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seakは、農業フランチャイズモデル「LEAP」で“初期費用ゼロ・所得保証”の新規就農支援を実現する!(ICC FUKUOKA 2019)【文字起こし版】

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ICCサミット FUKUOKA 2019 CRAFTED カタパルトに登壇いただいた、seak 栗田紘さんのプレゼンテーション【seakは、農業フランチャイズモデル「LEAP」で“初期費用ゼロ・所得保証”の新規就農支援を実現する!】の文字起こし記事をぜひご覧ください!

ICCサミットは「ともに学び、ともに産業を創る。」ための場です。毎回200名以上が登壇し、総勢800名以上が参加する。そして参加者同士が朝から晩まで真剣に議論し、学び合うためのエクストリーム・カンファレンスです。次回 ICCサミット KYOTO 2019は2019年9月2日〜5日 京都での開催を予定しております。参加登録は公式ページをご覧ください。

本セッションは、ICCサミット FUKUOKA 2019 プレミアム・スポンサーのLexus International Co.様にサポート頂きました。


【登壇者情報】
2019年2月19日〜21日開催
ICCサミット FUKUOKA 2019
Session 8B
CRAFTED CATAPULT
豊かなライフスタイルの実現に向けて
Sponsored by Lexus International Co.

(プレゼンター)
栗田 紘
seak株式会社
代表取締役社長
公式HP|STARTUP DB|LinkedInページ

1983年神奈川県横浜市生まれ。東京工業大学情報工学科にて計算工学を専攻。卒業後、株式会社電通にてテレビタイム業務に従事。関連会社に出向しスマートフォン事業立ち上げを行う。その後、ハードウェアベンチャーであるWHILL株式会社の創業にCOOとして参画。2014年4月seak株式会社を創業し、代表取締役に就任。個人として藤沢市認定新規就農者となり、その後法人として藤沢市初の認定を取得。農業の担い手における中心経営体として位置付けられた後、農地の確保から販路の開拓に至るまで、農業に必要な機能を全て提供する垂直統合の農業プラットフォーム「LEAP」を開発・展開。LEAPを通じて「農業のフランチャイズ化」を目指す。

「ICC FUKUOKA 2019 CRAFTED カタパルト」の配信済み記事一覧


栗田 紘氏 seak(シーク)の栗田と申します。よろしくお願いします。

私たちは「LEAP(リープ)」という農業の仕組みをつくっています。

農業というと、皆さんそもそも「儲からないし、時間もかかる」というイメージをお持ちかもしれません。

実際、新しく農業を始めた人の40%が年収100万円にも満たず、「10年間やってようやく一人前」と言われるような世界です。

既存の農業の領域では、「収益」と「時間」の課題が依然として存在しています。

未経験者として農業参入し、独自ブランドを開発

しかし、本当に解決できないものなのでしょうか?

そこで私は、実際にやってみました。

2014年に、農業未経験者として個人で農業に参入しました。

1年間の研修を経て、農地をお借りする「就農」をしました。

その時に唯一お借りできた土地は、農地と言うよりも、まさに「森」のような耕作放棄地でした。

それでも「ここしかない」ということで、自力で伐採、伐根と奮闘しました。

更地にし、造成をしました。

ビニールハウスも自ら建設しました。

そして幾度となく、栽培の失敗を繰り返しました。

しかし研修から5年、就農から4年を経て、今ようやくここまで栽培を進化させることができました。

現在、「ゆる野菜」という独自ブランドで明治屋、九州屋、コープといった販売先様にお取り扱いいただいています。

展開しているのは、トマト2種類、キュウリ、ズッキーニ、イチゴの5品目です。

自身の試行錯誤のプロセスをパッケージ化した「LEAP」

私はこのように、森のような農地の開拓からしかるべき販売先様にお取り扱いいただけるようになるまでに、様々な試行錯誤のプロセスを経験しました。

そして、農業における時間と収益の2つの課題を解決するために、このプロセスを1つのパッケージとして再構築し、それを新しく農業を始める人(ファーマー)に提供していきたい、そう思うようになりました。

