去を持っています。
彼は、ミャンマーから70万人の難民がバングラデシュに流れ込んできてしまったロヒンギャ難民問題が起きたときに、誰よりも早く立ち上がりました。
「僕よりも苦しい環境にいるのだったら、僕が助ける」と言って、自分のお金をはたいて、さらに寄付を集め、現地の人たちに食料を届けました。
こういった活動を私たちも応援しようと思って、20万食の食糧を支援してきました。
私たちだけでなく、ICCでご一緒させていただいたユーグレナの出雲社長、グラミンユーグレナの佐竹社長にもご協力をいただきました。
ユーグレナさんとの共同案件が、日本で初めて国連世界食糧計画(WFP)で選ばれた民間連携の案件になりました。
▶euglena Project 31 ロヒンギャ難民の食料問題解決に貢献せよ。日本企業初の国連世界食糧計画(WFP)との事業連携(ユーグレナプロジェクト)
出雲さんも、佐竹さんも、いつもこう言ってくださいます。
「これはバングラデシュの若者から始まったプロジェクトだ」
僕自身も「シャフィのような、テロリスト予備軍と呼ばれていた彼らこそが、本当は世界の希望で、何万人、何十万人という人たちを救う希望の光なんだ」ということを思い出しました。
バングラデシュは優秀な英語人材・エンジニア人材の宝庫
三輪 皆さんに仲間になっていただきたいと思っていましたが、バングラデシュの人たちを採用されている会社があることも知っています。
そこで最後に、すでに多くのバングラデシュ人が日本で働いていることをご紹介したいと思います。
今バングラデシュが熱い理由に触れますと、その1つに高い英語力があげられます。
TOEICの世界ランキングは今は5位くらいまで下がってしまいましたが、バングラデシュの平均点は895点くらいです。
エンジニアとしても優秀な人材ばかりで、そういう子たちが日本で就労できるよう、JICAのITエンジニア育成プログラム「B-JET」のカリキュラム開発責任者として、支援をしています。
▶B-JET 日本市場向けバングラデシュITエンジニア育成プログラム(BANGLAND)
現在150人ぐらい日本に就職していますが、毎回生徒を募集すると、100倍以上の応募があります。
1年間で80人、2年間で150人が、日本のしかも地方に就職して、日本の地方の会社を盛り上げています。
本当はここで話を終えるつもりでしたが、新しいことを少しだけお話しさせてください。
e-Educationのインターンから生まれた若き起業家
三輪 写真のトゥシャは e-Educationのインターンです。
彼もお兄さんを大学に行かせるために、中学校の頃にバーレーンに出稼ぎをしていた、本当に苦しい過去を持っています。
彼が e-Educationでインターンをしてくれて、彼にどのような変化があったかと聞くと「すごくいい出会いがあった」と言うのです。
誰のことかと思っていたら、ユーグレナの出雲さんのことでした。
ロヒンギャ難民キャンプをしているときに、出雲さんをつかまえて、夜な夜な「どうやって起業をしたんですか?」という話をずっと聞いていたのだというのです。
そんな彼を日本に連れてきて、ICCサミットでもお馴染み、ファクトリエの山田敏夫さんを紹介させていただきました。
そうしたら、自分で会社を始めて、バングラデシュの若者向けのファストフード店“10 To 19”をお金を集めてつくって、ファクトリエさんが衣類でやられているような、生産者の顔の見える野菜を販売したい、生産者の顔の見えるマーケットをつくりたいと動き始めているのです。
この間、わずか半年です。
トゥシャのような若者を、もっと増やすということが、今私の一番やりたいことです。
ICCの文化をバングラデシュへ!
三輪 そのために、ぜひやりたいのは、ICCの文化をバングラデシュに持っていくことです。
私はICCのおかげで、本当に人生を変えてもらったと思っています。
先ほどカタパルト・グランプリで優勝したときのプレゼンがYouTubeで55万回再生されていると言いましたが、あの動画をきっかけに本当に多くの取材をいただきました。
ただ、優勝したことによって人生が変わったとは思っていません。
ICCのスタッフの皆さんに人生を変えてもらったと思っています。
写真の女性は、この会場を統括している荒木さんという方で、次の会場の準備に行ってしまっていると思いますが、後ろにいるスタッフの方を、今ちょっと見ていただけますか。
彼らは、このセッションが少しでもよくなるようにと、毎秒毎秒考えています。
ともに産業を創り、ともに社会を創るための教育を
三輪 こういうスタッフに影響を受け、この文化こそ、バングラデシュの今の若者たちに必要なのではないか、ともに産業を創って、ともに社会を創る、そんな教育をしていきたいと、かねてより思っていました。
そのためには、ただ言ってるだけでは意味がないと思い、1年前からずっとICCのボランティアスタッフとして参加して、お手伝いさせていただいています。
ありがたいことに、前回の福岡のICCサミットでスタッフMVPをいただくことができ、もしかしたらカタパルトで優勝したとき以上に、うれしかったかもしれないぐらいです。
産業をともに創る、そのための場を創るということに、貢献できた証だと思っています。
私にはどうしてもやりたいことがあります。
今登壇されているような方々を連れて、バングラデシュの若者たちを応援しにいきたいのです。
つい先週、3年前に開催したくてできなかったカンファレンスを、2020年4月に開催することが決まりました(※)。
リードスポンサーは、他でもないICCパートナーズです。
ICCパートナーズ代表の小林さんが「開催にかかるすべての費用を僕が出す」と言ってくれました。
それだけではありません。小林さんも来ます。
そして、「スタッフも連れていく」と言ってくれました。
やらないわけにはいきません。
ともに産業を創って、ともに社会を創る、そのための教育を、ICCの皆さん、ここにいるスタッフの皆さんも含めて、皆さんと一緒にやりたいと思います。
企業の皆さんにも、バングラデシュの熱気に触れていただいて、一緒にどうやったら産業を創れるのかを考える、そんな時間をつくっていただきたいと思います。
一緒に共創するための時間を私にください。
どうもありがとうございました!
▶編集注:最後にご紹介いただいた「Society Co-Creation」の開催は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19))の現状を踏まえ延期となることが決定いたしました。開催時期の決定は、E-educationのウェブサイトのアップデートをお待ちください。
(終)
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編集チーム:小林 雅/尾形 佳靖/小林 弘美/戸田 秀成
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