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ついにシーズン3に突入した、「大人の教養シリーズ『美食』について語りつくす」。(その6)は、「店のフレームワーク」に続いて、「食べ手のフレームワーク」について、レクチャーが続きます。お店で「美味しい!」と盛り上げずにはいられない「陽」に対して、沈黙も意に介せず食に正直な「陰」、あなたはどちらのタイプですか? ぜひご覧ください!
ICCサミットは「ともに学び、ともに産業を創る。」ための場です。そして参加者同士が朝から晩まで真剣に議論し、学び合うエクストリーム・カンファレンスです。 次回ICCサミット FUKUOKA 2022は、2022年2月14日〜2月17日 福岡市での開催を予定しております。参加登録は公式ページをご覧ください。
本セッションは、ICCサミット KYOTO 2021 プレミアム・スポンサーのGO BUSINESSにサポート頂きました。
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【登壇者情報】
2021年9月6〜9日開催
ICCサミット KYOTO 2021
Session 10B
大人の教養シリーズ「美食」について語りつくす(シーズン3)
Supported by GO BUSINESS
(スピーカー)
磐井 友幸
株式会社ネバーセイネバー
Chairman / Co-Founder
西井 敏恭
株式会社シンクロ 代表取締役 / オイシックス・ラ・大地株式会社 執行役員CMT / GROOVE X株式会社 CMO
長谷川 誠
株式会社NTTドコモ
スマートライフ推進部 マーケティング推進担当部長/シニアプロフェッショナル
山本 憲資
株式会社サマリー
代表取締役
(モデレーター)
榊 淳
株式会社一休
代表取締役社長
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▶「大人の教養シリーズ「美食」について語りつくす(シーズン3) 」の配信済み記事一覧
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最初の記事
1. 日々、美食の研鑽に励む面々が新たなメンバーを加えて「美食」を語るシーズン3!
1つ前の記事
5. 【永久保存版】ハセマコ美食レクチャー第3弾「食の守破離」
本編
シーズン1の「店のフレームワーク」をおさらい
長谷川 またおさらいですが、前々回(シーズン1)にした、店のフレームワークの話です。
▶5.美味い店選びは「個性・スタイル・バランス」を理解しよう
お店の個性は「陽」と「陰」、スタイルは「伝統」と「革新」、バランスは「心技体」と分類できます。
「心」はおもてなしの心、「技」は純粋な料理スキル、「体」は良い材料を使っているかどうかの仕入れです。
(一同笑)
磐井 「体」は仕入れなんですね!?
長谷川 はい、ちなみに「陽」と「陰」というのは、「陽」が接客が良く、明るくて雰囲気が良い楽しいお店で、「陰」は頑固オヤジがいるようなピリピリした気まずいお店のことです。
西井 「陰」のお店はたいてい、SNSで炎上していますよね。
長谷川 つい客の悪口を書いてしまうのが、「陰」の店の特徴ですね(笑)。
「こんな客が来て、やっていられない」という投稿に対して、常連が「まあまあ」と慰めるような。
そして先ほども触れましたが、食べ手にも同様に、心技体のフレームワークがあります。
心技体を整え、店とコミュニケーションしましょうということです。
食べ手のフレームワーク
長谷川 食べ手のフレームワークを拡大するというのが、今回お話ししたい内容です。
食べ手については、個性は「陽」と「陰」、スタイルは「リピーター」か「コレクター」、バランスの「心技体」はお話しした通りです。
「陽」の食べ手はとにかくポジティブで、あらゆる店に対し、「美味しい、最高」と言って店でニコニコしているタイプです。
「陰」の食べ手はネガティブで、美味しくなければ笑わない、シェフに「味はどうでしたか」と聞かれても「内装が素敵ですね」など、まるで違う返事をするタイプです。
(一同笑)
スタイルについては、「リピーター」は何度も同じお店に通って常連になるタイプ、「コレクター」は新規のお店に通って、新しい味を開拓するタイプです。
それぞれの要素のかけ合わせで、食べ手のポジションが決まります。
西井さんが爆笑している通り、僕は個性は「陰」、スタイルは両方だけれど、どちらかと言えば「コレクター」寄り、バランスは「体」の財力以外は完璧です。
西井 ちなみに僕は?
長谷川 西井さんは、「陰」寄りになってきていて……。
西井 でもこの前、とある地方に一緒に行った時、僕以外の3人が陰すぎて、僕がめちゃくちゃ「陽」で……。
長谷川 我々よりは「陽」寄りですね。
榊 でもハセマコさんもめちゃめちゃ「陰」ではないですよね。
長谷川 いや……。
西井 いや、「陰」なんですよ。
榊 インターフェイスとしては、シェフには「陽」を見せていますよね?
山本 「陰」の定義を、もう少し詳しく教えてもらえますか?
長谷川 美味しいものしか美味しいと言わないのが、「陰」ですね。接客の逆版です。
山本 でも、もう少し引いて見ると、よく食べる人で、批判しかしない人もいますよね?
