『(副社長)成田に全て任せた』会社の経営に一切タッチしない1ヶ月間 – クラウドワークス吉田氏のHARD THINGS – INDUSTRY CO-CREATION

『(副社長)成田に全て任せた』会社の経営に一切タッチしない1ヶ月間 – クラウドワークス吉田氏のHARD THINGS

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クラウドワークス吉田さん、ナイル高橋さん、Fringe81田中さんをお迎えし、「俺たちのHARD THINGS」を議論しました。

(その5/最終)はクラウドワークス吉田さんの「『(副社長)成田に全て任せた』会社の経営に一切タッチしない1ヶ月間」などの体験談が共有されました。最後まで是非ご覧ください。

登壇者情報
2016年6月25日開催
ICCカンファレンス CONNECTION 2016 
Session 1
「俺たちのHARD THINGS」
(スピーカー)
吉田 浩一郎  株式会社クラウドワークス 代表取締役社長 CEO
高橋 飛翔    ナイル株式会社 代表取締役社長
田中 弦      Fringe81株式会社 代表取締役
(モデレーター)
小林 雅     ICCパートナーズ株式会社 代表取締役

その1はこちらをご覧ください:「ドリコム役員解任から得た経営者としての学び – クラウドワークス吉田氏のHARD THINGS」
その2はこちらをご覧ください:「全資金投じ、累計売上2万円だったオンライン予備校サービス – ナイル高橋氏のHARD THINGS」
その3はこちらをご覧ください:「『めちゃくちゃ嬉しかった』心を入れ替えるきっかけとなったお歳暮 – クラウドワークス吉田氏のHARD THINGS」
その4はこちらをご覧ください:「預金残高20万円の日に振り込まれた9,000万円の資金調達 – Fringe81田中氏のHARD THINGS」


小林 それでは次の「HARD THINGS」へまいりましょう。

ICC CONNECTION 2016 Keynote 0616.015

高橋 2011年に、ウチはSEOの事業をかなり集中してやっていたのですが、Googleのアルゴリズムの手法がかなり変わって、今までやっていた手法が全然通用しなくなって成果がでなくなり、売上に大きな打撃を喰らったという話です。

小林 売上はどれくらい減るものなのですか。

高橋 この時は新規で取ってもいたので、そこまで減ってはいなかったですが、成長があまりありませんでした。

ただ、その時メンバーが良いチームになっていたので、しっかり支えてくれてカバーできました。

そして今は、これからGoogleがどんな方針変更をしようが絶対に成果を出し続けられるような状態に事業部全体としてなっているので、今後はこうしたことがもう起きないようにできていると思います。