そしてそのパッケージを「LEAP(リープ)」と名付けました。

LEAPでは、ファーマーに対し、3つのモノと1つのサービスを提供していきます。

マテリアル、ハウス、システム、そしてワンストップの農業参入サポートサービスです。

以下、順番にご説明します。

①LEAPマテリアル:“三種の神器”を自社で生産・調達、提供

まず、マテリアルです。

「苗」「土の袋」「肥料」、これらの“三種の神器”をすべて自社で生産・調達して、ファーマーに提供していきます。

苗については、自動制御ができ、かつ無農薬で育てることができる閉鎖型の施設「苗テラス」を自社で開発し、一般比15%のコスト減を可能にしました。

かつ、ハウスのすぐ隣にテラスを設置しそこから苗を供給することで、苗の品質、ひいては栽培の品質を担保することができるようにしました。

またLEAPでは、畑の土を一切使いません。

独自の土を袋に入れて、そこに苗を植えるという「袋栽培」という形をとっています。

この土も、自社のソイルプラントで製造し、使い終わった土を再利用して、40%のコスト減を可能にしました。

この袋栽培で、さらに栽培の発展性を担保していきます。

②LEAPハウス:低コスト・高性能に最適化された独自仕様

そして、これらのマテリアルを使う「ハウス」についても、そのコストの性能と最適なバランスを自社の仕様で設計し、実際に施行まで行っています。

標準的な面積は、3,000平米と設定しています。

特に、最も重要な水の管理については、袋栽培に最適化されたセンサーを開発して自動化しています。

これにより、誰でも簡単に、 水の管理を最適化することが可能です。

このセンサーの開発は墨田区の先進的な町工場である、浜野製作所さんにサポートを頂き、量産に向けて連携をして動いています。

③LEAPシステム:100種類以上の栽培データを統合・分析

以上のマテリアル、ハウス、そしてそれを使うファーマーさんから上がってくるすべてのデータを統合して分析するのが「LEAPシステム」です。

これにより、ファーマーさんに対して遠隔かつリアルタイムにサポート・アドバイスができるようになっています。

栽培の分析画面は、数値と写真が同時に確認できるようになっているので、ハウスの中、ハウス間をまたがって比較・横断分析することができます。

これら全てが揃うのは農業先進国であるオランダのシステムにもない特徴になっており、これによって、苗のより正確な診断、分析が可能です。

LEAPでは、すでに100種類以上のデータを統合して分析をすることが可能です。

そして、どのデータをどのタイミングでどのように分析するのかというロジックを最適化しています。

そこに、にLEAPの一番の競争優位性があると考えています。

④ワンストップ参入サポート:必要なオプションを自由に選択可能

農業参入にはあらゆるステップが必要で、販路開拓、出荷、ハウスのメンテナンス、すべてをワンストップでサポートするサービスを提供していきます。

これにより、誰でも・簡単に・0日で農業に参入できるという形です。

サポートメニューは基本プランとオプションとに分かれており、オプションについては、ファーマーが必要に応じて自由に選択ができるという仕組みです。

独自のファイナンスメニューで「初期費用・負債ゼロ」「所得保証」を実現

3,000平米の基本面積を物理的に立ち上げるには、減価償却費で425万円、運転資金で1,600万円と、正直、大きな金額がかかってしまいます。

それをLEAPでは、ファーマーとして必要な初期費用一切を0円にしていきます。

金融機関と正式に連携することで、LEAP独自のリースを母体としたファイナンスメニューを構築していきます。

栽培のボラタリティ(価格変動性)が低いモデル用に、ファーマーにとって初期費用、負債が不要で、かつ低利率の独自のメニューを用意・斡旋していきます。

そしてもう1つ、初期費用/負債 0円の他に、「所得を保証する制度」も導入していきます。

次のスライドは、3,000平米のハウスで、中玉トマトを1年間育てたときの、ファーマーの年間経営指標を表しています。

三段目の「農業所得」がいわゆる年間の手取りの額面になっており、振れ幅がかなり大きいことが分かるかと思います。

その振れ幅が大きかったとしても、どんなに収穫量や販売高が下ブレしても、月額23万円相当を営業利益所得としてファーマーに保証するという形をとっていきます。

アップサイドは、ご覧の通り年収1,000万円を超えるという形です。

また、必要なコストは、売り上げから天引きをします。

なぜ、最低保証ができるのか?

これまで4年間にわたり、自社の栽培区画で研究開発をする中で、農地、施設、栽培、販売、これらのすべてを垂直統合で価値定義をすることにより、栽培のボラタリティを最大限排除してまいりました。

そして実際に、栽培担当者に所得を保証する形で収益の実証を積み上げきたというファクトがベースにあるからこそ、実現できるのです。

この仕組みを持つLEAPにより「収益の価値」と「時間の価値」を提供することによって、先程の2つの課題を解決していきます。

LEAPによる新たな農業形態「AaaS」を日本から世界へ!

この2つの価値を持つLEAPを、我々は「AaaS(アース)」と呼びたいと思っています。

AaaSとは、“Agriculture as a Service”の略です。

初期費用不要なだけではなく、必要な機能を必要な分だけ、一定の料金体系でサービスとして利用できるという、全く新しい農業の形態です。

LEAPのはじめるには、申し込みをして、相互に納得がいくまでしっかりと面談をし、スタートする、これだけのシンプルな3ステップとなります。

2019年秋から、いよいよ一般公開に向けて動いていきたいと思っています。

今までは、すべて自社の栽培区画での研究開発フェーズで、ファーマー数は、2のn乗で増えてきました。

今後の一般公開を経て、次のフェーズに向けて1年後、2年後と加速度的にファーマー数を増やしていきたいと考えています。

アジアの農業生産の市場は100兆円もの規模があり、日本国内だけではなく、アジアへ向けて我々の技術基盤を輸出していきたいと考えています。

より一層の技術開発とスケールを目指していくため、まさにこれから全力で資金調達のラウンドに向けて取り組もうとしているところです。

ご協力いただける方、ぜひともご相談させていただきたく思います。

LEAPの経営は、農学博士号を取得しているタジキスタン出身の栽培技術責任者、高島屋のバイヤー出身の販路開拓担当、HR領域30年のCHRO(最高人事責任者)など、それぞれに深い専門性を持った強いチームで運営しています。

新しい農業の形態「AaaS」を体現するLEAPを、ぜひよろしくお願いします。

ありがとうございました。

(終)

実際のプレゼンテーション動画もぜひご覧ください!

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編集チーム:小林 雅/尾形 佳靖/戸田 秀成/蒲生 喜子

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