そっちの方が、陰度が高いと思います。
長谷川 確かにそうですね。
山本 長谷川さんは、美味しくないものは美味しいとは言いませんが、それほど批判はされず、的確に見ている印象です。
だから「陰」と言われると…。
磐井 これ、3つに分けたいですね。
西井 でも、料理人もそう言いますが、「陰」も「陽」もどちらもいいですけどね。
山本 いい前提ですね。
西井 一流であるという前提での話です。
料理が美味しくない時に取りがちなリアクション
西井 僕がさっき笑っていたのは、先日地方に4人で食べに行った際、地元の人に紹介されて行った店で、長谷川さんを含む、僕以外の「陰」の3人は、黙々と一言も喋らずに食べ続けていました。
シェフが料理を説明して「いかがでしょうか」と言っても、「はい…」みたいな感じで。
だからもう、本当にいたたまれなくて(笑)。
その「美味しいんですよ」と紹介してくれた人も、3人が喋らないものだから…。
山本 それは和の店ですか、洋の店ですか?
西井 洋の店です。
長谷川 (笑)
西井 僕もそれは分かっているんです。
ですが、「陰」の人と食べに行くと、一言も話さなくなるので、すごく気まずくて…。
長谷川 あのね、「陰3」人と一緒に食べて、いたたまれないと思う時点で「陽」寄りなのです。
西井 僕は帰りの車の中で、説教したんですよ。
「俺が運転して行ったのに、何で俺だけが盛り上げていたんだ!」と。
長谷川 「あんなお通夜みたいな雰囲気で食べて、楽しいのか!」とか言っていましたね(笑)。
山本 僕も「陰」でしたね(笑)。
長谷川 食に関して嘘をつかないのが「陰」ですね。
「陰」は素直なんです、でも「陽」は嘘をつきまくってでも空気を良くするのです。
西井 (笑)
磐井 その定義だったら、僕は「陰」ですね。
山本 僕はもともと編集者なので、中立でいたい思いがあります。
ジャーナリズムほど大げさではないですが、客観的に見ることを大事にしていて、その上で自分がどう思ったか、褒めすぎず、好きだったところを言うタイプです。
あまり好きではない店は、内装にまでは言及しませんが、デザートだけ褒めていれば、それはメインにはしっくりこなかったということかも……(笑)。
西井 長谷川さんも批判はしないのですが、「素敵なしつらえですね」と言うので…。
長谷川 僕がしつらえを褒め出したら、空気がやばいことになります(笑)。
磐井 味に関する質問をされているのに、会話として成立してないですからね(笑)。
長谷川 「味はいかがですか?」と言われて、「この町屋造りが…」と返す(笑)。
榊 「個性があっていいですね」みたいな返事の時は、まずいということですね?
長谷川 そうですね、あと、楽しいとか新しいとか言う時は要注意ですね(笑)。
ここ最近は連呼しています(笑)。
西井 (笑)。
磐井 「新しい」って表現する人、結構いますよね(笑)。
ハセマコ流「味の定点観測」
長谷川 では最後に、食べ手の技を磨くにあたり、定点観測の重要性の話をします。
あるジャンルでは同じメニューを食べ続けると、差分が分かりやすくなるのでおすすめです。
例えば、百名店で言うと、とんかつではロース、ピザではマルゲリータ、パンではクロワッサンとクリームパン、バーだとマタドールを頼むように僕はしています。
定点観測用のベースメニューとそのお店のスペシャリテを頼むと、それぞれ両方味わえるので、自分の中で幅が確立できるようになります。
これが、定点観測が重要である理由です。
ただ注意して頂きたいのは、2軒連続でピザ屋に行かなければいけない状況がたまにありますが、その場合でもマルゲリータ縛りなので、1人でマルゲリータを16切、連続して食べなくてはいけないのです(笑)。
それはおすすめしないので、そういう時は味を変えてください。
西井 どこかに行くと、その通り道にある店を全部つぶしにかかるのです。
ピザエリアみたいなものもあるので、たまたまピザ屋が続いたとして、3食ピザになると、たまにはビスマルクを頼めばいいと僕は思うのですが、彼はなぜかマルゲリータ縛りなので、3軒連続で1時間ごとにマルゲリータを食べていますね(笑)。
山本 軽井沢に、いつ開いているか分からない、森の中にある「LIAEU」というピザ屋があります。
マルゲリータがあったか覚えていませんが、最近、僕の中で一番ハマっているピザ屋さんなので是非。
長谷川 軽井沢、行かないといけないですね。
西井 行きましょう。
山本 一度荒らしに来てください(笑)。
榊 皆さん、ありがとうございます。
ここまでで2つのアジェンダが終了し、残り15分です。
最後のアジェンダは、おすすめの「美食」を教えてください、です。
ハセマコさんは10分くらい必要だと思うので、他の3人は1分ずつくらいでお願いします。
(続)
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続きは 7. ハセマコ、伝説の名店「つぐみ庵」の鰻重に号泣 をご覧ください。
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編集チーム:小林 雅/小林 弘美/浅郷 浩子/戸田 秀成/大塚 幸
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