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ICC KYOTO 2024 クラフテッド・カタパルトに登壇いただき、見事優勝に輝いた、稲とアガベ 岡住 修兵さんのプレゼンテーション動画【男鹿の未来を拓く挑戦! サケ造りとまちづくりで、地域の希望の星になる「稲とアガベ」】の文字起こし版をお届けします。ぜひご覧ください!
ICCサミットは「ともに学び、ともに産業を創る。」ための場です。そして参加者同士が朝から晩まで真剣に学び合い、交流します。次回ICCサミット FUKUOKA 2025は、2025年2月17日〜 2月20日 福岡市での開催を予定しております。参加登録は公式ページをご覧ください。
本セッションのオフィシャルサポーターはJ.フロント リテイリングです。
▶【速報】サケ造りで終わらない。男鹿のまちを醸し、日本の希望の星になる「稲とアガベ」がクラフテッド・カタパルト優勝!(ICC KYOTO 2024)
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【登壇者情報】
2024年9月2〜5日開催
ICC KYOTO 2024
Session 8A
CRAFTED CATAPULT 豊かなライフスタイルの実現に向けて
Sponsored by J.フロント リテイリング
岡住 修兵
稲とアガベ
代表取締役社長
公式HP | 公式X
1988年、福岡県北九州市出身。神戸大学経営学部を卒業後、秋田県・新政酒造で酒造りを学ぶ。2021年に秋田県男鹿市に「稲とアガベ醸造所」をオープン。新ジャンルのお酒「クラフトサケ」造りを行うとともに、レストラン「土と風」を立ち上げ。2023年春、食品加工所「SANABURI FACTORY」を立ち上げ、廃棄リスクのある酒粕をマヨネーズにする加工生産をスタート。また同年8月一風堂監修レシピのラーメン店「おがや」を立ち上げる。2024年には宿「ひるね」を開業。今後はホテルや蒸留所の建設を予定しており、多くの優良な雇用を創出することを目指す。クラフトサケブリュワリー協会初代会長。
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岡住 修兵さん 「男鹿から日本の未来を醸す」、このピッチはなんにも持っていなかった僕がゼロからまちをつくってきた3年間の挑戦のピッチです。
風光明媚な地、秋田県北西部の男鹿半島
我々は、秋田県の男鹿半島で事業を行っています。
県北西部の出っ張った半島が、男鹿半島です。
自然豊かで風光明媚。
「秋田」で皆さんが連想されるナマハゲは、実は男鹿だけの文化です。
とてもきれいな湧き水もあり、稲とアガベはこの湧き水を使用してお酒を仕込んでいます。
街は閑散とし広がるシャッター街
しかし、広がるシャッター街。
かつて飲食店が70軒ひしめき合い、肩をぶつけて歩いたこの街も今は昔。
企業も撤退し、街は閑散としています。
▶︎ 60歳の漁師は若手扱い 銀行も農協も消える土地のいま:朝日新聞デジタル
福岡出身、秋田で酒造りを学ぶ
私はこの男鹿の出身ではなく、福岡県の出身です。
日本酒に魅せられた私は、秋田の酒蔵で造りを学び、独立。
生まれ故郷ではない男鹿の駅舎を酒蔵に改装したのが、今から2年半前です。
「クラフトサケ」のパイオニア
我々はこの地で「クラフトサケ」という新たな文化を創ることに挑戦しています。
クラフトサケとは、日本酒技術をベースにフルーツやハーブなどを一緒に発酵させたお酒で、2022年に新しく生まれたカルチャーです。
クラフトサケは、元々存在しないジャンルでした。
今から2年前に仲間を集め、業界を作り、クラフトサケというジャンルを作りました。
▶️日本酒の新しい潮流「クラフトサケ」の定義とは? 飲食店での提供メリットも(飲食店ドットコム)
▶日本酒とクラフトサケの未来をつくる「クラフトサケブリュワリー協会」6月27日に6醸造所共同で設立(PR TIMES)
イベントを主催して少しずつその魅力を広めることで多くのファンも生まれ、酒好きの中では知られる存在になってきました。
無肥料無農薬の自然栽培米で酒造り
我々が使っているお米は、全て顔の見える契約栽培です。
無肥料無農薬の自然栽培で大切に育てたお米を、あまり磨かずにそのままお酒にします。
我々はこのお米を農家さんの見積もりの倍、市場価格の4倍で買い取っています。
小さいながらも世界一お米を高く買っているのが、我々の誇りです。
取り組みや味わいが高く評価される
取り組みや味わいが高く評価され、メディアにも多数掲載いただき、国内外の星付きのレストランにも採用されています。
数万人を集める東京開催の2大日本酒イベント、大手町で開催の「若手の夜明け」で、参加蔵元が評価するランキングで2位。
MIYASHITA PARKで行われる「SAKEPARK」では、なんと初回から全3回連続売上ナンバーワンを記録しています。
そして昨年(2023年)、この京都の地で新たに生まれた「ICC SAKE AWARD」で初代チャンピオンに選んでいただきました。
▶【速報】新企画「SAKE AWARD」、初代優勝は秋田・男鹿のクラフトサケ醸造所「稲とアガベ」(ICC KYOTO 2023)
アワードがきっかけでICCスタッフの荒木 珠里亜も仲間に。
多くのプロジェクトを推進してくれています。
▶信頼される地方のリーダーを目指して──荒木 珠里亜さん(海と – 稲とアガベのWEBメディア)
アップサイクルやコラボで酒粕に新たな価値を
アップサイクルな取り組みも行います。
