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「とにかく20代のうちは貪欲に何にでも取り組むと、やがて光が見えてくる」

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「とにかく20代のうちは貪欲に何にでも取り組むと、やがて光が見えてくる」(コロプラ 千葉)

第一線で活躍する起業家が起業するにあたっての心構えや取り組み方など、起業やベンチャーを志す学生の方々との質疑応答形式でセッションが行われました。ICCカンファレンス STARTUP 2016 「人生は挑戦だ!」(中編)をご覧ください。

登壇者情報
2016年2月17日開催
ICCカンファレンス STARTUP 2016
Session 3 「人生は挑戦だ!」

(スピーカー)
仲 暁子   ウォンテッドリー株式会社 代表取締役CEO 
千葉 功太郎 株式会社コロプラ 取締役Co-Founder 
丹下 大   株式会社SHIFT 代表取締役社長
南  壮一郎  株式会社ビズリーチ 代表取締役社長 
 
(モデレーター)
小林 雅      ICCパートナーズ株式会社 代表取締役

前編はこちらをご覧ください:「面白いという感覚を磨くためには、いろんなものに目を向け、自分を磨いていかないといけない」


「やりたいことがなくてもいい。単純になんか面白いなとか、この課題を解決してみたいなと思うものを、とにかく実行に移すことに時間を割くべき」(ビズリーチ 南)

小林 他に質問がある方は?

質問者2 みなさん起業していますけれど、「自分が何かこれしたい」というのがあって、お客さんのニーズを考えないで、とりあえずやりたいと突き進んで起業したのか。もしくは、社会でいろんな課題あるじゃないですか。環境とか、医療とか、教育とか。その課題から考えて解決するために起業されたのでしょうか?

小林 南さん いかがでしょうか?

 はい。多分ね、答えとしては正解も不正解もなくて。いろんなやり方があると思いまして。多分、僕の隣にいるお三方もそれぞれ違うかたちで起業してるんじゃないかなと。僕は自分のことしかわかりませんけども。

僕自身は、さきほども話したように、別に起業したいと思ったことは一度もない。丹下さんみたいに10歳のときに社長になりたいっていうのは特になくて。僕は楽しく生きたいんだと。楽しく生きたいというのがテーマだったので。なので前職でも、プロ野球チームを作るというのは一つの新規事業でしたけども。それは、スポーツがその時やってみたいと思ったからやったわけだし。

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ビズリーチの場合は、インターネットはなんか面白そうだなと。僕の周りには、千葉さんも10年来の友人ですけど、多くのインターネットの関係者が、たまたまいた。皆さんすごい楽しくやっていて。僕は金融と野球なので。極めてアナログだった。だから、インターネットの仕事やりたいなと思って。いろいろと転職活動したときに不便だったので。「あ、こういうのってインターネットで解決すればいいのかな」と思って起業したんですね。

いつも自分自身に聞くんですよ。「本当にやりたいことって何かあるのかな?」この間、ヤフーの小澤さんという人と温泉旅行に行ってたんですけど。二人とも結論としては、実はそんなにやりたいことがなかったという。そんなにやりたいことは多分人生にはないんですよ。ないのは、別に僕は悪いことじゃないと思っていて。小澤さんはわかりませんけど、僕はそんなに悪いことじゃないと思っていて。

だからこそ、その瞬間その瞬間、さきほども話した「面白い」と思ったものを、とにかく一つでもやり続けてみる。もしくはそれを行動に移してみる。考えることとか知ることとか、インプットはいくらでもできる。でも、それを実際に行動に移すというのが、ほとんどの人がなかなかできないんですよね。特にそれが起業になると。

別に僕は起業がすべてだとは全然思いませんけど。「何が、僕は人生でやりたいんだ!」という究極の自分の人生の目的がある人は素晴らしいですよ。「私はピアノの世界一になりたい」とか、「プロ野球選手になりたい」とか、「このビジネスで、この医療問題を解決したい」そういうものがある人は素晴らしいと思うけども。ないのであれば、目の前で、なんか面白いなとか、これやってみたいなと思うものを、とにかく行動を起こしてみて、それを実行に移してみるってことに、時間を割いてもらいたいなと思っています。