そういう「HARD THINGS」です。

小林 それは良い話ではないですか。

高橋 つまり全然「HARD THINGS」ではないですね。

ただ、事業的には「HARD THINGS」でしたという話です。

小林 でもこれは三つ目で、一つ目、二つ目がありました。

それらはハードでしたよね。

高橋 はい。最もハードだったのは、二つ目でした。

一つ目は「まあ、事業というのはそう簡単にうまく行かないよね」と言っていられました。

しかし、二つ目は絶対に行けると思い突っ込んで、むき身の状態で滅多切りにされた出来事でしたから、本当に辛かったです。

対して、この三つ目は全然余裕です。

もちろん、経営者の気持ち的には、ということですけれど。

現場はすごく頑張ってくれました。

小林 なるほど。それでは次へ行きましょう。

ICC CONNECTION 2016 Keynote 0616.016

小林 同じようにGoogleですね。

田中 なぜだか、僕が「ぶっこむ」とGoogleとぶつかるのです。

そして、潰されないで何とかなっているのですが、これは嫌でした。

これも手元資金3分の1くらいを使ってソフトウェアを作ったのですが、作った後に「無料で出します」とYahooさんとGoogleさんが言ってきたのです。

これはどうすれば良いのかわからなくなって、思考停止になった。

でも、この事業もまだ生きているのです。

吉田 これは何の事業なのですか。

田中 タグマネジメントと言って、広告のタグをまとめて、さらにまとめることによって高速化するということをやっていたのです。

これも来ると思っていたのですが。

吉田 ワンタグのようなものですか。

田中 ワンタグのもう少し進化したようなものです。

ですから、ヤフータグマネージャーやグーグルタグマネージャーというものがあるのです。

しかし、ウチはずっとこれを開発していたのです。

「これが来る」と考えていましたから。

そして、結構開発して出来上がったら、また同じようなタイミングで「無料です」という話だった。

対して、われわれは有料プランです。当然、投資分を回収しなければならないので。

でもこれではどうしようもない。それで「終わりましたね」などと話をしていました。

ですが、「ハイエンドのモノを求める人がいるはずだから、ウチはハイエンドのところだけを狙いに行こう」と言って、結局まだ有料で続けています。

小林 また残存者利益があるということですか。

田中 はい。これはもう完全に償却も終わりつつあるというところです。

またもや残存者利益です。もちろんまだ戦ってはいますよ。なので途中ではあるのですが。

吉田 そのYahooやGoogleが無料でやると発表した時、社内のチームの雰囲気というのはどのようになるのでしょう。

田中 それはもう「終わった」という感じです。

小林 普通そう思いますよね。

高橋 それはニュースか何かで朝見るのですか。

田中 ええ、だから「こんな発表が出ていますが」などと言われるのです。

そして、「そうなんだ。終わったね」というふうになる。

吉田 それで社内の雰囲気が悪くなったりはしないのですか。

田中 でも、そこは「作ってしまったのだからもったいない」という感じです。

吉田 われわれはわれわれなりに、ということですか。

田中 戦い方も結局、同じ土俵にやってきたのが、土俵をもう一つ別に作って、別のところで戦うしかないということでした。

だから、そういう戦い方をすれば良いというのが一つ。

それから、一回RSS広告の時にやっているので、「またもう一回やればいいのだ」ということで「終わった」ということだったのです。

高橋 でも、組織が一回域値を超えた困難を体験すると、次にそこそこの波が来ても全然大丈夫ということはありますね。

田中 全員頭おかしくなっているのです。

「もう一回やればいいじゃん」と言うと「そうですね」というふうになるのですから。

ですから、こういうことがあれば、しょうがないということですね。

小林 それでは会場からの質問を受け付けたいと思います。

どなたか質問のある方はいらっしゃいますか。それではお願いします。

経営者の器

質問者1 法人と個人というところの線引きなどもみなさん価値観が違われたように見ておりましたが、結局は自分の器というものが広がっていかなければ会社も広がって行かないように思われます。

この「HARD THINGS」というのは器を広げるという意味でも良いことだと思うのですが、みなさんが最も「経営者としての器が広がった」と思うようなところはどこだったでしょうか。

もし、「HARD THINGS」であればそれで良いのですが、そうではない場合もあると思いますので、教えていただきたく存じます。

小林 それでは吉田さん、お答えお願い致します。

吉田 私は先ほどの、それぞれが辞めそうになるという話の中でのことです。

ウチの副社長の成田は、本当に創業から二人三脚でお互い何の心配もせずに走っていた仲なのですが、直近のことなのですが、周囲から、「成田は辞めるという話があるらしい」ということを聞いたりしました。

成田 修造さん(株式会社クラウドワークス 取締役副社長 COO)
成田 修造さん(株式会社クラウドワークス 取締役副社長 COO)

創業から今までそんな話は全然出たことがなかったのですが、ここまで来て「どうやら吉田さんと価値観が違うのではないか」というような話が周りから聞こえてきたのです。

その時に、いろいろ悩んで、悩んで、悩んで、取った手段というのが、2月15日から3月15日くらいの1か月、私はサンフランシスコにいたのですが、会社に一切タッチしないということでした。

