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「最高の成果を生み出すチーム作りの方法論を徹底議論」【F17-5B】セッションの書き起し記事をいよいよ公開!12回シリーズ(その6)は、日本ラグビーフットボール協会の中竹さんを中心に「フィードバック効果が最も高い質問」について議論しました。ぜひ御覧ください。
ICCカンファレンス FUKUOKA 2017のプラチナ・スポンサーとして、Motivation Cloud (Link and Motivation Inc.) 様に本セッションをサポート頂きました。
ICCカンファレンスは新産業のトップリーダー160名以上が登壇する日本最大級のイノベーション・カンファレンスです。次回 ICCカンファレンス KYOTO 2017は2017年9月5〜7日 京都市での開催を予定しております。
▶「最高の成果を生み出すチーム作りの方法論を徹底議論」の配信済み記事一覧
石川 フィードバックについて一家言あるのですが、よろしいですか?
岡島 どうぞ。
(会場 笑)
川邊 調べた?
石川 いや、これは、中竹さんに教えて頂いたのですよ。
中竹 そうですか?
ではそれを教えて頂けますか?
最もフィードバック効果の高い質問とは
石川 最近中竹さんが監訳された本がありますよね。
中竹 「マネジャーの最も大切な仕事」というものです。
ハーバード大学の学者のお二人が書いた本を、僕が監訳として書いたのですけれども。
石川 この本を頂い…もう一回、タイトルは何でしたっけ?
中竹 「マネジャーの最も大切な仕事」。
サブタイトルが、「95%の人が見過ごす『小さな進捗』の力」というものです。
(参考資料:マネジャーの最も大切な仕事――95%の人が見過ごす「小さな進捗」の力 )
川邊 なるほど。
石川 これが素晴らしい本です。
要は、どのようなフィードバックが素晴らしいのかという話なのですが、組織心理学という学問をされている先生なんですね。
心理学者というのは、どんな質問をするとその人のことがよく分かるかや、その人が成長できるかということを知るための、質問の仕方に命をかけている人達なんですよ。
そのハーバード大学の先生が発見したのは、一日の終わりにこの質問をすると、最もその人にとってフィードバックがかかるという魔法の質問で、それがその本には書いてあるんですよ。
岡島 なるほど。
もうみんな今買いたくなっていますよ。
石川 超買いたいですよね。
詳しくは、買ってからにして頂きましょうか(笑)。
中竹 今ポチッと押して下さいね。ポチッと。
川邊 なるべく、Yahoo!ショッピングで買ってください。
岡島 アマゾンではなくて、Yahoo!ショッピングですね。
川邊 はい。
石川 言われてみたらなるほどと思うのですが、これを考えたこの人は本当にすごいなと思いましたよ。
その質問が何かというと…
中竹 「今日一日最も印象的なことを、簡潔に一つ挙げよ」ということですね。
石川 今日一日の仕事の中で、最も印象的だったことを一つ教えて下さい、というのが、実はその人に対して一番フィードバックがかかるのだそうです。
川邊 これも、どういうことなのか教えて頂きたいのですけれども。
中竹 先週(石川さんと)対談させて頂いたのですが、その中で改めて石川さんに言われたことがあります。
多くの人は仕事をどうやって始めようか、どうやって進めようかを考えるのですが、この質問はどうやって終わるかということについての質問なのです、というそんな解説を頂いて、まさにそうだと思いましたね。
今日一日が終わった時に自分の中で何が残っているかというのが、それが実は何か嬉しかったこと、嬉しかった感情のところから、あ、今日はちょっとこの仕事が進んだかな、といったところに発展していくんですよね。
人間に本質的な喜びなんかが、よし明日も頑張ろうというモチベーションに繋がる。
岡島 まさに「内的モチベーション」という方ですよね。
中竹 そうですね。
岡島 外的な動機ではなくて内的な動機で、こういうのが自分は嬉しいんだみたいな。
川邊 あるいは、関心があるんだみたいな。
今日、あなたは何を達成しましたか?
安渕 これは組織的というよりは、システマティックにやる方法があって、「I Done This」というアプリが既にあって、
川邊 何ですか、それは?