小林 千葉さん、何かありますかね。

千葉 僕は、南さんと半分同じですよ。やりたいことをやってたい人生なので。楽しみたいなと、自分が楽しみたい。別に起業したいわけでも何でもなくて。自分がやりたいことを突き詰めると会社を作ったほうがいいシーンが多々あるので。仲間を集めて会社を作ったほうが、大きくできるんですね。自分がやりたいことを自分でやってると小っちゃくしかできないんですけど。「うわー」って言いながら、言っているうちに人が集まってきたりとか、事が動いたりするんですね。

例えば、僕は今、ドローンが大好きで、ドローンを死ぬほど個人で飛ばしてるんです。飛ばし始めて10カ月でもう完全に僕は今「ドローンの人」になっているんですよね。ドローン業界の中心に今、居始めていて。自慢なんですけど。今月発売された「ドローン・マガジン」をアマゾンで買っていただくと、千葉功太郎特集がなんと6ページ。コロプラ関係なしで、カラー付きで僕の作品が全部載って。こんないい感じで自宅で撮った写真で、特集カラーで組まれてるぐらい。そこにまた人が集まってきて、会社もどんどんスタートアップができてきたりしていて。

1個何かに興味を持つようになるとどんどんまた、いろんなビジネスが浮かんできちゃって。そういうの考えてるとどんどん人が集まって、会社作っていったほうができるんですよね。何かワクワクがありますよね。

一方で僕は投資家気質なので。そういう起業家を応援したいという気持ちが強いですね。半分としては。その両方で生きてる感じですかね。

小林 仲さんはいかがでしょうか?

 そうですね。質問としては、思い込みで始めるか、ニーズありきでやるかみたいな質問だと思ってたんですね。社会でこういう問題があるから、そこから入るべきか、自分の入った半径2mからいくべきかとか、そういう質問だったんじゃないかなと思っていて。

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「アフリカの子どもたちを救いたい」みたいな大きい理想がある人がいたとしても、具体的に何をやるの?と考えた瞬間に、小さな手段しかなかったりするんですよね。どちらかと言うと、大きい理想はもう一旦置いておいて。私の持論ですけど、自分の半径2メートル内をしっかり観察して、そこで困ってる人たちの課題を解決するというのから始めて行ったらいいんじゃないかと思います。

基本的には、さきほどの千葉さんが、世の中の人たちが何を考えているのかを観察するって言っていたのですけど、起業する人というのは大体ちょっと自分の主観が異常値なのでですよね。 なので自分のアイディアで始めたとしても、一般の人たちに受け入れられないこととかあるんですね。

考え続けても時間がもったいないので。ウェブサービスだったら1回作って出してみる。使ってくれるかどうかとか数字がわかるので、その数字や反応を見ながら、「ピボット」(方向転換)をする。プロダクトをちょっと変えていくといつの間にサービスが当ることもある。ニッチ(少人数)な分野で始まったサービスがスケール(規模化)していき、マジョリティ(大多数)が使えるものになったりすることもあるんですよね。

私は自分で考えて、半径2メートルの小さな範囲から初めて、ピボット(方向転換)しながら作ってくというのがいいんじゃないかなと思います。

小林 次の質問ある方いかがでしょうか?

「成功までの試練の時を耐えられるか。俺にはこれしかないという思いをどれだけ持ち続けられるかが重要」(ビズリーチ 南)

質問者3 私、4月ごろに起業しようと思ってるんですが、先輩方にアドバイスをいただきたくて。

恐らく皆さん、すごいやりたいことをやって、輝いてらっしゃると思うんですけども。実は、見えないところで結構、いろんな挑戦があって、ご苦労されてたりとか、いろんな工夫をされていたりすると思うんですが。短い、もしくは長い、起業家人生の中で、これはすごいチャレンジングなことだったなっていうエピソード、ぜひ教えていただけたらうれしいです。

小林 南さん いかがでしょうか?

 苦労したことですよね。僕なんかもずっと新規事業しかやり続けてないんですよね。僕の経歴を見るとセクシー(魅力的)に見えるわけですよ。モルガンスタンレーに行って、投資ファンドに行って、楽天イーグルスを作って、なんかインターネットのベンチャーを始めちゃったら500人になっちゃったみたいなふうに見えるかもしれませんけども。よく講演でも話すんですけど、その間に成功と成功の間と言うものにはやっぱりいろんなものがあって。

