「誤タップでお金を稼げる時代は終わった」スマホ広告に起きている変化【K16-1C #4】 – INDUSTRY CO-CREATION(ICC)

「誤タップでお金を稼げる時代は終わった」スマホ広告に起きている変化【K16-1C #4】

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「モバイル広告はどのように進化するのか?」【K16-1C】セッションの書き起し記事をいよいよ公開!8回シリーズ(その4)は、日本のモバイル広告市場の変化と米国と比較したときの課題等について議論しました。是非御覧ください。

ICCカンファレンスは新産業のトップリーダー160名以上が登壇する日本最大級の招待制カンファレンスです。次回 ICCカンファレンス KYOTO 2017は2017年9月5〜7日 京都市での開催を予定しております。参加者の募集を開始しました。

 

登壇者情報
2016年9月6日・7日開催
ICCカンファレンス KYOTO 2016
Session 1C
「モバイル広告はどのように進化するのか?」
 
(スピーカー)
菅野 圭介
ファイブ株式会社
代表取締役
 
二宮 幸司
株式会社ファンコミュニケーションズ
取締役
 
林 宣多
AppLovin Corporation
Country Manager, Japan
 
(モデレーター)
坂本 達夫
AppLovin Corporation
Director Sales, Japan

その1はこちらをご覧ください:【新】キーマンたちが語るモバイル広告の進化を大特集!【K16-1C #1】
その2はこちらをご覧ください:日本発スマホ広告の雄「nend」ファンコミの事業展開【K16-1C #2】
その3はこちらをご覧ください:「CPIからROASの時代へ」シリコンバレー発のアドテク企業”AppLovin”【K16-1C #3】


坂本 では、ここから少し踏み込んだディスカッションに移っていければと思います。

今ちょうど、日本の広告主がこういう風に変わってきたというお話が出てきました。

日本のモバイル広告と言えば二宮さんのnendということで、過去からどのようにモバイルの広告が変わってきたかと、現状について、簡単にご説明頂ければと思います。

二宮 国内ではスマートフォンが出てきて、僕達も結構早いタイミングで参入して。

最初は僕達もAdMobなんかと同様に、いわゆるブランドの広告主などを相手に、リッチな表現を武器にチャレンジをしていた時期もありました。

でも、業界の再編があったり、大手の企業がスマートフォン広告のベンチャーを買収したりして、僕達はそのタイミングで”運用型”に振り切っていきました。

タイミング的に、それこそブラウザでソーシャルゲームをやられていた会社が、ネイティブアプリを作り出してCPI(Cost Per Install)市場で成果を追っていくような広告が非常に盛り上がってきた中で、2013年や2014年というのは、やはりそういうクライアントが主流だったと思います。

バナーを貼るだけでマネタイズできる時代ではない

坂本 指標としては、やはり基本的にはCPIで見ているところが多かったのですか?

二宮 そうですね。

僕達はそこにアジャストした機能、つまり先ほど林さんが説明されていたAppLovinと同じような媒体ごとに最適化する機能を早いタイミングでリリースしていたので、それがnendが大きく成長できた一つのポイントだと思いますね。

最近はやはり、広告主のニーズは、インストールではなくてROI(Return on Investment)などをより重視し、良質なユーザー・課金してくれるユーザーをどのように上手く獲得できるか、ということにどんどんシフトしてきています。

パブリッシャーの側は非常に辛い…というと少し変な言い方になりますが、見せ方をきちんと工夫しないと、そういう良いユーザーが獲れないとか、昔みたいにバナーを貼るだけで上手くマネタイズできるような時代ではないと思います。

坂本 悪い言い方ですが、取り敢えずバナーを出して、誤タップでもよいからクリックさせておけばお金になったという時代から、広告主がそういう媒体に段々お金を払わなくなってきているということですね。

二宮 そうですね、どんどんそういう風になってきていると思います。

 先ほどA8.netとのシナジーがないというお話がありましたが、アフィリエイトの「効果を合わせる」という思想をファンコミが元々持っていたからこそ、CPIマーケットになった時にも広告主の方をちゃんと見てCPIを合わせていたということに繋がり、結果それがnendが伸びた要因ではないかなと個人的には思っています。

広告ビジネスをやっていると、楽に儲かりそうなことをすぐにしたくなるものですが。

二宮 そうですね。

シナジーがないというのはちょっと語弊があったかもしれないですが(笑)、基本的にはそういう考え方の下で会社全体として事業を推進していっています。

透明性や、広告主にとってメリットのあるような取り組み、お金を出して下さる広告主にとって最大限パフォーマンスを発揮することが、メディアにも最大限お金を還元できることに繋がるという風に思っています。

坂本 nend自体も、グループとしても、CPIからもっと先のCPA(Cost Per Acquisition)やCPE(Cost Per Engagement)といった指標で最適化したり課金するようなプロダクトがリリースされているのを拝見します。

実感としてはどれぐらいのクライアントが、単にインストールが安く獲れればいいやというところから、その先の指標まで見るように変わってきている印象ですか?