メールもしない、指示もしない、成田にすべて100%任せた。

今までしていたちょっとした記事のシェアなども指示に聞こえるみたいなので、それもやめました。

ですから、経営陣から何かメールが来て、「吉田さん、答えてください」という指示がない限り、何もしない。

私は成田を信じるので、成田がすべて考えてやってみてください、と言って1か月まったく会社にタッチしなかったのです。

ですから地獄ですよ。

メールは見るので、指示はしたくなる。やむをえないので、『ウォーキングデッド』を見ていました。

しかし、それで3月15日に成田と会った時には、完全に信頼関係は戻っていましたね。要は、成田としてシュミレーションで全部自分で1か月やってみた。

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その中で、やはり吉田さんがいなければ駄目だというところと、自分がやった方が良いというところを、成田主導で決めたわけです。

参考資料:クラウドワークス成田さんは2016年3月24日に「No.2の役割」に関するパネルディスカッションに参加し、No.1とNo.2の役割分担や信頼関係構築に関して議論しました。記事をあせてご覧ください。

この場合はスーパーパフォーマンスではなくて待つ立場ですね。組織が育つまで自分はしっかり構えている。

本当に戦などで言えば、山の上でどんと座って待っているのです。進軍を待つように。そういう戦い方を覚えたというところは、とても器が広がったという感じがありました。

小林 スーパーパフォーマー高橋さんとしては、器が広がった瞬間というのはどうでしょう。

高橋 まず、すべて原因自分論で生きることというのはすごく大事だと思っています。

つまり、何が起きても、会社で社長をやっていたら、最終的に絶対トップの責任でしょう。

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だから、「HARD THINGS」も日々ある困難も、全部自分がもたらしたということを前提に置いて生きるということを心がけています。

その上で、否定される経験というのがすごく自分を成長させるように思われます。

それは「HARD THINGS」もそうなのですが、たとえば年配の方からご指摘を受けるとか、部下から間違っていると意見を言われるとか、そういう否定される経験でしか人間は軌道修正していけないと思っています。

逆に、成功して「すごいね」と言われても「イエーイ」ということで終わってしまいますよね。

それでは全然意味がない。

ですから、まず精神的な部分で、自分にすべてが起因するから、自分が失敗や困難に対してこう立ち振る舞えていたらカバーできたのではないかとか、事前に回避できたのではないかというところを常に考えるようにすることと、何か自分が否定された時にそれを跳ね返してしまうのではなく受け入れてなんとか自分の中で内省して、自分を変える努力をすることによって器というのは広がっていくのではないかと思っています。

質問者1 否定してくれる人がいるところへ、わかっているのにあえて行けないということはありませんか。

高橋 たぶん何かを一生懸命やっていると絶対に否定される瞬間があると思っています。

吉田 どういう時に否定されるのですか。

例えば社外取締役から否定されるとか。

高橋 社外取締役から「こういうふうに考えた方が良い」と言われることはあります。

吉田 もう少し具体的に教えていただけませんでしょうか。

高橋 社外取締役の方からですと否定の度合いは低いですね。真正面からズバリと否定というよりは、斜めから受け入れやすい形でアドヴァイスをもらうことが多いです。

対して、役員などからは、定期的に面談などをするのですが、その場で「こういうところについては直してほしい」という話になります。

吉田 でも、役員がそれを言えるというのは健全ですね。

高橋 そうですね。

吉田 その場をどう作るかというところでしょう。

役員が社長に対して何か言えなくなると絶対に続かないでしょうから。

高橋 それについてを言うと、僕が普段関わっているメンバーから、半年に一回フィードバックをドキュメントで受けています。

社長の良いと思う点、改善して欲しいと思う点、というふうにして全部もらってます。

そして、改善して欲しい点がとてもたくさんあるのです。

田中 えらいですね。

高橋 そして、その一つ一つについて役員と膝を突き合わせながら、「俺はこれは納得する」「こう指摘されたけれど、俺は絶対そんなことはない」とか言ったりもします。

吉田 え、言うのですか。

高橋 言います。

吉田 なんでそこで抵抗するのですか。

高橋 いや、納得いかないこともありますでしょう。

吉田 ああ、納得いかないことについてですね。

高橋 ええ。向こうから見ればそうかもしれないけれど、こちらからすればそうではないということもありますから。

田中 大人ですね。僕は「俺にフィードバックするな」と言いますから。

吉田 え!