例えば、スポーツ業界に入るときに、外資系金融マンからいきなり楽天イーグルスに入って、プロスポーツ界最年少の幹部社員になったっていうふうによく言われるんですけど、そうでなくて、間に1年半ぐらいあるんですよね。1年半の間、僕は何をやってたかと言うと、フットサル場の管理人をやってたんですよ。3坪ぐらいのプレハブで。皆さん、フットサルやったことあると思いますけど、そこの管理人をやっていたんですよ。スポーツの仕事やりたいなって思って。いろんなことをやってきた。

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友達がフットサル場に来るんですよ。来るたびに「お前は何やってるの?」と言われるわけですよ。(金融業界では)給料を数千万円もらっていたのに「何やってるの」というふうに聞かれて。周りの友達から「恥ずかしくないの?」とも言われるわけですよ。26歳、27歳になって、本業でフットサル場の管理人やっていて。

それは答えは簡単で、すごく恥ずかしいです。

きっと起業したらいろんな人がいろんな問いかけをしてくると思う。「そんなの不可能だよ」とか、「そんなの無理だよ」とか、「なんでやってるの、そんないい大学出てるのに」とか。そこを耐えられるか耐えられないかっていうのは、多分、起業家にとって一番大きな、一番初期のハードルなんじゃないのかなと。

もちろんフットサル場やったときに、ずっと心の中で思ってましたよ。
「恥ずかしいに決まってるじゃないか」と。

でも、「俺にはこれしかないんだよ!」と言い続けた。それがどこまで持てるのか。自分自身の成功体験だったり、自分がやろうとしてることに対してどこまで想いがあるのか。そして、千葉さんが言ってくれたように、どれだけ仲間を巻き込むか。やっぱり、1人目、2人目、3人目の仲間が来たときの、起業したときの喜びってすごい大きかった。彼らが来てくれたからこそ、今、ビズリーチという会社が数百人の規模になったと思ってるし。ただそこの最初のハードルを反対意見が多い中でどこまで突破していくのかというのが、僕の中では一番つらかったというか、一番みんなが通る道なんではないかなと思います。

小林 千葉さん、何かありますかね。

千葉 仲さんがオススメしていた「HARD THINGS」という本はおすすめなのでぜひ読んでみてください。今コロプラで、コロプラネクストという学生起業家向けの投資ファンドをやっていて、僕はそこのエバンジェリストもやってるので、学生起業家、学生が起業したところに出資をしたりとか、育成してます。

僕が担当するのは今は10社ぐらいいるんですけど、まあ、みんなしんどいんですよ。やっぱり、すごくしんどくて苦しんでますね。そこそこうまく行ってるチームもあれば、もう、今月のキャッシュ(会社の現預金)が完全に尽きて、いよいよ自分のお小遣いをさらに投入して親からもお金借りながらでも、ピボット(方向転換)をちょっとずつ軸を変えていきながら、(自社のプロダクト開発の仕事をしながら)ちょこっと(他社からの)受託の仕事もやりながら、なんとか延命しながらでも、「3カ月時間を稼げればプロダクトいけるかもしれない」みたいな。

日々の、一週間単位を毎日みんな必死に送ってるんですよね。あの感覚はやっぱり素晴らしいなと思っています。そのギリギリの中で、離れていくメンバーもいれば、給料が0円でもいいから「一緒にやるぜ」と言って残ってくれる強い仲間たちもいたりして。それが10社。みんな人間模様があるんですけど。やっぱりそこで、人間の底力とか、本当の人間関係みたいなものが見えてきて。そこから、光が見えたりするんですよ。

やっぱりやり始めたら、とりあえずまず早く動いてやってみることと、さきほど言った、軸足を変えてでも、とにかくやり遂げるところに軸足を置いて頑張ると。結構しんどいことなんですけど。頑張り続けるというのが最初のスタートかなと僕は思っているので、最初はしんどいことしかないんですけど、1%の喜びが最後に来るかもしれないので。そのために頑張れって感じですかね。

「とにかく20代のうちは貪欲に何にでも取り組むと、やがて光が見えてくる」(コロプラ 千葉)

小林 他質問ありますでしょうか?

質問者4 よく社会で言われてるのは、専門性を持って、一つのことに集中していくのがなにより強みになるということがあり、手を広げすぎると弱いというか、そういうイメージがあると思うんですけど実際は20代の過ごし方を考える上でどうなのでしょうか?

小林 どうですかね。意見が分かれると思うんですけど。仲さんどうでしょうか?

