「プロダクトマネージャーとエンジニアは対等である」Google徳生氏が語る開発チームづくり【K16-8D #4】 – 【ICC】INDUSTRY CO-CREATION

「プロダクトマネージャーとエンジニアは対等である」Google徳生氏が語る開発チームづくり【K16-8D #4】

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「イノベーティブなプロダクトを生み出す開発/エンジニアリング・マネジメント」【K16-8D】セッションの書き起し記事をいよいよ公開!10回シリーズ(その4)は、Google徳生さんに自己紹介頂きました。Google内部の開発マネジメントについて、貴重なお話しです。是非御覧ください。

ICCカンファレンスは新産業のトップリーダー160名以上が登壇する日本最大級のイノベーション・カンファレンスです。次回 ICCカンファレンス KYOTO 2017は2017年9月5〜7日 京都市での開催を予定しております。


登壇者情報
2016年9月6日・7日開催
ICCカンファレンス KYOTO 2016「ICC SUMMIT」
Session 8D
「イノベーティブなプロダクトを生み出す開発/エンジニアリング・マネジメント」
 
(スピーカー)
大宮 英紀
株式会社リクルートライフスタイル
執行役員
 
菊池 新
株式会社ナビタイムジャパン
取締役副社長 兼 最高技術責任者
 
徳生 裕人
グーグル株式会社
製品開発本部長
 
平栗 遵宜
freee株式会社
執行役員 開発本部長
 
(モデレーター)
安川 健太
株式会社ソラコム
取締役CTO

「イノベーティブなプロダクトを生み出す開発/エンジニアリング・マネジメント」配信済み記事一覧

【前の記事】

【本編】

安川 それでは次はグーグルの徳生さんにバトンタッチをしたいと思います。

Google徳生さんの自己紹介

徳生 徳生と申します。



徳生 裕人
グーグル株式会社
製品開発本部長
 
日本における検索をはじめとする基幹製品の製品開発を統括。
2005年にGoogle に入社。プロダクトマネージャーとしてGoogle ブックスや経路検索等の開発に携わり、2008年からは、アジア太平洋地域における YouTube の製品開発責任者として米国 YouTube 本社に勤務。YouTubeモバイル等の日本向け製品や、音声認識技術による字幕機能等の開発を担当。その後、国内の複数のベンチャーに経営に携わり、製品開発を統括。2014 年より現職。

私は、グーグル社で2回働いておりまして、最初は2005年から2010年まで、その後1度退職しています。

グーグルを辞めた後、Gengoという会社に3年くらいいました。Gengoではマーケティングにも携わりましたが、一貫してプロダクトマネージャーをやっています。

プロダクトマネージャーは、何人かのエンジニアと組んで、モノを定義して作っていくという仕事ですが、私の場合、YouTubeの時はアメリカからアジア全体を対象として、その他は日本にいたこともあり、YouTubeにしても検索にしても、エンジニアと小さなチームを組むことに加え、ホリゾンタルに多くのチームと働くことが多いです。

特にスライドの中には、私が深く関わりながら作り上げた製品をリストアップしています。

例えば YouTube ではアジア太平洋担当だったので、字幕やモバイル、世界のどこでも使われるけれども、日本やアジアで特に重要と思われる機能を担当しました。

また、エマージングマーケット、つまりインドやインドネシアなど、ユーザーが急激な勢いで増えているところで、きちんとした検索結果を出すにはどうしたら良いかという話をやっています。日本ももちろん担当していますが、いま関わっているプロジェクトについて、Google なので、この場ではあまりお話できません。

それから、昔マップをやっていた時に乗換案内機能の開発を担当し、その時恐れ多くも、菊池さんのところへ伺って情報交換させていただいたこともあります。

そういう意味で、菊池さんのことは10年くらい前から存じ上げていますし、安川さんとも前回お会いしていて、リクルート社やfreee社ともいろいろな関りがありますので、今回のセッションを非常に面白く思っています。

PMとエンジニアは対等なパートナーである

徳生 グーグルのプロダクトマネージャー(PM)の特徴は、全てをPMが決める、という関係ではなく、ソフトウエアエンジニアと対等なパートナーだというところです。

技術的なインサイトはもちろん、ユーザーの問題を発見する点においても、エンジニアの方が優れた洞察を持っていることは多々あります。プロダクトマネージャーが全てを決めるということは全くなく、チーム全体の生産性を高め良いものを作っていけるよう補完していくことが一番大事な機能なのではないかと私は思っています。

Google では検索をはじめとするいくつかの領域では、創業何年かはプロダクトマネージャーが存在しませんでした。最近でこそ増えてきていますが、今でもPMとエンジニアの比率は、1対30くらいなので、PMだけで全てを決めることはあり得ない。

