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これまでに配信した、組織づくりに関する議論を総特集いたします。今回は、ICCカンファレンス TOKYO 2016から、「強い組織/企業文化の作り方」の記事を再編集して10回シリーズでお届けします。組織づくり特集(その3)は、主にVOYAGE GROUP宇佐美さんに、ユニークなCxOである、Chief Culture Officerを置く理由とその役割などについてについてお話しいただきました。ぜひご覧ください。
ICCカンファレンスは新産業のトップリーダー160名以上が登壇する日本最大級のイノベーション・カンファレンスです。次回 ICCカンファレンス KYOTO 2017は2017年9月5〜7日 京都市での開催を予定しております。
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登壇者情報
ICCカンファレンス TOKYO 2016
Session 2B
「強い組織/企業文化の作り方」
(スピーカー)
宇佐美 進典
株式会社VOYAGE GROUP
代表取締役社長兼CEO
小泉 文明
株式会社メルカリ
取締役
曽山 哲人
株式会社サイバーエージェント
執行役員人事統括本部長(当時)
(モデレーター)
五十嵐 洋介
KLab株式会社
取締役副社長 COO
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【前の記事】
【本編】
五十嵐 では、続けて曽山さん、お願いします。
曽山 はい。
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曽山 哲人
株式会社サイバーエージェント 執行役員人事統括本部長(当時)
1974年神奈川県横浜市生まれ。上智大学文学部英文学科卒業。1998年伊勢丹に入社、紳士服配属とともに通販サイト立ち上げに参加。
1999年、20名程度だったサイバーエージェントに入社。インターネット広告の営業担当として入社し、後に営業部門統括に就任。
2005年に人事本部設立とともに人事本部長に就任、2008年から取締役を6年務め、2014年より執行役員制度「CA18」に選任。2015年に人材開発本部、人事統括本部を新設。著書に「クリエイティブ人事」、「最強のNo.2」など。
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サイバーエージェントは現在 正社員だとグループで3,500名います。
私が直接みているのが今2,000人います。今も人数が増えているというフェーズですね。
何に力を入れてるかというと企業文化の浸透です。
人数が肥大化すると企業文化の浸透が必ず弱くなるので、その部分に今すごく力を入れてます。
具体的には専門部署として「カルチャー推進室」という専門部署を作りました。
そこに社長室長の人材を兼務させ、専任メンバーは2人でやっています。会社に対するロイヤリティーの高いママ社員をいれています。
過去の成功・失敗を社内報で共有する
具体的に何をやってるのかというと、大きく2つあります。
1つ目は社内報の運営です。
活躍してる社員をインタビューしたり、あとは社内で行われたイベントや新しい取り組みなどを取材して、どこよりも早くレポートしたりしています。
それを毎週、大体4記事から5記事ぐらいを社内のイントラネット上で出しています。
もう1つは、これまでのケーススタディを全社に配るというのをやってます。
名前は「ヒストリエ」というもので、ネーミングは同じ名前の漫画からお借りしました。
ヒストリエというものは、例えば、「アメーバブログの最初の立ち上げの1年間どうだったか?」とか、「失敗して撤退したあの子会社は何で失敗したのか?」いうのを当時のメンバーに対してプロのライターの方にインタビューしてもらって、生々しいリアルケーススタディで大体A4で8枚ぐらいのボリュームでまとめています。
軽く読めるけど、サラっともしてないぐらいのレベルで毎週1本ずつぐらい出しています。
すでに30本以上の記事を全社に配信していて、新しい(子会社の)社長とか事業部長になるとそれを渡して、必ず「同じ失敗するなよ」と言って、読んでもらうというのをやり始めてますね。
五十嵐 失敗ノウハウのシェアとしてもすごくいいと思いますけど、失敗してしまった人たちも、自分たちの活動がちゃんと注目されてかたちに残っているという「受け継がれる感」がありますよね。
曽山 ロイヤリティーも上がりますね。
やっぱりA4、8ページの一番最後には、インタビューした数人の写真とか、あと、最初に事業プロジェクトが立ち上がると、最初の飲み会とか決起会を大体やるので、その集合写真を掲載します。
5~6年前、もしくはそれ以上前の写真が掲載されたりするので、登場したメンバーのロイヤリティーアップにもなると思います。
五十嵐 挑戦して戦って、結果は上手く出なかったかも知れないけど、ちゃんとその人たちを勇者として讃えていくみたいな意味もあったりするわけですね。
曽山 そうです。
Chief Culture Officer(CCO)を置く
五十嵐 素晴らしいですね。ちなみに、さきほどカルチャー推進室というキーワードが出ていましたが、宇佐美さんの会社にも「Chief Culture Officer」という方がいらっしゃいますよね?
曽山 青柳さんですね。
▶ 青柳さんはこの方です。
五十嵐 カルチャーの責任者を置いているという特徴的な制度があると思うんですけど。その内容を教えていただいてもいいですか?
宇佐美 おそらく2010年ぐらいに、まさに業績が悪化して社内の離職率も20%ぐらいに高まったときがあったんです。
五十嵐 そんなに上がったことがあるんですか!
宇佐美 ありました。これではまずいと。業績も悪いし、社内の雰囲気も悪いし、離職率も高いと。
どこからやろうかというようなときに、やっぱりもう一度、会社としての求心力をギュッと集めてやらなきゃいけないというときに、たまたまZapposの本を読んで、「Chief Culture Officer」という、いわゆる社内文化の責任者というものをZapposは作ってるんだと知りました。
▶ザッポスの奇跡 The Zappos Miracles―アマゾンが屈したザッポスの新流通戦略とは
それを見て「これだ!」と。
でも、文化を作れる人というのは、やっぱりなかなかいないんですよね。
役職を作ればいいというわけじゃなくて、雰囲気を作れる人、空気を作れる人というのは、結構稀有なんです。
たまたまうち(VOYAGE)の場合には、非常にそういった空気を作るのが上手い役員がいたんです。元々彼(青柳さん)は事業部門を担当していたんですけれども、ある意味すごい肉食の戦闘能力の高そうなサイヤ人的な人物なんですよね。
曽山 風貌はそういう感じですね。
宇佐美 風貌がそういう感じですね(笑)。
曽山 「VOYAGE 青柳」と画像検索すれば多分出てきますね。
小泉 青柳さんね。めっちゃイケメンですよね!
宇佐美 彼(青柳さん)に最初は人事含めてコーポレートカルチャーという部分を担当してほしいという話をしたときに、彼のほうからは、併せて人事部以外に彼の下に「コーポレートカルチャー室」という文化を推進していく部署と「コーポレートデザイン室」という、会社全体のいわゆるCI(コーポレート・アイデンティティ)を推進するという部署も設置していきたい、という話をもらいました。
単に人事というところだけではなくて、社内のファシリティであったりとか、社内の中のイベントであったりとか、社内報的な活動であったり、そういったものもすべて集約をして、彼が推進していくようになりました。
こういうかたちで取り組み始めて、結果として組織としてもよくなってきましたし、業績としても上手く上がってきたというのがあったかなと思います。
(続)
続きは 〔組織作り〕「社員に浸透していない言葉は掲げる意味がない」ビジョン/ミッション見直しのススメ をご覧ください。
編集チーム:小林 雅/榎戸 貴史/戸田 秀成/根岸 教子
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【編集部コメント】
続編(その4)では、主にVOYAGE GROUP宇佐美さんに、過去に実施したビジョン/ミッション/バリューの見直しについて当時の決断理由とその効果などについてについてお話しいただきました。是非ご期待ください。他にも多く記事がございますので、TOPページからぜひご覧ください。
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