米テック企業にとって、ブラジルは自国に次ぐ世界第2のマーケットに | 【ICC】INDUSTRY CO-CREATION

6. 米テック企業にとって、ブラジルは自国に次ぐ世界第2のマーケットに

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「教えてほしい!グローバル市場の最新動向(インド/イスラエル/ブラジル)」全9回シリーズ(その6)は、引き続きブラジルの市場動向の解説です。2050年には世界第5位のGDPに躍り出ると予測されるブラジルですが、米テック企業にとっては既に実質世界2位の市場とも言えます。a16z、ベンチマーク、セコイア、500などの米国VCも存在感を高め、この2年間で急速にエグジット案件も増えています。グローバル化を目指す日本企業は必読の内容です。ぜひご覧ください!

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ICCサミットは「ともに学び、ともに産業を創る。」ための場です。毎回250名以上が登壇し、総勢900名以上が参加する。そして参加者同士が朝から晩まで真剣に議論し、学び合うエクストリーム・カンファレンスです。 次回ICCサミット FUKUOKA 2021は、2021年2月15日〜18日 福岡市での開催を予定しております。参加登録などは公式ページをご覧ください。


【登壇者情報】
2020年2月18~20日開催
ICCサミット FUKUOKA 2020
Session 12E
教えてほしい!グローバル市場の最新動向 (インド/イスラエル/ブラジル)

(ナビゲーター)

三輪 開人
特例認定NPO法人 e-Education
代表

(スピーカー)

蛯原 健
リブライトパートナーズ 株式会社
代表パートナー

竹内 寛
MAGENTA Venture Partners
Managing General Partner

中山 充
株式会社ブラジル・ベンチャー・キャピタル
代表

濱田 安之
株式会社 農業情報設計社
代表取締役 CEO, ファウンダー

※ 本セッションは2020年2月に開催されました。その後世界的に拡大した新型コロナウイルス感染症の影響により、現在の市場動向は異なる可能性がございます。

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最初の記事
1. シリコンバレーの約2割は“実質インド企業”? インド工科大卒の超秀才たちが創る新たなスタートアップ像

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5.「人生のKPIは、ブラジルに連れてきた日本人の数」ブラジル・ベンチャー・キャピタル代表 中山さん

本編

中山 というわけで、ここまでで私の今日のプレゼンテーションは9割方目的に達しました(笑)。

ですが一応皆さんの上司や株主に対しブラジルへ行く理由が必要になるかと思いますので、ここからはその説明を始めたいと思います。

私自身ブラジルに住んで9年になり、妻もブラジル人で、ブラジルに人生を賭けています。

先ほどの話 でいくと、私は日系移民1世になりますね。

▶編集注:本セッションのPart1では、リブライトパートナーズの蛯原さんより、世界で活躍するインド人起業家の共通点は「移民1世」であるとの話題が出ました。

2050年には、ブラジルのGDPは世界5位に成長する

株式会社ブラジル・ベンチャー・キャピタル 代表 中山 充さん

中山 本題ですが、私がブラジルをお勧めする理由はこれです。

ブラジルが日本のGDPを抜く日が、自分自身が生きている間と言いますか、現役の間に訪れる確率は非常に高いです。

日本はすでに中国に抜かれた感がありますが、先ほどのお話からインドもあと5年、10年で日本に追い付き、結局どんどん抜いていかれることになります。

PwCの推定では、一番右に示すように2050年にはインドネシア、ブラジル、メキシコもそういう領域に来ると予測されています。

これはかなり確実な推測です。なぜかと言いますと人口順だからです。

ブラジルは人口2.1億人と世界第5位でありながら、平均年齢30歳代と若く、さらに毎年約100万人ずつ増加しています。

トップ10の国を2050年に100%とした場合、ブラジルのシェアは5%になります。

皆さんの財産は、99%日本にありますよね。でもその日本のGDPは4%しかないのですよ。

というところで、ブラジルに人生の9割を賭けるのは私だけでいいのですが(笑)、5%ぐらいはブラジルという国を頭の片隅に留めていただけたら、バランスとしていいのではないかと思います。

VC投資総額は約2,000億円ながら、エグジット案件は急増中

中山 スタートアップシーンの話も少し申し上げますと、この2年で急速にいいエグジット案件が出てきています。

超優良スタートアップはアメリカへ渡ってIPOを果たし、1兆円ほどのマーケットキャップ(時価総額)がつく例も出ています。

左の2社はともにペイメントの会社で、それぞれニューヨーク証券取引所(NYSE)のパグセグロ(PagSeguro)、NASDAQのストーン(stone)です。

さらに、未上場かつ時価総額が10億ドルを超えるいわゆるユニコーンクラスの企業も既に14社出てきています。

ユニコーン数で評価する風潮は私も議論の余地があると思いますが、その数だけで言うと世界第5位です。

蛯原 ソフトバンク以外が投資するユニコーンは、このうち何社ありますか。

中山 さすがですね。その質問は来ると思っていました。8社です。

ちなみに、昨年3月にソフトバンクが50億ドルのラテンアメリカ・ファンドを組成するという話が出て、難航している説もあるものの既に実際20億ドルが出されています。

そのうち、ラテンアメリカでの国別のシェアはブラジルが75%となっています。

実は、ソフトバンクの出資先のスタートアップを国別に見ますと、ブラジルは第2位です。

チケットサイズが違うという話もあるのですが、申し上げたいことは「世界全般を見ることが出来、あまりしがらみがなく意思決定が出来る人にとっては、ブラジルはトップ5に入る国だ」ということです。

