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7.MIIHI休養でもぶれない方針が、チームの結束を固める

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「Nizi Projectから学ぶ採用と人材育成の仕組みとは?」全8回シリーズの(その7)は、「J.Y. Parkの人材戦略の明確さ」について議論が始まります。メンバーが長く活躍するためには何が必要かを明確に言語化し、組織を作りながら長期目線でプロジェクトを考えるという戦略は、そのまま企業経営につながります。ぜひご覧ください!

ICCサミットは「ともに学び、ともに産業を創る。」ための場です。そして参加者同士が朝から晩まで真剣に議論し、学び合うエクストリーム・カンファレンスです。 次回ICCサミット KYOTO 2021は、2021年9月6日〜9月9日 京都市での開催を予定しております。参加登録は公式ページのアップデートをお待ちください。

本セッションは、ICCサミット FUKUOKA 2021 ダイヤモンド・スポンサーのノバセル にサポート頂きました。


【登壇者情報】
2021年2月15〜18日開催
ICC FUKUOKA 2021
Session 12E
Nizi Projectから学ぶ採用と人材育成の仕組みとは?
Supported by ノバセル

(ホスト)

青田 努
NiziU研究家

(ゲスト)

岡島 悦子
株式会社プロノバ
代表取締役社長

田中 允樹
株式会社リンクアンドモチベーション
MCVカンパニー カンパニー長

玉川 憲
株式会社ソラコム
代表取締役社長

【一挙公開】Nizi Projectから学ぶ採用と人材育成


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最初の記事
1.「NiziU研究家」青田 努さんがモデレートする、話題のプロジェクトから学ぶ採用と人材育成の仕組み

1つ前の記事
6.J.Y. Parkは、なぜNiziUのメンバーの人数を最後まで明かさなかったのか

本編

「エネルギー量」は後から伸ばすのが難しい

青田 トレーニングで伸ばせないもので、僕がリクルートグループで新卒採用をしていた中で言うと、「エンジンの大きさ」はやはり後から大きくするのは難しいです。

田中 なるほど。エネルギー量みたいな感じですか?

青田 はい。こればっかりは。人によっては現役の社員よりも学生のほうが勝っている部分があります。

このエネルギー量はうまく表現できないのですが(笑)、これは後から伸ばすのはかなり難しい感じがします。

岡島 素直さなのかエネルギー量なのか分かりませんが、J.Y. Parkさんが「世の中で一番美しいのが“新人の目つき” 。切実さと夢がいっぱい入っている」と言っているじゃないですか。

岡島 「切実さ」がすごく重要だと思っていて、真っ直ぐで、濁っていないということもあると思いますが、切実さにはやはり情熱や熱量みたいなものがたぶん入っているのだろうなと思っています。

最初のほうでRIMAも、誰かをまねるということではないと、「借りてきたような典型的な表現はしないでください」と言われています。そういうこともすごく分かりやすいなと思います。

今回私たちが見つけたいのは原石だという時に、「原石」と言われるより、新人の真っ直ぐな目がすごい好きですみたいに言われると、「おお!」と思いますね。

青田 すごいそれは分かります。

玉川 AYAKAに対しても言いましたよね。「実力で判断したら不合格にするのは当然」と。

ただ「アイドルが夢ですか? 切実な夢ですか? 一生懸命習いたい気持ちはありますか? 約束しましたか? 本当に約束しましたか?」と何回も(笑)。

岡島 しかも返事の「はい」が速い!

(一同笑)

青田 それを最後まで実践したAYAKAはやはりガッツがありましたよね。

岡島 あと、彼女は韓国合宿に行くまでに韓国語がペラペラになっていて、ハングルも書けるのを見ていると、自分が何をトレーニングできるのかみたいなことをすごく知っているというか、頭がいいんだろうなと思います。

田中 自分に何のパーツを加えればいいかがよく分かっているので、J.Y. Parkさんもアドバイスしていて楽しいのでしょうね。変化度合いが分かるので。

青田 しかもデビューした後のほうが長いですから、その期間を通じて、さらにどんどんレベルアップしていく成長力みたいなところが大事になってくるのでしょうね。

スターで「あり続ける」要件を言語化

青田 あとは、「J.Y. Parkの人材戦略の明確さ」という大きめのテーマに行ってみますか。

岡島 スターに「なる」要件のほうは分かると思うのですが、「真実・誠実・謙虚」もそうですが、スターで「あり続ける」要件を明確に言語化しているところがすごいですよね。

この要件を実践しているかどうか、自分の周りで落ちていった人たちの理由はなにか、どうしたら企業としてサスティナブルであり続けられるかというところをものすごく見ています。

ただ、これで結構しんどいなと思ったのは、彼女たちは1年間ぐらいかけてNiziUとして、オーディションを受けてすぐデビューじゃないですか?

