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ICC FUKUOKA 2023のセッション「大人の教養シリーズ 人間を理解するとは何か? (シーズン9)」、全9回の①は、今までのシーズン8までの内容を振り返ります。今回はレギュラースピーカーの石川 善樹さんが急きょリモート参加となり、いつもとは違った雰囲気でディスカッションがスタートします。ぜひご覧ください!
ICCサミットは「ともに学び、ともに産業を創る。」ための場です。そして参加者同士が朝から晩まで真剣に議論し、学び合うエクストリーム・カンファレンスです。次回ICCサミット KYOTO 2023は、2023年9月4日〜 9月7日 京都市での開催を予定しております。参加登録は公式ページをご覧ください。
本セッションのオフィシャルサポーターは ノバセル です。
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【登壇者情報】
2023年2月13〜16日開催
ICC FUKUOKA 2023
Session 2F
大人の教養シリーズ 人間を理解するとは何か? (シーズン9)
Supported by ノバセル
(スピーカー)
石川 善樹
公益財団法人Well-being for Planet Earth
代表理事
▶ 2/13 リモート登壇に変更
井上 浄
株式会社リバネス
代表取締役社長CKO
北川 拓也
Centiv, Inc.
CEO
中村 直史
株式会社五島列島なかむらただし社
代表 / クリエーティブディレクター
(モデレーター)
村上 臣
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▶「大人の教養シリーズ 人間を理解するとは何か? (シーズン9)」の配信済み記事一覧
村上 臣さん(以下、村上) どうも。無所属新人、村上でございます。
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村上 臣
青山学院大学理工学部物理学科卒業。大学在学中に仲間とともに有限会社「電脳隊」を設立。 2000年8月、株式会社ピー・アイ・エムとヤフー株式会社の合併に伴いヤフー株式会社入社。 2011年に一度退職した後、再び2012年4月からヤフーの執行役員兼CMOとして、モバイル事業の企画戦略を担当。 2017年11月に8億人超が利用するビジネス特化型ネットワークのLinkedIn(リンクトイン)日本代表に就任。日本語版のプロダクト改善、利用者の増加や認知度向上に貢献し、2022年4月退任。 株式会社ポピンズ 及び株式会社ランサーズの社外取締役ほか複数のスタートアップの戦略・技術顧問も務める。 主な著書に『転職2.0』(SBクリエイティブ)・『Notionで実現する新クリエイティブ仕事術』(インプレス)がある。
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村上 大丈夫、連れてきてもいいですしね(笑)。背負っていただいても構いません。
大人の事情により現職の社名を出せませんが、今日も元気に有給休暇を取ってまいりました。
皆さん、よろしくお願いします。
長い目で見ると何かの役に立つ!? 人気シリーズのシーズン9
村上 (会場に)大丈夫ですか? 皆さん、ついてきてますか?
(会場拍手)
ここに来た皆さんは物好きということで、最初にご説明しておくのは、このセッションは今日にも明日にもあさってにも役に立たないということです。
ビジネスにはまぁ一切役に立たないかなとは思うのですが、「人間を理解する」ということで、長い目で見ると何かの役に立つかもしれない話をしています。
考えてみれば、本当にローマ時代、ギリシャ時代からこのテーマで我々人間は話をし続けて、未だに回答を得ていないということで、我々もそれを受けて議論を続けていきたいと思います。
井上 浄さん(以下、井上) 今日も分からず?
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井上 浄
株式会社リバネス
代表取締役社長CKO
博士(薬学)、薬剤師。大学院在学中に理工系大学生・大学院生のみでリバネスを設立。博士課程を修了後、北里大学理学部助教および講師、京都大学大学院医学研究科助教、慶應義塾大学特任准教授を経て、2018年より熊本大学薬学部先端薬学教授、慶應義塾大学薬学部客員教授に就任・兼務。研究開発を行いながら、大学・研究機関との共同研究事業の立ち上げや研究所設立の支援等に携わる研究者。多くのベンチャー企業の立ち上げにも携わり顧問を務める。経産省産業構造審議会委員、JST SCORE-大学推進型委員会委員、武蔵野大学アントレプレナーシップ学部客員教授、株式会社ヒューマノーム研究所顧問、株式会社メタジェン特別顧問などを兼務。
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村上 今日も分からないと思いますけれども、シーズン9ですから。
井上 シーズン9もやってきたんですね。
村上 さっきプログラムを見たら、一番長く続いているセッションが1つあって、シーズン10で、テーマは組織のお悩みみたいなもの。
シーズン9が、LTVとか、すごく役に立ちそうなセッションで、我々とタイですが、我々はその真反対にいます。
北川 拓也さん(以下、北川) いや、緊張感がありますねえ。
村上 緊張感を持ってやっていきたいと思います。
急きょリモートで参加の石川 善樹さん
村上 (石川)善樹さん、聞こえますか?
