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「大人の教養シリーズ 人間を理解するとは何か?(シーズン3)」全11回シリーズの(その8)は、ここまで石川善樹さんが解説してきた「イーロン・マスクの未来構想手法」の実践編です。企業のイノベーションから生まれた収益を原資に、いかにして産業のイノベーションを起こすのか? ビジネスパーソン必読の内容です。ぜひご覧ください!
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ICCサミットは「ともに学び、ともに産業を創る。」ための場です。毎回250名以上が登壇し、総勢900名以上が参加する。そして参加者同士が朝から晩まで真剣に議論し、学び合うエクストリーム・カンファレンスです。 次回ICCサミット KYOTO 2020は、2020年8月31日〜9月3日 京都市での開催を予定しております。参加登録などは公式ページをご覧ください。
本セッションは、ICCサミット FUKUOKA 2020 プラチナ・スポンサーのリンクトイン・ジャパン様にサポートいただきました。
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【登壇者情報】
2020年2月18〜20日
ICCサミット FUKUOKA 2020
Session 2D
大人の教養シリーズ 人間を理解するとは何か?(シーズン3)
Sponsored by リンクトイン・ジャパン
(スピーカー)
石川 善樹
株式会社Campus for H
共同創業者
井上 浄
株式会社リバネス
代表取締役副社長 CTO
北川 拓也
楽天株式会社
常務執行役員 CDO (Chief Data Officer)
渡邉 康太郎
Takram コンテクストデザイナー /
慶應義塾大学SFC特別招聘教授
(モデレーター)
村上 臣
リンクトイン・ジャパン株式会社
日本代表
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最初の記事
1. 人気シリーズ第3弾!教養と科学で「人間の理解」はどこまで深まるのか!?
1つ前の記事
7.「産業構造を変えるレバー」を引く起業家、イーロン・マスクの未来構想のロジック
本編
火星移住をめざすSpaceXの“2段階のイノベーション”とは
石川 イーロン・マスクの「2段階思考」が分かったところで、彼が実際にどのような事業展開をしているのかを見ていきましょう。
彼が設立したSpaceXのゴールは「火星」です。スタートは「地球」です。
「持続可能な事業」は「国際宇宙ステーションにモノを安価に運ぶ」です。
村上 NASAは自分たちで物資を運搬することをやめてしまいましたからね。
石川 はい。そして、ここで生み出されたキャッシュで何をしているかというと「再利用可能なロケット」をつくっています。
再利用可能なロケットとは、打ち上げられて、そのまま地上に戻ってきてまた打ち上げに使用できるロケットです。
▶編集注:日本時間5月31日(米国時間5月30日)、NASAの宇宙飛行士2名を乗せたSpaceX社の「Crew Dragon」が打ち上げられ、無事、国際宇宙ステーションとのドッキングを達成しました。そして打ち上げに使用されたロケット第1段もまた、大西洋上の同社の回収船へ無事帰着しました。
・SpaceXが民間企業で人類史上初の有人宇宙飛行に成功、歴史にその名を刻む(TechCrunch Japan)
・SpaceXのCrew Dragon宇宙船がISSとのドッキングに成功(TechCrunch Japan)
利益を出す→宇宙航空コストを下げる→火星に行ける
石川 なぜそれをつくりたいかというと、宇宙産業の構造を変えるためには「宇宙航空のコスト」を劇的に下げる必要があるからです。
そのコストが劇的に下がれば、他の会社が新たなロケットを製造をしたり、火星コロニーの研究開発を行ったりして、火星に行ける確率が高まるだろうと予想するのです。
ここで面白いのは、普通、財務諸表に表れるのは「どれだけ宇宙に物を運んだか」ですが、イーロン・マスクは産業構造を変えるKPIを常に示している点です。
例えばロケットを1回打ち上げてそれが戻ってきたとき、今、宇宙航空のコストはここまで下がったという数字を必ず出します。
投資家は単に財務諸表を見るのではなく、宇宙航空のコストが下がると産業自体が盛り上がる、すると当然SpaceXも儲かるだろうと考え、その指標を追求します。
これはテスラも同様です。
村上 下がったコストを見て、「うちも参入できるかも」と産業を盛り上がる人が増えることを期待しているということですね。
石川 はい。イーロン・マスクは、産業構造を変えるレバーが何なのかを見つけることに長けており、それをKPI化します。
SpaceXは簡単に言うと「利益を出して、宇宙航空のコストを下げれば、火星に行ける」と考えている会社だということです。
自社が実現しうる「産業構造を変えるレバー」は何か?
石川 ただ、これだと意味が分かりにくいかもしれませんので、皆さんの会社の場合で考えます。
これをきちんと埋めることができると、まさに「事業」と「企業」と「産業」を等分に視野に入れながら、未来を構想できます。
井上 4つの穴埋めで済むのですね。
村上 だいたいの大企業は、今持続可能なわけですよね?
だから、産業構造を変えるイノベーションのところにお金を張れるかが、キーポイントですね。
石川 おっしゃるとおりです。
となると、重要な問いが「我々は何産業にいるのか?」と「それを変えるレバーは何か?」です。
村上 そしてそれをどう変えるのか、自分たち自身と行く先をどう定義づけするかの話ですね。
石川 はい。ぜひ皆さんの事業、会社、産業について考えていただければと思います。以上です!
北川 いやあ、良かったです!
井上 分かりやすかったです!
ICC小林 (フロアから)石川善樹さんは色々な講演をされていますが、企業経営について役立つお話をしたのははじめてですね(笑)。
素晴らしかったです。シーズン4も決定でお願いします!
村上 おお、ありがとうございます!
北川 ちなみにこれは、ほとんどWait But Whyというブログからの受け売りですので、ぜひ原文も読んでください(笑)。
石川 はい。『COTEN RADIO』を聞き、『Wait But Why』を読んでください!
(会場笑)
ちなみにこれは、先ほどの話のステップ1の「起つ」とステップ2の「拡大する」フェーズにあたります。
渡邉 それで、火星でお祭りをするのですね。
(会場笑)
▶編集注:本セッションPart2〜4では、楽天の北川さんが“帝国の作り方”の4つのステップとして「①起つ」「②領地拡大」「③盛大にお祭り」「④仕組みで統治」を解説しました。
リンクトイン村上さんによる、恒例の中締め
村上 いったんここで恒例の中締めです。
歴史から始め、未来をどう作るかの話をしました。
この「人間を理解するとは何か?」シリーズではかなり珍しいことですが、善樹さんからは事業の話もありました。
組織論から事業へと非常に役に立つ話が出てきて、残すところ20分ほどとなりました。
皆さん、「うん、うん」と納得されて、メモを取って写真も撮りましたね。役に立ちましたね。
ここからはもっと発散して、より思考を広げていきたいと思います。
せっかく浄さんもいますし、渡邉さんは今回デザイン界から来た刺客です。
渡邉 「刺客」なんですね(笑)。
村上 このセッションでは新スピーカーを刺客(※) を呼んで、ひっかきまわしてもらっています。
▶編集注:シーズン2では、村上さんは春光院副住職の川上(全龍)隆史さんを“東洋からの刺客”として紹介し、会場の笑いを誘いました。
ここからは、よりリベラル・アーツ寄りに「人間の理解」を進めていきたいと思います。
その口火を、渡邉さんからお願いします。
(続)
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続きは 9.“誤読”で生み出された「時間の測れない砂時計」の物語 をご覧ください。
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編集チーム:小林 雅/尾形 佳靖/フローゼ 祥子/小林 弘美/戸田 秀成
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