地理的に日本から遠い、公用語がポルトガル語なため英語のニュースソースが少ない、心理的な距離感があるというのが、日本からブラジルがなかなか見向きされていない理由だと感じています。

一方でアメリカの大手VCはどんどん進出してきており、例としてアンドリーセン・ホロウィッツ(a16z)ベンチマークセコイア・キャピタルが挙げられます。

Yコンビネーターも投資先のうち68社がラテンアメリカですし、ファイブハンドレッド・スタートアップスは10億円のファンドをブラジルだけにつくる等、徐々に存在感が強まってきています。

現在ブラジルのVC投資総額は約2,000億円です。

日本の約半分の規模ではありますが、この2年間で3倍に増えておりエグジットも出始めたところですので、さらに増える傾向にあります。

注目の農業用ドローン・スタートアップ「ARPAC」

中山 ブラジルの注目スタートアップ企業を数社紹介しようと思っていたのですが、時間の関係上1社だけご紹介します。

ドローンで農薬を散布するアルパック(ARPAC)という会社に日本のDRONE FUNDさんからご出資いただいており、弊社も投資しています。

Drone Fund、ブラジルの農業用ドローン・スタートアップARPACへ出資実行(DRONE)

今ブラジルのスタートアップに投資をしている日本の会社は、ソフトバンク、DRONE FUND、そして弊社の3社だけという状況です。

ですので、ぜひもう少し来ていただきたいのです。

米テック企業にとっては自国に次ぐ世界第2のマーケットに

中山 では、マーケットとしての魅力は何かと言いますと、それはもう「売りに行く場」だということです。

先ほどイスラエルはR&Dの場であり、インドもR&Dの場かつイノベーションをアウトソースする場であるというお話がありましたが、ブラジルはサービスを売りに行く広大なマーケットがあります。

まだ競争が少ない、中国勢が進出していない、アメリカのVC数もまだ上記の数止まりだというところで、ぜひ皆さんの進出先の候補としてご検討いただければ嬉しいです。

実際、アメリカのテック企業は多くが進出済みで、Uberの全世界のユーザーのうち2割はブラジル人が占めています。

よって当然ですが、アメリカに次ぐ世界第2の市場になっています。NetflixYouTubeも、アメリカの次の市場はブラジルです。

ブラジルは人口で世界第5位、インターネット人口世界第4位ですから、こうした米国のテック企業が中国に出られないとなると、トップ3に入るのは当たり前なのです。

GDPの25%を占める農業分野への大きな期待

中山 濱田さんへのバトンタッチする前に、最後にブラジルの主要農産物について触れたいと思います。

農業はブラジルのGDPの25%を占める非常に大きい産業で、在ブラジルの日本企業に聞いても、アグリテックが一番興味がある分野だという答えです。

要は国が大きいので、何を作っても世界トップ3に入る生産量となります。

牛肉、鶏肉、豚肉、卵、牛乳、大豆、サトウキビ、トウモロコシ、綿、コーヒー、バナナなど、広大なブラジルはどれも高生産量を誇っています。

これは巨大トラクターの前で濱田さんと一緒に撮った写真ですが、この規模感で農業が行われているのがブラジルです。

ICCがきっかけとなった、中山さんと濱田さんの出会い

中山 ここで濱田さんとの出会いをお話しさせていただくと、私は一昨年のICC KYOTO 2018に初参加し、ピッチされていた濱田さんと名刺交換させていただきました。

昨年のICC FUKUOKA 2019のセッション「IT業界地政学ーアフリカ・インド・インドネシア・バングラデシュ・ブラジル」の際には、濱田さんは聴講者として座っていらっしゃいました。

そしてそのわずか1ヵ月半後の4月にブラジルへ飛ぶという異例のフットワークの軽さで、AGRISHOWにご参加いただきました。

さらに同年11月、ブラジル・ジャパン・スタートアップ・フォーラムにお越しいただきました。

そこでなんと農業情報設計社さんのユーザーミーティングをブラジルでやることになり、イグアスの滝から車で2時間の場所で開催しました。そして、今日に至っております。

前回もこれぐらいの人数だったのですが、来週は濱田さんを筆頭にあと3名ほどブラジルへお越しいただくことになっていますので、ICCサミットは非常に高確率で私のKPIを高めている(※) ということになっています。

▶編集注:本セッションPart5では、中山さんが自身の人生のKPIを「ブラジルに連れて来た日本人数」としていることを語りました。

ぜひ皆さん、ブラジルをどうぞよろしくお願いいたします!

(会場拍手)

三輪 中山さん、ありがとうございました。

皆さん、これで本日の登壇者の方々のプレゼンテーション順の意味がお分かりいただけたかと思います。

前回プレゼンを「聴く側」でいらっしゃった濱田さんが、今回は「登壇側」になっていらっしゃるというわけです。

中山 凄いCo-Creationですよね。

濱田 はい、まさにその通りです。

三輪 それでは濱田さん、よろしくお願いします!

(続)

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続きは 7. ブラジル進出でユーザー数急増!農業トラクター運転支援アプリで世界に挑む農業情報設計社 をご覧ください。

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編集チーム:小林 雅/尾形 佳靖/浅郷 浩子/小林 弘美/蒲生 喜子/戸田 秀成

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ICCパートナーズ(ICC Partners Inc.)は産業を共に創る経営者・経営幹部のためのコミュニティ型カンファレンス「Industry Co-Creation サミット/ICCサミット」の企画・運営および新規事業創出・アライアンスなどのアドバイザー業務を行っています。