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「経営課題を解決する、オウンドメディアリクルーティングとは?」全7回シリーズの(最終回)。引き続き、会場からの質問に登壇者が答えます。オウンドメディアにおける「適時情報開示」の作法とは? 人材エージェントへの依存度は今後どう変わる? そして「良い採用担当者」を採用するための秘訣とは? 最後までぜひご覧ください!
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ICCサミットは「ともに学び、ともに産業を創る。」ための場です。毎回250名以上が登壇し、総勢900名以上が参加する。そして参加者同士が朝から晩まで真剣に議論し、学び合うエクストリーム・カンファレンスです。 次回ICCサミット KYOTO 2020は、2020年8月31日〜9月3日 京都市での開催を予定しております。参加登録などは公式ページをご覧ください。
本セッションは、ICCサミット FUKUOKA 2019 ゴールド・スポンサーのIndeed Japanにサポートいただきました。
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【登壇者情報】
2019年2月19〜21日
ICCサミット FUKUOKA 2019
Session 8F
経営課題を解決する、オウンドメディアリクルーティングとは?
Sponsored by Indeed Japan
(スピーカー)
高橋 信太郎
Indeed Japan株式会社
代表取締役/ゼネラルマネジャー
永見 世央
ラクスル株式会社
取締役CFO
渡邊 大介
株式会社ヒューマンキャピタルテクノロジー
取締役
(モデレーター)
石黒 卓弥
株式会社メルカリ
Manager of Organization & Talent Development
(当時)
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最初の記事
1. 御社の人材獲得・採用活動への「本気度」が分かる10の質問
1つ前の記事
6. 採用担当者にも「Googleアナリティクス」運用スキルが求められる時代
本編
オウンドメディアにおける「適時情報開示」の作法
質問者3 皆さんのお話を伺って、採用活動はIRに近いと感じました。
株式市場であればIR情報をステークホルダーに開示しますが、採用市場であれば求職者に採用ポジションごとのジョブディスクリプション(JD)を開示します。
その時、事業や組織のフェーズに応じて、例えば最初はオウンドメディアに経営者を出す、ある時は現場のエンジニアを出す、といったように情報を変化させてゆく必要があると思います。
そのように意図的にパーセプションを変えようとしたとき、それまでの読者や転職を考えている人に「情報が今までと違うな」とギャップや不安を感じさせないためには、どのようにメディア運用を行っていけば良いのでしょうか。
石黒 パーセプションチェンジという話ですね。
質問者3 はい、例えば「競合が変わったため、出す情報を変えなければ」といった状況を想定します。
渡邊 パーセプションチェンジだけではなく、「重要な人材が退職した」みたいなシチュエーションもあると思います。
株式会社ヒューマンキャピタルテクノロジー 取締役 渡邊 大介さん
これはあくまでイチ社員として感じた例になりますが、サイバーエージェントから某社に転職したとても優秀なエンジニアがおりました。
彼はサイバーエージェントの中ではスターで、彼を目当てに入社する人がいる状態でした。
サイバーを代表するサービスにはたいてい彼が関わっていたのではないか?というくらい優秀な人でしたから、社内でも彼の退職は注目が高かった。
注目と言うよりは「彼がいなくなることへの不安」がとても大きかったように感じます。
そんな時、弊社の経営陣がブログに彼を「戦友」として取り上げ、前向きに送り出したんですよね。
石黒 4人で食事している写真が藤田社長もブログに挙げていましたね。
渡邊 「経営陣は理解をして送り出している」というメッセージになっていて、社員が安心した感じがありました。
その人がいなくなってしまったといっても、社員や求職者が藤田のブログまでたどり着いてもらえれば経緯が書いてあるので、トップがこのように送り出してあげるのは、結果論ですが良かったのではと思います。
ウェブ社会において過去のものを消すのは難しいので、事実を説明することが大事です。。
質問者3 ありがとうございます。
採用ルートごとの「理想的な割合」を考える
質問者4 普段、採用支援企業にいて感じるのですが、本日のオウンドメディアリクルーティングはまさに、人事担当の方にやってもらえるとすごく良いと思いました。
ですが、やはり人事担当の方は最後はエージェントに頼ることが多く、実際の採用者の割合もエージェント経由が多数派な企業が多いと感じます。
そこで、皆さんが最終的に到達したい「採用ルートの割合」みたいなもの、例えばエージェント・採用メディア・採用支援媒体の個社ごとの割合など、その世界観を伺えればと思います。
高橋 マーケットの中にどの程度の人材がいるのか、そしてどのメディア・方法論でその人材にリーチできるのかなので、一般的には「こういった割合」とはならない、というのが結論だろうと思います。
Indeed Japan株式会社 代表取締役/ゼネラルマネジャー 高橋 信太郎さん
何をやるにしても採用主体者がその職種に対する理解をきちんと持ち、責任をもって情報発信をするのであれば、メディアであろうがエージェント経由であろうが、それはきちんと伝わり、ベストマッチな採用が進むでしょう。
もう一つは、私が申し上げるのも恐縮ですが、日本の高すぎる採用コストは、誰もが考えなければならない問題です。
日本は諸外国に比べてCost per Hireが一番高いのですが、これはグローバル化の流れに伴い減っていくはずです。
その時、コストを圧縮しながらベストマッチさせるにはどういうコンビネーションが良いのかという発想であれば、その割合は時代とともに変わっていくと思います。
永見 グローバル化の点で、グローバル企業の最たる例としてGoogleやFacebookの採用においてエージェントの割合は何パーセントくらいなのでしょうか?
