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ICCサミット FUKUOKA 2020「教えてほしい! 成長するアジア市場をどのように攻略するのか?」の全文書き起こし記事を全5回シリーズでお届けします。(その3)は、駐在員と現地採用の給与問題について。同じ社内にいる以上、いかに納得感のある制度と情報を共有するか、AnyMind十河さんが解説します。ぜひご覧ください!
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ICCサミットは「ともに学び、ともに産業を創る。」ための場です。毎回250名以上が登壇し、総勢900名以上が参加する。そして参加者同士が朝から晩まで真剣に議論し、学び合うエクストリーム・カンファレンスです。 次回ICCサミット KYOTO 2020は、2020年8月31日〜9月3日 京都市での開催を予定しております。参加登録などは公式ページをご覧ください。
本セッションは、ICCサミット FUKUOKA 2020 プラチナ・スポンサーの日本マイクロソフト様にサポートいただきました。
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【登壇者情報】
2020年2月18〜20日開催
ICCサミット FUKUOKA 2020
Session 10D
教えてほしい! 成長するアジア市場をどのように攻略するのか?
Supported by 日本マイクロソフト
(スピーカー)
金 泰成
VIP PLAZA INTERNATIONAL PTE LTD
Founder & CEO
柴田 啓
株式会社ベンチャーリパブリック
代表取締役CEO
十河 宏輔
AnyMind Group
CEO
平田 祐介
Repro株式会社
代表取締役
(モデレーター)
蛯原 健
リブライトパートナーズ株式会社
代表パートナー
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▶「教えてほしい! 成長するアジア市場をどのように攻略するのか?」の配信済み記事一覧
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最初の記事
1. 東南アジアを中心に活躍する5人が、市場攻略を徹底議論!
1つ前の記事
2. 激しい競争と人材獲得に勝てずして、アジア市場攻略はできない
本編
現地採用の給料をどう決める?
蛯原 グローバルエキスパット的なバックグラウンドの人材と、現地ドメスティックのみのバックグラウンドしかない人材、日本と違ってその2社で大きく異なる点が大変だと思いますが、ずばりどうやって給料の額を決めていますか?
十河 最近、制度を作ったのですが、各国で、ジョブレベルによって給与レンジを設定しています。
L1からL7まであり、L7がカントリーマネージャーで、その上がCレベルですが、各レベルで給与レンジが決まっています。そのレンジは、各国のマーケットと合わせて作っています。
例えば、L3で採用したいけれど、既に給与がL4以上をもらっている候補者がいたとしたら、オファーをしません。
蛯原 L7の人は、日本の基準よりも給料が高いですか?
十河 そうですね。1,000万円以上払っているケースもあり、現地の給与レンジを鑑みると、かなり高いです。
蛯原 離職されないためにはどうすればいいのでしょうか?
十河 上層部に関しては、とにかく密なコミュニケーションが必須ですね。実はこれまで、カントリーマネージャーが退職したケースはほぼありません。
ストックオプションを渡していることもありますが、彼らは立ち上げ初期からいる人たちで、給料が上がり続けています。業績が上がれば給料も上がり続けるので、うちの会社にいるほうが、夢もベネフィットもあるよねということにしています。
正当な給料を払い、正当なインセンティブを与え、コミュニケーションをとっていれば、大丈夫なのではないでしょうか。
アジアと日本でBtoBのプライシングは違う?
