【永久保存版】ハセマコ美食レクチャー第3弾「食の守破離」 | 【ICC】INDUSTRY CO-CREATION

5. 【永久保存版】ハセマコ美食レクチャー第3弾「食の守破離」

Pocket

新着記事を公式LINEでお知らせしています。友だち申請はこちらから!
ICCの動画コンテンツも充実! YouTubeチャンネルの登録はこちらから!

ついにシーズン3に突入した、「大人の教養シリーズ『美食』について語りつくす」。(その5)は、お待ちかねのハセマコ美食レクチャーです。今回紹介するのは「食の守破離」。これをより深く理解いただくために用意した例題は「お椀」。かなりマニアックなディープラーニングですが、ぜひチャレンジしてみてください!

ICCサミットは「ともに学び、ともに産業を創る。」ための場です。そして参加者同士が朝から晩まで真剣に議論し、学び合うエクストリーム・カンファレンスです。 次回ICCサミット FUKUOKA 2022は、2022年2月14日〜2月17日 福岡市での開催を予定しております。参加登録は公式ページをご覧ください。

本セッションは、ICCサミット KYOTO 2021 プレミアム・スポンサーのGO BUSINESSにサポート頂きました。


【登壇者情報】
2021年9月6〜9日開催
ICCサミット KYOTO 2021
Session 10B
大人の教養シリーズ「美食」について語りつくす(シーズン3)
Supported by GO BUSINESS

(スピーカー)

磐井 友幸
株式会社ネバーセイネバー
Chairman / Co-Founder

西井 敏恭
株式会社シンクロ 代表取締役 / オイシックス・ラ・大地株式会社 執行役員CMT / GROOVE X株式会社 CMO

長谷川 誠
株式会社NTTドコモ
スマートライフ推進部 マーケティング推進担当部長/シニアプロフェッショナル

山本 憲資
株式会社サマリー
代表取締役

(モデレーター)

榊 淳
株式会社一休
代表取締役社長

「大人の教養シリーズ「美食」について語りつくす(シーズン3) 」の配信済み記事一覧


連載を最初から読みたい方はこちら

最初の記事
1. 日々、美食の研鑽に励む面々が新たなメンバーを加えて「美食」を語るシーズン3!

1つ前の記事
4. 料理の作り手を知るために、シェフの勉強会に出席するネバーセイネバー磐井さん

本編

 では、長谷川さん、よろしくお願いします。

謎の資料から始まりますね。

(一同笑)

シーズン2の「和食の系譜」をおさらい

長谷川 おさらいからなのですが、シーズン2から引き続き、和食の系譜の話です。

前回のシーズン2は和食の歴史から話し、吉兆招福楼和久傳京味(2019年に閉店)があり、それぞれお弟子さん、孫弟子さんと分家して、系譜が伸びていることをお伝えしました。

5.【永久保存版】ハセマコ美食レクチャー第2弾「和食の系譜」

自分が何系を好きか理解し、その系列の関連店に行くことで、好みが研ぎ澄まされていくという話をしました。

西井 ちなみに、この系譜データはどこにもない、オリジナルのものですからね。

食における「守破離」

長谷川 そして今日は、「守破離」の話をしたいと思っています。

(会場笑)

長谷川 守破離とは、教えを守り、それを乗り越え、どこまでオリジナリティを追求できるかということです。

型を守って、破って、離れていくという話です。

西井 これ面白い(笑)。

長谷川 食で言うと、修行先に似ているというのが「守」の段階、修行先より美味いのでは?というのが「破」の段階、そしてもはや、どこで修行したの?というのが「離」です(笑)。

(一同笑)

そしてこのフレームワークに則ると、色々な名店が説明可能になります。

先ほども少し触れられましたが(Part.4参照)、吉兆などを含め、基本的には源流は大箱、大きなお店です。

その大箱で修行した天才的なお弟子さんが独立して、6席くらいの店を出すと、すぐに「破」状態になるのです。

(一同笑)

スキルがあって、独立して、小箱にした瞬間に味としては勝っているわけなので、「破」になります。

そこで離れるかどうかは、その人次第ですね。

破ったとしても、親方の教えを守ってその道を突き詰めるのか、オリジナリティあふれる、修行先を聞かれないような人生を歩むかは、シェフの考え方によります。

「守」だと、まだ親方のほうが上手い状態ですが、「破」と「離」になると好みの問題なので、ご自分が好きな店に行くのがいいと思います。

西井 先ほどの系譜図の師匠から独立すると有名になるので、行列ができることもありますが、「まだ守の店だ」と、長谷川さんはよく言っていますよね。

長谷川 例えば、招福楼は滋賀にある超名料亭ですが、大箱で、部屋数も多くて、料理人も何人もいるような場所で、運ぶのにも時間がかかるので、当然味は落ちます。

ですから、カウンターのみの銀座しのはら赤坂 松川で食べるほうが当然、クオリティは高いです。

教えを守ってオープンしたはずのお店なのに、いきなり破っている、小箱の名店を出した時点で、既に超えているということです。

京味もそうで、例えば新ばし 星野は、星野流ですが、京味のスキルを身につけて、きちんと京味の味です。

そして予約の取れない小箱の店なので、クオリティが非常に高いです。

皆さん、「守破離」は理解しましたか?