JYPエンターテイメントの練習生は下手したら、TWICEの人なんて10年ぐらいトレーニングしていて、もう左側のスターに「なる」要件は完璧だよねという状況になっています。

青田 ジヒョ(TWICEのメンバー)とか10年ですね。

岡島 そういう状況でやっているところに、1年前は素人でしたという人たちを形にして出すというときに、右側の「あり続ける」要件は結構時間がかかる話だったりもするので、その人材戦略はすごいなと思います。

つまり、NiziUだけで一発当てようと思っていなくて、この人たちがスターであり続けて、また次の人たちが出てくるということに対して、商業的にすごく考えているんだろうなと思いました。

青田 ビジネス的にも、とても回収期間が長いということですよね。

田中 やはり切り捨てとか切り売りではないという発想なんですよね。

恐らく組織作りとか、そういう長期のテーマで、ある程度このプロジェクトを位置づけている感じがしますね。

岡島 MIIHIちゃんとか「この仲間でずっと一生やっていきたいです」と言っていますね。

みんなこの先、色々なライフイベントがあるし難しいと思うけど…(笑)。

MIIHI休養でもぶれない方針

玉川 MIIHIが体調を崩した時も、大切に扱いましたよね。

あの状況の中で結構リスクがある状況でMIIHIの歌声を入れるとか、デビュー曲の出し方もリスクをとってでもぶれない。

田中 理念が一貫していますよね。本当にオーディションからデビュー後までが淀みなくぶれないという方針がありますよね。

青田 パフォーマンスも、ダンスで本人がいる場所を空けているじゃないですか。見た目はよろしくないのに、あれはやはりすごく大事だなと思いました。

8人でもやれるように、ちょっとフォーメーションを変えようよみたいになりがちですが、もし会社で休職をして、復帰したら自分の席が無かったというのは最悪じゃないですか。

そこをすごく大事にしているなと思いました。

岡島 戻る場所があるよということだし、メンバーも戻ってきてくれてうれしい!みたいにずっと言い続けるという。

青田 ちゃんとそれを言葉にしていますよね。

真正性がなければ、スターであり続けられない

玉川 あとこのスライドの中で言うと、オーセンシティ(真正性)ですか。

「ありのままでいろ」ということですが、それもすごいなと思いました。

RIMAちゃんはラッパーのZeebraとモデルの中林美和の娘で、最初はすごく肩ひじ張った感じで、私はこれを背負って生きてますみたいな感じでした。

それを、あなたはありのままでいいんだよ、むしろありのままでいったほうが魅力的だということを気づかせたし、たぶんそうじゃなかったら長続きしないと思うんです。それも長期目線というか。

 

田中 だから「行動承認」ではないんですよね。「存在承認」に対する重要度が高いんです。

「無条件の存在承認」が子どもの前進を促す[やる気を引き出すコーチング](ベネッセの教育情報サイト)

岡島 「Being」という、ありのままの姿ということに、すごく可能性があるよねということです。

田中 それは本当に思いますね。

岡島 でも14歳とか15歳という年齢で、よくあんなに努力できますよね。

田中 それはありますよね。

岡島 すごいなって…、だから将来世代はすごいなと思います。

玉川 先週見て本当かな?と思ったのが、次の曲は全部英語でやると言っているんですよね。

RIMAやNINAとかは英語でもできるけど、他の子はできないじゃないですか。

それで英語でやると言っているのだから、これはすごいことだなと思いました。

完全にグローバルを目指しているんですよね。

岡島 トレーニングの途中でRIKUちゃんとかが、「これ、ハングルで歌うんですか?」みたいにPart 1では言っていた(笑)。そうして日本語と韓国語になり、そこから3カ国語でやるって本当にすごいですよね。

青田 やってくれる気はしますよね。

玉川 しますね。

田中 そもそも、はなから短期じゃなくて中長期を見ていますよね。

J.Y. Parkの経営者としての戦略

玉川 僕はたまたまYouTubeか何かで見たのですが、J.Y. Parkさんが韓国のメディアで、NiziUみたいなのが有名になってるけどと、責められている感じだったんですよ。

パク・ジニョン(J.Y.Park)がNiziUに込めた’K-POPを自滅から救う方法’(DaNmee)

韓国のノウハウをなんで日本に出しちゃってるの?みたいな感じで責められたのですが、J.Y. Parkさんは「いや違う」と。

これは韓国のやり方で、韓国企業がグローバルで勝つための次のステップとして韓国人は1人も入っていないけれども、そのマーケットで成功できるかどうかは、世界的なエンタメ企業になるためのマイルストーンなんですというのを言い切っていました。

針のむしろでしたが、私はこれをやるんですみたいな姿勢がすごいなと思いました。

青田 その辺りは経営者としての顔、リーダーとしての顔を出しましたね。

岡島 日韓の関係性なども色々あるから難しいのだろうと思うのですが、TWICEが9人の中で3人日本人を入れて、まさにステップバイステップになっている感じですよね。

(続)

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続きは 8.シーズン2も決定! Nizi Projectの学びを経営に活かすには?(最終回) をご覧ください。

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編集チーム:小林 雅/浅郷 浩子/小林弘美/戸田 秀成

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