 私は圧倒的に選択と集中派ですね。もう一般論として、選択集中だと思うんですよね。スタートアップはそもそもリソースが大企業の一新規事業部ぐらいと限られているので。資金があっても数十億円ぐらいしかない。それを分散させてたら、大企業の新規事業部に勝てない。

例えば、わかりやすい話だと、(アップルの)スティーブ・ジョブズっていますよね。彼の行動が選択と集中にすごい関係してるんです。彼がアップルを作って、途中で追い出されて、帰ってくる頃には、いろんな種類のプロダクトがありすぎて。パソコンだけで例えば数十種類みたいな感じだったんですね。

スティーブ・ジョブズがCEOに復帰して一番最初にやったのが、「プロフェッショナル VS コンシューマー」の軸と、「ポータブル VS デスクトップ」の4軸の象限だけに切った。その4プロダクト以外全部止めると言ったんですよ。多くのプロダクトがなくなって終了したんですけど。結果的にその4象限にすべてのリソースを投入したから、そこからはV字回復したんですね。それ見ても分かる通り。

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あと、もう一つ面白い話があって、経済が発展するにつれて、いろんな選択肢が生まれるじゃないですか。例えば恋愛で言うと、今は自由恋愛で誰とでも結婚していいですよね。アイスの味をとっても、昔はチョコ味しかなかったのが、今はサーティーワンアイスクリームに行ったら、すごい種類のアイスクリームがあったりして逆に多すぎて選べないみたいな状態ですよね。

アメリカの心理学者の言葉を紹介したいのですが、選択肢が増えると人の幸福度が下がるらしいんですよね。どういうことかと言うと、恋愛に例えるなら、許婚だったらこの人しかいないから、この人で頑張ろうみたいになるんですけど。いっぱいいろんなひとがいたら、「選ばなかったあの人と一緒になったらどうだっただろう?」とかになるんですよね。

自分が選ばなかった過去の選択肢への思いを馳せてしまうことによって、現在に関する自分の満足度が下がるらしいんですね。そういうこともあって。これは消費者的な視点なんですけど。選択肢が増えるというのは、消費者からの視点から見ても、本当はよくないそうなんですよ。

アップルも今でこそプロダクト・ラインアップが増えてきてますけど。フィロソフィー(哲学)としては、黒か白しかないみたいな。そこから選べみたいな感じなので。ある意味究極の「おもてなし」だと思うんですよ。

「消費者のみんなが自分の脳のメモリーを使って頑張って自分でどれがいいか選んでね」じゃなくて、意思決定することを押し付けるんじゃない。アップルが考え抜いた結果、「この黒か白です」これで買ってください、どちらを選んでも絶対に満足させますというのがアップル流なんですね。そういうの見ていて、選択と集中だなと思ってます。

小林 ほか、何かご意見とかありますか。

千葉 僕は、究極どちらでもいいじゃないかなと実は思っていて。それよりも、何でもいいから20代のうちはギリギリまで自分を追い込んだ方がいいと思ってる派なんですね。やっぱり20代のときのエネルギー総量が大きいので、寝なくてもそんなに死なないし、徹夜してもすぐ復活するし、全然違うんですよ。

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これが30代、40代になればね、全然復活しなくなっちゃうんで。もう物理的なパワーがやっぱり違うんですね。吸収の量も。物理的に働ける時間、考える時間も長いし、吸収できる量も大きいので。体感値としては1.5倍から2倍ぐらい仕事してるんですよ。20代って。その20代のうちに、ギリギリまで追い込んで。スポーツで言ったら本当にもう、息がゼーゼーハーハー言うぐらいのところまで、追い込んで、追い込んで、追い込んで、29歳ぐらいまで行くと、何か見えるものがあるんじゃないかなと僕は思っています。

なので、20代のうちの苦労というのは、喜んで何でもしたほうがいいと思っているので、自分に降りかかってきたチャンスは、「はい、喜んで!」と仕事に関しては「貪欲に何でも取り組め!」というのが、僕は新卒の方にはいつも言ってることなんですよね。

そういう意味では、「選択と集中」はもちろんめちゃくちゃ重要だし。逆に自分が思ってもみなかったチャンスの仕事をもらったり、全力でそれに120%以上のアウトプットができるように挑むというのが、20代の生き方としていいんじゃないかなと思っております。

質問者4 ありがとうございました。

(続)

編集チーム:小林 雅/小林 泰/根岸 教子/藤田 功博

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