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「ノブレス・オブリージュ 起業家と社会貢献活動」【K16-2D】セッションの書き起し記事をいよいよ公開!5回シリーズ(その1)は、登壇者の自己紹介とヒューマン・ライツ・ウォッチの活動紹介を頂きました。是非御覧ください。
ICCサミットは新産業のトップリーダー600名以上が集結する日本最大級のイノベーション・カンファレンスです。次回 ICCサミット FUKUOKA 2018は2018年2月20日〜22日 福岡市での開催を予定しております。参加登録は公式ページをご覧ください。
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登壇者情報
2016年9月6日・7日開催
ICCカンファレンス KYOTO 2016 「ICC SUMMIT」
Session 2D
「ノブレス・オブリージュ−起業家と社会貢献活動−」
(スピーカー)
谷家 衛
あすかホールディングス株式会社
取締役会長
土井 香苗
国際人権NGO ヒューマン・ライツ・ウォッチ
日本代表
安渕 聖司
SMFLキャピタル株式会社
代表取締役社長兼CEO
(モデレーター)
趙 正美
国際人権NGO ヒューマン・ライツ・ウォッチ
発展戦略・グローバル構想局 ディレクター
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▶「ノブレス・オブリージュ 起業家と社会貢献活動」配信済み記事一覧
趙 正美氏(以下、趙) 皆様、よろしくお願いいたします。はじめに、お1人ずつ自己紹介をお願いします。
登壇者の自己紹介
谷家 衛氏(以下、谷家) あすかホールディングスの谷家と申します。
東京大学法学部卒業後、ソロモン・ブラザーズ、チューダー・キャピタル・ジャパンを経て、同社のMBOにより、あすかアセットマネジメントを設立、同社CEOとして現在に至る。ソロモンには1987年に入社、アジア最年少のマネジングディレクターに就任し、日本及びアジアの自己勘定取引部門を統括。チューダーには創設中心メンバーとして参加。あすかアセットマネジメントを日本における有数の独立系オルタナティブ運用会社に育て上げる。
創業支援としては、日本で初めてのオンライン生命保険(ライフネット生命)の立ち上げや、いち早くヨガに注目してその普及に貢献したスタジオヨギー、科学に基づきWell-beingを高めるCampus for H、日本初のロボアドバイザリー お金のデザインなどがある。
NPO、NGOとしては、日本初のインターナショナルボーディングスクール(ISAK)を着想し、発起人代表として学校を開設すると同時に、 ヒューマン・ライツ・ウォッチの東京委員会Vice Chair Person、日本再建イニシアティブの理事を務める。
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1987年にソロモン・ブラザーズという証券会社に入り、アジアの投資の責任者をやっていました。その後、チューダー・ジャパンを日本で作り、親友の松本(松本大氏)が設立したマネックスに投資したのをきっかけに、ベンチャー投資を始めました。
投資をしながら、「誰がやるかに尽きるな」と思うようになり、そんな時に土井さんに会い、「その人を応援する」という意味でNPOにも投資するようになりました。
これまで、ISAKという軽井沢の全寮制の学校やヒューマン・ライツ・ウォッチ等を支援しています。
また、ライフネットという生命保険会社の立ち上げや、最近では石川君(石川善樹氏)のCampus for Hのマインドフルネスをやったり、今は「お金のデザイン」について一生懸命取り組んでいます。
安渕 聖司氏(以下、安渕) 安渕と申します。
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安渕 聖司
SMFLキャピタル株式会社 代表取締役社長兼CEO
三菱商事株式会社、リップルウッド・ジャパン、UBS証券投資銀行本部を経て、2006年、GEコマーシャル・ファイナンス・アジア入社。2007年GEコマーシャル・ファイナンス・ジャパン 社長 兼 CEOに就任。2009年、GEキャピタル・ジャパン社長兼CEOに就任。2016年、事業売却に伴い、社名をSMFLキャピタル株式会社に変更し、現職に就任。
著書:「GE世界基準の仕事術」(新潮社2014)、「GEの口ぐせ」(PHP研究所2015)
社外活動:経済同友会幹事、HBS Club of Japan会長、一般財団法人KIBOW評議員、ダイアローグ・ジャパン・ソサエティ理事。インターナショナル・スクール・オブ・アジア軽井沢(ISAK)ファウンダー、アジア女子大学(バングラデシュ)日本支援委員会委員、等多数。熱心な歌舞伎、文楽ファン。早稲田大学政経学部卒、米ハーバード大学経営大学院卒(MBA)
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2006年からGEキャピタル日本で約10年間やってきました。昨日からSMFLキャピタル株式会社となり、この名前を言うのはまだ3回目ぐらいです。
昨年GEが金融ビジネスを全世界でほとんどを売ることにし、2016年4月1日に三井住友フィナンシャルグループに入ったという経緯です。
GEに入る前は、最初は三菱商事、そしてリップルウッドが日本に来た時に少しいて、あとはUBS証券の投資銀行本部にいました。
10年前にGEに来た時から色んなボランティア活動をやっていたので、そこから色んなNPO活動等に広がるようになりました。谷家さんには色んなものに巻き込まれていて、ISAKのファウンダーになったりしています。
土井 香苗氏(以下、土井) ヒューマン・ライツ・ウォッチの日本代表をしております、土井と申します。
