【公式LINE@はじめました! 平日 毎朝7時に新着記事を配信しています。】友達申請はこちらから!
【ICCの動画配信をスタートしました!】ICCのYoutubeチャネルの登録はこちらから!
これまでに配信した、経営に関する議論を総特集いたします。今回は、ICCカンファレンス TOKYO 2016 から、「ビッグ・ベンチャーの作り方」を8回に再編集してお届けします。8回シリーズその(8)は、会場からの質問を受け付け、内発的な社内ベンチャーの作り方、組織の健康度の測り方等を議論しました。最後は、ビッグ・ベンチャーを創るというテーマでの熱いメッセージを各登壇者から頂きました。ぜひ御覧ください。
ICCカンファレンスは新産業のトップリーダー160名以上が登壇する日本最大級の招待制カンファレンスです。次回 ICCカンファレンス KYOTO 2017は2017年9月5〜7日 京都市での開催を予定しております。参加者の募集を開始しました。
▼
登壇者情報
2016年3月24日開催
ICCカンファレンス TOKYO 2016
Session 1A
「ビッグ・ベンチャーの作り方」
(スピーカー)
井上 高志
株式会社ネクスト(当時)
代表取締役社長
*株式会社ネクストは2017年4月1日に株式会社LIFULLに社名変更
鉢嶺 登
株式会社オプトホールディング
代表取締役社長CEO
松本 恭攝
ラクスル株式会社
代表取締役
吉田 浩一郎
株式会社クラウドワークス
代表取締役社長CEO
(モデレーター)
南 壮一郎
株式会社ビズリーチ
代表取締役社長
▲
【前の記事】
【本編】
南 時間も残り少なくなってきましたので、会場から4人の方へ質問を受けたいと思います。いかがですか?では前の方、どうぞ。
質問者1 貴重なお話をありがとうございました。ビッグベンチャーを作るためには、創業事業から新たに新規事業を生み出していかなければならないというお話がありました。
ネクストの井上社長のお話にも関連しますが、僕も、内発的動機を重要視して、社員が新しく社内ベンチャーや子会社の社長になることを容認するかどうかについて結構悩んでいます。
弊社は創業10年で、社員数130名くらいです。新規事業に投資できるといっても、2億くらいで2事業くらいしかやれない中で、一発一発当てていかないといけないので、内発的動機を重要視してやらせてしまうと、リソースが分散してしまうなと思っています。
10年ほどで20人位が独立し、20社程生まれましたが、既存事業と全くシナジーがないような、全然違うことをやっています。
社内ベンチャーをやっていくに際して、売り上げが数十億円で社員数300人とかを超えてこないと、抜けた穴を埋める再生力みたいなのが生まれないのかなと思っていまして、どれくらいの規模から、そうった内発的動機を重要視して社内ベンチャーを認めるのかとか、そういった部分で皆さんからアドバイスを頂ければと思っています。
どれくらいの規模から内発的な社内ベンチャーを認めていくべきか?
井上 ステージによると思うんですが、100人くらいの規模であれば、5パーセントから10パーセントくらいの人材はそちらに振ってもいいと決められると思うんですね。
それから、2億円もできるんであれば、今、スタートアップ作るのってものすごく安いじゃないですか。アプリだって200万円〜300万円でそこそこの作れますし、昔に比べると、事業を立ち上げるコストなんかも本当にたかが知れているし、人をそこに割けて選任に当たらせる、会社の中で許容する「ヒト」と「カネ」の枠を決めて、その中だったら自由にやらせようって決めればいいと思うんですよね。
それが、ステージが上がってくればその枠をもっと広くとれるし、今だったら、言ってみればまあまあ最大10人、1億、一人当たり1000万までで、だめならそこでポシャらせるみたいな形で何かルールを決めていけばいいと思うんですよね。
鉢嶺 僕もいいですか?
現場から出てくる社内ビジネスコンテストみたいなものと、幹部クラスから出てくる新規事業の成功確率が全く違って、やはり現場から出てくるものは、ノウハウも人脈も経験もないアイディアベースのものなので、ほとんど失敗します。
だから、やるんだったら研修と割り切ってやるほうがいいんじゃないかなと思いますけどね。
南 私はラクスルさんに伺いたいんですけれど、今はまさにハコベルという新規事業をされていますよね。既存の印刷事業とのバランスはどうなのですか?
