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ICC FUKUOKA 2023のセッション「大人の教養シリーズ 人間を理解するとは何か? (シーズン9)」、全9回の④は、リバネス井上 浄さんが登場。ストレスを髪の毛から可視化できる技術を紹介しながら、自身の多忙期、コロナ罹患期、引っ越しの時期のデータを紹介します。データからは、自分が大活躍するきっかけも読み取れるのだそうです。ぜひご覧ください!
ICCサミットは「ともに学び、ともに産業を創る。」ための場です。そして参加者同士が朝から晩まで真剣に議論し、学び合うエクストリーム・カンファレンスです。次回ICCサミット KYOTO 2023は、2023年9月4日〜 9月7日 京都市での開催を予定しております。参加登録は公式ページをご覧ください。
本セッションのオフィシャルサポーターは ノバセル です。
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【登壇者情報】
2023年2月13〜16日開催
ICC FUKUOKA 2023
Session 2F
大人の教養シリーズ 人間を理解するとは何か? (シーズン9)
Supported by ノバセル
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▶「大人の教養シリーズ 人間を理解するとは何か? (シーズン9)」の配信済み記事一覧
前回予告していた「ストレス」を深掘り
村上 次は(井上)浄さんです。タイムセンシティブですので、巻き気味にお願いします。
井上 はい。自分を知るということで、前回から少し予告していたのですが、「ストレス」について掘り下げてみようかなと思います。
皆さん、好きじゃないですか? ストレス。
北川 (井上さんに振られて)はい、大好き。大好きです。
井上 皆さん、会社などでストレスチェックを受けている方も多いと思いますが、基本的に今行われているメンタルヘルスのヘルスチェックは、前回も話したように、マイナスをゼロにするということだけなんです。
超もったいないなと思って、これを跳ね上げていくにはどうしたらいいかを考えているベンチャーの技術、それから大学の先生との研究といったところを、今回少しご紹介できればと思います。
まず、はじめに皆さん、「外部から刺激を受けたときに生じる緊張状態」と聞いて、何を思い出しますか?
どうですか? 僕はこれを見て、すごく楽しみなんですよ、ワクワクしちゃう。
中村 すごいですね、僕はちょっと嫌な気持ちになりました。
北川 僕も嫌な気持ちになりましたね。
村上 ナーバス派ですね。
井上 そうそう。ストレスという言葉を出してしまうとそうなんですが、これは実際に厚生労働省のホームページの「ストレスって何? 」に書かれている説明で、「外部から刺激を受けたときに生じる緊張状態のこと」と書いてあるのです。
緊張が無い状態は本当にベストな状態?
井上 でもですよ、緊張状態って、例えば真ん丸の状態が本当にベストか?という話なんです。
ずっと丸いまま放っておかれて、どうですか?
北川 (笑)。
井上 朽ちていきそうじゃないですか?
(一同笑)
北川 しぼんでいきそう。
井上 ストレス状態とは、ストレッサーによって心身にこういう負荷がかかっている状態なんですよ。
この右側の状態って、なんかワクワクしませんか?
ここからバーンって跳ねそうじゃないですか。
北川 ああ、なんかいきそうですね。
井上 いきそうでしょ? バーンといくか潰れちゃうかという、まさに動的なことが起きている状態なんです。
だから自分の中で今丸なのかギュッと潰れているのか、これから飛ぶのか潰れるのか、理解できたらいいのですが、ストレスチェックはあくまで主観なんです。まあアンケートですから。
アンケートに本当のことを書いていましたか?
北川 書い…、書いてました。
井上 あっ、さすがです。
北川 まあ確かにちょっと嘘ついちゃいますね、ちょっといい顔をしちゃいますね。
村上 ちょっと盛って誇大気味ですよね。
井上 今度は主観ではなく、生体反応という客観データでこれを掘り下げることができないか?という話です。
村上 来ましたねえ。
髪の毛から生体情報を取得するイヴケア
井上 これに取り組むのが、ICCサミットのリアルテック・カタパルトでピッチしたイヴケアです。
イヴケア 五十棲 計 プレゼン(ICC FUKUOKA2022 リアルテック・カタパルト)
「優しい眼差しに満ちたWell-beingな社会」を実現しようとしている会社ですが、彼らのコア技術が「毛髪を活用した生体物質の測定技術」です。
髪の毛は1カ月に1.2〜1.3cm伸びるのですが、その中に、生体情報が入っていると言われています。
北川 面白い。
井上 髪の毛が6cmぐらいあれば、だいたい3〜4カ月ぐらいまで遡って見ることができるのではないかという技術開発をしていて、実際に指標となる物質としてはホルモンを見ています。
「コルチゾール」というものが、皆さんがよく聞く、ストレスマーカーだと言われている物質です。
もう一方は抗ストレスホルモンで、「DHEA(デヒドロエピアンドロステロン)」といいます。
通常はコルチゾールを見て、「ストレスが高いね、やばいね」と言われるのですが、実は同時にストレスに反応するホルモンも出ていて、イヴケアがやっているのはこのバランスを取ることによって絶対量ではなく相対値で自分の変化を見ることができるというものです。
この比のことを「レジリエンス」と言っていますが、つまり「対抗する力」という位置付けです。
このレジリエンスの変化を見ていこうとするときに、主観ではなくて客観でデータが取れるのです。
つまり身体は嘘をついていないよというのが見られるのが面白い。
これをメンタルサーベイとして活用できるのではないか、これを使って何かできるのではないかと、ずっと一緒に研究をしています。
L社代表取締役Jの生体情報を分析
井上 それで、まあとりあえずデータを測ろうよという話になるわけですね。
こちらは株式会社L社のJ代表取締役の3年前のデータです。
誰でしょうね(笑)。
北川 誰か分からないですね、うん(笑)。
井上 それを見てみると、オレンジのほうがコルチゾールです。
線グラフになっているのがDHEAで、J代表取締役はもともとDHEAの量が多いみたいです。
レジリエンスが振り切れています。
北川 レジリエンスが基本的に高いんですね。
井上 そうです。高いって言われました。まあこれは人によって全然違うので、低いから悪いとかじゃないです。
基本的に上になっていますが、だいたい重なっていると思ってください。
2月にICCサミットがありましたね。
左から2番目が2月で、ICCサミットがあった月はめちゃめちゃレジリエンスが高くて調子の良い状態ですね。
北川 あんまり緊張していないですね。
井上 そうなんです。
それで、ここからグッと伸びるわけです。
北川 確かに。
井上 カレンダーを調べてみたら、出張が爆増していました。
北川 これはだいたい1カ月毎という感じですか?