二宮 正直に言うと、まだ2〜3割くらいというのが現状だと思います。

やはり私たちは代理店さんを通して販売させて頂くことが多いのですけれども、そういう、きちんとROIなどを見てそこに対してどうやって最適化配信していくかということを、僕達としてもまだ機能として上手く提供できていなかったり、説明できていない部分もあるのかなと思っています。

ただ、今後殆どのお客様はそこを見てくるようになるので、僕達としてはそれをプロダクトとしてどのように反映していくか、ちょうど仕込んでいる時期ですね。

分析チームとマーケティングチームの融合が必要

坂本 なるほど、ありがとうございます。

確かに、広告主はROIで最適化したいと思っているのに、代理店の方はまだCPIで合わせようとしていたり、結構そのギャップや啓蒙が大変ですよね。

二宮 そうですね。

あとは僕達の場合、ゲーム会社も特にそうなのですけれども、データを分析するチームと、新規ユーザーを獲得するマーケティングチームの間で、例えばレポートラインが違ったり、そもそも追っているKPIが違うといったケースをよく見ます。

その辺りが上手く融合されると、例えば課金されたら媒体にポストバックするといった話ももっと進んでくると思っていて、その辺りの整備なども、僕達としては何とかお手伝いしたい部分ですね。

坂本 特に大きい会社で分業されているところなどだと、ゲームのマネタイズなどインストールされた”後”はプロダクトのチームが見て、マーケティングはプロダクトありきで、安く沢山お客さんを連れて来ることだけが仕事だよと、ズバッと分かれてしまうようなところがありますよね。

二宮 そうですね、分かれているケースがすごく多いと思います。

坂本 ありがとうございます。

USでは、そういう状況というのはもう少し前から随分変わってきているように感じています。

林さんは今年の春までサンフランシスコにいらっしゃいましたが、USを中心とした欧米の広告、モバイルのマーケティングの現状や、日本との違いについてお聞かせ頂けますか?

よく「アメリカから1年、2年遅れて日本にもくる」などと言いますけれども、USは今、どのような状況になっているのですか?

USではROAS(広告費用対効果)を厳しく見られる

 まずデータに関してですが、基本的には、USの広告主は自分達にメリットがあり、相手がきちんとした会社でセキュリティもしっかりしているのであれば、売上などのデータを外部に出すというのは当たり前になっています。

その分、広告会社はROASなどを厳しく見られるし、逆にROASが良ければ予算は上限なしで配信できるような、非常にロジカルなマーケットであるかなとは思います。

後は、動画に関して言えば、そもそもブースト広告自体が3年前くらいからほぼ使われなくなり、やはり効果の高い動画広告によりシフトしているかなということを感じています。

基本的には各社ともFacebook広告は絶対に使って、加えてYouTubeのTrueViewや、我々のような動画媒体をその次のステップで使っていくというのが、基本的なやり方になっていると思います。

坂本 安くインストールが獲れますよといった媒体は、それほど人気がないという感じですか?

 そうですね。

ROIが高い媒体かどうかというのが重要になっていると思います。CPIが安くてもROASが低ければ意味がないですし、逆にCPIが高くてもROASが付いてくるならチャレンジする価値があると考えていると思います。

僕達の場合、USの市場環境としては、8〜9割が広告主との直接取引で1〜2割が代理店経由です。日本ですと、まだその逆になっていますが。

USでは、僕ら広告会社と相対しているマーケティング担当者が、経営のところまできちんと考えて広告出稿・運用もされているケースが多いのではないかなと思います。

坂本 なるほど。

(続)

編集チーム:小林 雅/榎戸 貴史/戸田 秀成/Froese 祥子/坂本 達夫

続きは 「ユーザーに嫌われない広告をどう創るか」モバイル動画広告 市場拡大の鍵 をご覧ください。

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【編集部コメント】

続編(その5)では、モバイル動画広告市場が拡大する鍵やブランディング広告の評価(指標)等について議論しました。是非ご期待ください。他にも多く記事がございますので、TOPページからぜひご覧ください。

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