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ICCサミット KYOTO 2019の高評価セッション「ソーシャルビジネスが世界を変える!」を全14回シリーズでお届けします。ソーシャルセクターで活躍する気鋭の社会起業家5名に、各15分間のプレゼンテーションをしていただきました。トップバッターは、認定NPO法人D×P(ディーピー)理事長を務める今井紀明さんです。ぜひご覧ください!
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ICCサミットは「ともに学び、ともに産業を創る。」ための場です。毎回250名以上が登壇し、総勢900名以上が参加する。そして参加者同士が朝から晩まで真剣に議論し、学び合うエクストリーム・カンファレンスです。 次回ICCサミット KYOTO 2020は、2020年8月31日〜9月3日 京都市での開催を予定しております。参加登録などは公式ページをご覧ください。
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【登壇者情報】
2019年9月3〜5日
ICCサミット KYOTO 2019
Session 12F
ソーシャルビジネスが世界を変える!(レクチャー編)
(スピーカー)
今井 紀明
認定NPO法人D×P
理事長
高田 修太
一般社団法人HLAB / 株式会社エイチラボ 共同創設者・理事
プロマジシャン
田口 一成
株式会社ボーダレス・ジャパン
代表取締役社長
村田 早耶香
特定非営利活動法人かものはしプロジェクト
共同創業者
(スピーカー&モデレーター)
三輪 開人
特例認定NPO法人 e-Education
代表理事
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本編
三輪 開人さん(以下、三輪) 皆さん、こんにちは!
昨日まで、このICCサミットで運営チームスタッフとして司会を担当していましたe-Educationの三輪と申します。
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三輪 開人
特例認定NPO法人 e-Education
代表
1986年生まれ。静岡県立掛川西高等学校卒業。早稲田大学在学中に友人と共にNPO法人e-Educationの前身を設立。バングラデシュの貧しい高校生に映像教育を提供し、大学受験を支援した。1年目から合格者を輩出し「途上国版ドラゴン桜」と呼ばれる。大学卒業後はJICA(国際協力機構)で東南アジア・大洋州の教育案件を担当しながら、NPOの海外事業総括を担当。入職3年半後の2013年10月にJICAを退職してe-Educationの活動に専念。2014年7月に同団体の代表理事へ就任。これまでにアフリカや南米を含む途上国14カ国、30,000名以上の中高生に映像授業を届けてきた。2016年、アメリカの経済誌「Forbes」が選ぶアジアを牽引する若手リーダー「Forbes 30 under 30 in Asia」に選出。2017年、ICC第一回「CATAPULT GRAND PRIX (カタパルト・グランプリ)」で優勝。2018年、人間力大賞にて外務大臣奨励賞および参議院議長奨励賞を受賞。NHKドキュメンタリー番組『明日世界が終わるとしても』などメディア出演多数。
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本セッションのタイトルは「ソーシャルビジネスが世界を変える!」です。
ICCサミットのコンセプトでもある「ともに学び、ともに産業を創る。」にならい、次の時間帯で引き続き行われるラウンドテーブル企画とあわせて、会場に集まった全員で「ともに創る」セッションを実現したいと考えております。
まずはじめに、「レクチャー編」ということで、私を含めた5人がそれぞれどのような活動をしているのかをご紹介させていただきます。
私たちソーシャルセクターがどのようなアプローチで世界を変えているのか、その共通点、または違いを感じていただければと思います。
トップバッターはD×Pの今井さんです。それでは今井さん、プレゼンテーションをお願いします。
「孤立する10代の若者にセーフティーネットを」認定NPO法人D×P
今井 紀明さん(以下、今井) 改めましてこんにちは、認定NPO法人D×P(ディーピー) の今井と申します。よろしくお願いします。
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今井 紀明
認定NPO法人D×P
理事長
1985年札幌生まれ。立命館アジア太平洋大学(APU)卒。高校生のとき、イラクの子どもたちのために医療支援NGOを設立。その活動のために、当時、紛争地域だったイラクへ渡航。その際、現地の武装勢力に人質として拘束され、帰国後「自己責任」の言葉のもと、日本社会から大きなバッシングを受ける。結果、対人恐怖症になるも、大学進学後、友人らに支えられ復帰。偶然、通信制高校の先生から通信制高校の生徒が抱える課題を知る。親や先生から否定された経験を持つ生徒たちと自身のバッシングされた経験が重なり、大阪の専門商社勤務を経て、2012年にNPO法人D×Pを設立。「ひとりひとりの若者が自分の未来に希望がもてる社会」を目指している。通信・定時制高校に通う生きづらさを抱えた若者に、「つながる場」と「いきるシゴト」を届ける若者支援コミュニティをオフラインとオンラインで作っている。NPOの未来を考えながら、資金調達や事業作りを実践的に学んでいくオンラインサロン「NPO未来ラボ」を運営。また、NPO支援の会社として株式会社SOLIOを2018年11月に設立し、様々な分野のNPO支援を展開している。