井上 そうです。
村上 なるほど。
井上 これは2020年の3〜4月の時期なので、コロナが始まった頃です。
大流行が始まる頃で、その中でストレス値は依然として高いままですが、このときに注目していただきたいのは、DHEAが遅れるようにして上がってきています。
中村 本当だ、何でなんだろう?
井上 ストレス反応でギューッと潰されたときに、そのまま倒れるだけの反応がストレスだと勘違いしないでください。
ここから「いくぞ」ということが、身体の中で起きているのです。
多くの場合、この反応が見られます。
北川 なるほど。
井上 多くの人たちに見られます。
ストレスを力にするタイミングを可視化できる
井上 なので、ここを評価せずに「ストレスが高いね」と言っているのはアカンと。
潰れていて、跳ねるときがどういう状態かというと、自分が成長して、そのまま大活躍するきっかけにもなるじゃないですか。
ストレスなく丸いままでいて、そこから何か大きなことができるかと言ったら、多分できないです。
ストレスがないと多分人は死ぬんです。朽ちていくんです。
外部の刺激をどうやって力にするかを、これで見ることができます。
それで、この後、僕は爆下がりしているんですよね。
これね、コロナがパンデミック(世界的な大流行)と表明されて…、あっ、僕って言っちゃいましたね、今ね(笑)。
北川 言っちゃいましたね(笑)。
(一同笑)
井上 パンデミックになってどうにも家から出られなくなってしまって、引っ越したんですね。
山形県に慶應義塾大学の研究所があって、当時そこにいたのですが、そのときからは子どもたちも学校に通えなくなる、東京に行くと帰れなくなる、帰ってきても2週間家から出られないみたいな感じになったので、いっそのこと引っ越そうといったときに、もうここで身体がついていかなくなったんでしょうね。
北川 その頃のこと、結構覚えていますか?
井上 覚えてます。
北川 つらかった?
井上 主観的にはまだいけました。ただ身体を見ると、これなので、改めて反省して。
北川 つらかったんだなとね。
村上 若干悲鳴を上げている感じですね。
データを利用して自分を振り返ってみては?
井上 これを放っておくとホルモンが出なくなる状態になるらしいんです。
北川 そんなことがあるんですか。そうすると、どうなるんですか?
井上 それが一番アカン状態です。
村上 なるほど。
中村 黄色がバンと上がってDHEAが下がっていると一番良くないということですね。
北川 うつとかになりやすい状況?
井上 そう、これが落ちていく一番ギリギリのラインの反応で、最後は両方とも出なくなってしまう反応が見られます。
この後、少し解説しますが。
こういうのを実際に見て、カレンダーと突き合わせて、自分の主観とも照らし合わせてみると、合っているのか間違っているのか、自分がどこでどうチャレンジしたらいいのかが分かるわけですよね。
なので、みなさん、自分を振り返ってみてどうですか?と。
おそらくカレンダーは、振り返れるようになっていて…。
村上 …(井上)浄さん、あと2分。
井上 (笑)。
村上 スライドを結構作っていただいているので、ハイライトでポイントを教えてほしいなと思います。
井上 いきましょう。さっき言っていた低反応や適度な反応とか、高反応があるのですが、適度な範囲の中に収まるようにしていきましょうねというのが、この結果から分かります。
村上 これがデータでもう分かるから、コントロールできるようになってくるということですね。
井上 はい。主観でなくて客観データで見られるということです。
こんな形でデータが出て、本人に返ってきます。
こんな感じでフィードバックが来て、臨床心理士の方とこれを基に話をして、自分をとりもどしていくことができるような、こういうサービスができるんじゃないかということで、この間ローンチしましたので、もし興味のある方は見てください。
▶企業のWell-beingな経営をサポートするイヴケアパックの新たなサービスとして、ストレスとの向き合い方を評価する「ストレスバイタリティチェック」をリリース(イヴケア)
(続)
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編集チーム:小林 雅/浅郷 浩子/小林 弘美/戸田 秀成