田中 360度評価のようなものは嫌いなのです。なぜフィードバックしてくるんだと。

僕は別に相手を否定するタイプではないし、我を通すタイプでもないのでそうなのかもしれません。すぐ直しちゃう。

だから、あまり、直してくださいなどとも言われたくもない。

iccconnection2016-session1-5-1

高橋 でも、そういう場を設定してやると、絶対直してくださいというものが出てくると思いますよ。

田中 そうですか。

高橋 はい。僕も普段は言われないのですが、依頼時に「フィードバックは相手への贈り物です。だからしっかりあなたの思うことを、配慮を持って書いてあげてください」という風に書いて受け入れる姿勢を示すことで、いろいろな意見が出てくるようになります。

小林 良い言い方ですね。

田中 僕は絶対にやりませんね。

吉田 何だか、全然ワンマンではなくなったということですか。

高橋 いや、元々そうですよ。

田中 では僕の方がワンマンかもしれません。

吉田 昔はもっとスーパーパフォーマンスのイメージでしたが。

高橋 昔から、「もっと言って」というのはあったのです。

否定されてもっと成長したいので、もっとお互い言い合おうということで。

だから、自分も言うし、相手にも言うことを求めてきました。

吉田 いや、昔は絶対にもっと尖ってましたでしょう。

高橋 いえ、昔からそうです。

吉田 そうですか。

高橋 ですから、昔も、人から言われてすぐに「それは違う」と否定するのは良くないと言われた時に、それを受け入れて答え方を変えるということをしたのです。

小林 それでは最後に一問ほど質問を受けましょう。お願いします。

経営チーム同士の関係性

質問者2 みなさんのお話を聞いていて、事業面での「HARD THINGS」よりも、会社の内の話のところがすごく「HARD THINGS」だと思いました。

吉田さんの、成田さんとのエピソードもそうなのです。

そこで高橋さんと田中さんにも、役員同士の関係性の悪化とか、そういったエピソードがあれば教えて欲しいです。

小林 それは自分が何かその部分で悩みを抱えているからでしょうか?

質問者2 ちょうどウチも今、取締役の3人の役割分担など、関係性をいろいろ見つめ直している時期なのです。

そのあたり参考にできればと思ってした質問でした。

吉田 今、「見つめ直して」とうまく言いましたが、実際はそんなものではないでしょう。

小林 これをどうするかということですか。見つめ直し方を教えて欲しい、と。

質問2 そうですね。信頼関係が揺らいだ時、それをどう乗り越えていったかというお話をお聞きしたいのです。

小林 それでは吉田さんは先ほど答えたので、高橋さんと田中さんにお聞きいたしましょう。

高橋 僕は2009年に、当時の役員に「悪魔」と言われ、他の役員には「代表は金儲けはうまくない」と言われ、彼らは辞めてしまったということがありましたから、その時は止められなかったです。

当然、慰留したのですが。

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吉田 それはなぜ「悪魔」と言われたのですか。

悪魔と言われるところまで行くには結構積み重ねがないと、そうはいきませんでしょう。

高橋 当時、ウチの会社はゴリゴリの営業会社だったので、発破をかけてテレアポを一生懸命かけさせたりしていたのです。

また、サービスの品質改善というところが見えていないのに、営業が止まってしまったら会社が潰れるので、「何としてでも売れ」ということを指示するのを横で見ていて、「悪魔だな」と思ったらしいです。

