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2. いま、日本酒がアツい!獺祭の最高峰「磨き その先へ」はどれほど“美味しい”のか?

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「最近『面白い』と思っていることを雑談!」10回シリーズ(その2)では、“最近始めたこと”をテーマに、恒例のフリップ・トークがスタート。先陣を切った日本マイクロソフト西脇資哲さんは、酒類において輸出量9年連続トップの「日本酒」を語ります。構想から10年、獺祭の最高峰と呼ばれる「磨き その先へ」の味とは? ぜひご覧ください!

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ICCサミットは「ともに学び、ともに産業を創る。」ための場です。毎回200名以上が登壇し、総勢900名以上が参加する。そして参加者同士が朝から晩まで真剣に議論し、学び合うエクストリーム・カンファレンスです。次回ICCサミット FUKUOKA 2020は、2020年2月17日〜20日 福岡市での開催を予定しております。

本ッションは、ICCサミット FUKUOKA 2019 ゴールド・スポンサーのリンクトイン・ジャパン様にサポート頂きました。


【登壇者情報】
2019年2月19〜21日開催
ICCサミット FUKUOKA 2019
Session 11A
最近「面白い」と思っていることを雑談!(シーズン2)
Supported by リンクトイン・ジャパン

(スピーカー)
井上 浄
株式会社リバネス
代表取締役副社長 CTO

千葉 功太郎
Drone Fund
創業者/代表パートナー

丸 幸弘
株式会社リバネス
代表取締役 グループCEO

村上 臣
リンクトイン・ジャパン株式会社
日本代表

(モデレーター)

西脇 資哲
日本マイクロソフト株式会社
コーポレート戦略統括本部 業務執行役員 エバンジェリスト

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1.「LinkedIn」の正しい読み方とは? リンクト? リンクド? リンクトゥ?

本編

村上 ところで西脇さん、さっき言っていた「シーズン2」のテーマというのは何ですか?

西脇 はい。「2019年から皆さんが新しく始めたこと」をお聞きしたいと思っています。

だって、すごく知りたいですよね!

例えば丸さんが経営者として、数々のベンチャー企業を見ているプロフェッショナルとして、2019年にどういうことを新しく始めたのか。

村上 それは、仕事以外で新しく始めたことですか?

西脇 仕事以外でも、もちろん本業でもいいですよ。

「始めようと思っている」ぐらいのレベルでもいいので、書いてください。

せっかくなので私から口火を切っていきたいと思います。

私が新しく始めたのは、こちらです。

日本マイクロソフト株式会社 業務執行役員 エバンジェリスト 西脇 資哲さん

私は「日本酒」を始めました。

輸出量9年連続トップ、いま「日本酒」がアツい!

西脇 皆さんも、昨晩のパーティではたくさんお酒を飲んでいたと思います。

歳をとってくると、だんだんワインの味がどうのこうのと語ろうとしがちですよね。

私はもともとワイン好きだったのですが、最近は日本酒を嗜むようになりました。

そして何が起きたかと言うと、日本酒造組合中央会さんと一緒に仕事をするようになりました。

日本酒は今すごく注目されていて、酒類、つまりアルコール飲料で日本からの輸出量が最も伸びているのは日本酒です。

ビールでもワインでもなく、ウィスキーでもありません。日本酒なのです。

日本酒(清酒)は、9年間ずっと順調に輸出量が増えています。

出典:酒類の輸出金額・輸出数量の推移について(国税庁、平成31年2月 | PDF)

ところが、酒造メーカーは減少を続けています。

それが何を意味するかとういうと「儲かる」ということです。

市場は増えているにも関わらずプレイヤーが減っているわけですから、参加したら儲かるのです。

日本酒の輸出先で現在一番多いのは、東南アジアと米国です。

ところが、日本酒とペアリングして一番美味しいのは、実はヨーロッパの食事と言われています。

つまり、ワイン文化に日本酒がどれくらい入っていけるかという話です。

日本酒造組合さんは、今それを一生懸命やっています。

ビール業界には大企業がいるため大量製造が可能ですが、日本酒はなかなかそういう体制ではありません。

そこにお金とITが入れば、絶対に市場をとることができると考えています。

そこで私は今、一生懸命日本酒のことをやっています。

日本酒の強みは「語るべきものが少ない」こと?

Drone Fund 創業者/代表パートナー 千葉 功太郎さん

千葉 西脇先生、質問です。

日本酒はワインと違って格付けやプラットフォームがいっさい体系化されていないですよね。

僕ら日本人でもよく分からないのに、世界の人にどうやって日本酒のことを紹介していくのでしょうか?