今回のディープラーニングのテーマは「お椀」

長谷川 では次、お椀の画像ディープラーニングです。

西井 前回のセッション(シーズン2)を聞いていなかった方のために、画像ディープラーニングについて説明しますね。

僕はよく、お寿司屋さんでトロの写真だけを撮って、「今どこの店にいるでしょう?」と長谷川さんに送るのです。

そして長谷川さんから「今、この店にいるね」と当てられるのが、画像ディープラーニングです。

6.“変態美食家”は中トロのどこを見ているか?美食ディープラーニングに挑戦!

マグロの写真だけを見て、福岡の菊鮨にいるよねと当てるなんて、普通の人はできないですよね。

怖いわけです。

すごいのが、鰻などでも同じことができる点です。

以前、三重の鰻屋で鰻の写真を撮って「ここ、美味しい」と送ると、「三重にいるんだ」と返信がありました。

磐井 鰻は相当レベル高いのでは?

西井 やばいですよ。

長谷川 よく「器を見ているのでは?」と言われるのですが、器なんて全部覚えてられないわけですよ。

鰻や寿司は好きなので、そっちは覚えていますが。

器や皿で当てられるわけがないです。

西井 (笑)。

 シーズン1で、事前連絡なしで「じゃあこれを当ててください」と写真を出したのです。

長谷川さん、一瞬焦っていましたが、ちゃんと当てていました。

長谷川 寿司一貫でも、ちゃんと当てます。

(一同笑)

西井 というのが、ディープラーニングです(笑)。

今回は上級編ですね。

お椀から分かる「守破離」の段階

長谷川 はい、先ほどの守破離を踏まえてです。

お椀を見ただけで店が分かる人は絶対にいないと思うので、いきなりですが、種明かしをしますね。

左上が、招福楼系の「銀座 しのはら」。

右上が、「赤坂 松川」です。

両方しんじょうのお椀で、何となく似ているのが分かると思いますが、しのはらのほうがボリュームのあるパンチの効いた料理なので、別の具材を入れてしっかりボリュームを出しており、松川ではもっときれいでシンプルです。

左下が、神戸から神楽坂に移転した「紀茂登」のものです。

著作権の関係で、僕の撮った写真しかなく、季節が揃っておらず恐縮です。

右下は、長野にある「柚木元」ですね。

これらは全部、招福楼系のお店です。

つまり、このスライドには守破離が詰まっているわけです。

(一同笑)

 具体例ですね。会場の皆さんに、これ、伝わっていますかね(笑)?

西井 みんな置いていかれていると思います。

磐井 絶対伝わらない(笑)。

 上2つが招福楼系で下2つは違うと言うかと思いきや、そうではなかったですね。

長谷川 上2つは、特に近しいお弟子さんの店2つなので、似ています。

左下の紀茂登は、招福楼系のオーソドックスなお椀です。

これらの3店は超名店で、本店の「招福楼」よりも美味しい、「破る」道を極めている状態です。

右下の「柚木元」は長野の山奥の飯田にある、聞かれないと招福楼系と分からない、オリジナリティあふれるお店です。

完全に独自の世界なので、「離れている」状態で、招福楼系の影も形もないお椀です。

お椀の特徴から店の系譜が分かる

長谷川 これらは全然違うお椀だとお分かり頂けると思います。

慣れない人からすると全て同じようなお椀に見えると思いますが、僕からしたら全く別の画像4つです。

左上が京味、右上が「木山」、左下が「本湖月」、左下が三田の「晴山」です。

そしてそれぞれ、系譜がまるで違うのです。

京味はまさに京味系で、「新ばし 星野」のお椀にすればよかったのですが…。

星野も京味と同じようなビジュアルのお椀を作っていて、まさに「守」と「破」の状態です。

「木山」は、和久傳系で非常にシンプルなお椀です。

吉兆系の「本湖月」は華やかでボリューミーなお椀を作っており、他とは一風違うのが、岐阜の名料亭「たか田八祥」出身の晴山で、いわゆるTHE京料理ではないスタイルのお椀です。

招福楼系のみならず、流派によって様々なお椀を作っているということです。

ただ、季節やコースの流れによってもお椀のスタイルは変わってくるので、画像1枚ではなかなか当たらないですね。

とはいえ、例えば「晴山」が作っていそうだな、というような方向性は何となく分かります。

西井さんが画像を送ってくると、それがお椀1枚の写真でも「何で『晴山』の予約取れたの?」というような会話をしています。

西井 (笑)。

この間、「晴山」に行って写真を送ると「マジか、予約取れたのか」という返信がきました(笑)。

長谷川 送られてきたのが新作料理だったので、僕は食べたことがなかったのですが、やはり「晴山」ぽかったので(笑)。

磐井 それで分かるんですか……、やばいですね。

西井 怖いんですよ、お椀だけでどこの店にいるか分かるのです。

全部別物に見えるし、何系とか言われても全然分かりませんよね。

(続)

次の記事を読みたい方はこちら

続きは 6. 「心技体」に加えて「個性」と「スタイル」で食べ手のポジションが決まる をご覧ください。

新着記事を公式LINEでお知らせしています。友だち申請はこちらから!
ICCの動画コンテンツも充実! YouTubeチャンネルの登録はこちらから!

編集チーム:小林 雅/小林 弘美/浅郷 浩子/戸田 秀成/大塚 幸

他にも多く記事がございますので、TOPページからぜひご覧ください。

更新情報はFacebookページのフォローをお願い致します。

Pocket

ICCパートナーズ

ICCパートナーズ(ICC Partners Inc.)は産業を共に創る経営者・経営幹部のためのコミュニティ型カンファレンス「Industry Co-Creation サミット/ICCサミット」の企画・運営および新規事業創出・アライアンスなどのアドバイザー業務を行っています。