特に検索のように15年間も続く製品の場合、大抵のアイデアは過去に誰かが思いついています。スタートアップで働いている時は、朝シャワーを浴びている時に素晴らしいアイデアを思い付き、出社して皆に伝えると、「それやろう!」というような話になるのですが、検索の世界で同じことをやると、「それだったら過去に誰と誰が検討してるはずだから、話を聞くか、ドキュメントを探してみたら?」という反応が返ってくることが多い。

なので、無数のイノベーションのアイデアを実際に実現するためには、社内にあるいろいろなアセット、利用できるインフラ、進行中の他のプロジェクト等を理解した上で、市場の変化を見越して、実現可能かつ最も効果の高い形で実現できるか、ということが非常に重要になっており、これは皆で力を合せなければなし得ません。

スタートアップでもサービスが育てば当てはまる話だと思いますが、正しいものを出さないと10億人が使っているサービスの品質を下げたり、インフラを複雑にしてしまったり、ダブリの多いプロジェクトを維持することなるので、その点を慎重に進めなくてはならないというのが大きな違いだと思っています。

そういう意味では当然のことながら、比較の問題で言えば、いわゆるスタートアップに比べてモノを出すスピードが遅くなる傾向があり、社内でも問題意識が共有されているので、その点についても今回皆さんからいろいろとお考えを伺えることを非常に楽しみに思っています。

安川 ありがとうございます。

Googleの開発マネジメント

安川 グーグル社の場合、プロダクトマネージャーは開発の段階で最初からいるわけではなくて後から入ってくる、先ほど、Searchチームには当初プロダクトマネージャーがいなくて、後から役割ができたという話でしたが、そういう流れが多いのですか?

徳生 検索に関しては、純粋な検索品質以外の多数の機能がでてきたり、国際展開の推進等をドライブするためなどの理由でプロダクトマネージャーが増えてきたと思うのですが、個別のプロジェクトでどのタイミングでプロダクトマネージャーが参加するかは、本当にまちまちだと思います。

どのようなフィーチャー(機能)でも最初は小さく始まりますが、プロダクトマネージャーがアイデアを出して、20%のエンジニアを探すことから始まる場合もありますし、エンジニアが5人くらい集まって何かを作りだして、雑用係と言うと言葉が悪いですが、全体をまとめてスムーズに運んでくれる人が必要だということで、まともなビジョンを作って社内を動かせるプロダクトマネージャーに加わってほしい、ということで入ることもあります。そこは本当にケースバイケースです。

プロダクトマネージャーとエンジニアも、全く別組織になっているので、自主的に飛び込むこともあれば、プロジェクトが大きくなってくるに従い「お前このプロジェクトやれ」と配属されることもあり、そこは自由度や生産性、柔軟性を保証する仕組みになっていると思います。

安川 なるほど。

菊池 席はエンジニアと同じところにいるのですか?

徳生 同じところにいます。

菊池 ではプロダクトごとに固まって?

徳生 検索は検索で固まっています。

平栗 自然発生的にプロジェクトが生まれて、5人のエンジニアでやろうということになった時に、完全に自由にできるものなのでしょうか?それとも誰かの承認が必要なのでしょうか?

徳生 目安としては、10%、20%になるかもしれませんが、例えば5人のエンジニアを抱えているマネージャーであれば、そのうち0.5人くらいが本業と違うことをやっていても、そこに可能性があれば許容できることが多いと思います。

そういうような形で進めていって、それが5人かけなくてはならないという段階になれば、50人くらいをまとめているレベルのマネージャーからのある程度の後ろ盾がないと、なかなか難しいでしょう。

また、例えば動画の話をやろうという時に、YouTubeと全く独立したものを出すのは現実的ではない。本当に世の中に出すものを考えるのであれば、どこかのタイミングで 関係性の高いプロダクトのチームと話すことになると思います。

それは、承認がなければ進められないという意味ではありませんが、承認があった方が後々スムーズに進んで成功する確率が高いということです。

安川 なるほど。先ほど謙遜されてスピードがというお話をされていたかと思うのですが、私のイメージでは、グーグル社の社内には小さなスタートアップがたくさんあり、それぞれのプロジェクトが動いていくというイメージがあるので、ぜひその辺りの話も後ほど伺いたいと思います。ありがとうございます。

それでは続いて、freeeの平栗さんにバトンタッチしたいと思います。

(続)

続きは 「東大卒31歳までニートだった」freee平栗氏が語るプロダクト開発の楽しさとつらさ をご覧ください。

編集チーム:小林 雅/榎戸 貴史/戸田 秀成/鈴木ファストアーベント 理恵

【編集部コメント】

続編(その5)では、freee開発本部長の平栗さんに自己紹介頂きました。ニートだったと語る平栗さん個人の経歴に注目です。是非ご期待ください。他にも多く記事がございますので、TOPページからぜひご覧ください。

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