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ICCサミット FUKUOKA 2018 スタートアップ・カタパルトに登壇した、Voicy 緒方 憲太郎さんの【「Voicy」は、“声のブログ”が集まる音声配信プラットフォームで新しい放送を創る】プレゼンテーションの文字起こし記事をぜひご覧ください。
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ICCサミットは「ともに学び、ともに産業を創る。」ための場です。毎回200名以上が登壇し、総勢800名以上が参加する。そして参加者同士が朝から晩まで真剣に議論し、学び合うエクストリーム・カンファレンスです。次回 ICCサミット KYOTO 2018は2018年9月3日〜6日 京都市での開催を予定しております。参加登録は公式ページをご覧ください。
スタートアップビジネスの「エコシステム」を構築し、日本の起業家を支援するプログラム「IBM BlueHub」は「STARTUP CATAPULT」のオフィシャル・サポーターです。
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【登壇者情報】
2018年2月20日・21日・22日開催
ICCサミット KYOTO 2018
Session 1B
STARTUP CATAPULT
-スタートアップの登竜門-
Supported by IBM BlueHub
(プレゼンター)
緒方 憲太郎
株式会社Voicy
代表取締役 CEO
大阪大学基礎工学部卒→大阪大学経済学部卒→大阪で公認会計士→NYでコンサル→東京でベンチャー支援→株式会社Voicy設立。途中1年間で海外放浪で地球を2周し、ボストンにて医療系NPOの立ち上げ・オーケストラのマネジメント・現在2000人超えるNY若手日本人勉強会設立。日本に戻った後はNPOの立ち上げ設立や、複数のスタートアップの役員やアドバイザーに就任。2016年新しい付加価値を世の中に生み、日本を代表するプラットフォームを作るべく、音声のスタートアップVoicyを設立。多種多様な事業の音声業界参入を可能にし、多くのアライアンスを成立させる。部活のように大きな夢を目指して全力で成長するアツいメンバー募集中。
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▶「ICC FUKUOKA 2018 STARTUP CATAPULT」の配信済み記事一覧
緒方 憲太郎氏(以下、緒方) こんにちは、Voicyの緒方です。
私は、全てのモノにインターネットが繋がるIoT(internet of things:モノのインターネット)の時代が来る時、その主役は「音声」になると思っています。
そのように音声が中心になる生活の中で、インフラと新しい音声体験を作り、それを再構築するのが私たち、株式会社Voicyです。
音声×ITで社会を変え、声の魅力を再定義する
Voicyでは、これまで音声放送に必要だった準備や機能をできる限り簡素化し、発信者が手軽に音声を発信できる仕組みを作りました。
また、インターネットに繋がった様々なデバイスを通じてリスナーに音声を届けられる仕組みを作りました。
私たちは、独自のプラットフォームをベースに、2つの事業を展開しています。
1つは、音声をどこでも簡単に配信できる「Voicyプラットフォーム」、そしてもう1つが、そのプラットフォームを利用した「ボイスメディア Voicy」です。
Voicyプラットフォームにより“音声×IT”で社会を変えるインフラを作り、ボイスメディアVoicyで人の声に新しい価値を生むことで、声の魅力を再定義しています。
「声」に秘められた3つのポテンシャル
Voicyは、「声」の持つポテンシャルに気づいた私たちが2016年9月に立ち上げました。
私たちは声に対して3つポテンシャルを感じています。
それは、“好き”に刺さる、身近に感じる、生活に染み込む、というものです。
今まで、Voicyのような声だけに特化したサービスはなかったと考えています。
そのため立ち上げた当時は、
「声なんて事業にならない」
「活字のほうが楽に読める」
「動画のほうがおもしろくなる」
「Podcastと何が違うのか?」……
と言われ、かなり苦しい時代を過ごしました。
しかし、新しい価値や文化を作ることはなかなか理解されないものだと信じ、次々と事業を作ってきました。
スマートスピーカーの普及で音声の時代が到来
事業には様々なスタイルがありますが、私は、人々のペイン(痛み)を解消するのではなく、新しい文化を畑から耕し、その価値を認知させ、それがいつの間にかなくてはならないサービスになる、ということに憧れています。
そこで、新しい文化を生み出してきたmixi、Twitter、Facebook、クックパッド等のサービスについて研究し、勉強を重ねました。
研究をする中で、テレビがYouTubeに代わり、本がブログに代わることで、メディアが大衆化し、多くの人が自由に情報の発信・受信をできるようになったことが分かりました。
私たちは、これらの流れと同じように、声に近いメディアであるラジオを大衆化することによって、新しい声の文化を作ることができるのでは、と思うようになりました。
さらに音声メディアの大衆化のためには、YouTubeやブログに当たる“ソフト”の部分を普及させる前に、まずは“ハード”としての放送インフラを構築する必要があると考えました。
そこで、テレビ網やラジオ網のように、ネット時代の新しい音声放送のインフラである“Voicy網”を作りました。
そしてこのVoicy網を作るうちに、音声の時代がやってきました。
家の中ではスマートスピーカーが、外ではワイヤレスイヤホンが活躍し、人々が音声に触れる時間と機会が、格段に増えてきたのです。
そのような中で、私たちは考えました。
「スマートスピーカーが普及して、世間の人は何を楽しむのだろうか?」
天気予報を聴くのでしょうか。
それとも、部屋の電気をつけたり消したりするのでしょうか。
私たちは、この音声の時代にこそ「刺さるコンテンツ」が必要だと考えました。
そうして生まれたのが、ボイスメディアとしてのVoicyです。
月間アクティブユーザー数(MAU)は1ヵ月で40倍に