小林 逆に言うと、先ほどの「良いところでも悪いところでも言ってくれ」とやってきたから、今は良い感じでやれているというところがあるのでしょうか。

高橋 それもそうですし、お互いに徹底的に言い合おうという前提でチームを作っているので、自分が相手の課題に思うところなども即座に言います。

そういうところは良くないと思うし、やめて欲しいという話はすぐにするようにしています。

みんなが僕に対して全てを言ってくれているとは思わないですが、みんなからも定期的に言えるような機会を設けて、なるべく言ってもらえる環境を作っているということです。

吉田 その役員が辞めた後も、会社の態勢というのはそんなにすぐには変わらないでしょう。

そこはどうやって改善していったのですか?

高橋 その役員が辞めるとなった瞬間に、もう全部自分の頭で考えようと思いました。

今までは、彼らの話も聞きながらやっていたのです。

その人たちの話を聞きながらやって、採用して、みんなで決めてやってきても、「悪魔」とか「お前は金儲けがうまくない」などと言って人は辞めてしまうので、最後の最後までリスクを取る人間は僕以外にいないということに気づきました。

それから毎日会社に本を何冊か持って行って、3か月くらいひたすら本を読み続けたのです。

本当に経営戦略の基礎のような、事業再生の基礎のような本をたくさん買って、それをひたすら読んで、「今のこの状況はこれだ」となって、「こうすれば打開できるはずだ」というものを見つけました。

吉田 それは創業何年目のことですか?

高橋 2009年なので、3年目です。あの、一番ハードだった時です。

そこで結局何をやったかと言うと、「選択と集中」で、いろんな事業をやっていたのを全部一つに絞って、SEOを売るということを全員でやっただけなのですが、自分で解を出すということを「経営者として」初めてやった経験だったなと思います。

少し質問からズレてしまいましたが、役員同士で絶対に思ったことなどを納得いくまで言い合おうという前提で役員にしていますし、普段からそういうコミュニケーションを取っているので、すると何だかんだ日々日々補正されながら良い関係が築けているかなと今は思っています。

小林 田中さん、どうでしょうか?

田中 僕はあまり役員同士でモメたことがないのです。100%信じているので、別にまったくモメません。

ただ、一回、もう7年くらいになりますが、取締役のNO.2が辞めたのです。

その時も最初、「辞めたい」と言われたら(自分が)ショックで死ぬのかな、と思いました。

辞める気配があったので。

それで言われると、「ああ、そうなんだ。まあ、君の人生もあるよね」というふうになって納得できたのです。

もちろん嫌ですよ。でも別に泣きもしないし、死にもしない。

吉田 でも、会社の中は大混乱しますでしょう。そうでもないですか?

田中 結局それはGoogleがやってくるのと一緒なのです。Yahooとかがやってくるのと一緒で、そういうこともあるということです。

小林 悟りを開いているわけですね。

吉田 それは初めから割と達観しているのですか。

田中 いや、いろいろな嫌なことがあって、もちろんそれを反面教師にしているところもあるのですよ。

別に達観しているというわけでもないのです。

でも、今の役員は僕は100%信じていますし、全然モメてもいないですが、もしモメたら「辞めちゃうんだろうな」と思います。

吉田 それから、ちなみに質問者へのフォローとしてもう一つ。

ウチは成田以外に役員もう2人辞めそうだったのです。

その一人は、変革をして、残ったのです。

そして、もう一人は、変革できなかったのですが、変革しないことを私が受け入れて、会社として「では、お前はそのままで良い」ということで今も一緒に働いています。

ですから、いろいろな着地の仕方があるということです。

高橋 絶対に誰も辞めないというのは、おそらくあり得ないでしょう。

どこかで別れるタイミングというのはある。

100%信頼はするし、何とか折り合いをつけて行くために努力はするけれど、最終的に辞めてしまったとしても、ショックを受けてそこから立ち直るしかありません。

そういう割り切りを持ってやっていくしかないように思います。

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田中 ウチも不満がいろいろあった時もあると思うのですが、その時に全員に言ったのは、「みんな俺の気持ちになってくれ」ということです。