酒造りで必ず出る酒粕は、その高い栄養価にもかかわらず、秋田県だけで年間400トン廃棄されています。
この酒粕を救うために自ら食品加工施設を作り、「発酵マヨ」という酒粕マヨネーズを作りました。
廃棄される酒粕に価値を与え、日本酒の業界を下支えすることが目標です。
発酵マヨは前回のICC FUKUOKA 2024のフード&ドリンクアワードでCFOの齋藤 翔太がプレゼンして準グランプリを獲得しました。
▶【速報】「フード & ドリンク アワード」グランプリは、海藻の食文化を世界に発信する「シーベジタブル」(ICC FUKUOKA 2024)
チーム力の高さも我々の誇りです。
ユーグレナとのコラボマヨもリリースして、売上も好調です。
酒粕の肥料化も、ご一緒いただいています。
また、「バターのいとこ」で有名なGOOD NEWSと、加工所で処理した酒粕を活用したレモンケーキも開発しました。
2024年8月、ジェイアール京都伊勢丹にGOOD NEWSの新店舗ができました。
▶GOOD NEWS KYOTOジェイアール京都伊勢丹店 OPEN!バターのいとこ・早苗饗レモン(さなぶりれもん)の2ブランド登場!(PR TIMES)
ICCサミットのお土産の定番は、今年から「早苗饗レモン (さなぶりれもん)」でお願いします。
住民にも好評の、全国の良品を置く雑貨店
まちに賑わいを生むために加工所は雑貨店を併設。
全国各地の良いものを取り揃えることによって、地域の方々にも喜んでもらっています。
このままでは男鹿のまちは無くなる
お酒だけではなく、僕たちはまちをつくります。
なぜならこのままいくと、男鹿のまちは無くなってしまうからです。
人口減少ナンバーワンの秋田県の中でも、男鹿市は消滅可能性トップの自治体です。
▶「消滅可能性自治体」 秋田県は秋田市除くすべての市町村に(NHK)
▶「消滅可能性自治体」秋田県内9割超で全国ワースト…知事「不安を与える表現だ」(読売新聞オンライン)
このままだとまちはなくなり、僕たちが立ち上げた施設もいつかはゴミになります。
街中のシャッターを開けていくと決意
ゴミになんてしたくないんです。
なので我々は街中のシャッターを開けていくと決意し、この2年半で醸造所(稲とアガベ醸造所)と食品加工所「SANABURI FACTORY」に加えて、地産地消のペアリングレストラン「土と風」を開業。
一棟貸しの宿「ひるね」を3棟オープン。
一風堂監修のラーメン屋は“日本一”に
そして、ラーメン店「おがや」まで立ち上げました。
協力してくれたのは、博多ラーメンの一風堂です。
一風堂監修の塩ラーメンが日本で唯一食べられるラーメン店を立ち上げた結果、人通りが全くなかった通りに行列ができるようになりました。
先日、インスタントラーメンをマクアケにてリリース。
▶塩ラーメンの概念を覆すコク旨スープ!秋田の行列ラーメン店「おがや」“究極の袋麺”(マクアケ)
ラーメンカテゴリー史上、最も応援を集めたプロジェクトになりました。
つまり我々は、日本一のラーメン店です。
2024年中に新たに3拠点を立ち上げ予定
立ち上げから2年半で、5つの拠点を立ち上げました。
それでも残念ながら、まちが消滅する事実は変わりません。
やれることを全部やる。
それでも足りないんです。
この5つの拠点に加えて、今年中に新たに3つの拠点を立ち上げます。
この鉄工所は、酒粕を活用したスピリッツを作る蒸留所に。
この建物はスナックに復活。
この建物は改装してホテルを立ち上げます。
サウナ好きの経営者の皆様、ご安心ください。
もちろん最高のサウナがついてきます。
立ち上げから3年で、これで8拠点。
これら全ての拠点が徒歩圏内です。
地元住民、金融機関、企業もまちづくりに参画
目の前の風景が変われば、まちの人の意識も変わるんです。
僕たちの活動に触発され、飲食店や旅館が復活し始めました。
さらに今、どんどん男鹿に仲間が増えています。
地元の金融機関も同志です。
総事業費6億円は、全てほぼ無担保の借入れで実現しました。
多くの企業も男鹿のまちづくりに参画。
三菱地所やNTT、こんな企業が男鹿に関わってくれるなんて、立ち上げ時は思ってもみませんでした。
また、市長はじめ地元の経営者の方々が「今こそ立ち上がろう」「岡住ばかりに任せていられない」「一緒に頑張るよ」と言ってくれるようになってきました。
そしてこの2年半で、稲とアガベだけで総勢20名もの移住者が生まれました。
この仲間とともに男鹿のまちを未来につなぐんです。
情熱と行動で地域の未来は変えられる
先日、地元の中学校で我々の取り組みを話す機会がありました。
▶10月2日 ぐろおがる講座Ⅳ 岡住修兵さんを迎えて 男鹿市立男鹿南中学校(おがっこポータルサイト)
びっしりと書かれた感想文のほとんどが「男鹿にはもう未来がないと言われてきたけど、話を聞いて自分も男鹿でチャレンジしたい」という内容でした。
皆さん、情熱と行動で地域の未来は変えられるんです。
閉塞感を抱える人や地域の希望の星になる
地域の子どもたちは、本当に閉塞感を抱えています。
そんな現実を僕たちのチャレンジでぶっ壊してやりたいんです。
僕たち稲とアガベは、地方のなにもない場所でも、お金がなくても人がいなくても、ゼロからイチでこれほどのことができるんだということを示し、世界中の閉塞感を感じている人や地域に希望を与え、未来を切り拓く。
それが我々のミッションです。
ありがとうございました。
(終)
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編集チーム:小林 雅/原口 史帆/浅郷 浩子/小林 弘美/正能 由佳/戸田 秀成