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「最高の成果を生み出すチーム作りの方法論を徹底議論」【F17-5B】セッションの書き起し記事をいよいよ公開!12回シリーズ(その7)は、長期的に働くためのモチベーションやコーチングにおける4つのステップ等について議論しました。ぜひ御覧ください。
ICCカンファレンス FUKUOKA 2017のプラチナ・スポンサーとして、Motivation Cloud (Link and Motivation Inc.) 様に本セッションをサポート頂きました。
ICCカンファレンスは新産業のトップリーダー160名以上が登壇する日本最大級のイノベーション・カンファレンスです。次回 ICCカンファレンス KYOTO 2017は2017年9月5〜7日 京都市での開催を予定しております。
▶「最高の成果を生み出すチーム作りの方法論を徹底議論」の配信済み記事一覧
中竹 前回(2016年9月のICCカンファレンス KYOTO 2016)もお話したのですが、やはり組織が成熟すると、良いか悪いか、成果を出すか出さないかということばかりになって、本質的に自分は何が好きで何をやりたいのかや、今の感情がどうかということをあまり考えなくなります。
(参考資料:「良いか悪いかではなく、好きか嫌いか」パフォーマンスを引き出す質問術 )
でも、実はそこの方が圧倒的に大事な訳じゃないですか。
皆分かっているにもかかわらず、組織が成熟するとそれが無くなるので、僕がチームを作る時には必ずそこにフォーカスしますね。
人生100年時代でいかに働くモチベーションを保つか
中竹 面談でも、相手の良いところと悪いところを聞く前に、どのプレーが好きでどのプレーが嫌いかというところにフォーカスします。
なぜかというと、チームも組織も全体的にそちらの方に引っ張られていくので、誰かが戻してあげないと人間らしくならないなというのがあります。
川邊 非人間的になるというのは、組織ではまさにその通りですね。
すぐに、「好きか嫌いかなんて関係ないじゃないか」という風になってしまいますよね。
けれども、そちらに戻すということですよね。
中竹 そうですね、戻します。
岡島 最近、働き方改革のようなこともあって、「長時間労働から長期間労働へ」といったことが言われていますね。
石川 寿命も延びましたしね。
岡島 そうですね。
人生100年となると、皆さん、やはり60年くらい働かなければなりませんよね。
川邊さんのようにお金を持たれている方は別かもしれませんが(笑)。
川邊 永遠に働こうと思っています。
岡島 でも、60年くらい働いていこうとすると、長期になりますから働き続ける内的なモチベーションがすごく弱まってしまうということなのでしょうか。
中竹 好き嫌いというのは、放っておくと忘れてしまうんですよ。
でも、自分が何が好きで、自分は何が好きでいうのは自分のことを一番考えている時間で、それが内的モチベーションを高めてくれているんですよね、きっと。
自分は何ができるかについては、人から言ってもらっても分かりますが、好きか嫌いかの嗜好の部分というのは自分にしか分からないので。
そこのスイッチが入るような質問を、こちらからいかに投げかけてあげるかということですよ。
岡島 やはり、すごく難しいなと思います。
今日の話でもそうなのですが、短期的に業績を出そうとすると、チームを組織化させてしまって、チームでどんどん組織に順応していって業績を出してもらうという方がすごく楽なのですが、それによって、やはり閃きみたいなものを失わせてしまうことにつながりますかね。
皆さんが過剰適応していってしまうという。
勝利や数字を追いかけるのが大事なフェーズもある
中竹 それはあると思いますし、今の話でいくと、勝利や数字を追いかけることを組織でやるといけないような雰囲気になっていますけれども、誤解して頂きたくないのは、そのフェーズが大事な組織も沢山あることなのです。
岡島 そうなんです。
中竹 今こそ数字を追いかけて数字だけ頑張って短期に上げないと、全員が滅びるとか、生き延びないフェーズの組織は、絶対数字を追いかけた方がいいですね。
文化をどう作るかには正解がなく、全ての組織において自分達なりのものを作っていかなければならないと思います。
岡島 ですから、やはりリーダーが自分達はどういうフェーズにあるかということをきちんと見立てることがすごく重要なのですよね、きっと。
川邊 しかし、せめて年度で見たいなという感じはしますよね。
四半期だと、もうひたすら数字だという風になってしまうと思いますが、年度で見たら、前半はちょっと自由にやろうかとか、創造的にやろうかという風にできますよね(笑)。
1~3月はちょっと追い込むぞ、といった風にせめてそこでコントロールできるから、見る期間をコントロールしたいですね。
初めは外的モチベーション一本がいい
石川 少し話が変わるのですが、聞いていて、また上野動物園の話なのですけれども。(笑)
(会場 笑)
上野動物園に行ったら、
岡島 今度は猿ではないのですか?