石川 善樹さん(以下、石川) (オンラインで)はい、お願いします。
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石川 善樹
公益財団法人Well-being for Planet Earth
代表理事
予防医学研究者、博士(医学)。1981年、広島県生まれ。東京大学医学部健康科学科卒業、ハーバード大学公衆衛生大学院修了後、自治医科大学で博士(医学)取得。公益財団法人Wellbeing for Planet Earth代表理事。「人がよく生きる(Good Life)とは何か」をテーマとして、企業や大学と学際的研究を行う。専門分野は、予防医学、行動科学、計算創造学、概念工学など。近著は、『フルライフ』(NewsPicks Publishing)、『考え続ける力』(ちくま新書)など。
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村上 大丈夫ですか? テンションをちゃんと……
北川 そうですね。合わせきれない?
村上 ハイブリッドが難しいのは、こういうところなので。
井上 ちょっと自宅のテンションじゃないですか?
村上 ご家族はもう大丈夫ですか?
今日、本当は善樹さんはこちらに来る予定でしたが、ご家族がインフルエンザになってしまい、自宅待機のため、急きょオンラインで参加していただいています。
いつものようにワイワイしたいなと思います。
石川 そうですね。はい。昨日、北川さんにちょっとあの……
北川 お願いして。
村上 助け合って。
北川 はい。
育休から復活した北川 拓也さん
村上 北川さんは、お帰りなさいませ。
北川 ありがとうございます。
僕に子どもが生まれたため、前回のシーズン8は欠席させていただきまして。
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北川 拓也
Centiv, Inc
CEO
Centiv 創業者、CEO. 公益財団法人Well-being for planet earth理事。元楽天常務執行役員、CDO(チーフデータオフィサー)兼楽天技術研究所グローバル所長。過去に物性物理の理論物理学者として、非平衡のトポロジカル相の導出理論を提案。ハーバード発の米国量子コンピュータースタートアップであるQuEraの顧問を務める。
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村上 そうなんですよ。
このセッションは非常に人間に優しいセッションで、前シーズンは北川さんが育休でスキップ、今回も善樹さんがリモートで来たりとか。
北川 子ども最優先のセッションとなっております。
村上 そうですね。ご家族最優先の温かいセッションでお送りしますので、皆さんよろしくお願いします。
北川 このセッションは今年役に立たなくても、300年後に役に立ちたい、そういうセッションですよね?
村上 そうですね。そういうセッションですから、長い目で見ればここでの議論が、まぁ我々が死んだ後ぐらいに世の中の役に立つと。
北川 そうです。ですから、我々も子どもに関しては最善を尽くしていくことが大事です。
村上 産業を創るというのは長い話ですからね。
北川 その通りです。
村上 次世代につなげていきたいという思いでやっているセッションでございます。
井上 子どもがね、今度ここに登壇しているかもしれない。
北川 確かに! シーズン150ぐらいですかね(笑)。
井上 150ぐらい(笑)。
「人間を理解するとは何か?」シーズン1~4のハイライト
村上 ちなみに本セッションに、初めて参加の方はいらっしゃいますか?