安渕 これは、毎日、何を達成したかということを自分で書くためのアプリなんですよ。
毎日、その日にあなたは何を達成しましたかと聞いてくる訳ですよ。
これはダニエル・ピンク(Daniel H. Pink)が紹介しているのですけれどもね。
これを使ってその日に何をやったかを書くと、ものすごくポジティブに一日を終えられるんですよ。
今日はこれをやったぞと言えるし、反対に何もないとおかしい、今日は何もやっていないのかということを自分で反省するのです。
岡島 書けなくてどんどん落ち込んでいくようなことはないのですか?
安渕 いや、発見能力が高まりますから。
川邊 捉えようによってはありますから。
安渕 これもすごいじゃないということですね。
石川 達成したり印象に残ることがない日が続いているのであれば、やはり、翌日から何かを変えた方がいいんですよね。
岡島 それはすごく面白いですね。
石川さんと私はよくリクルートさんで講演や対談をしているのですが、そういう時にヒーローインタビューのようなことをして、一番印象深かったことを振り返ってもらうといったことを5分だけやって頂くですが、皆すごく元気になるんですよね。
歩き方が変わって帰っていかれるんです。
石川 それですよね。
恐らく、「印象」という言葉の使い方や質問の仕方が、その人の内省をすごく促すのだろうなと思いますね。
「達成」というと、そんなに毎日何かが達成される訳ではなく、そういう仕事をしている人は恐らく少ないので、多分印象に残ったことを…
今日の試合の感想を書く
中竹 先ほど申し上げた、成果の方に引っ張られてしまうので。
僕自身は、実は代表チームを持った時に必ずやるのは、試合の日ですね。
今、スポーツ界ではコンディションについてうるさいんですよ。
試合が終わった後は、選手を集めてミーティングなんかをするなという風潮がある訳なんですよね。
大体、最近は、プロの試合なんかはナイターなんですよね。
けれども僕は必ずやるんですよ。
選手も最初は、「何だよ、ミーティングかよ」みたいな感じなんですよ。
(会場 笑)
「えー」みたいな。
けれども、「大丈夫。映像なんかは観ないから。それから、試合の内容にもフォーカスしないから」と言う訳です、
その代わり、「今から1分で、今日の試合の感想を書いて」と言う訳ですよ。
これは「印象」の質問とすごく似ていて、要するに上手くいったかどうかではなくて、今日試合に出て嬉しかったとか、試合に勝ったのだけれども自分のプレーに満足いかなかったとか、今日はリザーブなんだけれども5分取れてもう最高だったとか、それだけを書かせて共有させるんですよ。
そうすると、自分の感想を書いて、それを喋るから、さっき申し上げたようにどんどん嬉しくなる。
岡島 高揚感?
中竹 一方で、悔しい人間は悔しいから、こういう思いは二度としないという風に思う訳です。
要するに、ネガティブだといいと思っていて、そういう意味では自分の感情をきちんと出すというのは、人間にとってすごく大事だと思います。
そして、翌日に必ず、お前のプレーがこうで、チームとしてはこうやりたかったという分析を映像と共にきちんとするというのをフォーマット化してやったのですが、やはりそれをやり出すと選手達は試合が終わった後でも結構積極的に来て喋るようになりましたね。
はっきり言えるのは、今書いてくれたコメントは、一週間経ったら絶対覚えていないよって。
試合の内容はビデオを観たら思い出すけれど、君達の感想なんかは日々激動するから、絶対残しておいてねという話はしています。
それからですね、ノートを付け出す人間が増えてきましたね。
川邊 それを繰り返していくと、中竹さんが得意であるリーダー不在のチームが出来上がるのですか?
皆お互いにそういう話をして、マネージャーがやらなくても、お互いに話し合うことで段々とチームワークが作られていくのでしょうか?
中竹 それとは直接的には関係ないのですが、個人がセルフマネジメントできるというのが大前提で、それだけやっていたら右側(天才集団型)の組織になるかというとまたそれは別で、それは本当のベース作りのところだと思います。
川邊 前提作り。
岡島 基本はやはり個々が立っているという状態をより加速するような感じですかね。今のお話ですと。
中竹 そうですね。
(続)
編集チーム:小林 雅/榎戸 貴史/戸田 秀成/横井 一隆/Froese 祥子
▶続きは コーチングの4つのステップ「Tell→Show→Ask→Delegate」とは? をご覧ください。
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【編集部コメント】
続編(その7)では、長期的に働くためのモチベーションやコーチングにおける4つのステップ等について議論しました。是非ご期待ください。他にも多く記事がございますので、TOPページからぜひご覧ください。
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