石黒 関係者の方がいれば補足やご指摘いただければと思いますが、Googleは基本的にエージェントは使っていません。
とても判断が難しいポジションの時にエージェントというか、エグゼクティブサーチを使うということはあると思います。
永見 すると、エージェントが理想的にはゼロになるという社会もありえますか。
石黒 ポジショントーク的な話で言えば、それもありえるとは思います。
ただ、エグゼクティブなどどうしても採用が難しいポジションに関して言うと、例えば金融機関の部長などはスタートアップのオウンドメディアを読んでいないでしょうから、やはりエージェントの力を借りる必要はあると思います。
人材エージェントへの依存度は今後変わってゆくか?
高橋 後は、キャリアアドバイザーが1日何名の求職者を処理できるのかといった話があり、その領域はAIが取って代わるのではと言われています。
インターネット上に求職者のレジュメや行動履歴があるため、AIによりある程度まではマッチングを行い、残りのエグゼクティブサーチのようなマッチングの難しいところで人間が介在する、というのが、実はIndeedが実現しようとしている世界感の一つです。
石黒 ありがとうございます。永見さんはいかがですか。
永見 我々としては利益だけを最大化するフェーズの会社ではまだないため、それよりは優秀な人材と一緒に働けることが最大の目標であり、チャネルの比率は目標ではなく結果論です。
石黒 経営者である永見さんからそのように発言いただくのは、人事担当者の皆さんにとっては心強いのかなと思います。
メルカリでは2年前くらいからそのようなスタンスが非常に強く、採用できないのであればエージェントフィーの比率を上げようという話はあり、投資よりも、人が採用できずポジションが空き続けることへの恐れが強いです。
渡邊 サイバーエージェントはオウンドメディアリクルーティングを頑張っている一方で、どうしてもリーチしにくい層に対しては、新卒・中途共にエージェントを活用しています。
サイバーはよく「キラキラ」していると言われるので、本当に採用したい優秀層がなかなか待っているだけでは受けに来てくれません。
我々の経営戦略からしても、どんどん優秀なエンジニアを採用していきたいし、事業を成長させる経営人材をどんどん採用していきたい。そのギャップを埋めるためにもエージェントの皆様の力は引き続きお借りしなければと思っています。
高橋 サイバーエージェントにも悩みがあると聞いてほっとしました(笑)。
永見 後は、エージェントの方にファンになってもらう、つまり「エージェントの方々にラクスルのことをきちんと知ってもらい、候補者を口説いてもらう」というのが大事だと思っており、そのためのオウンドメディアも結構レバレッジが効くと思っています。
高橋 その点は非常に重要ですね。
石黒 そこで再びJDが重要になってきて、ディテールが書かれていないとエージェントが探せないということですね。
最後に一つ、質問を受け付けたいと思います。
「良い採用担当者」を採用するための秘訣とは?
質問者4 「良い採用担当者を採用するためのJD」はどのようなものでしょうか?
採用担当者の採用はとても難しいと感じていて、どのようなことが求められているのか各社に伺いたいです。
石黒 これは、このテーマでワークショップをやると良いかもと思うくらい、難しいご質問です。
メルカリでは様々なところにJDを掲載していますが、最初から職務要件を書かず「こういうミッションとこういうビジョンの達成のために、こういう世界をつくりましょう。ところで、こういう仕事なのですが」というふうに書いています。
当たり前かもしれませんが、そこに共感しないと採用が難しいです。
後は、人事経験があるか否かなどは二の次でJDを書いています。皆さんはどうですか?
渡邊 先ほどの話に繋がりますが、ウェブマーケティング経験者、欲を言えばブランディングも経験してる人材、が採用人事のJDには必要な項目だと考えています。
もちろん難しいと思うのですが、ウェブマーケティングで当たり前にやっているファネル管理を、人事はあまり行っていません。
おそらくウェブマーケティングの人であればもう気持ち悪くて仕方ないと思うのですが、母集団形成を行って、それをどのように絞っていくかはブラックボックスといったことになっており、採用にいたるまでのラダーがうまく組めていないことが多いように感じます。
母集団を作るところにコストがかかるため、(ゴール)手前のレートをうまく変えていって、母集団を少なくするのも重要です。
永見 僕も、今の考え方は当たり前のように必要だと思いました。
あとは良い採用担当者にエキストラで求めたいコンピテンシーは「言語化能力」です。
言語化できる人は、例えば「このポジションは普通に考えたら日産・トヨタなどの大企業からしか採用できないけれど、意外とこの会社のこういうポジションも、この業務に当てはまるのでは」というのを言語化し、社内外に説明できます。
これはそれなりに稀有な能力で、かつこの能力の有無と人事経験者か否かは全く関係がありません。
高橋 弊社は今年は全部で数百人程度を採用するのですが、この1月から、トップ営業すなわち僕の右腕のような人間をTA(タレントアトラクション)の部署に異動しました。
タレントマネジメントもそうですが、営業は結局人の数で売上が変わりますから「このタイミングまでにこれだけ採用する」というコミットメントが必要です。
ただ、彼はもともと人事経験があったので僕としては何の不安もなかったのですが、異動に際しては3ヶ月間、頼み込んで納得してもらった経緯があります。
石黒 最後に補足ですが、「興味がない人が応募したくなくなるJD」も必要だと思います。
よくある話ですけが、究極的には本当に欲しいたった1人の候補者が応募してくれればよいのです。
それを狙ったJDであるべきだと思いますし、そこに刺さる内容、いわば「for you」となっているJDが書ければ良いかと思います。
すごく楽しいセッションだったのですが、お時間が来てしまいました。
スピーカーの皆さんに拍手いただければと思います。
今日はお付き合いありがとうございました!
(終)
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編集チーム:小林 雅/尾形 佳靖/小林 弘美/戸田 秀成
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