北川 あっ、すごい。結構いらっしゃる。
村上 あっ、どうも、ようこそいらっしゃいました。
今、全国に120人ぐらいいるといわれている、ファンの皆さんでございますので。
(一同笑)
いつもの通り、これまでどういう議論をしてきたのか、簡単におさらいします。
前半のシーズン1〜4をまとめた、このスライドを見てもチンプンカンプンですけれども、いろいろなことをやっています。
<過去のディスカッションはこちら>
▶【一挙公開】大人の教養シリーズ 人間を理解するとは何か?(全7回)
▶【一挙公開】大人の教養シリーズ 人間を理解するとは何か?(シーズン2)(全9回)
▶【一挙公開】大人の教養シリーズ人間を理解するとは何か?(シーズン3)(全11回)
▶【一挙公開】大人の教養シリーズ 人間を理解するとは何か?(シーズン4 )(全10回)
難しい研究グラフみたいなものがありますが、これは北川さんが出した「青春はある」という証明のグラフです(シーズン1より)。
北川 懐かしい(笑)。
井上 ありましたね。
村上 我々は「青春の証明」ができました。
あと我々は結構東洋と西洋の比較をしがちです。
そういう中で、「凶」や「大吉」の間の最善で「平(たいら)」というものが出てきたり(シーズン2より)、なにせオンラインも含めてここに今、3人のPh.D.がいる(※) という大変インテリ度の高いセッションですので、いろいろな最新のサイエンスの結果が出てきたり、イーロン・マスクがどう考えるのかみたいな実用的な話(シーズン3より)もたまには出てきたりしました。
▶︎編集注:石川さんはハーバード大学公衆衛生大学院修了後に自治医科大学で、井上さんは東京薬科大学大学院薬学研究科で、北川さんはハーバード大学院物理学科で博士号の学位(Doctor of Philosophy:Ph.D.)を取得されています。
「人間を理解するとは何か?」シーズン5~7のハイライト
村上 そしてシーズン5〜7では、結構歴史に学ぶことが多くて、参勤交代という仕組みと移動という本能(シーズン6より)、あとはおじさんは酒を飲むと話が長くなることが科学的に証明できました(シーズン7より)。
<過去のディスカッションはこちら>
▶【一挙公開】大人の教養シリーズ 人間を理解するとは何か?(シーズン5)(全8回)
▶【一挙公開】大人の教養シリーズ 人間を理解するとは何か?(シーズン6)(全8回)
▶【一挙公開】大人の教養シリーズ 人間を理解するとは何か?(シーズン7)(全7回)
井上 実証できました(笑)。
村上 これも新しかったですよね、非常に。やっぱり証明されちゃったんですよ、データで。
井上 本当に残念な事実ですけれども、間違いなさそうです。
村上 皆さんがご存知のCOTEN RADIOをやっているCOTENの深井(龍之介)さんが登壇されたときは、2000年近く歴史を見てみると、人間が哲学的になる3条件が分かったということで、それを披露していただきました(シーズン6より)。
結論として、今の時代がその条件にかなり近いということで、我々はより哲学的にならなくてはいけないんじゃないかみたいな話がありました。
井上 まさにこのセッションですね。
村上 そうですね。
前回のシーズン8では「コミュニケーション」を議論
村上 前回は「コミュニケーション」がテーマでした。
去年(2022年)、コロナがだんだんポストコロナになりつつ、ウィズコロナになる時代の中で、今日もハイブリッドセッションですけれども、改めて人のコミュニケーションを取り上げて、人間を理解するということにおいて、やっぱり人間は社会的生き物ですので、どうしてもコミュニケーションは重要だろうといった話をしました。
▶【一挙公開】大人の教養シリーズ 人間を理解するとは何か?(シーズン8)(全8回)
同期、非同期のコミュニケーションの使い分けが大事だというのは(井上)浄さんからの投げかけで、Slackで長文を送ると今一つ良くないという話がありましたよね(シーズン8より)。
北川 我々はそれをやりがちですからね。
村上 短いセンテンスでテンポ良くやるのがよいと。
そして、メディアによって求められている、期待されているコミュニケーションのあり方みたいなものがあるんじゃないかという話をしました。
井上 Slackをめちゃめちゃ解析すると、いろいろなことが分かります。
村上 そうですね。これもやっぱりテクノロジーの進歩で、酒を飲むと話が長くなることは、発話を分析して分かりました。
オンライン化して良かったことは、データが取れるようになったことですよね。
ZoomやTeamsでオンラインミーティングをして、実際に何時間何分何秒ミーティングをしたか、今までは分からなかったじゃないですか。
なんとなく1時間やっていて、「この人が主催するミーティングはいつも5分遅れる」「なんか長いな」みたいな(笑)、定性的には分かるのですが、それがデータで取れるようになりました。
しかも全部マイクが入っていると声色も取れているし、録画も撮れているし、かついろいろなデータが取れます。