「俺に憑依してくれ」と。

「俺だったらどう考えるか考えてくれ」というふうにずっと言い続けました。

そうやって、「もし俺だったらどう考えると思うか」という話をし続けますと、みんな僕のような感じになっていくのです。

考え方とか、判断軸とか、何が嫌とか。

そういうものがだんだん染みついてくる。

すると、だんだん他の役員がすることも、「ああ、俺っぽいな」というふうになってきます。

吉田 結構、自分のやり方を理解させるのですね。

田中 先ほど器という話が出ましたが、僕は器というのはあまり広がらないと思っているのですが、判断軸はいろいろ広がると思うのです。

これは嫌だとか、これは良いとか。

だから、これを役員同士で共通項として持っておけば、別に間違ったことは決めないだろうとは思っています。

最後のメッセージ

小林 話も盛り上がっておりますが、そろそろ時間も迫っております。最後に今日の話の感想を伺いたいと思います。

田中さん、高橋さん、吉田さんの順でお願いします。

田中 吉田さんが丸くなったなと思いました。

僕は、ドリコムの吉田さんを知っていますから。

吉田 そうですね。田中さんとはドリコム時代から知った仲でした。

小林 何と言っても「営業の達人」という名刺を持っていた人ですからね。

内藤さんと名刺交換をして、「営業の達人だったらウチに来てよ」となった。

吉田 そうです。内藤さんはその名刺で誘ったのです。

田中 でも、それは吉田さんが丸くなったとか、器が大きくなったというよりは、いろいろな経験をされているので、判断基準がすごくあるということのような気もします。

ですから、ズバッと言えますし、丸くなったという感じでもないのかもしれません。

高橋 悪魔的かつ金儲けの下手な、社員が続々と辞めている会社の社長、というふうになっていないか心配です。

「スーパーパフォーマンスしている」とか言っていますし。

ウチの会社について補足しておくと、今は離職率がとても低い会社になっております。

そこだけは最後にアピールさせていただきたく存じます。

それにしても、みなさんの「HARD THINGS」がとても多種多様なのですが、その中の判断などにすごく共感できる部分がありました。

特に、吉田さんとのシンパシーを感じたのが新鮮でした。

そんな会でした。面白かったです。

小林 それでは最後に吉田さん、締めていただいて。

吉田 とても三者三様という感じがしました。

オーナーシップについての考え方など全然違いますし、社長と経営陣との関わり方も違う。

やはり本当に話せば話すほど百人百様の型があるので、あまりそこは真似ができないのでしょう。

ですから、(日本電産の)永守さんや(ソフトバンクの)孫さんが良いと言いますが、結局それを部分的に真似しても仕方がないので、自分なりの型をいかに作るかということに最近は注力しています。

ですから、今はもう他の社長の本などは読まないのです。

やはり、いかに自分の軸を作るかです。

ですから、ここにいらっしゃる方は、起業されている方もいらっしゃると思いますが、どちらかというと観察して対話して、自分なりの型をいかに作るのかというのが重要なのかとは、今日の議論を聞いていて思いました。ありがとうございました。

小林 このSession 1はかなり盛り上がりまして、記事になれば炎上するかもしれませんが、そこは編集致しますのでご安心くださればと思います。

それではSession 1を終わりにしたいと思います。

どうもありがとうございました。

(終)

iccconnection2016-session1-5-all

編集チーム:石川 翔太/小林 雅

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ICCパートナーズ(ICC Partners Inc.)は産業を共に創る経営者・経営幹部のためのコミュニティ型カンフ ァレンス「Industry Co-Creation(ICC) カンファレンス」の企画・運営および新規事業創出・アライアンスなどのアドバイザー業務を行っています。