音声コンテンツが自由に生まれて、とにかく簡単に発信できるようにすることで、様々なジャンルの発信者が参入するようになります。
受信するコンテンツのBGMを(発信者ではなく)リスナー自身が設定できるようにしたことも、発信者の負担を減らすためです。
さらに、音声を小分けにすることによって、リスナーが生活の中のどんなシーンでも手軽に聴けるようにしました。
また、気軽に発信できるマインドを醸成するために「Voicyは声のブログです」と伝えるように心がけました。
その結果、火が付き、人の声を届ける「声のブログ」として非常に話題になりました。
声の価値は発信者にも受信者にも認識され、多くのユーザーが参入しました。
この写真はユーザーが急増した日の夜の社内ですが、ほとんど皆眠らずに作業をしていました。
宣伝をしていないにもかかわらず、それまで5,000程度だったMAU(月間アクティブユーザー数)は1ヵ月で40倍ほどに急上昇しました。
また、ニュースアプリの中でも17位(※)に上がってきており、レビューもかなり好評です。
▶編集注:当プレゼンテーションは、2018年2月に開催されたICC FUKUOKA 2018で行われました。2018年6月現在、Voicyのアプリランキング(ニュースアプリ)は最高8位を記録しています。(上画像参照)
Twitterでも話題になり、昨日も「Voicy」と「声のブログ」というワードがトレンド入りしていました。
さらに、Voicyのおすすめチャンネル(番組)を紹介するブログやホームページも出てきており、プラットフォームを作ることで、その上に新しいサービスが生まれてくることを実感しています。
今回、ユーザーが大量流入したのは、既存の音声放送の業界からユーザーが流入しているのではありません。
動画ユーザーがVoicyの「手軽さ」や「ながら視聴」に魅力を感じたこと、ブログに親しんだ読者が、ブログのような温かさや人間味を求めたことが、想定以上のムーブメントに繋がったのだと考えています。
Voicyで実証できた音声メディアの価値
今回の盛り上がりによって、音声メディアの新しい価値を検証することができました。
私たちのTwitterアカウントには、「声を聴いていたらその人のことをもっと好きになった」、「そばで話しかけられるような体験だった」、「新しい習慣になった」、というような声が届いています。
私たちが立ち上げの時から考えていた、
「“好き”に刺さる」
「身近に感じる」
「生活に染み込む」
という声のポテンシャルを証明することができました。
また、多くのサービスが可処分時間の取り合いをしている昨今、音声は他の作業をしながら受動的に聴くことができるため、多くの可処分時間を作ることができました。
さらに、新しい文化が生まれ始めているということをひしひしと感じています。
Voicyのコンテンツの特徴を動画メディアで例えると、個人発信の要素が強い大衆的な「YouTube」と、企業発信の要素が強い「Netflix」の良いところを、両者あわせ持った特徴をもっていると感じています。
はあちゅうさん、イケダハヤトさん、本島彩帆里さん、家入一真さん、塩谷舞さんをはじめ、多くのインフルエンサーが自発的にVoicyに参加し、ブログとも動画とも違う“オフ”の顔を見せ、新たな魅力を発信しています。
出所:Voicy
企業の音声事業参入を企画からサポート
では、今後はどのようにして音声の世界で収益化していくかをお話ししたいと思います。
まずVoicyは、ビジネスアカウントを有料化しています。
そして、音声コンテンツを作る企画の段階から、リスナーに配信・提供するところまでの全てをサポートしています。
また、IoT機器上で独自の音声放送を発信したい企業に対して、プラットフォームの貸し出しを行っています。
現在、Google社のスマートスピーカー「Google Home」の企業パートナーとなっており、Google Homeが提供していているニュースの14件中4件は私たちが作成し、Voicyプラットフォームから配信されています。
Amazon社の「Amazon Alexa」にも対応していて、コンテンツをアップロードするだけで、様々な端末から音声を出すことができます。
スマートスピーカーの今後の売上予測から見ても、音声コンテンツを配信したい企業は今後も増えていくと考えています。
実際に多くの企業が音声放送に興味を持ち始めており、今まで音声放送と縁が遠かった企業でも、新しい音声体験の提供を模索し、発信することができます。
Voice Tech企業として、音声で彩られる新しい社会を
Voicyのコアバリューは、私たちが「Voice Tech」企業であるということです。
現在、リスナーの聴取データを集めて、様々な解析に取り組んでいます。
徐々に音声独自のパーソナライゼーションができるようになってきており、今後、リスナーに最適な音声を届けることができるようになります。
この技術は将来、「音声広告」を出すときにも生かすことができると考えています。
Voicyのプラットフォームは様々なIoT機器と繋がり、生活に応じた音声配信を可能にします。
最終的には、パーソナライゼーションと音声のIoTプラットフォームによって、ユーザーが自然に生活しているだけでその人にぴったりの心地よい音声が届く――
そんな社会を、私たちが“Voice Tech”で作っていきます。
インターフェイスから大きく世界を変える。
次に来る時代のメディアプラットフォームを構築し、五感の1つである聴覚を総取りする。
そして私たちは、「音声で彩られる新しい社会」を創っていきます。
ありがとうございました。
(終)
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編集チーム:小林 雅/戸田 秀成/尾形 佳靖/平井 優花
【編集部コメント】
Voicyでは、これまで情報発信がブログやTwitterなどのネット上の活字(?)メディアが中心だった方の「声」が聞けるのも1つの魅力かなと思います。私はVoicyで初めてイケハヤさんの声を聞いて、こんないい声の持ち主だったとは!と驚きました。Voicyの普及と発展とともに「声」の良さが再認識されるとよいですね!(尾形)
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