井上 最近、表情まで取っていますからね。
村上 そう、眉が上がったり、喜怒哀楽みたいなものは非言語(ノンバーバル)のほうに出てきます。
声色も、声紋分析が例ですが、人の声の情報はものすごい情報量が詰まっていて、体調が悪いとかメンタルが病み気味みたいなことは、声の周波数分析によって分かったりするんですよ。
▶声紋分析(VPA)とは(声紋分析(VPA)公式ページ)
北川 そうですよね。
村上 そういう研究も実際にあって、血液検査のストレスチェックの結果と声紋分析のスペクトラム分析の結果はかなり相関性が高くて。
▶血液検査で仕事ストレスを判定 ストレスを早期に発見する指標を発見(保健指導リソースガイド)
北川 絶対そうですよね。
村上 そうそう、科学的にも正しかろうということが証明されています。
北川 納得感があります。
前回、善樹さんからも、ハブ型、要は若手、ベテラン、コネクターという人間関係があるチームは、すごくイノベーションが起きたりするという話がありました(シーズン8より)。
北川 矢野 和男さんの研究ですよね。
村上 そうですね。
我々はOJTというと、若手とベテランのペアになりがちじゃないですか。
これだけだとなにか上手くいかなくて、もう1人社内人脈に強い人などで三角形のコミュニケーションを作ると、そこからいろいろな広がりが出て、仕事が上手くいくことが多いのではないかということでした。
▶参考:幸福な組織に見られる三角形の関係(HITACHI)
井上 組織内にどれだけ三角形の数があるかみたいなことが、実は組織の……。
村上 そうですよね。まさに矢野さんの研究の、全員タグをぶら下げて、日立の社内で確かデータを取られたんですよね。
北川 大事なのは、若手がベテランへの文句をコネクターに言って、ベテランが若手への文句をコネクターに言ったときに、コネクターがほめてあげることで、基本的に大事だったりしますよね。
村上 大事ですよね。
北川 ちゃんと「アイツもいいとこあるんだから」みたいな。
村上 ポジティブに受け止めて、「まあまあまあ」みたいな。
井上 (過去シーズンで議論を)ちゃんとやってましたね。
非言語コミュニケーションを語った林 要さん
村上 そうですよ。ちゃんとやってたんですよ。
あとLOVOTを作っている(林)要さんが登壇したときには、非言語のコミュニケーションで、ロボットは別に人型をしていなくてもいいということでした(シーズン8より)。
LOVOTにはヒーターが入っていて、体温を感じる仕掛けがあります。
触るとほんのり温かいとか、脇の下を持つと反応するとか、作るのは非常に面倒くさいと思いますし、センサーの塊なのでコストもすごくかかるのですが、そういうような触れ合いによってコネクションが生まれます。
そうすると機械とであっても、何かつながり感みたいなものが出てきて、それには実際にセラピー的な効果があって、東京オリンピックに参加した米国セーリングチームのセラピーにLOVOTが使われました。
アニマルセラピー、ドッグセラピーみたいなものが有名ですが、それと同じような効果がロボットでも出たことを共有してくれました(シーズン8より)。
過去のシーズンを振り返って、我々は意外とちゃんと議論をしていたなということで、今日はもう一回ステップバックをします。
ようやくポストコロナになってきて、我々のフェイスシールドが無い、久しぶりの、多分4年ぶりぐらいになるんじゃないかと思いますが、人間を理解する前に我々は自分を理解できているのか?と。
北川 (間髪入れずに)いや、できてないですね。
村上 速いですね(笑)。
北川 まるでできてないですね(笑)。
井上 自分が一番難しいんですね。
人を理解する前に自己を理解しようとするシーズン9
村上 そうですね。
善樹さんもいらっしゃるので、このセッションではWell-beingの話をよくするのですが、有り様(よう)、Beingというところ、あとはそれを感じる自分というのがやっぱり大事で、感じられることが重要だということで、今回はやんわりとこういうテーマで皆さんに投げ込みを用意していただいたので、話をしていきましょう。
北川 いきましょう!
村上 よろしくお願いします!
(会場に)大丈夫ですか? 皆さん。
(会場拍手)
井上 善樹さん、しゃべらなくて大丈夫ですか?
石川 (村上)臣さん、今僕はこのセッションを初めて外から見ているのですが…、異様な雰囲気ですね。
(会場笑)
井上 異様(笑)。
村上 いいフィードバックですね。新しい。
北川 我々はこのセッションを理解していなかったですね、多分ね。
村上 そう。我々が理解していなかったから、たまにそういう目があるといいですね。
石川 はたから見てみようということですね(笑)。
井上 異様なんですね?
石川 異様です。いい感じです。
村上 何かツッコみたくなったら言ってください。よろしくお願いします。
(続)
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編集チーム:小林 雅/浅郷 浩子/小林 弘美/戸田 秀成