西脇 いい質問ですね。

日本人はお酒に詳しくなるとすぐに「これは純米酒だね」とか「生酒だね」とか「大吟醸だね」と言います。

外国の方は全然分からないと思いますが、分からなくても構いません。

ワインだと、皆さん飲んで何と言うかといいますと、まず生産地ですね。

「ブルゴーニュですね」といった具合です。

そしてその時に、ブドウの品種を言います。

「カベルネ・ソーヴィニヨン」「ピノ・ノワール」などがそれにあたります。

千葉 でも、日本酒のお米はみんな「山田錦」ですよね?

西脇 そう! お米は山田錦がほとんどなのです。

村上 あとは磨き(精米歩合)ですよね。

西脇 そうです。だから実のところ、米についてそんなに語らなくていいんですよ。

味と自分の好みで言うしかないんですよ。

株式会社リバネス 代表取締役 グループCEO 丸 幸弘さん

 でも問題は、保存がきかないということでしょう?

西脇 さすが丸さん!いいところ突きます、その通りです。

千葉 だから値段が吊り上げられないですよね。

西脇 そうです。それに対してワインは、ずっと保存がきいてビンテージをつくれます。

日本酒は「つくって消費、つくって消費」を繰り返すのです。

ということは、つくっただけ消費されるから、「つくって供給、つくって供給」になります。

回転が速いのです。

1本100万円の日本酒ブランドをつくるためには?

千葉 西脇先生、もう1つ質問です。

どうしたら、1本100万円の、それこそロマネ・コンティみたいな日本酒がつくれますか?

西脇 いい質問です!

今回のICCサミットの会場は福岡ですが、お隣の山口県では「獺祭」をつくっています。

獺祭は、お酒の種類をすごく上手にランク分けしています。

一番下には、普通の「獺祭」があります。

獺祭の一番上のランクのお酒の名前を知っている人はいますか?

(会場を見回して) いらっしゃらないですか……あ、いた!

会場男性 確か、「磨き その先へ」ですよね。

西脇 そのとおりです、さすがですね!

ちなみに「磨き その先へ」はどうでしたか。

会場男性 どうでしたかというと。

西脇 飲んでみて、どんな味でしたか。感想とか。

会場男性 そうですね……美味しかったです。

西脇 ほらね!こんなもんなんですよ!

(壇上笑)

井上 なんだかいじられただけで可哀想じゃないですか(笑)。

西脇 いや、日本酒のコメントというのは実際こんなものなんですよ。

何でかと言うと、要は米の種類が1つだし、水しか使っていないからです。

ちなみに「磨き その先へ」は時価3万円くらいです。

寿司屋で飲むと8万〜9万円、ちょっと高い店になると12万円くらいになります。

リンクトイン・ジャパン株式会社 日本代表 村上 臣さん

村上 もっと値段が上がるには、誰かが人気漫画を描いて日本酒ブームを起こせばいいんじゃないですか?

ワイン漫画でいうところの『神の雫』のような。

 僕は逆に、保存をきかせるような工夫をして、10年物になるようにしたらいいと思います。

村上 たしかに「古酒」というものがありますよね。

千葉 実は古酒は、全然価値が低いんですよ。

西脇 あとは、やはり日本酒は「生」が美味しいですよね。

井上 熟成している日本酒もありますよね。

西脇 あります。色々な種類があるので、すごくopportunityのある産業です。

この間、日本酒造組合さんが日本酒のイベントをやったところ、投資家の方が結構来られました。

なので、確実にお金は動いているなと思います。

「獺祭」はIT化された酒づくりから生まれる

西脇 もう1つは、杜氏(とうじ;日本酒の醸造を行う職人)の人数が減ってきています。

杜氏の代わりをどうしていくかというと、今それをITでつくっています。

 機械、ロボットとITですよね。

西脇 実はここ20~30年で、日本酒の「味」の生み出され方が、ITで解明されてきました。

ですから例えば、「獺祭」をつくる旭酒造には杜氏はいません。

杜氏のいない酒造りで知られる「獺祭」の留まることのない革新(商業界ONLINE)

それでも獺祭はヨーロッパに進出しているし、「磨き その先へ」という1本3万円の、店で飲めば10万円近いブランドを持っています。

千葉 でも結局のところ、どうやったらそれを100万円にできるんですか。

西脇 そこなんです!

井上 結局値段は何で決まっているのですか?

西脇 基本は「稀少性」です。

ですから米を磨いていって、米が稀少になっていって、「これは年間何本しかつくれませんよ」というと、高い値段になります。

村上 丸さんと僕はお酒飲まないからね。

 我々はお酒が弱いから。

村上 いま、千葉さんと丸さんの間に見えない仕切りがあって、まるでテレビを見ているような感じでした(笑)。

西脇 だからブドウの話をしても、全然品種を答えてくれなかったんですね。

では日本酒の話はこの辺にして、井上さんのお話を聞いていきましょう。

井上さんは最近、何を新しく始めたのですか?

(続)

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編集チーム:小林 雅/小林 弘美/浅郷 浩子/尾形 佳靖/戸田 秀成

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