1975年8月神奈川県生まれ。1996年に司法試験に合格後、大学4年生の時、アフリカで一番新しい独立国・エリトリアに赴き、1年間、エリトリア法務省で法律作りのお手伝いのボランティア。その後、1998年東京大学法学部卒。2000年司法研修所終了。2000年から2016年3月まで弁護士(日本)。普段の業務の傍ら、日本にいる難民の法的支援や難民認定法の改正のロビーイングやキャンペーンにかかわる。2006年6月米国ニューヨーク大学ロースクール修士課程終了(国際法)。2007年以来、米国ニューヨーク州弁護士。2006年から、国際NGO ヒューマン・ライツ・ウォッチのニューヨーク本部のフェロー。2007年から日本駐在員。2008年9月から日本代表。
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谷家さんやマネックスの松本さんに助けていただきながら、2009年にヒューマン・ライツ・ウォッチの日本を立ち上げまして、7年ほどが経ちます。
ヒューマン・ライツ・ウォッチを始める前は弁護士をしていました。大学4年生の時、1年間アフリカのエリトリアでボランティアをした経験が根っこにあり、弁護士として活動しながらもだんだん軌道がそれて、ヒューマン・ライツ・ウォッチという人権を専門でやる人になりました。最近では弁護士はすっぱり辞めて、NPO1本でやっております。
趙 本日モデレーターを務めます、ヒューマン・ライツ・ウォッチの趙と申します。
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趙 正美
国際人権NGO ヒューマン・ライツ・ウォッチ
発展戦略・グローバル構想局 ディレクター
1974年、東京都生まれ。1998年、慶應義塾大学総合政策学部卒。株式会社電通に入社、戦略プランナーとして大手外資系企業や国内大手通信会社、電機メーカーなどのグローバル・ブランドを担当。2007年、電通在勤中から国際人権NGOヒューマン・ライツ・ウォッチの活動に参加、プロボノとしてチャリティ・ディナーなどの企画・運営を手がける。2012年10月にヒューマン・ライツ・ウォッチ東京オフィスに職員として加入、2015年7月から現職。現在はファンドレイズ(資金調達)、広報・コミュニケーションを担当する。
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私は、幼い頃に「難民」でした。それに端を発して、将来難民を助ける仕事がしたいと思い、国連職員を目指していましたが、色々挫折があり、広告代理店に就職しました。
15年ぐらいコマーシャルを作っていましたが、ある日、高校の塾の同級生だった土井がニューヨークから帰って来て、「ヒューマン・ライツ・ウォッチなるものをやるので、お前も手伝え」と巻き込まれたのが今から9年前です。最初はボランティアでしたが、4年前から専属の職員になり、今とても楽しい暮らしを送っています。
今日は、成功した方が社会に還元するという、いわゆる「ノブレス・オブリージュ」についてお話をお聞きしたいと思います。
「ノブレス・オブリージュ(仏:noblesse oblige)」
直訳は「貴族の義務」。「特権的階級に伴う責任や義務」などを意味する。
この言葉は日本ではあまり根付いていませんが、社会貢献をなさるようになった動機など、お2人の内面に私と土井が迫る形で進めていきます。まず最初に「ヒューマン・ライツ・ウォッチ」はどのような団体か、土井から簡単に説明を致します。
1997年にノーベル平和賞を共同受賞した「ヒューマン・ライツ・ウォッチ」
土井 ヒューマン・ライツ・ウォッチはできて約40年ぐらい、本部はアメリカのニューヨークにあり、世界100カ国近くで展開している人権の老舗である大手の団体です。
日本では、できてから10年たっていない新しいNGOです。スタッフは全体で400人強おりまして、日本には6人おります。去年(2015年)の活動をハイライトしたビデオをご覧頂き、それからディスカッションに入っていこうと思います。
世界中で展開しているNGOですので、皆さまが目にするような世界中のニュースの中心にいるような団体です。
スタッフの出身国も60カ国以上に渡り、ビデオに出ていたスタッフもさまざまな国籍を持っています。世界的に有名になったのは、97年にノーベル平和賞を共同受賞してからです。
私もニューヨークの本部に初めて行った時、ノーベル平和賞のメダルが飾ってあるのを見て、「あのヒューマン・ライツ・ウォッチに来れたんだな」と感動したのを覚えています。
活動している分野は非常に幅広く、難民、移民はもちろんのこと、クラスター爆弾のような非人道的な武器の禁止や、女性、子ども、戦争の中での人々の権利の保護や、日本も含め世界中のマイノリティーの人々の権利の保護等にも取り組んでいます。
ビデオを見られて、NPOに抱いていたイメージと違った感じを持たれた方もいらっしゃったかもしれません。
実は私も、約10年前にヒューマン・ライツ・ウォッチのニューヨークのオフィスに初めてフェローという形で入らせてもらった際、仕事を見てとてもショックを受けました。
私は弁護士として日本のNPOをサポートしたり、中に入って活動することも多く、いいマインドを持った人たちがボランティアで頑張っているのをサポートする仕事を、数多く経験しました。
ヒューマン・ライツ・ウォッチに入ってみると、非常にプロフェッショナルで、世界中の紛争や、さまざまな隠れたマイノリティーの問題を先頭に立ってその国の政策を動かしているのが見えたので、ほれ込んでしまって。ぜひこれを日本に持って行きたいと思ったのが、すべての始まりになります。
(続)
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続きは マイノリティのリーダーが次世代のリーダーになる(あすかHD谷家) をご覧ください。
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編集チーム:小林 雅/榎戸 貴史/戸田 秀成/城山 ゆかり
【編集部コメント】
続編(その2)では、あすかホールディングス谷家さんを中心に、ヒューマン・ライツ・ウォッチとの出会い、そして企業とは異なる団体を支援する理由についてお話し頂きました。是非ご期待ください。他にも多く記事がございますので、TOPページからぜひご覧ください。
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