石川 今度は、若いお父さんが、「コラ! これ以上泣いたら捨てていくぞ!」と泣いている男の子を叱りつけていたんですよ。
どちらが動物か分からないなと思いながら見ていました。
川邊 猿でもそんなことやらないぞと。
石川 猿でもそんなことやらないですよね。
「捨てていくぞ」なんて。
妻と、「怖いね」と言いながら見ていたのですが、それを見て僕は、子どもにはこれくらいビシビシやってもよいのではないかなと逆に反省したんですよ。
甘やかし過ぎだなと思って。
例えば、僕の場合で言うと、うちの子はまだ小さいので色々なものを投げるんですよ。
食事中にもフォークなんかを投げて。
そうすると、妻は「やめさせるように言って」と言うんですよ。
でも、小さな子どもに言っても聞かないじゃないですか。
そもそも、なぜフォークを投げたらいけないのかと妻に聞くと、「お友達に当たったらどうするの?」と言うんですよ。
ちょっと待ってくれと。
うちの息子のリキくんはまだ2歳で、お友達はまだ一人もいません。(笑)
(会場 笑)
川邊 家ですよと。
石川 家です。
今は投げたいだけ投げさせておけと思っていたら、事件はその2日後に起こって、僕が寝ていたら、子どもが上からものをボーンと投げてきて、「うわ、痛い」といったことになりました。
厳しく言わないといけないなと。
川邊 怒った方がいいと。
石川 怒った方がいいところなのだなと。
何が言いたいかなのですが、感情とパフォーマンスというものに興味があって研究しているのですが、特にスポーツ選手には、長く活躍する人とそうではない人とがいるんですよ。
何が違うのだろうと思って調べたら、特に長い期間におけるモチベーションの持ち方が結構面白くて、競技を始めてから最初しばらくの間は、外的モチベーション一本でいった方がいいみたいですね。
とにかくそれで限界と思えるところまで到達した人間だけが、初めて、本来自分は何がしたかったのだろうという原点に戻って、内的モチベーションを高められるんですね。
まず外的モチベーションをグッと高めて、限界にぶつかって初めて自分の内面と向き合うという。
石川 中竹さんは、代表チームというある意味かなり極めた人達…
岡島 出来上がった人達ですよね。
石川 だからよいのですけれども、新卒で入ってきた若い子に「君は何がしたいの?」というのは多分ちょっと違っていて、最初はずっと外的モチベーションを…
岡島 Will・Can・Mustでいうと、Mustをまずやってねということですね。
石川 スポーツ選手の場合、まず“Must“に取り組むことで長く活躍できるというのは、見ていて思いますね。
中竹 そうですね。
やはり大前提として、会社員だったらやらなければならないスキル、つまり“Must“が必ずあるし、スポーツ選手にもある訳です。
サッカー選手とラグビー選手と野球選手では、まずどこの筋力を鍛えるかが違うので、そういう意味では、ベースは無理やりにでもやらせた方がいいですね。
コーチングにおける4つのステップ
中竹 最近は、言葉としても「ティーチング」と「コーチング」が2極化しています。
コーチングは「引き出す」、ティーチングは「伝える」という意味なのですが、例えば「コーチング」と一括りに言っても、4つの段階があるんですよ。
コーチングの中には、ちゃんと“Tell“という段階があります。
分からない人には、伝えなければならないんですよ。
次に“Show“、要するに人は言葉だけでは理解できないので、見せないといけない訳なんですね。
その次に“Ask“がきます。
問いかけですね。
問いかけの部分だけが「コーチング」のように思われていますが、実は4要素の中の1つに過ぎないんですよ。
一番最後は“Delegate“ と言って、要するにやらせるということですね。
問うだけではなくて本当にやらせるということです。
実は、これらを全てひっくるめたものが「コーチング」の手法なのです、
「ティーチング」と「コーチング」については、上から押さえるか引き出すかといった議論になりがちですが、多分どれも使わないといけないし、本当に良いエグゼクティブコーチを見ていると、本当にガンガン言っていますよ。
(続)
編集チーム:小林 雅/榎戸 貴史/戸田 秀成/横井 一隆/Froese 祥子
続きは キング・カズに学ぶ、長く成果を出し続けるモチベーション術 をご覧ください。
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【編集部コメント】
続編(その8)では、インナー・ドリーム(内発的な動機づけの感情的な源泉)と成果を長く出し続けることの関係性について議論しました。是非ご期待ください。他にも多く記事がございますので、TOPページからぜひご覧ください。
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