松本 ハコベルで、「Uber for Track」みたいなことをやり始めたんですけど、あれは完全に私が起案者でやると決めました。
新規事業を作るつもりは今後なくて、新規事業の数にも興味はありません。ただ、ハコベルはハコベルでそれぞれシード、シリーズA、B、Cみたいに、いわゆるスタートアップと同じような見方をして、このフェーズを抜けたらこのくらいの投資をして、このくらいの採用をしてと、単独で作っていくような形で考えています。
南 楽天の北川さんからも質問があるそうです。
質問者2 楽天の北川です。大変ためになるお話をありがとうございました。
ちょっとお聞きしたいのですが、組織を運営されたり、いろいろな会社を立ち上げられる中で、どういったポイントを見られて、その組織がポテンシャルを発揮しているかどうかとか、健康であるかということを判断されるのでしょうか。
もしも簡潔に見られる方法があれば、教えていただきたいです。
組織の「健康度」をどう測るか
井上 リンクアンドモチベーションのEMS(Employee Motivation Survey)で社員のモチベーションの状態を64項目見られるんですけれども、一人当たり5,000円なんですね。
なので100人の組織だったら50万円とか、そのくらいのコストで組織の健康診断ができるので、これはお勧めです。
これは僕はもう10年くらい使っていますけれど。そうすると、例えば部門毎でも見られますし、職種別でも見られますし、正社員と派遣別でも見られますし、年次別でも見られますし、いろんなクロス集計をしていくと、やはりこの人のマネジメントが問題だなみたいなのが、経年変化を追っていくと全部見えるので、ピンポイントで誰をどう変えればいいのかというのが見えてきます。あとは活性度も見えてきますね。
松本 弊社でも去年からリンクアンドモチベーションを使い始めて、組織の健康状態が可視化されて事前対処できる頻度がすごく上がってきたなというのがありますね。定期的にサーベイをとるというのは、いい対処なのかなと思います。
南 もうそろそろ時間ですので、最後のラップアップに入りたいと思います。最後に、この4人の方から、今日のテーマである「ビッグベンチャーの作り方」について熱いメッセージを発していただければなと思います。
先輩を最後に残しながら、吉田さんからいきましょうか?
ビッグ・ベンチャーを創る意気込み
吉田 ここにいらっしゃる皆さんは、私よりも先輩の経営者もたくさんいらっしゃるので、私から申し上げるのはおこがましいんですけれども、20年で営業利益1兆円というのを吹き続けて前に進んでいきたいなと思っていますので、是非また次回会った時に、お互いが切磋琢磨できるように、心のどこかに、そんな挑戦してる奴がいるなと思いながら、共に世の中を変えていきましょう。ありがとうございました。
南 松本さんお願いします。
松本 ラスクルの場合は、先程の話にも出たように、ファイナンスが特徴で、大きくお金を集めたというのはあるんですけれど、そういうダイリューション(希薄化)に関する考え方、創業者の持分に関する考え方、経営や所有やガバナンスなど、その辺の考え方がもっと変わっていくと、レバレッジをもっともっときかせて大きなベンチャーを作りやすくなってくるんじゃないのかなと個人的に思っていて、そういうベンチャーが増えるといいなと思っています。
南 ありがとうございます。では鉢嶺さんお願いします。
鉢嶺 かなり大きく、みんな1兆円って言っているんですけれど、現実ベースはかなり大変な数字です。僕、一回調べたんですけれど、営業利益が100億円以上出ている、創業社長の上場企業の会社って34社しかないんですよね。
これくらい難しいということなので、更にその上の1兆円行くことなので、かなり難しいと思いますけれど、それをやっぱり真剣に目指さなければいけないじゃないですか。
そういう意味では、ここでみんな真剣にそういうのを考えているんだなっていうのは、すごく刺激にもなりましたし、会場の皆さん、ここにいる誰かから1兆円が生まれたらいいなと思いましたね。
南 ありがとうございました。井上さんお願いします。
井上 ビッグベンチャーの作り方ということなので、みなさん1兆円単位のことを言っていて、それこそ昔の(ソフトバンクの)孫さんを思い出すような感じですけれども、これが単なるほら吹きで終わるのか、それとも本当にそれを実現するのか、それは多分どうやってやるのということと、どれだけクレイジーになりきれるのかというその2つじゃないかなと思うので、どうやってやるのっていうのは今日は時間がなかったので、またこの5人で飲み会でもやって、営業利益1兆円ってどうやるのよって後で突っ込んでぐりぐり掘り返してみたいと思います。
是非皆さん、日本発、兆円単位ベンチャーみたいなのを作れるように頑張っていきたいと思います。ありがとうございました。
南 ありがとうございました。ICCの第一回目、Session 1Aということで、5人でこういう形でパネルディスカッションをできて、私自身が一番勉強になりました。
とにかくいろんなお金の単位も出ましたけれども、ICCカンファレンスの小林さんが目指している姿というのは、産業を創ること、国を創ること、経済を再発見するということだと思いますので、ここにいる5人だけではなくて、皆さんと力を合わせながら切磋琢磨して日本経済をみんなで盛り上げてみたいなと思っています。本日はありがとうございました。
(完)
編集チーム:小林 雅/榎戸 貴史/戸田 秀成/Froese 祥子
【編集部コメント】
最後までお読みいただきありがとうございます!他にも多く記事がございますので、TOPページからぜひご覧ください。
更新情報はFacebookページのフォローをお願い致します。