蛯原 それでは会場から質問を聞いてみましょうか。
質問者1 RevCommの會田と申します。
まず平田さんに、BtoBのプライシングが日本と違うかについてうかがいたいです。各国GDPに合わせてプライシングを変えているか教えてください。
そして十河さんには、各国のガバナンスをどうしているかを聞きたいです。
平田 プライシングについては、どこをターゲットにするかで変わってきますが、エンタープライズに関してはほぼ同じですね、もっと高く売れると思いますが。
日本では、会社に体力がなくなってきているのか、値下げ交渉しかされないですね。
海外では、バリューさえ出せば、この値段でいいの?と言われます。
ただ、SMB(中小企業)になると、シンガポールでさえ7掛けになる印象です。SMBは、シンガポール、インドネシア、タイ、ベトナムで展開していますが、ARPU(※)が一番高いのはインドネシアですね。
▶編集注:Average Revenue Per Userの略で、ユーザー1人あたりの平均収益をあらわす指標
売上とLTVが伸びるなら投資しようという流れがあり、一番売りやすいです。今、インドネシアが一番売りやすいですね。
各国のガバナンス状況は?
写真左から、Repro 代表取締役 平田 祐介さん、AnyMind Group CEO 十河 宏輔さん
十河 ガバナンスは正直、頭が痛いです。例えば、サプライヤーへの支払いタイミングです。
我々はインフルエンサーマーケティングをしているので、最終的にインフルエンサーに支払うわけですが、サプライヤーからキックバックを要求されるケースが結構あると思います。
そこで、新しく契約を交わす人たちをきちんと審査し始めました。
本来、インフルエンサーとプラットフォーム経由で直接取引をしていたのですが、これまでは忙しかったという理由で下請け業者を使っていました。今はマンパワーもあるし、ほぼバリューも出していなかったので、直接仕事をする方が勿論、安いです。
これは怪しいなというケースが結構出てきたので、サプライヤーの取引とはとくに留意するようにしています。グローバルでレギュレーションとマニュアルを作り、ファイナンスチームに入ってもらい、レギュレーションに基づいて行うようにしました。
駐在員の給与はオープンにしているのか?
質問者2 トレンドExpressの濱野と申します。我々は中国中心に事業をしています。
給与と人事の件で、どれくらいオープンにすべきか悩んでいます。
例えば社内で、各国別のレンジが見えるようになっているのか、駐在員の給与をどのくらい開示しているのかについて教えてください。
結局のところ、社員同士が話せばバレてしまいますよね。あの国は高いよねとか、駐在員は絶対もらっているよね、とかあると思います。
十河 本当にそれは困っています。おっしゃる通り、基本的にはバレるので、レベルごとの給与レンジはオープンにしています。
例えば、日本人がタイに駐在していると、「何でこんなに給料が高いの?」となるケースが実際にあります。そこで、「日本人は助っ人として採用する」ことを徹底しています。
メジャーリーグの4番選手が日本のプロ野球に移籍して、ホームランを打ちまくる、みたいなイメージです。それくらいのパフォーマンスを出してもらわないとペイできないので、と前置きして採用しています。
蛯原 本社から派遣されてきた日本人駐在社員に対して、ローカル社員からの不満がたまるというのは、一番あるあるのケースですよね。「仕事できないのに、なぜあんなにもらっているのか」と。
十河 ですから日本人側に、その期待とプレッシャーがあることを事前に共有し、理解してもらいます。
期待値に満たない場合は、正直にフィードバックしています。そうしなければ、ローカルのメンバーのモチベーションが下がってしまうので。それは本当に意味がない。
日本人が海外に行く場合は、助っ人としての役割を期待していると伝え、率直なフィードバックをするのがキーですね。
質問者2 評価基準はローカルごとに違うのですか?
十河 いえ、グローバルで統一しています。それを若干、ローカライズしていく感じですね。
蛯原 では、次のクローズドクエスチョンです。今までの議論からこんなことを聞くのは馬鹿なことを承知で、あえて馬鹿な質問をします。一般論として、現地の社員に比べて、日本人は相対的に優秀な人が一般に多いか?イエスかノーか?
(続)
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続きは 4. アジア市場で、日本式の「カスタマーサクセス」が効く理由とは をご覧ください。
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編集チーム:小林 雅/浅郷 浩子/フローゼ 祥子/大塚 幸/戸田 秀成
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