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D×Pは、「孤立する10代の若者にセーフティーネットをつくる」NPOとして、関西、札幌、東京に拠点があり、オンラインでは全国から相談が集まっています。
まず、事業のお話をしたいと思います。
最近、僕はゴビ砂漠のマラソンで250キロを完走しました。
3年連続で砂漠マラソン挑戦のクラウドファンデイングを行なっています。
合計、約2,000万円をご寄付いただきました。
このご寄付は、僕が代表理事をしているD×Pの取り組みに使わせていただくので、チャリティーマラソンです。
D×Pは2019年で8年目の認定NPO法人です。
スタッフは25人いて、そのうち社員が10名、インターンの12名はほぼ社会人です。
ボランティアは400名くらいいて、ほとんどが社会人です。
D×Pは寄付型のNPOで、寄付者は、単発の寄付者を含めて1,000名を超えています。
年間8,000万円の予算で運営しており、サポーター企業としてはD×Pがある大阪の中小企業さんを中心に、色々な企業から資金を得て事業をしています。
D×Pの三事業〜「つながる」「シゴト」「住む」の支援
今井 僕らが目指しているのは、「ひとりひとりの若者が自分の未来に希望を持てる社会」をつくることです。
そのために、大きく分けて3つの仕事を行っています。
1つは「つながる場をつくる」こと。
10代で困難を持っている子たちとつながるために、学校現場やオンラインで彼らと出会うことから始めていきます。
つながったら、2つめの「いきるシゴトをつくる」。
これまで、IT系やゲーム産業、製造メーカーなど、色々な企業にその子たちをつなげてきています。
3つめは「いきる暮らしをつくる」です。住む場所をつくっています。
このようにD×Pでは「つながる」「シゴト」「住む」事業を、全国的に展開しています。
通信制・定時制高校の生徒が抱える「生きづらさ」とは
今井 ところで皆さんの中で、最近通信制・定時制高校の生徒たちに会ったことがある方はいらっしゃいますか?
(会場を見渡して) いらっしゃいますね。
もしかすると年齢が上の方にとっては、通信制・定時制高校というと、仕事勤めをしながら学ぶ学生が多くいるイメージがあると思いますが、今は違います。
不登校を経験した生徒や高校中退者がほとんどです。
経済的に困難、いじめ経験、発達障害等がある、家に居場所がないなどの現実に直面している生徒がいます。
課題として何があるかというと、通信制高校では進路未決定率が37.1%、定時制高校では14.2%と全日制高校と比べると非常に高いということです。
通信制高校の生徒は約18万人で、全日制高校、定時制高校、通信制高校の中で唯一生徒数が伸びています。
一方の定時制高校の生徒は約10万人で、生活保護を受給していたり、ひとり親家庭が多く、経済的に困難を抱えていることも多い状況です。
たくさんの生徒と出会って分かった、大きな可能性
今井 世間からはそれが「かわいそう」と思われていることもありますが、生徒たちはたくさんの可能性を持っています。
例えば、長い間ひきこもりをしていた子がD×Pや様々な大人と関わるなかで、大手ゲーム企業で働いています。
その子は最初は遠隔で働いていましたが、就職して、今は関東に引っ越して働いています。
10代で4年間不登校になり、その後IT企業で働いている子もいます。
ある障害を持っている子で、大阪の商業施設で働いている子もいます。
僕はこれまで4,000人ぐらいの生徒たちと会ってきましたが、仕事への適性は千差万別、一人ひとりに本当に大きな可能性があると思っています。
学校現場での授業、オフライン&オンラインの進路相談
今井 さて、僕たちが皆さまから寄付をいただいて何をしているかというと、まず学校現場で授業と居場所事業や進路相談をしています。
私たちは、後述するように単位認定されている授業を高校の中で実施しており、生徒たちとボランティア400名が継続的に関わり、つながって、就職までつなげていく流れを持っています。
またオンラインでは、LINEを使った就職相談をしています。
不登校や高校中退の子たちは今盛んにオンラインで交流をしているので、オンラインを入り口として、進学、就職までサポートする形をとっています。
(続)
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続きは 2. 独自授業×LINE×リバ邸で通信制・定時制高校の生徒を支援!NPO法人D×Pの取り組み をご覧ください。
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編集チーム:小林 雅/尾形 佳靖/小林 弘美/戸田 秀成
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