ベンチャーは1件の特許品質を徹底的に高めるべき【K16-6D #7】 – INDUSTRY CO-CREATION(ICC)

ベンチャーは1件の特許品質を徹底的に高めるべき【K16-6D #7】

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「小説『下町ロケット』の弁護士モデル(鮫島 正洋氏)が語るグローバルニッチ・トップを目指すための知財戦略論 」【K16-6D】セッションの書き起し記事をいよいよ公開!8回シリーズ(その7)は、ベンチャー企業が展開することの多いソフトウェア(ITサービス)の特許化に関して留意すべきポイントを鮫島弁護士にお話し頂きました。是非御覧ください。

ICCカンファレンスは新産業のトップリーダー160名以上が登壇する日本最大級のイノベーション・カンファレンスです。次回 ICCカンファレンス KYOTO 2017は2017年9月5〜7日 京都市での開催を予定しております。参加者の募集を開始しました。

 

登壇者情報
2016年9月6日・7日開催
ICCカンファレンス KYOTO 2016 「ICC SUMMIT」
Session 6D
小説「下町ロケット」の弁護士モデルが語るグローバルニッチ・トップを目指すための知財戦略論
 
(スピーカー)
鮫島 正洋
弁護士法人内田・鮫島法律事務所 
代表パートナー弁護士・弁理士
 
杉江 理 
WHILL Inc.
CEO
 
玉川 憲 
株式会社ソラコム 
代表取締役社長
 
(モデレーター)
水島 淳
西村あさひ法律事務所 
パートナー

その1はこちらをご覧ください:【新】「下町ロケット」の弁護士モデルが語るニッチトップの知財戦略【K16-6D #1】
その2はこちらをご覧ください:「ベンチャー企業は特許を取得すべきか?」下町ロケットの弁護士モデルが解説【K16-6D #2】
その3はこちらをご覧ください:クラウド×通信でグローバルなIoTプラットフォームを構築する「ソラコム」【K16-6D #3】
その4はこちらをご覧ください:「車いすをメガネのような存在にする」楽しくスマートな移動を提案するWHILL【K16-6D #4】
その5はこちらをご覧ください:下町ロケットの弁護士モデルが考える「特許を取るべきところ・技術を隠すべきところ」【K16-6D #5】
その6はこちらをご覧ください:下町ロケットの弁護士モデルが語る「特許を活用したベンチャー企業の資金調達」【K16-6D #6】


水島 次のテーマに移りますが、ソラコム社はIoTの会社であり、ハードウエアの会社ではありませんが、知財戦略を非常にしっかりされていて、資金調達の部分にも効いてきているということでした。

杉江さんの会社はハードウエアを提供していますので、当然、知財戦略を確実に進めてらっしゃいます。

たまに、ソフトやウェブサービスには特許って関係ないよね、ソースコードをきちんと隠していこう、といった話を聞くことがありますが、その一方で、玉川さんがおっしゃっているように、ソフト系の会社でも特許を取られている企業は実際たくさんあります。

数年前に、グーグル社とアップル社が研究開発費用よりもリーガルコストを多く支出しているという報道がありました。

特にグーグル社はソフトウエアの会社であり、実際は彼らは、「Product that sells itself」(編集注:宣伝しなくても勝手に売れていくような商品の意味)を持つ会社ですが、その裏ではしっかりと知財戦略や法務戦略を立てています。

さはさりながら、ソフトウエアで特許を取得するには、いろいろな難しさ、悩みがあると思いますので、玉川さんからその辺りのお話をお伺いできればと思います。

玉川 我々はサービス企業ですが、コアになっているのはソフトウエアなので、ソフトウエアをいかに特許化するかということについては初期の段階から取り組んでいます。

繰り返しとなりますが、特許を取得するということは、ある意味、公開情報になってしまうことですから、そこをどうするかという切り分けの問題があります。

また先ほど鮫島先生がおっしゃいましたが、外部から見て検出可能かどうか、つまり我々が特許を取った技術を他の競合が真似て使っていたとして、果たしてそれが明白に分かるかという話もソフトウエアの世界にはあります。

資料:鮫島 正洋 氏のプレゼンテーションスライド

ハードウエアであれば形になっているので分かりますが、ソフトウエアの裏でその技術が動いていたとしても、うちのロジックを使っていませんかと聞いたところで、否定されたらそれで終わりですから、検証可能かどうかというのもひとつの鍵になるかと思います。

ですから、検出可能なものであれば、特許化する価値があるという考え方もあります。

もうひとつ、ソフトウエアを特許化するうえで、ハードと比べて難しいと思うのが、概念、つまりコンセプトを特許にしなければならない点です。

ハードのように何か物があって、「これとこれがこう動いて、こういう構成です」という特許の取り方ができない、たとえできたとしても難しいです。

言い換えれば、構成図やシーケンス図などにきちんと落とせれば特許化できると思います。

ハードの場合であれば、ここの材料とか、材料を特定しなくても、抽象的な感じで、この材料とこの材料が組み合わさることによって……というようにもう少し具体的に理解し易いのですが、ソフトウエアの場合はコンセプトになるので、「こういう概念と、こういう概念と、こういう概念と・・・・・・」というような書き方をしなくてはならず、独特のノウハウが必要なので、恐らくその能力に長けた弁理士さんなどにサポートいただかないと強い特許にならないということを、これまでの経験を通して実感しています。

水島 短めに、鮫島先生からもコメントをいただければと思います。

ベンチャーは1件の特許品質を徹底的に高めるべき

鮫島 同じ技術があった時に、大企業であれば100件の特許を出願できるのに対し、ベンチャー企業では1、2件しか出せないと思います。

それならば何をしなければならないかと言うと、徹底的に個々の特許のクオリティを上げることです。

資料:鮫島 正洋 氏のプレゼンテーションスライド

資料:鮫島 正洋 氏のプレゼンテーションスライド

つまり、クォリティを上げるための作業が発生するわけですが、これを誰が担うのかというと、実は今の日本では不足している機能です。

特許事務所にこれができるのかと言えば、そうではないから、そのような機能が必要になるわけで、この点が今後の課題だろうと思っています。

水島 ありがとうございます。

知財戦略というのはあらゆる次元に広がっていき、本当に話が尽きませんが、お時間が来ましたので、最後10分程度Q&Aのセッションに移らせていただければと思います。

(続)

編集チーム:小林 雅/榎戸 貴史/戸田 秀成/鈴木 ファストアーベント 理恵

続きは 下町ロケットの弁護士モデルが語る、ベンチャー企業が取るべき知財戦略の第1歩 をご覧ください。

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【編集部コメント】

続編(その8)では、会場からの質問を受け付け、スマホゲームの特許化や、知財戦略でまず始めるべきこと等を議論しました。是非ご期待ください。他にも多く記事がございますので、TOPページからぜひご覧ください。

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